医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

論文のねつ造とは

2012年03月22日 | 雑感
最近、論文のねつ造のニュースがテレビなどで報道されていますが、論文のねつ造とはどういうことか、具体的に考えてみたいと思います。

上の左図は
Remnant lipoprotein-induced smooth muscle cell proliferation involves epidermal growth factor receptor transactivation
Circilation 2003;108:2679.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14623816に掲載されたものですが、ここの部分の説明は”Phosphorylated ERK1/2 increased after treatment with RLPs.”すなわち、ERK1/2が増加したというもので、下に240分までの時間経過が示されています。

真ん中の図は
Apolipoprotein CIII induces monocyte chemoattractant protein-1 and interleukin 6 expression via Toll-like receptor 2 pathway in mouse adipocytes.
Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2010;30:2242.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20829510に掲載されたものですが、”ApoCIII increased phosphorylation of extracellular signalregulated kinase-1 (ERK1) and p38.”すなわち、ApoCIIIなるものがERK1とp38を増やしたと説明されています。

右の図は
Apolipoprotein CIII links hyperlipidemia with vascular endothelial cell dysfunction
Circulation 2008;118:731.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18663085に掲載されたもので”ApoCIII induced phosphorylation of ERK and augmented insulin-induced ERK activation.”すなわち、ApoCIIIなるものがインスリンによるERKの活性を増大させたことを説明する図です。

3つの実験はまったく別のことをしているのに、図は同じです。これはちょっとおかしいのではないでしょうか。
下2編の論文は著者らによって取り下げられました。

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