フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

八年前の大切な日

2010-06-30 21:45:21 | ハロプロ(ベリ&℃)

 「大切な日」。今は所属するグループで最年長になった女の子がそう呼ぶ日は6月30日。今日である。

 八年前の2002年6月30日。ハロー!プロジェクトキッズオーディションの合格者が発表された。最終選考に残っていた15人。その15人が合格した。
 その模様を伝えるハロモニを見たヲタ達がたちまち叫び始める。
 「15人も子供を採ってどうするんだ?」
 しかも、タイミングが悪いというか何というか、ハロプロ全体の人事移動の発表が翌月行われた。ハロプロ創成期から在籍していた平家みちよがハロプロを去る事も発表された。
 キッズが加入するから人事移動が行われるのか、人事移動をするからキッズを採らなくてはならないのか。将来の事を考えれば、子供を採ってじっくりとアイドルとして育てるのは悪い話ではないのだが、ヲタはキッズ加入を歓迎しないムードになっていた。

 2002年夏のハロプロコンサート。開演前にステージに登場したキッズメンバーの自己紹介が行われたが、客席は歓迎ムードにはなっていなかった。まさかこの三年後のハロプロコンサートで、このキッズから結成されたグループがモーニング娘。と変わらない大声援を、この代々木第一体育館のステージで受ける事になるなんて、当時の状況では多くの人は想像すらしていない。

モーニング娘。ハロプロキッズ 後藤真希「がんばっちゃえ!」


 時は更に流れて今。15人いたキッズから三人がハロプロを去り、二つあるキッズ出身者によるグループは、いずれも決して順調とは言えない状況。それでもメンバーは日々を力一杯走る。
 そんな12人にスタッフからしてあげられる事は、充実した活動とステージ。人気というものは色んな活動の積み重ねで出来上がる、アイドルの通信簿みたいなものである。だからこそ、「先生」のような立場の者達の力量も問われる。

 「大切な日」の前日に、キッズ出身者によるグループのひとつ℃-uteの新曲が発表された。前作に続き今回もDVD付きバージョンは二種類。そしてタイトルに虚脱感を感じ、複雑な気持ちを抱きながら6月30日を迎えるのだった。
 現時点ではまだメンバーはブログで新曲の話題には触れていない。リーダーが深夜に更新した「大切な日」という記事が、優しく浮かび上がるのみ。

 <大切な日>
http://gree.jp/c_ute/blog/entry/464624546

コメント (4)
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イングランドの歌声響く

2010-06-30 20:37:08 | サッカー
 日本対パラグアイ戦の話は別記事で書きます。

 イングランドが「あっさり」と敗退した。誤審は気の毒だったけれど、内容的には完敗と言ってよいものでした。ドイツは上手い。改めてそう実感した試合です。試合後、スティーブン・ジェラードの悔しさを滲ませた何とも言えない表情が何とも言えず、彼を応援していた私は、不完全燃焼気味に南アフリカを去っていくイングランド代表を画面越しに寂しい気持ちで見つめるのでした。

 グループリーグの試合で、NHKのアナウンサーによる「今日もスタジアムには、イングランドサポーターによるゴッド・セイブ・ザ・クイーンの大合唱が響き渡るのでしょうか?」とアナウンスを聞きました。試合前の国歌斉唱の時の話です。
 イングランドサポーターと言えば、スタンドにこだまする大きな歌声というイメージ。それはまさに「ロックの国」に相応しい力強さに満ち溢れています。

 1960年代のビートルズ、ローリングストーンズ。1970年代のディープ・パープルやレッド・ツェッペリンなどのハードロック。1980年代のパンクやニューウェーブ。ブリティッシュロックは世界をリードしてきました。英国のロックミュージシャンの多く、いやほとんどが、イングランドにひいきチームがあります。マンチェスター出身のオアシスのギャラガー兄弟みたく、好きが高じてマンチェスターシティの株主になったミュージシャンまでいます。マンチェスターシティは、アルゼンチン代表テベスやパラグアイ代表サンタ・クルスの所属するチームです。
 こんな話もあります。ビートルズのベスト盤、通称赤盤と青盤と言われている作品。赤盤は初期~中期、青盤は中期~後期の作品が収められているのですが、この赤と青という色はビートルズのメンバーの出身地であるリバプールの街のチーム、リバプールFC(赤)とエバートンFC(青)から来ているという話があるのです。
 私が以前にトヨタカップ(クラブの欧州王者と南米王者が対決する大会。日本の国立競技場で毎年開催されていた)を観に行った時、優勝したレアルマドリードの表彰式のバックに流れていたのは、クイーンの「ウイ・アー・ザ・チャンピオンズ」でした。ブリティッシュロックとサッカーはやはり似合います。

 そんなブリティッシュロックの国のサポーターが奏でる応援スタイルは、大音量で響く歌声。雨の多いイングランドは、二部や三部のリーグのチームのスタジアムにさえスタンドには屋根が架かっています。その屋根に歌声が響き渡ります。ギネスブックに「スポーツにおける世界一ボリュームの高い応援」としてリバプールFCのサポーターの声援が認定されているように、イングランドのサポーターは大声で歌う。ひたすら歌う。
 面白いのは、日本みたく誰かがリードをとって、それに合わせて歌う訳ではなく、スタンドの観客の誰かが歌い始めて、周りが「今その歌を歌うタイミングだよな」と同調すれば大合唱になり、「今その歌は違うだろ」となれば沈黙になる。そういうセッションが90分間行われているという事。
 ハロプロの観客が行なうコールにも通じるような、コールリーダーがいない自由空間がイングランドの応援スタイルなのです。

 ワールドカップにやってくるイングランドサポーターは、イングランドの旗である白地に赤い十字の「セント・ジョージ」の旗に、自分の応援するクラブの名前を入れてスタンドに掲げています。こんな事をしている国は珍しいので、画面に映るとついつい読んでしまいますが、有名なクラブ、たとえば「マンチェスターユナイテッド」や「アーセナル」や「チェルシー」や「リバプール」などは見かけず、聞いた事のないようなクラブ名が目立ちます。二部や三部のクラブかもしれません。
 彼らにとってW杯は、日頃のホームスタジアムの何倍もの大観衆と、比較にならないほどのテレビ視聴者の舞台。そこに「愛するクラブ」の名前を示す事により、「我々だってイングランドのサポーターである」というアイデンティティーを誇示する場所なのかもしれないと思うと同時に、サポーターにとってのワールドカップという夢の舞台は、マイナーミュージシャンがアリーナやスタジアムクラスのステージに立つようなものであるのかもしれないとも思うのでした。

 サポーターは12番目の選手であると同時に、オンリーワンなミュージシャンなのではないか?イングランドサポーターを見ているといつもそう思います。
コメント (2)
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