医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

乳ガン患者は他のガンを発生する可能性が高い

2005年12月29日 | 
多くの乳ガン患者は発症後も良好な経過をたどっていますが、中には別のガンが発生する事があり、その確率は乳ガンがなかった人より高いことがわかりました。その程度はどれぐらいなのでしょうか。International Journal of Cancerからの報告です。
(インパクトファクター★★★☆☆、研究対象人数★★★★★)

Risk of second cancer among women with breast cancer.

調査は欧州各国、カナダ、豪州、シンガポールなど13地区で1943年から2000年の間に住民がん登録に登録された乳ガン初回診断患者525,527例を対象として二次ガンの発症につきなされました。

1990年以降の症例で長期の追跡がなされていないことなどの限界はありますが、乳ガン初回診断ののち、対側に乳ガンが再発した患者を除いたすべての二次がんの発生は31,399例(6%)で、乳ガンでない人と比較した危険率は1.25倍でした。また、二次がんの危険率は、乳ガン診断から年数を経てからの方が高くなっており、乳ガン診断年齢が高いほど低くなっていました。

部位別にみると、乳ガンでない人と比較して150例以上の増加が認められたガンとしては、胃ガン(危険率1.35倍)、結腸直腸ガン(1.22倍)、肺ガン(1.24倍)、軟部組織肉腫(2.25倍)、悪性黒色腫(1.29倍)、黒色腫以外の皮膚ガン(1.58倍)、子宮内膜ガン(1.52倍)、卵巣ガン(1.48倍)、腎ガン(1.27倍)、甲状腺ガン(1.62倍)および白血病(1.52倍)があげられました。

乳ガン発症により検査に対する意識の高まりや検査機会の増加があるため他のガンの診断率が上昇したという考え方もありますが、乳ガン治療が影響する合併症としての二次ガン発症の影響や、ガンに共通する遺伝や環境因子が存在するために二次ガンの危険が高いと考えることができると結論づけています。

今は何位かな?

コメント (1)
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