フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

primal.

2013-05-27 23:37:00 | アイドル etc

 アンコールを前にして、昼の部の公演をもってグループを去る事になるテラシマユフさんに対して客席からは「ゆっふぃーコール」が起こった。決して広いとは言えないライブハウスに低い声が響き渡る。
 声はやがて歌声に変わっていく。アンコール前に歌っていたナンバー「primal.」を観客が口ずさんでいるのだ。その儚くも力強いメロディは別れへのレクイエムに聞こえた。

 毎週のように、或いは毎日のように、どこかのアイドルが辞めていく情報が流れてくる。アイドル戦国時代という飽和現象は誰にでもチャンスを与えられる緩さと、呆気なくやってくる別れを生み出している。
 BiSの場合は今までも今回もちょっと理由が複雑だから、それらのインディーズシーンの現状はそのまま当てはまらないけれど、2年ちょっとの活動で4人のメンバーが去っていったという履歴がグループに残った。
 アイドルが人間の心を持っているという事に我々はもう少しナイーブであるならば、今までにもっと救えた人もいたのではないかとは思うけれど、結局は辞めるという決断については他者には止める事は出来ないのだろう。

 「primal.」というナンバーは以前に、ネット発のアレコレが発端となって最終的にグループを去ったメンバーにとっての、結果的なラストシングルであった。持ち歌をメンバーが作詞しているケースもあるBiSだから、このナンバーもメンバー作詞である。何故、「透明な心を白で汚した」のか。世のアイドルがアイドルの形を作るためには様々なものを犠牲にしている事はわかっているつもりだけれど。わかっているつもりなだけであって、ファンはアイドルそのものではない。繰り返す思い出は振り向かずに駆け抜けると、アイドルは力強くも繊細に叫ぶのが痛々しい。

 東京で活動しているある地下アイドルの話。その子はアイドル音楽が大好きで、歌が好きだからアイドルになったのだという。ここまではよくある話だ。多くの地下アイドルはそうだろうとも思う。そのアイドルもAKBやハロプロに憧れているのだろう。私はそう思った。
 しかし、答えは違った。そのアイドルはBiSのファンだったのだ。BiSの音楽が大好きなのだそうだ。

 アイドルは時間を削り、心身を削り、そういう日々の中で生きている。有名無名問わず地下アイドルでも、いや地下アイドルだからこそ、その子はわかっているのだと思う。これは直接聞いた訳ではなく、人づたい聞いた話だけれど、「BiSが好き」という言葉に私はたくさん頷いた。

 primal. - BiS MV

 このMVは表現にYou Tube的な規制がかかり、見るためには年齢確認という名のアカウント確認、つまりGoogleアカウントを求められるが、様々な本質をいくらかオブラートに包みながら、わかりやすい部分のほうは直接的な演出で表現している。でも、これが女の子なのであり、女性アイドルなのだと言ってしまうのは荒れ球で直球過ぎるだろうか。

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背負うものがなくなった時に

2013-05-25 23:09:13 | ハロプロ(娘。)

 確か以前に発売された別冊宝島のモーニング娘。本に掲載されていた「I WISH」のレビューでライターさんが書いていた言葉だったと記憶するけど、本当に「人生って素晴らしい」時には改まって「人生って素晴らしい」と考えたりはしないもの。幸せの絶頂にいる人間が本当に幸せだったと感じる事が出来るのは、それが過去形になった時であります。

 恵まれている時にどう振る舞うかで人は己の価値を決定づける訳で、ワガママが許される時に立場に甘えてワガママ三昧だと、自分が落ちてくきた時に手を差し伸べてくれる人がいなくなってしまう。
 モーニング娘。は確かにかつて国民的アイドルだった。その看板は大きい。大切な事はその看板を背負わなくなった時に、どう自分を見つめて現実と対峙できるか。

 元モーニング娘。な人ってバラエティタレントになった人が多く、歌手を本業にしている人が少ない。れいなは歌手でやっていく事を決意したからには、ぜひとも歌で成功して欲しい。バラエティ番組やワイドショーに出る事がモーニング娘。の目標だなんて、ほとんどのメンバーは思っていないたろうから、良き先例となってほしい。

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Berryz工房 日本武道館公演決定

2013-05-20 23:22:49 | ハロプロ(ベリ)

 Berryz工房の日本武道館公演が決まりました。℃-uteがコンサートを行なう事が決まってから、Berryz工房もキャプテンや雅ちゃんを始めとするメンバーのアピールがあり、もはや流れは「開催」に向かっていたとはいえ、この決定は素直に嬉しい。強いて言えば、来年の3月の十周年に合わせての開催でも良かったかもしれないという事くらい。でも、そこにはもっと大きなものが用意されているのかもしれないと期待しておきます。

 私はハロプロが大きい会場でコンサートを行なう事は賛成です。アイドルたる者、話題を提供していく事は大事。その意味でも大会場でのコンサートはニュース性はそれなりにあると思います。
 しかし、武道館公演というものがステイタスとしてとの程度なものなのかは現在は難しいところで、昨年末に東京女子流が2階席のサイドなどを閉鎖して開催したように、開催すること自体はお金があれば出来ること。そこで、ヲタはこのコンサート開催が持つ意味や、物語などを求めて、あれやこれやと語る事になる訳です。
 それにしても、このBerryz工房武道館公演はそういうサイドストーリーは必要なのだろうか?と私は首をひねっています。℃-uteの場合は、その成り上がり物語はヲタの心を躍らせるためにも必要だったと思うし、五年前に埋められなかったパシフィコ横浜大ホールに再び帰ってきたというドラマを挟んでの武道館、しかもそのパシフィコ横浜を完売させての武道館という流れもあった。ヲタが物語を語れる余地を作り手が用意してくれていたわけです。それに対してBerryz工房はそういう経緯はなく、まだ秋ツアーの詳細もわからないまま、「11月29日、いいつんくの日」に開催を発表した。つまり、開催に向けての方向性が違う。

 ドラマとしての対立構造を好む人にとって℃-uteと比べたくなるのはわかるけれど、このBerryz工房の武道館公演はドラマなんて要らない、純粋に9年以上メンバーが積み重ねてきた確かさを味わい、それを理屈抜きに楽しむ宴なのだと私は思っています。
 例えるならば、℃-uteの武道館はメンバーの涙があるだろうし、それが絵になる舞台だとすれば、Berryz工房の武道館は涙ではなくメンバーの最高の笑顔を観に行く舞台だと思います。これは最高に楽しみではないですか。早く来い来い、いいつんくの日。

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ステージを楽しむ心に気づいたあの頃

2013-05-19 19:20:25 | ハロプロ(娘。)

おとめ組 サマーナイトタウン BE ALL RIGHT!


 2003年秋から2004年春にかけてモーニング娘。は二つに分かれてツアーを行なった。当時のモーニング娘。は大会場でコンサートを行なっていたので客席からはメンバーがよく見えないという難点があったのだけれど、このツアーは2000人~1500人クラスのホールを中心に回るものだったのでメンバーの課をよく見る事が出来るものとして好評を博した。特に「モーニング娘。おとめ組」の公演はステージも客席も熱いものとなり、その評判でリピーターも多かった。

 その「おとめ組」の中でグループ最年少だった田中れいなはかなり輝いていた。彼女のステージでの表情はそれまではアリーナ席前方にいるごく一部の人しか知らないものであったけれど、ホールで公演が行なわれる事でその魅力に気づいた人が増加した。彼女はステージで歌う事が楽しくて仕方がないのだという笑顔を浮かべ、体全体を使って客席を煽っていた。
 そのライブ感はアリーナ公演ではなく、ホール公演によって活き、やがてモーニング娘。自体が人気の低下によってホールツアーが当たり前になる事で、れいなのように客席と一緒にノリ、楽しむというスタイルが構築されていく。それまで大きな会場ではどこかパターン化されているように見えたモーニング娘。コンサートにアドリブ要素が増えて、それを楽しむために昼夜観たり、地方に遠征したりするヲタが増えたのもその時期から。

 時は流れて、モーニング娘。はまた大会場で公演出来るようになった。アリーナツアーとまではいかないけれど、節目で大きい会場で開催出来るようになった。大きい会場で歌う時でもメンバーはホールで歌う時と同じように楽しんでいる。「コンサートはメンバー自身がまず楽しむ事が大切」という考え方がスタートした場所「おとめ組」にれいながいて、れいながそれを実践していた事は今に思えば大きな功績とも言えるし、その考え方はグループにとって財産にもなった。勿論、それはれいな一人だけの功績ではないけれど、最年少メンバーでありながらその思想を引っ張っていたあの頃のれいなには改めて拍手を贈りたい今日この頃なのです。

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すべてのアイドルはシャボン玉

2013-05-17 22:20:06 | ハロプロ(娘。)

モーニング娘。『シャボン玉』 ~ボン キュ!ボン キュ! BOMB~ 2007秋


 れいながモーニング娘。に加入してすぐにいきなり新曲の歌いだしを任された時は驚いたけれど、不思議と違和感はなかった。「モーニング娘。でセンターになって活躍したい」と新人当時から言っていたれいなだから、この大抜擢もサクセスストーリーの序章に過ぎないと無意識のうちに思っていたかもしれない。
 その新曲「シャボン玉」は歌いだしでれいなと愛ちゃんがおいしい所を貰い、当時娘。に於いてセンター的存在であった石川梨華ちゃんはセリフで飛び道具扱い。曲中にはミキティも結構活躍しており、その後の吉澤ひとみリーダー時代の雛形を思わせる曲とも言える。そんなこの曲のテレビ初披露は長年モーニング娘。を引っ張ってきたなっちが、中学校時代の恩師の思い出を語りご対面するという番組の中での披露だった。そのなっちが全然目立っていない事も合わせ、この曲がモーニング娘。にとってターニングポイントになり、つまりが「国民的アイドルからヲタのアイドル」に転換していくタイミングでもあったのだと思えます。

 メンバーを入れ替えていくシステムでありながら、その後随分長くシングルの歌の主役は「愛れいな」という時代が続いた。アイドルというジャンルは吹けば割れるシャボン玉のごとく新陳代謝の早いジャンルで、それはヲタの移り気も併発し、娘。ヲタもグループ内推し変をしていく事は別に珍しくないという流れがある。それでありながら、愛ちゃんとれいなが歌で前面で目立ち続けて来られたのも歌の部分の説得力であり、その部分は決してシャボン玉ではなかったという事。
 月日は流れて愛ちゃんはモーニング娘。を卒業し、もうすぐれいなも卒業する。これからのモーニング娘。の歌の面での主役はシャボン玉なのだろうか?なんて事が気になってしまうところ。ただ真ん中で抜擢されて歌えばいいわけではなく、説得力ある歌を響かせられる事を新人時代から実践してきたのがれいなだった、と改めて思います。

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もういくつ寝るとTIF2013

2013-05-15 20:25:16 | アイドル etc

 今年もTIFの出演者発表の季節がやってきました。先月発表されていた7組は以下の通りでしたが、昨日出演者発表第二弾がありました。

■アイドリング!!!■AeLL.■さくら学院
■THE ポッシボー■東京女子流■Negicco■バニラビーンズ

昨日発表された46組
■アイドルカレッジ■アップアップガールズ(仮)■ウェザーガールズ
■S★スパイシー1■ALLOVER■小川真奈
■乙女新党■おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!■KAGAJO☆4S
■超アニメ系微少女ユニット KiraLyraHeart■くりかまき
■後藤まりこ■桜木せいら■さんみゅ ■JK21
■SUPER☆GiRLS■Span Girl■セクシーオールシスターズ
■多国籍軍■Dancing Dolls■Cheeky Parede
■TAKE OFF■テレパシー■TOKYO CHEER2 PARTY
■Doll☆Elements■Dream5■Dorothy Little Happy
■ナイスガールトレイニー■NA-NA■ねがいごと
■PASSPO☆■POWER SPOT■bump.y■BiS
■palet■PPP! PiXiON■風男塾■フルーティー
■predia■ベイビーレイズ■BELLRING少女ハート
■放課後プリンセス■みにちあ☆ベアーズ■Lucky Color's
■愛乙女★DOLL■リンクス

 まだ地方組で発表されていないところが多いので今年の傾向を語るにはまだ早いですが、この顔ぶれを見ていると初出場が結構いて楽しみであります。
 このブログでも実力派として紹介した「Dancing Dolls」、「Dream5」。出て欲しいけれど出るかどうかは何とも言えないなと思っていただけに嬉しいです。このイベントの主催であるアイドリング!!!運営とエイベックスが元々音楽面で関係が深い事も理由でしょうか。TIFの中身の幅を広いものにするためにも必要な人達だと思います。
 楽曲的注目度で私も気になっている存在である(ステージは観た事があります)「BELLRING少女ハート」の名前を見つけた時にはやはり来たか!という思いでしたが、リンドバーグのカバーで東京地下界で話題になっている(?)「テレパシー」の出場は嬉しい。ちなみに、テレパシーがカバーした「今すぐkiss me」のCDはリンドバーグのギター平川達也さんがギターソロで参加、コーラスにはボーカルの渡瀬マキさんが参加しているというからカバーとしても本格的であります。
~テレパシーの池袋サンシャイン噴水広場イベント記事~
http://okmusic.jp/#!/news/21389

 バンドといえば、元ミドリ(メロン記念日に曲提供をした事もある)の後藤まりこさんが出場する事には驚きました。アイドル音楽の魅力はクロスオーバーなところにあると思っている私は、この決定こそがアイドルフェスならではの真髄とも感じました。ご自身がアイドルという事場に肯定的で前向きであれば、どんな肩書きを持っていようとアイドル音楽としてのステージに立てるというのが良いではないですか。アイドルステージに権威主義は要らないのです。後藤まりこさんがどんなステージを見せてくれるか楽しみです。

 私が昨年末にPOWER SPOTのワンマンライブを観に行った時の事、ライブの終盤でリーダーが今後の目標を神妙な面持ちで語りました。それは「来年こそはTIFに出る!」というものでした。日頃、数十人から多くても数百人の観客でライブ(それも多くはワンマンではなく対バンで)をやっているアイドルにとっては、自分達のファンだけでなく他のアイドルのファンの人達にも観てもらえるTIFというアイドルの祭典は、晴れの舞台であり大きな目標なのです。
 東京では毎日いろんなライブハウスでアイドルが対バンを行ない、地方でもアイドルが週末に毎週ライブをあちこちでやっている時代だからこそ、その集大成とも言える舞台はひとつの到達点になる。東京や大阪で活動している地下アイドル、地方で活動しているアイドル、みんないつもより大きなステージ、多い観客の前で歌えるTIFに出られる事を励みにしているのだなと思います。
 昨年も初出場組のステージをいくつか観る機会がありました。アイドルも観客も晴れの舞台を噛み締めながらステージに臨んでいる事が伝わってきました。そういう一体感はまさに初出場組ならではであり、今年も見られるのでありましょう。

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MVレボリューション2013

2013-05-11 19:28:22 | ハロプロ(娘。)

モーニング娘。 『ブレインストーミング』(Morning Musume。[Brainstorming]) (MV)


 売れるという事はわかりやすさが大切で、いわゆるプラチナ期ってそこが曖昧だったのだと思う。ちょっとアイドルに興味を持っている人が抱いているモーニング娘。のイメージと少しズレがあって、それが扉を重くしていたのだと今は思う。扉の中の人間は、とても魅力的で面白いものをやっているとモーニング娘。を評価して楽しんでいたのだけれど。
 少しズレがあってもそれを続けていく事で、ちょっとアイドルに興味がある人、言い換えれば「アイドルに偏見のない人」はモーニング娘。の今のやり方を認知し始めたのだろう。細かいことはともかく、方向はプラチナ期と大きく変わる事はないのに、今のモーニング娘。はアイドル界の時代の波に乗り始めている。コンサートもライブビューイングもチケットの売れ行き好調だ。継続は力なり。

 ただ、継続する事の素晴らしさは、あくまで音楽スタイルの部分であって欲しい。MVの作りはいい加減マンネリ感が酷く、音を消して遠めから映像を見てもモーニング娘。だ!とわかる「毎度おなじみ」な映像クオリティ。予算がない事は理由にはならないのは、他のアイドルのMVを見れば一目瞭然。アイデアをフル回転してメンバーの魅力を発信してほしい。
 ただ、48系みたいなものは求めていない。あれは有名なクリエイターを使って短編映画を作っているようなもので、本来のアイドルMVとは方向性が違う。

 バックでチカチカ光る照明とか小道具。キメ顔で上目遣いをするアップシーン。最近のシングルMVはどれもやっている事は大差ない。アイデアがないのなら、若く人件費のかからなそうなクリエイターに任せればいいと思う。せっかく良い流れになってきたのだから、曲作りはつんくPから動かせないとしても、映像はもう若い感性に委ねるべき!本気で願いたい。

 一度、公式サイトで「どんなMVが見たいですか?」とアンケートを実施してみてはどうかなとも思う。その際には回答者には年齢性別の記載を必須とすると良いと思う。これだけエレクトロダンスミュージックを推し続けているのは、きっと若いファンを増やしたいという思惑があると予想されるので、そこをもう少し踏み込んで映像面も変えていってほしい今日この頃です。

コメント (3)
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あさひ的空間に触れる

2013-05-08 20:16:16 | ライブ!2012-2014

 ゴールデンウィークの始め4/29に新宿のタワーレコードで行なわれた田あさひちゃんのミニライブに行ってきました。
 会場は売場の片隅に設けられたスペース、柵で仕切られていて、CDを買った人がその中に入れるという流れです。私は2ndシングルの「サクラ時計 / 雨夜の月」を買って整理券をもらいました。
 ランダムで配られていた整理券番号、私の整理番号は三桁でしたが、実際開場してみると100人近くは居そうで、まあまあの賑わいです。リハーサルではしきりにマイク位置と椅子の位置を気にして、何度も直していたあさひちゃんでしたが、本番ではなかなか堂々とした歌いっぷり。
 彼女の歌う姿と言えば、体を大きく動かしながらの立ち弾きが印象的ですが、トークの中でその話題が出ました。ピアノの先生に小さなお子さんがいて、そのお子さんが机をピアノに見立てて、あさひちゃんの真似をして激しい立ち弾きをするのだそうです。それがとても可愛いとの事。子供は特徴のあるものに興味を示しますから、あさひちゃんの歌唱スタイルはそれだけわかりやすい特徴があるという事。これは胸を張っても良いエピソードだなと思う次第です。

  ミニライブは、「サクラ時計」、「雨夜の月」に、カバーとして既にあさひちゃんのレパートリーの一つになっている「桜坂」と、この日が初披露となるカバー曲「時をかける少女」を歌いました。「桜坂」は福山雅治さん、「時をかける少女」は原田知世さんと、どちらもあさひちゃんと同じ長崎出身の人のカバーであります。
 カバーでも原曲とは一味違った透明感を発揮して、自分の世界と絶妙にマッチさせていると感じましたが、今後オリジナルの持ち歌が増えても自分の歌声と合い、新鮮な表現が出来るカバー曲にはチャレンジし続けてほしいなと強く思います。それくらいカバー曲とのマッチングと、歌声の魅力の幅広さを感じたのでした。

 最後は「Rolling Days」で締めたのですが、イントロであさひちゃんが腕を上げてお客さんを煽るシーンも見られ、ただ聴かせるだけでなく、盛り上がりを作る事への意欲も見えて頼もしく思いました。これはとても良い事。

 今後もこうして、イベントを通じて少しずつレパートリーを増やしていって、やがてはワンマンライブ、アルバムと活動が軌道に乗っていく事を期待しつつ、あまり焦らずに地道に歩んでいってほしいなとも思った次第です。この爽やかでまろやかな空気と空間はいつまでも大切にしてほしいと願っております。今後もライブに足を運んでみたいと思うミニライブでした。
 

田あさひ 『サクラ時計』(ASAHI TASAKI[SAKURA(Cherry Blossom)Clock]) (MV)


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ベリーズ・セレブレイション

2013-05-05 10:17:19 | ハロプロ(ベリ)

 昨日パシフィコ横浜で行なわれたヤマダ電機のイベントにBerryz工房が出演したので観てきました。となりのフロアではNMB48、その隣ではHKT48が握手会をやっているというカオスな状況でしたが、ベリのステージは(良い意味で)平常営業。特に気負いもなく、そんなところもベリらしくて良いなと思うんですが。

Berryz工房 『アジアン セレブレイション』 (MV)


 あくまで「家電大安売り大会」に呼ばれたゲストなので、会場はヲタ以外の人も観る事が出来るわけです。なので、桃子にたくさん声援が飛んだり、「あっ、ももちだ!」という感じで会場の空気がどうしても桃子中心で動くのではないかと心配していたのです。でも、それは杞憂というものでしたね。7つの鮮烈な個性の集合体であるベリですから、みんな見せ場はあるわけですよ。それも与えられたものではなく、それぞれが自分の見せる場所とタイミングをわかっている。そういうバランス感覚の中で、いつも通り控えめな茉麻に好感を持つのでありましたが。
 途中、じゃんけん大会があったのです。整理券で入場出来て前方の座席に着席で観覧しているお客さんを対象として、メンバーとじゃんけんをして勝ち残ったらNintendo 3DSが貰えるという趣向です。その前のトークで「欲しい家電製品」に3DSを挙げていた千奈美も参加。このあたりの流れは「仕込み」かもしれないけれど、良い連携プレイですよね。
 それで、桃子がじゃんけん役になった訳ですが、いつもの調子で進行するんですよ。「皆さ~ん、最初はチョキ出しますからね。チョキですよ~」なんて言っちゃってるわけです。で、ホントにチョキを出すいう(笑)。「桃子の言う事は信用出来るか!」って感じで疑ってかかった千奈美は初戦敗退です。桃子が「10年一緒にやってきて私の事を信用してないの」と言ってましたが、10年見てきた自分も疑ってましたですハイ。

 そんな桃子なのですけど、子供が最後の方まで勝ち残ったので気をつかって大きいお友達が負けるように、先ほどの「○○出しますよ」と宣言してヲタに空気を読ませました。もう会場のみんなは桃子がウソをつかない事はわかってきていたので、桃子の機転通りの大団円になったという。でも、そんな暖かい空気になっても桃子節は忘れない。子供に「ももちの事大好き?」と無理矢理な質問。決してきれいには終わらない桃子。

 「楽曲派」な私ですから、そんな茶番、じゃなかった心暖まるハーフタイムショーだけでなく歌も楽しみました。それで、気づきましたが最近のベリ楽曲は梨沙子がカッコイイ。あの重低音ボーカルはベリの宝です。元々、梨沙子のハスキーボイスは好きでしたが、その味に円熟味が加わり、もはやベリだけでなく「ハロプロの宝」と言えましょう。低年齢化進行中のハロプロには貴重な存在な低い声であります。雅ちゃんの金属高音は変わらず健在ですから、この二人の歌声の絡みは素晴らしい。ちなみに、この日は安代亜紀さんもゲストで呼ばれていたそうで、本家(!)「味わいのある女性低音歌手」に梨沙子の歌声を聴いてもらいたかったとも思う。
 あと、キャプテンのダンスが大人になっていましたね。セクシーだ!という意味ではなくて、まわりを生かす動きになっている。やはり、グループは一人が抜けていてもだめなんですよ。今のキャプテンは表情も優しいですよね。
 でも、熊井ちゃんはやはり抜けていましたね。これは天性のものなので仕方がない事ですけど。

 セットリスト
1. アジアンセレブレイション
2. 付き合ってるのに片思い
3. ハピネス幸福歓迎
4. Cha Cha SING
5. 友達は友達なんだ
6. ゴールデンチャイナタウン(新曲)

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キラキラチューン

2013-05-03 23:45:34 | アイドル etc

 今日、横浜の山下公園で行われた「でんぱ組.inc」のフリーライブを観てきました。会場は渋谷のAXや或いはZeep系のライブハウスならば一階が埋まるくらいの集客でした。
 メンバーはほとんど二十代と言われるでんぱ組.incですが、客層としては十代と思われる人が多く、応援の中でもコールよりMIXのほうが声が出ているという現場でした。そういう雰囲気も「今時の潮流」と言えるのかもしれませんが、アイドル現場に於いて十代のファンを掴みやすい雰囲気にはどこかしら共通点があるような気がします。何か空気か違うのです。

 騒げる、騒ぎやすい空気。割とアバウトな雰囲気。そういう空気ってハロブロにもありそうで実はない。以前のスマイレージにはそのような空気は感じました。だから当時、メンバーと同年代のファンか集まってきたのだと思うのです。個人が個人の楽しみ方を出来る空間、悪く言えば応援に一体感がないとも言えるのでしょうか。でも、楽しみ方としては「まとまりがある」事が正解だとも言い切れず、見方を変えれば個人が自分なりの楽しみ方を出来るという点では応援歴の長さとか知識は重要ではなくなるので、入りやすい現場とも言えるのかもしれません。アイドル自体の活動歴が長いと応援してきた人間の妙なまとまりを生みやすく、応援歴の浅い人がとっつきにくい。そして、新参者が知らない昔が多いという事も入りにくい要因になるだろうとは思います。
 でんぱ組.incも活動自体はもう既に何年もやってきているし、昔から応援している人もいるけれど、ファン層の広がりを見せ始めたのは割と最近なので「最新系な勢い」みたいなものを嗅ぎつけて、そこに集まってくる人が増えつつあるのでしょう。コールは揃わなくても、気持ちは前のめりな観客が多かったのは応援する気持ちがまだフレッシュな証明なのかもしれない。

 でんぱ組.incの曲は自己紹介ソングもあるくらいなだけに、「等身大な私達的」な曲が多い印象です。実はこれ、アイドルソングの基本系でもあるのだけれど、同時にそういう作りは聴く側に親近感を与えるので若いファンが付くのも当然でもあると言えます。でんぱ組.incメンバーの平均年齢よりも若いファンが目立つのも、そういう楽曲の世界観が実年齢を超越して「私達とあなたたちの世界」をそこに作り上げ共有していく。それは、でんぱ組.incが秋葉原のライブカフェから生まれたグループである所以であり、だからこその距離感なのかなとも思います。これは、同じように店舗発で構築されたアイドルグループでも同じように出来る訳でもなく、作り手側も「あなたたち」に近い感覚がなくては成立せずに、「提供する側と消費する側」の心理ゲームに終わってしまうように思うのです。

 そんな感じで不思議な距離感な自由空間でメンバーの作り上げるステージは、それは一種のパントマイムのようにも感じられて、この独特な世界は今後さらに支持者を増やしていくだろうという確信めいたものを感じさせてくれたのでした。夕暮れ時のちょっとした白昼夢のような記憶をキラキラと残しながら。


でんぱ組.inc「キラキラチューン」Music Clip


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