服装の乱れは心の乱れ

某月某日
まったくもってけしからん事態だ。
国母某の振る舞いに関してである。
神聖なるオリンピックに臨むに際し、シャツの裾をだらしなく出し、ネクタイを酔っぱらいのリーマンのように緩め、脚が短いくせにズボンをずりさげ、チャラチャラした格好で人前に出るのはもってのほかだ。
そもそもオリンピックをなんと心得る。
オリンピックはスポーツの祭典などではない。
れっきとした国際的企業活動の一環なのだ。
つまりカネに群がる紳士淑女たちのお祭りなのだ。
それを理解せずに若造がKYな服装で人前に出てくるのだから非難されて当然である。
日本の善良なる視聴者は若者文化の体現など見たくもないのだ。
国体の高揚たる一糸乱れぬ統制力が表現された団体行動が見たいのだ。
たとえ玉砕しようとも最後まで諦めずに戦い抜く姿に感動を覚えるのだ。
清く正しく美しく！
この精神なくしてオリンピック参加に何の意義もないではないか。
この不景気の中において、それでも諦めず、気を緩めず、最後の一人になっても戦い抜く姿をオリンピックに参加する選手諸君およびそれを統括する役員面々に投影する事が視聴者の目的なのだ。
それをまともに社会活動に参加してもいないスポーツ選手風情に邪魔されるのだから抗議があって当然である。
オリンピックの役員の顔を見てみろ。
だれもスポーツをこよなく愛するような生半可な顔をしていないだろう。
オリンピックは冷徹なビジネスの世界であり、精神修行の現れの世界なのだ。
たとえその顔に欲と猜疑心と偏狭なる精神が現れていたとしても、服装さえキチンとしていれば、日本の社会では正当なのである。
また選手においても、企業活動の一環としての広告役であることを自覚し、たとえ毒にも薬にもならない嘘くさいキレイ事の企業CMに爽やかイメージで登場するにしても、それでカネが動き、儲かるところは儲かり、お茶の間の大多数の日本人は満足する事を忘れてはならないのだ。
オリンピック参加選手は単なる兵隊であり、個性も思考も必要ではないのだ。
必要とされるのは一人でも多くの敵を倒し、体制を護持することに加担する事だ。
だから活躍した兵、ではなく選手には勲章が与えられるのである。
それを自覚せずに鬼畜米英の敵兵のごとく、自由だ、流行だ、文化だと人心を乱すような蛮行を引き起こす輩は国賊であり、体制の敵なのである。
そんなに「腰パン」したいのなら日本から出て行き、アメリカ人になればイイのだ。
高千穂の国は、民族同一、和をもって日本となす世界なのであるぞ。