フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

cha cha SINGを肯定する

2012-08-31 23:10:57 | ハロプロ(ベリ)

 ハロプロのスタンディングって基本的に前方は危険な印象。モッシュと圧縮は違う。圧縮は単に前に詰めたい者による我儘行為である。少なくともハロプロ現場の場合は。特にBuono!は。

 Buono!のサウンドって基本的にハロプロの王道とは違う方向性。だからこそ、Berryz工房や℃-uteの音楽には興味がないけれどBuono!は好きという人が少なからず存在した。モーニング娘。には興味はないけれど月島きらりは大好き!という幼女とは一線を画する。あちらはもっと平和な比較。Buono!を好きと公言する事は「つんくサウンド」に対する反逆を意味する時代が確かにあったのだ。

 Berryz工房の音楽っていかにもハロプロ的だ。楽しいと面白いと明るいが詰まっている。私は最近Berryz工房が歌っている姿を見ると思わず笑顔になる。
 変な歌という評判はBerryz工房にとってはポジティブな意見になると思っているし、どんなに変な歌を歌おうと、そのもう一方側にはカワイイ歌もある。ここにちゃんとアイドル音楽としての王道が表現されているという幸福。

 Berryz工房の売上って確かに伸び悩み傾向。でも、ハロプロでは一番安定した作品を展開しているし、そこから来るセールスポイントのわかりやすさがある。これも、方向性にブレがないからだろう。
 そんなBerryz工房だから、売れている売れていない的な議論はあまり必要なく、このカタチをいつまで続けていけるかを心配する方が建設的である。まあ、多分このままずっとBerryz工房はBerryz工房であり続けるだろうから。

Berryz工房 『cha cha SING』 (MV)

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前田敦子という時代

2012-08-27 23:33:00 | アイドル etc

 AKB48の前田敦子さんが本日AKBを卒業しました。おめでとうございます。
 前田さんと言えばAKBでは人気ナンバーワンの存在として何年も活躍してきました。AKBはこれだけの人気を得て、そして主力メンバーは高い知名度を得た。前田さんはその知名度に於いてもAKBトップでありましょう。
 テレビに出ているAKBは華やかで、イマドキの空気感を身にまといながら輝いているし、輝く演出を受けている。しかし、そんなAKBの顔とも言える前田さんは華やかなAKBでは地味に見える。スタジオのライトを受けて輝く人気メンバー達の中でひっそりと佇んでいる。その姿は「国民的アイドルグループ」と言われる集団の中心としてはあまりにも地味。
 でも、それこそが前田さんの魅力であり、面白いところなのでしょう。人気アイドルグループのエースは華のある存在であるという定石を覆し、おとなしそうな子がエースであるからこそ、過剰なくらいのメディア露出を続けるAKBの陽性な華やかさを中和させる効果もあったのかもしれません。

 AKBというアイドルグループは旧来のアイドルフォーマットで売り出され、旧来の芸能システムで儲けを出せる最後のアイドルグループなのではないかと思っています。これからの未来型アイドルグループへのバトンを渡す役目を果たす適任者はどんな人がいいのか?それは現代の女の子の代表みたいなイマドキ娘ではなく、どこか陰性なキャラクターを持つ女の子が、昭和の風景を感じさせながらしとやかにバトンを渡す方が時代更新の儀式に相応しいような気がします。

 そう、CDを買ったり、紙媒体の写真集を買ったりして応援するという旧来のアイドルから次の時代に移り変わる前に、派手なくらいにモノを売りまくったAKBはおそらく時代の流れとともに一つの時代を終える事でしょう。
 次に待ち受けている者は誰かはわかりませんが、前田さんの卒業とともに旧媒体の消費を重ねてステイタスにするアイドルスタイルは終わる。

 週末に秋葉原駅に行ったら、構内のあちこちに前田敦子さんの写真パネルが飾られてありました。様々な紙媒体を飾ってきた前田さんのベストショットを集め、その写真パネルには掲載媒体名も書かれてありました。
 時代を飾ったスター女優などを「時代と寝た女」と表現する言葉がありますが、前田敦子さんは、さしずめ「時代の媒体を静かに彩ったアイドル」という事なのだろうと思いながら、私は前田敦子さんの写真パネルを見つめるのでした。

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野菜を売るから祭を売るへ

2012-08-21 22:17:38 | ハロプロ2012-2014

 最近は夏のハロプロコンサートには行かなくなってしまったけれど、存在そのものを否定している訳ではなくて、むしろ一枚のチケットでハロプロ総出演なステージを観られるのは素晴らしいと思うし、今後も続けてほしいと思う訳です。
 ただ、もう少し「お祭り感」は欲しいよなあとは思うのです。

 ハロプロ研修生がSATOYAMAの石井さんと一緒に会場前で野菜を売っていると知った時、子供を使ってそこまで商売するとは!と軽い憤りを感じたものですが、研修生メンバーが楽しそうに野菜の話をしながら八百屋さんの娘みたくなっていると聞き、まあそれはそれで有りかなと思い直しました。300円で二つの野菜を売り、買ってくれた人と会話を楽しみながら握手をする。これはアイドルとしての対人スキル強化につながるのでは?などと多少は無理矢理な理屈で肯定してみる事にします。

 私が研修生の野菜売りに理解を示した理由は、おそらく今のハロプロコンサートに欠けている部分を補完してくれたからに違いありません。それは何が欠けているのかと言えば、それは先ほども書いたように「お祭り感」な訳ですが、せっかくハロプロメンバーが一堂に介するのだから、ただコンサートをするだけではなく会場内で様々なイベントをやってみてはどうだろうかという提案。
 公演は一日二回にして、一回目は午前中にスタートさせて昼過ぎに終わらせる。二回目は夜にして、その間の午後は会場内でイベントを開催する。有料トークショーでもいいし、サイン会でもいいし、ステージとは違う姿を楽しめるイベントをいくつかのグループに分かれて同時開催するのが良いかなと思います。なるべく多くの人が参加出来るように、会場前にステージを作って30分くらいの無料ライブをやってもいいですね。

 でも、それだけの企画を盛り込もうとすると、ある程度の規模の会場が必要になる。代々木第一体育館や、さいたまスーパーアリーナならば会場の敷地内にそういうイベントスペースが作れるのですが。
 つまり、夏のハロプロコンサートは一日くらいは大会場でやってほしいなという結論になる訳です。

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TIF2012 観覧ステージリスト その2

2012-08-20 00:01:30 | アイドル etc

 文字数制限で1ページにまとめられなかった二日目の記録です。URLが貼られていないものは検索できなかったものです。


TIF2012 二日目

(GREEN OASIS) くりかまき~SCOOP!?~愛乙女☆DOLL~るかえで(アイドリング!!!橋本倉田)~テクプリライムベリー~ (SMILE GADEN) アリス十番~ (DOLL FACTORY) Up’s Infinity~Negicco吉川友バンドじゃないもんKNUprediaトーキングブンブンOSAKA翔GANGS~ (SMILE GARDEN) bump.y~3B Junior TEAM BLUE~みにちあベアーズLove La Doll~ (SECRET COURT) nanoCUNEとちおとめ25RYUTistリンクス~ (FANTASTIC THEATER) palet(窓越し)~ (物販コーナー) ~ (SMILE GARDEN) アップアップガールズ(仮)~ (GREEN OASIS) しず風&絆

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TIF2012を観終わって ~TIF観覧ステージリストその1~

2012-08-19 22:44:29 | アイドル etc

 前回までTIF2012のレポートを書いてきました。まとめ的な事を今回書いて締めにしようかと思いましたが、出演者も大勢、観たアイドルも40組を超えた今回のTIFを観て感じた事は一言では言い表すのが難しい。でも、強く感じた事は「アイドルというジャンル、アイドルという音楽の面白さは幅広い」という事。
 特定のジャンルだけ押さえておけば、それで良いという人はどのジャンルにも存在します。アイドルにも存在している訳ですが、ただ事実として世の中には様々なアイドル音楽が存在していて、様々なニーズに応えているという事。私もその日の気分で聴く音楽を変える感覚で、様々なアイドル音楽を楽しんでますが、より色々なアイドル音楽に触れてみたいと思いました。それが今回のTIFを観て一番強く思った事です。
 勿論、ハロプロを聴いているだけでも様々なジャンルに触れる事は出来るし、一定以上のクオリティにも触れられる。しかし、プロデューサーは人間である以上、どうしても音作りにある程度パターンが生じてきます。そこでどうするかに、聴く側の方向性が表れる訳です。ハロプロしか聴かない選択も自由であり、色んなアイドル音楽を楽しむのも自由であります。

 アイドル音楽というものは単純にランク付け出来るものではなく、人気が評価で絶対性を持つ訳でもない。TIFはそれを強く印象付けるイベントであった。それが事実であり、それを支持して楽しめる人達がたくさんいる限り、来年もその先も続く事かと思います。

 ~おまけとして今回自分が回ったステージを順番に紹介します。一日にこれだけ観ていたという参考資料であります~
(名前のところにYou TubeのURLを貼りました。二回以上観ている人の場合はそれぞれ違う曲を貼っています。選曲はステージでの印象で決めました)

tIF2012 一日目
(HOT STAGE) LinQドロシーリトルハッピー~ (GREEN OASIS) 私立恵比寿中学~ (HOT STAGE) 東京女子流~ (SMILE GADEN) ひめキュンフルーツ缶~ (SECRET COURT) アップアップガールズ(仮)多国籍軍B♭~ (SKY STAGE) アフィリアサーガイースト1stアイドリング!!!LinQpaletテクプリ~ (SMILE GARDEN) 吉木りさぱすぽ☆~ (GREEN OASIS) Doll Elements

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TIF2012 大手アイドルの意地

2012-08-18 23:30:06 | アイドル etc

 TIFに出場したアイドルには勿論、東京の大手事務所のアイドルも何組もいる。これだけグループアイドルというものが有名無名問わず多数になれば、たとえファン数で勝る大手アイドルでも、地方アイドルなどを意識して個性をハッキリ出していかなければTIFをきっかけにファン離れが進んでしまう。

 一日目の午後、私はダイバーシティ前に設けられた野外ステージ「GREEN OASIS」でスターダストプロモーション所属のアイドル私立恵比寿中学のステージを観た。スターダスト所属のアイドルといえば、今をときめくももいろクローバーZ。エビ中のメンバーは高い空を見上げながらTIFに臨んでいる筈だ。
 彼女達のパフォーマンスはとにかく動きに勢いがある。ハツラツという言葉がとても似合うステージだ。歌やダンスにはまだまだ荒削りさが残るが、むしろエビ中はそこを売りにしている。実力派ではない事が決してマイナスポイントではないというのがアイドルというジャンルの面白さでもあり、実力派ではない事を開き直るという訳ではなく、その至らない部分を一つの芸として魅力にしている。そんな印象を受けた。これは肯定意見であり、何より実力云々よりも、この炎天下のステージでハツラツと動ける事に拍手を贈るべきであると思わせるステージングなのだ。

私立恵比寿中学 仮契約のシンデレラ(ショートバージョン)』


 続いて、お隣のZeppダイバーシティに入る。東京女子流のステージが始まった。
 会場はSKEを観る人達で大混雑になっていたのだけれど、後方には女子流を応援している人達が集結してステージを楽しんでいる。そのステージまでは距離があるのだけれど、ステージ上で歌い踊るメンバーのカッコ良さは進化していた。
 2ヶ月ほどの休業を経て活動を再開した女子流は、その休業期間中にダンスのレッスンに力を入れてきたのだという。その成果は一目瞭然で、ダンスの表現力は一段と良くなっていた。アイドルグループのダンスというと、スピードや切れ味を重視するケースが多いけれど、女子流は一味違う方向性で面白い。この個性はより熟成させてほしいと思いながらステージをじっくり楽しんだ。

東京女子流 / Rock you!


 一日目の夕方、湾岸スタジオ屋上最上階にある「SKY STAGE」でプラチナムから今秋CDデビューするpaletという新人を観た。彼女達は緊張で挨拶もぎこちなく、歌もダンスもまだ未熟さは感じられた。しかし、誰もが真剣な表情でステージをこなし、新人であるがゆえのまっすぐで力一杯なパフォーマンスを見せた。これはこれで大正解だ。まだ力が足りないなら無理に背伸びをする必要はない。素直な姿を見せれば良い。「意外な発見。意外なクオリティ」を見つける事がTIFでの楽しみであった自分の脳内に、真っ白でありのままをぶつけてきた彼女達の姿が飛び込んできて、私は青空の下でpaletを観られた事に感謝した。

palet Fly Away


 プラチナムの先輩アイドルと言えば、ぱすぽ☆。一日目、日も暮れて夜になった野外ステージ「SMILE GARDEN」のステージにぱすぽ☆が立っている。とにかくスピード感溢れ、とにかくメンバーがよく動き、ヲタもそれに応えて大いに盛り上げる。ちゃんとぱすぽ☆ならではの個性は遠巻きから観ているだけでも伝わってくる。これはちょっとしたメジャー感だ。
 地方からやってきたアイドルが、少なくても熱い観客に応えて力のこもったステージを魅せたり、新人が初々しい姿をまっすぐに見せたり、それはそれで素敵だけれど、たくさんいる参加アイドルの中には、ちゃんと一本筋が通ったアイドルも必要だと感じる。そういう風に場を締める事が出来るかどうかが、プロとアマの違いかもしれない。

ぱすぽ☆ - 夏空HANABI (short ver.)

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TIF2012 ローカルなチカラ

2012-08-16 22:53:55 | アイドル etc

 TIFは今年参加アイドルが三桁に突入した。それだけ増えれば色んなアイドルがいる。地方で地道に活動をしてきたアイドルにもチャンスはやってくる。

 二日目の夕方、野外ステージでbump.yを観た私は、エレベーターに乗って湾岸スタジオの屋上に上がった。前日、アップアップガールズ(仮)が歌った小さなステージ「SECRET COURT」に愛媛県からやってきたnanoCUNEというグループが立っていた。ひめキュンフルーツ缶の妹分である。

衝動DAYS nanoCUNE ナノキュン


 ひめキュンとは違った路線で、ポップでスピーディーなダンスを展開していく。横に蹴り上げた脚が肩の辺りまで届くくらいに体が柔らかい。ひめキュンの売りとは違う方向性で攻めているのが面白い。力一杯なステージングという点では共通点もあり、そこが兼ヲタを作る要因にもなっていそう。アイドル無風地帯だった愛媛県が面白い。

 続いて栃木県からやってきた、とちおとめ25というグループが登場した。揃いのピンクのシャツ。nanoCUNEは黒いシャツだったから好対照。
 とちおとめは見た目のファニーな雰囲気に似合わず、キビキビしたダンスを踊る。しかも、持ち時間をフルに使ってノンストップで歌い踊り、最後にようやく手短に自己紹介と挨拶をして締めた。
 暑い気温の野外ステージでこのパフォーマンス。私はステージに拍手を送ったが、数分後に舞台袖から出てきたメンバーは自力で歩けず肩を担がれながら歩くメンバーがいた。メンバーは泣いていた。彼女達はやりきったのだ。彼女達にとって、数百人しかキャパシティがないこのステージでもTIFのステージであり、TIFは大きな目標だったのだろう。私は甲子園を目指して猛練習を積み初出場を果たした高校を見るような気持ちで、歩いていくとちおとめの後ろ姿を見送った。

いちごパフェコラボステージ「いちごパフェ」アイドル横丁夏まつり!!2012


 続くグループも初出場。地方アイドルに詳しいヲタには密かに話題になっているRYUTist。新潟で活動しているグループだ。
 白い衣装で歌い踊る彼女達はハッキリ言ってまだ幼い。しかし、とにかく真剣。他のアイドルグループもみんな真剣だけれど、彼女達はとにかく必死にこなしていた。きっと緊張もあったのだろう。
 青い夕方の空の下でRYUTistは夏の歌を歌った。彼女達にとって、きっと今年の夏休み最高の思い出になった筈。
 終演後、礼儀正しく引き上げるメンバーを女性のチーフらしきスタッフが待ち受けていた。ステージ下でメンバーにアドバイス的な話をしつつ、労をねぎらうスタッフ。それを真剣に聞いているメンバー。
 このミーティングが終わると、横にいた、おそらく地元から駆けつけたと思われるファン達がメンバーに激励の言葉をかけている。なんと爽やかで和やかなシーンか。これも地方アイドルの姿なのだ。私はそれを後ろから見つめながら、新潟の空を思い出していた。

【7/22新DVD発売記念】「ラリリレル」PV

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TIF2012 地方アイドル奮闘する

2012-08-14 21:49:07 | アイドル etc

 今回のTIFで最初に観たステージはLinQから観た。会場となるZepp ダイバーシティの前には長蛇の列が出来ていたのだけれど、残念ながらこれはLinQ目当ての人達ばかりではなく、午後に行われるSKE48を観るために早く会場に入っておこうという列である。
 本来はこの手のフェスでは前方は今ステージにいる歌手のファンに譲るという風に、自然とポジションの入れ替えを観客が行なっていくものなのだけれど、こればっかりは仕方がない。

 私のいた客席後方はLinQヲタが大勢いた。やはりというか前方はあまりLinQヲタがいないような感じに見受けられる。それでも、「いつも観ているステージ」よりも遥かに遠い距離感にも負けず、LinQヲタは声を振り絞り、緊張気味に見えるメンバーを鼓舞した。
 「距離感」これは地方アイドルが持つテーマである。私のような関東在住の人間が感じる物理的な距離の遠さはともかく、地方アイドルは日頃は地元ファンにとって距離の近い存在だ。東京の大手事務所で活動するアイドルと違い、彼女達は町のイベントにも参加してくるし、地元で定期的に公演を行なってくれる。地方アイドルというムーブメントが出てきたのは地方在住アイドルヲタの想いの具現化されたものであり、それが生まれたのは時代の流れという事だ。
 地方アイドルであっても大手アイドルに負けないクオリティを出す事が出来るようになったのも、地方アイドルが全国で活性化されてきた理由であり、それを維持するのが地方在住のクリエイター達である。LinQも有名アーティストとの仕事を出かけてきたクリエイターが運営に関わっている。アイドルは東京に居なくても作れる時代なのだ。

LinQ(祭りの夜) in博多どんたく 博多駅前


 LinQの次に出てきたのは昨年のTIFで話題を集め、TIFは「見つける場所」である事をアイドルヲタに認識させてくれたドロシーリトルハッピー。
 ドロシーは昨年とはまるで違う観客数を前にして歌い踊る。あくまで可愛く、あくまでしなやか。ドロシーの事務所がダンス能力を磨く事に力を入れているように思えるのはドロシーのダンスや所属の他グループ、あるいはOGのモーニング娘。メンバーを観ているとわかる。そこにあるのは地方だからという前置きのないステージングである。
 そんな彼女達が地方である事をアピールしたのは、東日本大震災からの復興をテーマにした曲を歌った時である。LinQは「祭り」で福岡をアピールした。ドロシーはこの曲で宮城県に住むアイドルとしてのカタチを示した。

Dorothy Little Happy / Life goes on


 地方アイドルの元祖とも言える存在は新潟で活動をしているキャリア9年アイドルNegiccoだ。
 Negiccoはメンバーの放つ穏やかな雰囲気と、それに合わせたかのような現場の和やかな雰囲気が特徴だ。一日目のZeppダイバーシティのステージで、たくさんのお客さんの前で歌える喜びに涙を流したメンバー達は二日目はフジテレビ湾岸スタジオ内にある「DOLL FACTORY」という千人規模のライブハウスくらいの大きさのステージに登場した。
 客席前方には勿論Negiccoヲタ。青いドレスに身を包み歌い踊るメンバーに温かい手拍子。その横や後方には次の出番である吉川友ヲタが立って一緒に応援している。
 このライブでのラストナンバーとなったNegiccoの代表曲「圧倒的なスタイル」。この曲の大サビ前にはメンバーもヲタもラインダンスを行なう。このライブでもその瞬間がやってきた。メンバーが合図を出すのに合わせてNegiccoヲタは肩を組んでラインダンスの準備に入る。更に、周りの吉川友ヲタも自然と招かれて会場がラインダンス大会のようになっていった。

Negicco / 圧倒的なスタイル (LIVE)


 アイドルの肩書きに大手所属だとか、地方で活動しているとか、そういうものは確かに存在している。でも、その肩書きがアイドルの魅力を判別するための物差しでは決してないし、応援をする人達にだって、そんな垣根などない。それが証明されるのもTIFなのだと思うのだ。

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TIF2012 テクノとヒップホップ

2012-08-13 22:51:12 | アイドル etc

 TIFのステージはオールスタンディングなライブハウス的ステージだけでなく、芝生に置かれた野外ステージ、ストリートライブ風な小さいステージもあったりするバラエティさが魅力な訳ですが、一番魅力的なステージはフジテレビ湾岸スタジオ屋上にある「SKY STAGE」。

 一日目の夕方、屋上に上ると、そこにテクプリという仙台で活動するアイドルがいた。名前で連想出来るようにサウンドは打ち込みで、軽快なリズムに乗って三人が踊る(本当は四人だが体調不良により一人はTIFを欠席した)。ひたすら青空に溶け込む可愛らしさと躍動で、そのステージは居心地の良い空間と化していた。
 打ち込みサウンドというとカッコ良さであるとか、歌詞やアレンジに尖ったヒネリを求められたりする。私もその手のものはキライではないけれど、打ち込みで清涼感溢れ、さっはり爽やかなモチーフを作っても良いのだなと強く思う。いや、そうやって観る側が力を込めたらいけない。あくまで観る側もさっぱりと楽しく、スマートに盛り上がる空間。夕方の夏空に、北国からやってきた女の子が涼しく甘い風を乗せている。

テクプリ 渋谷Twinkle Planet


 二日目の午前中はダイバーシティの横に設けられた野外ステージ「GREEN OASIS」にいた。何番目かの出演者にまたテクプリが出てくる。一日目は水色の衣装だったけれど、二日目は白と黒。夕方の空の下ならば水色はとても映えたけれど、午前中の高い太陽に照らされたステージはシンプルカラーがよく似合う。
 同じ曲を聴いても時間帯と衣装でこんなにもイメージが変わるものなのか。明るくて少しだけダイナミックにさえ見えた太陽のステージ。

 アイドルソングにラップというギミックは割と普通になってきたように思えるのは、ももいろクローバーZの功績か。第一回TIFでMVPの呼び声高かったももクロ。そんな記憶はすでにかなりの距離感があるのだけれど、今までは触れた事のないものが突然目の前に現れるのもTIFの面白さ。
 かなり気温が上がってきたステージにターンテーブルセットが置かれて、アイドルHIP HOPユニット「ライムベリー」が現れる。彼女達は見た目は普通の小柄な学生風味で制服もよく似合っているのだけれど、揺れ始めた客席をマイクで巧みに操る姿はカッコ良くて、その見た目と行動のギャップが斬新に思える。後ろではメガネを掛けたおとなしそうな女の子がターンテーブルを回している。これまた更に意外性のビジュアル。
 ライムベリーは密かに話題になっていたので、早い話が二日目の朝にこのステージにいるのはライムベリーを観たかったからという理由が大きい。そして、その目的は無事に達成された。その収穫度は高い。CDを買ってみようと思うほどなのだから。

ライムベリー - MAGIC PARTY

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TIF2012 アイドルとロック

2012-08-09 22:35:31 | アイドル etc

 世間的にはアイドル音楽ってどういうイメージ? 可愛らしい歌詞を可愛い歌い方で歌っている。あるいは変な歌詞を面白おかしく歌っている。メロディラインはシンプルで耳馴染み重視。そんなイメージかもしれない。
 今回のTIFは参加グループが100を超えただけあって、それこそ多彩なジャンルに分かれたアイドル音楽の醍醐味がパッケージングされていた。そのつまり多彩さこそがアイドル音楽であり、その多彩さの中には「ロック」もある。

 今回の参加グループではロック色が強いグループは、まずはアリス十番。メンバーがダイブするというイメージが先行しているけれど、実はヲタのノリも面白いという。音楽的な印象よりもそういう行動が話題になってしまうのはアイドル側からすれば不本意だろうけれど、入口としてはアリなんだろうなと思えてしまう。そんな私もその辺を期待して観てしまった。観ている間は特に何事もなく、普通に盛り上がっていた現場であったけれど。

ライブパフォーマンスがさらに進化したアイドルユニット「アリス十番」


 普通と言えば、ひめキュンフルーツ缶の場合は見た目普通の可愛いアイドルがロックカバーを歌ったりする、そのギャップが良い訳だ。おそらく演者もわかっていて、あくまでアイドルな部分はちゃんと前に置きながらタテノリを刻んでいる。勿論、ただロックっぽい曲調を歌っているアイドルグループは他にもいるけれど、ひめキュンの場合は作り手がそっち側の人だからか、一見アイドル全開な曲でもちゃんと音的にそういう隠し味が入っているのが良いという事。アイドルとしてロックを演るなら、このくらいのバランス感が一番良いのかも。

ひめキュンフルーツ缶「例えばのモンスター」IDOL SUMMIT Vol.2


 今回とても観たかったけれど時間が合わず観られなかったのがBiS新生アイドル研究会。
 BiSのステージングは変わった事をするというイメージがあるのですが、今回も色々あったようで。

 そういう変わった事をするグループという事より、曲がなかなか良い。アイドルの明るく可愛い部分にライトを与える訳ではなく、アイドルだからの暗部、いや女性としてのシャドーな部分を斜に構えて歌い上げている。そんなイメージがある。
 だからこそ、可愛いアイドルが次々と出てくるTIFのステージでBiSはどう映るか興味があったのだけれど観られず残念。

BiS - primal.


 今回のTIFで一番最後に観たステージは、お隣のZeppダイバーシティでグランドフィナーレが行われている時に裏で行われたステージ。ガンダムが立つ横に組まれた野外ステージは「GREEN OASIS」と名付けられた。そこにバンドを従え、名古屋のアイドルしず風&絆がライブをした。
 私みたくグランドフィナーレはスルーをしたのか、それとも会場に入れずやってきたのか結構な数のヲタがいる。色んなアイドルのTシャツを着たヲタ達がステージから放たれたサウンドに乗ってジャンプしたりしている。
 やがて時計は21時になりガンダムライトアップショーが始まった。ライブは中断。メンバーが「座ってガンダムショーを観ましょう」と提案して10分間中断となる。
 しかし、結果的にはこの中断がよりヒートアップを誘い、ラストナンバーの「跳べガンダム」つまりガンダムの主題歌で会場は熱狂の渦が完成した。サビの「ガンダム!ガンダム!」のフレーズに観客が皆振り返ってガンダムに向かって腕を差し上げる。笑う通行人もいる。きっとガンダムショーのアトラクションの一つだと思っている通行人もいるかもしれない。
 ダイバーシティという完成間もない新名所の横で、あっちの世界とこっちの世界の融合をテーマにはせず、普段着でアイドルロックを演じるアイドルと、それを温かく見守りながらもかなり熱く盛り上がるヲタ。そんな光景を別な世界の出来事のようにシニカルな視線を送るあっち側の人々。ロックって、アイドルって、本来はこういう抑圧からの解放がテーマな音楽であったと、自然と体が気づいていた。

しず風&絆~KIZUNA~@タ?イハ?ーシティ東京2012-04-29

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