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あの日のパラグアイ

2010-06-29 21:08:38 | サッカー
 W杯は決勝トーナメントに突入しました。今のところはだいたい順当な結果に落ち着いているような気がしますが、今日の試合は順当な結果にならない事を祈ります。

 パラグアイとはよく試合をしているイメージがあり、私も国立競技場で日本対パラグアイ戦を観戦した事があったりする訳ですが、その生で観た試合より記憶に鮮明な試合があります。

 世界の各大陸には、その大陸のサッカーのナンバーワンを決める大陸選手権があります。南米にも南米選手権コパ・アメリカという大会があります。コパとは英語でカップの意味です。
 このコパ・アメリカは南米の国だけではなく、ゲスト出場国という枠があり、1999年にパラグアイで開催されたコパ・アメリカには日本がゲストで招待されました。
 その年の4月にナイジェリアで行われたワールドユース(20歳以下の選手を集めた代表チーム同士の世界大会)で、フィリップ・トルシエ監督率いるU-20日本代表は準優勝という快挙を達成していました。
 その勢いのままにパラグアイに乗り込んだ日本代表。しかし、ホームであるパラグアイは大声援を受けながら、試合開始から猛攻をしかけ、日本はなす術なく0-4で大敗しました。岡田監督の下で1998W杯フランス大会に出場したベテラン選手達を中心とした守備陣は、パラグアイのスピードについていけず、トルシエ監督はこのパラグアイ戦を境に守備陣を、ワールドユース準優勝組を始めとした若手選手に切り替え始めたのでした。

 その時のパラグアイ代表には、当時まもなく18歳になろうかという若いフォワード、ロケ・サンタ・クルスがいました。サンタ・クルスの縦へのスピードはとんでもなく速いもので、日本で言えば高校三年生の年齢の選手に日本代表のベテランたちは振り回されました。
 パラグアイと言えば守備が堅いチームというイメージがあり、当時のスター選手もフォワードとかではなくゴールキーパーのホセ・ルイス・チラベルト。そんな守備のチームパラグアイが見せた圧倒的な攻撃力。日本で行われた親善試合では良い勝負をしていた相手が、ホームでは別人のような切れ味鋭いサッカーを見せる。これが世界というものなのかと、私はテレビの前で愕然としながら画面を見つめていました。

 パラグアイが守備に強いのは地図を見ると理解できます。周りを他国に囲まれているのです。つまり海がなく山の国であり、常に他の国の侵攻を意識せざるを得ない地理関係に置かれている事が、代々の国民のDNAに刻み込まれているからではないでしょうか。

 地続きで周りを他の国と接している国パラグアイ。国土の周りを海に囲まれている国日本。
 境遇の異なる国がW杯でぶつかるのも醍醐味。11年前に日本の守備陣を翻弄したサンタ・クルスと再会出来るのもW杯の醍醐味。ただし、結果まではトレースする必要はありません。
コメント (2)
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