フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

ピーナッツバタープラトニックアイドル

2017-03-02 22:21:18 | ハロプロ(カンガル)

 カントリー・ガールズは、現在ハロプロのグループの中ではシングルCDが売れないグループという事になっているらしい。「らしい」ではなく、数字ではそうなっているようなのだが、現在のCD売上というものは、ほんの一部の例外を除けば、どれだけイベントを開催したか、そこでどのくらいの人を集め、どれだけ売りつけたか。そして、そのグループに「人員」がどれだけ所属しているかで決まるような資本競争の結果をデータにしたものでしかないので、シングルCDが売れていないからと言って悲観する事でもないようではある。

 さて、カントリー・ガールズの最新シングルである「ピーナッツバタージェリーラブ」である。私はこの曲が大好きである。2017年のハロプロに、こういう曲がラインナップされている事はもっと特筆されて然るべきとも思っている。
 ハロプロの音楽のキーワードにおいて「かっこいい」がウェイトを占めるようになって久しい。私もだいぶ前にこのブログで「ハロプロはかっこいい曲を歌うべきで、同性が憧れるアイドルになるべき」なんて力説していた人間なので、そういう方向性に舵をとった事は喜ばしく思っている。しかし、人間というものはわがままである。そして、私は天邪鬼でもある。「それだけでいいのかしらん?」なんて思えてきたりするのだ。そんな勝手な想いに応えるように、実は別方向なものも用意している。さすが作り手はプロである。こぶしファクトリーのような多彩な楽曲を歌えるグループを用意したり、カントリー・ガールズのような「KAWAII」というか「かわいい」を体現化できるようなグループを送り出してくれた。さすが作り手はプロ。さすがハロプロである。

 カントリー・ガールズは一貫して「かわいい曲」を歌い続けている。ロカビリーとかやっているではないか!と言う反論もあるかと思うけれど、「かわいいロカビリー」を表現しているので問題はない。問題を感じるとしたら、ロカビリーに合わせて軽くシャウトする船木むすぅのハスキーな歌声がかわいい歌声と呼べるかどうかだけである。無論、私はそんなむすぅの歌声が可愛く思えて大好きである。
 ここまで二年活動をやってきて、曲の核となる部分が変わらずに続いて来られたグループがカントリー・ガールズである。二年もの間、音楽性は不変!なんて例は、実はハロプロとしては珍しいのではないだろうか? Juice=Juiceは割と楽曲の根底にあるものは変わっていない気もするが、他のグループは二年もやっていると変化していく。それは、グループなので、センターに立つ人間に合わせて変わっていくからだ。わかりやすい例を挙げるなら、モーニング娘。のシングルである。CDを並べてみれば理解してもらえる筈だ。
 カントリー・ガールズは誰がセンター扱いされようが、それによって変化するのは曲のジャンルだけであり、一貫して音も衣装もレトロな空気を醸し出しており、そこに「かわいい」事を忘れずに加えている。
 センターに誰が立とうとも、そこに息づく「桃子イズム」があるからであると、隠れ桃子ヲタ(このブログを長年読んでくださっている方々には、どこが隠れなんじゃい!と怒られそうであるが)の私は思うのだった。

 ずっとかわいいなんてアイドルならアタリマエ。それをやり遂げるのはアイドルの必須条件。二年くらいなら他のグループも「かわいいを維持する」は出来ている。そういうものかもしれない。しかし、曲の核、ハロプロにおいてはグループの核に繋がるこの部分が一貫して変わらない事は、とても貴重な事なのである。
 今の時代、アイドル歌手がCDを売り出すためには、いわゆる「接触」を無視するわけにはいかない時代になってきた。そもそもCDというものが売れない時代なので、CDを売るためにはヲタクに媚び、もとい、応援してくれる人達と会える機会を少しでも多くし、ファンの持つ思い入れをキープしておく事が大事になっている。そんな時代になって、もう何年も経った。これにはメジャーもマイナーも関係なく、それが今の流れというものである。
 その流れに少しくらいなら乗って見せてもいいのだが、ハロプロにもCD売上なんてものに右往左往されないグループがあっても良いのでは?と思っている。それが出来るグループとなると、メンバーの人数がそれほど多くないグループが適役である。理由は、人員が少なくてイベント増やしても数字上昇に限度がある。人数が少ないゆえに、コンセプトのキープと統一感を出しやすい。
 カントリー・ガールズは、それが出来るグループだと思っている。

 なんでこんな事(接触商売の話)なんて書いているのかというと、ファンの目を意識し過ぎる事への弊害だ。ハロプロは活動をしていくうちに、どうしても女性であることを前面に出してきた売り方、というか作り方をして曲を作ってくるからである。シングルでそういう作りこみを始めると、ステージもグラビアにも、その影響が出てくる。大人っぽい見せ方は何ら問題はないのだ(そういう見せ方をする必要がない人にはしないでもらいたいが)。問題なのは、そうする事で、そこに清楚感のようなものが薄れていく事にあるのだ。
 それをやらない事においての、わかりやすい良い例が、まさに桃子なのである。写真集で水着になろうが、何歳になろうが、桃子には下品なところが微塵もなく、清楚なのかどうかは意見が分かれると思うが、少なくてもアイドルとしての清潔感みたいな空気はずっと持ち続けていると私は思っている。
 そんなプロ意識の塊のような人がプレイングマネージャーを務めてきたグループであるカントリー・ガールズ。桃子はあと少しで卒業していってしまうけれど、これからも、この清楚感という空気を大事にして活動していってほしいと願うばかりである。



カントリー・ガールズ『ピーナッツバタージェリーラブ』(Promotion Edit)

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旅立ちを前にしたあなたへ

2017-01-31 22:14:42 | ハロプロ(カンガル)

 嗣永桃子さんという人は、どこか懐かしさを感じる人であります。郷愁めいた懐かしさとは、ちょっと違うけれど、変わらない風景みたいな優しさ。
 そこに写し出されているものは今なのだけれど、その今をデジタルではなく、フィルムで表現しているような。そんな懐かしさ。フィルムカメラやビデオフィルムをリアルタイムで経験した人でないと感じられないような形式ばったものではなく、もっとわかりやすく、誰でも実感でっきる。その懐かしさには普遍性が備わっていると感じるのであります。

 そんな事を随分と前から感じていて、でも時間の流れとともに、そんな輪郭はぼやけていってしまうのだろうと思っていました。しかし、それはぼやけるどころか、年齢を重ねるほどにコントラストがはっきりしてきました。もう揺るぎないものである。そう思えたのは、Berryz工房の活動休止前でしょうか。
 ここまで、そのコントラストがぼやける事なく年齢を重ねて来られたのだから、ずっと不変であるに違いありません。年の離れたメンバーたちと一緒にアイドルをやっていても違和感はまったくない。それが出来るのは当然なのです。



 でも、ある時ふと思った。いくらここまで懐かしきコントラストを描き続けてきた桃子といえども、それが三十歳四十歳になっても持続可能なのだろうか。勿論、その年齢に達した時、同年代の他の女性よりも、その懐かしきコントラストは強めでありましょう。しかし、アイドルは年齢による階級など無しな無差別級。全体の中に存在する己こそが評価の対象であり、桃子の中で自己完結できていれば万事すべてよし。人気も安泰。などという単純な話ではありません。

 時計はちゃんと動いている事はみんな気づいていた。ただ、終了のチャイムがいつ鳴るのかだけを、心の底で気にしてきたのだと思います。
 年齢で自分に線引きして色んな事を諦めるような人ではないと思えるし、諦めるためのタイムリミットではなく、歩き出すためのスタートラインが引けるタイムリミットが、二十五歳なのでしょう。そういえば、あの方も二十五歳で一旦区切りを付けましたっけ。やはり必然なのでしょう。

 発表は突然だったから衝撃ではあったけれど、出した答えは十分すぎるくらい理解と予想できるものでした。
 残された芸能生活の日々は、どんどん少なくなっていくけれど、あなたが最後に自分の場所として選んだグループは、あなたと共にキラキラしていますよ。そう伝えたい。これからも、ずっと懐かしきコントラストを湛えた努力の才女であるであろう、あなたの姿を。


※先週のアプカミでのレコーディング風景。髪を下した姿に大人を感じました。
https://www.youtube.com/user/theuflicks

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愛おしくってごめんね

2015-04-30 22:48:30 | ハロプロ(カンガル)

 今年のハロプロは近年まれに見る「新メンバー新グループな年」であります。モーニング娘。だったり、アンジュルムだったり、カントリー・ガールズだったり、こぶしファクトリーだったり、その新しい風が心地よい。そんなことを思っていたら、つばきファクトリーなんて新グループも出来た。

 この流れは大歓迎です。大勢居る研修生の「その先の未来」のためにも、ハロプロ活性化のためにも。
 良い事だなと思えるのは、各グループによって音楽の方向性がわかりやすいくらい違う事ですが、特に興味深いのがカントリー・ガールズのベタな路線。「これぞベタなアイドル」という動きと歌で、オーソドックスな曲調で魅せる。最近のハロプロにはなかった魅せ方なので、これが新鮮だったのか、結成当初危惧された人気面に関してなんの問題もないままヲタに受け入れられてしまったというハッピーな展開。このハッピー感がこのグループの良さであるのだろうなと思えてきます。

 それにしても、こうしてももち先輩が加わっても違和感なく5人の時と同じようなハッピー感を出していけているというのがスゴイ。桃子プロは健在なり。
 しかも、桃子プロは出しゃばり過ぎず自分の色をうまく出したり消したりして、グループの雰囲気を自分の色に強引に持っていく事はせずに6人の雰囲気を作りあげている。さすがというほかないです。

 ベリヲタな人だと、楽曲的にも、雰囲気的にも、アルバム「1st超ベリーズ」の頃を思い出すのではないでしょうか?私は思い出しています。なんか懐かしいような嬉しさ。そこにもここにも桃子がいる。そして、桃子は年齢を重ねている筈。筈なのだけれど、桃子は変わらずに微笑んでいるのです。これは桃子なりの「ファクリー」スピリットなのではないかと私は思うのでした。

カントリー・ガールズ『愛おしくってごめんね』(Country Girls [I’m sorry for being so adorable])(Promotion Edit)


コメント (2)
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