橡の木の下で

俳句と共に

「疫籠り」令和4年「橡」11月号より

2022-10-29 11:07:13 | 俳句とエッセイ
 疫籠り  亜紀子

高階の窓一番に小鳥来る
群とんぼコロナ籠りの高階へ
扉越し謝意深々と秋の昼
疫籠り二百十日と思ひつつ
野分雲窓に変幻自在なり
解除まで月下美人と疫籠り
禁足も解けて野分に吹かれゆく
露被き醜草も今朝風姿よき
遣水の光ひとすぢ観月会
虫の音の昂りに望出でにけり
秋暑し路地裏風のどん詰り
縁日の婆を囃すや法師蟬
夏逝くやビルの狭間の遠花火
赤々とモルゲンロートビルの壁
鶴のごと松天辺の手入かな

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