なかなか釣りに行けない

なかなか実釣出来ず、稀の釣行を夢見て、机上の空論を重ねる備忘録です。

悩ましいフロロ10号のメインライン(20210505)

2021年05月05日 06時20分21秒 | 机上釣

悩ましいフロロ10号のメインライン(20210505)

GW期間を通しフロロ10号をメインなフライラインとして使い倒した。
#1相当のライン(フライラインAFTMA基準より)で使用感は普通のDT#1Fと大差なく違和感は少ない。
DT#1Fは湯布院オイカワでかなり使ったので、これとフロロ10号を比較してみる。

利点
1)軽い
2)硬いためループが崩壊し難い
3)クリア
4)沈降速度 0.5 inch/sec (slow intermediate) のシンク系ライン
5)高密度(高比重)
6)安い(60m 2千円)
7)滑らかでガイド摩擦音がない
8)魚が散らない

欠点
1)見え難い
2)硬いためパーミング/フィギュアエイトし難い
3)滑らか過ぎてハンドリングし難い
4)フライラインとして認知されていない

この欠点4)は大きい。
フライフィッシング競技会で使用は認められないだろうし、フライラインメーカーを苛立たせる。
沈むのでドライフライには使えないライン極性がドライ愛好者の癇に障る。
何より単純な化学繊維でキャスティング出来てしまうこと自体、英国の歴史と伝統に根差すフライフィッシングの琴線に障ってしまう。
大人しく市販品フライラインを使っていれば悩まずに良いのに。
ただ一点、8)魚が散らない利点がある。

管釣りで釣っているとマスが手前から散っていく。
「フライラインでマスが逃げる」とはテラトコ山口さん。
これはオーバーヘッドもスペイも変わらない傾向、もちろんルアーにはこれが生じ難い。
「管釣りの手前をフライで釣り続ける」ための打開策がフロロラインだ。
これならラインがクリアでしかも細いのでマスに警戒され難く、手前のマスを延々釣ることが出来る。

もちろん管釣りは数釣りが全てではない。
フライのキャストや雰囲気を楽しむフライマンも多い。
彼らは「フロロラインのフライフィッシング」を邪道視し訝しむだろう。
折角の管釣りでそんな目立ち方をしない方が良いに決まっている。
だからフロロライン10号のフライフィッシングは自然渓流に限られてくる。
しかもDT#1インタミ相当なので中小河川限定だ。
(大河川の使用を想定したがメリットは見つからない)

でも中小河川(津江川や川原川、花合野川)でウェットフライに使うと何も問題はない。
むしろシンク系のDT#1ラインの販売がない今、フロロ10号の代替品が見当たらない状態だ。
かつて吸水したシルクラインDT#2をインタミラインに使ったが、ガイド摩擦音が物凄い。
この摩擦音は水中でマスに確実に伝わり、大事なチャンスをこれでフイにしかねず、リトリーブラインとして使うのを諦めてしまった。
なのでウェットフライの中で、現時点でDT#1インタミ相当のラインとしてフロロ10号は唯一無二の状態だ。

フロロ10号は「シーガーグランドマックス10号」を使ったが、フロロなら銘柄は何でも良いかもしれない。
何故なら対象魚は「小さな大物」といわれる「ヤマメ」なのだから。
山の中で魚にフロロ10号が切られる心配は完全にない。
フロロラインは劣化し難いらしいが、それでも1−2シーズンしか持たないだろう。
市販フライラインDT#2は数年で劣化しキャストで簡単に千切れてしまう。
だからフロロライン10号の1−2年での張り替えはむしろ経済的ですらある。

市販品にWFクリアインタミが#4からある(RioのWF3Iは廃盤)。
しかしより軽量のシンク系ラインは稀。
ならWF4Iを使えば良い、という話だが、使いたいのは#0−2番の軽量ロッド、何故なら中小河川だから。
大河川の五ヶ瀬川中流域ですら#4ロッドが要る。
それを中小河川に持ち込みティペット0.25号なんて使えば良型でアワセ切れてしまう。
だから中小河川では低番手ロッドとウェット用のシンク系ラインが要る。
でもそれが市販品に見当たらないのだ。
シンク系シューティングライン1.0mmなどを切り出し低番手フライラインに転用したが、しなやか過ぎて十分なループを作れなかった。

そんな葛藤を解決してくれたのがフロロ10号だった。

今は9ft前後の低番手SHロッドで使い倒しているが、これが12ftの低番手DHならどうだろう?
フロロ10号はSHダブルホールで投げるがDHだとホールが面倒、これがどう影響するだろう。
この答えは実釣にこそある。
フィールドワークあるのみ。

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