なりやまぬ狂想曲

　「ダンナさんもやっぱりお子さんにですかい？」

　
　私、こう見えましても常にクールでギラギラした雰囲気で、
他人を寄せ付けない鋭利な刃物のようなオトコだと思ってたのですが・・・

　なにをどう間違ったか、
「ご結婚されてるんですか？」
「お家じゃとってもいいお父さんなんでしょうね～」
などと20代の頃から、お父さんお母さん方に言われる始末。なんでじゃろう。
　
　
　そんな金曜の夜。
前回の日記でお話したショッピングモールにふらっと寄ってみました。
面ファスナーなどを探しながら店内をふらふらと見て回り、
なにを考えるともなしに、玩具コーナーの前を通りかかりました。
　
『お。仮面ライダー特設コーナーだ。どれどれ、売れ具合は。』

そうなのです、本日は”限定入荷予定日”のまさにその日。　

　案の定”限定５本”と告知のあった”フォーゼドライバー”は売り切れ。
あったのはファストフード（バーガーとかポテトとか）がロボに変形する玩具と、
赤い消防士イメージの仮面ライダーの人形、
宇宙まで仮面ライダーが乗るオートバイを打ちあげるロボットのようなもの。
　
『ふむふむ、やっぱり人気なんだなぁ。
　　サラリーマンは日中無理だから、主婦のお母さんが買いに来たのかな？』
と感心していると、
　
　「ダンナさんもやっぱりお子さんにですかい？」

と、冒頭の声を掛けられました。
即座に左に振り向くと年の頃は70ぐらいか。
良いおじいちゃんそのままの風情の男性が、
同類を見るような目でこちらを見ていました。
　
　
私「はい。自分の子にじゃないんですけれど・・・（苦笑」

　日頃、嘘を吐かないのが信念なんですけれど、
おじいちゃんが、私の前にそこに居た女性に
あれこれと質問をしていたのを少し目にしていましたし、
色々悩んでおいでのようだったので、反射的にそう応じました。

　すると、
男性「そうですか、よくわからないんですよね～こういうのが（笑」と案の定。
　　「孫にと思って色々見てるんですが、ダンナさんはどれを？」

私「うーん、確かにみんな同じようでよく判りませんよね（苦笑」
　「僕はこのあたりを（ライダーのベルトを指さして）見に来たんですよ」
　
男性：販売カードと写真だけ並べられている光景を見て。
　「これって買えるのかなあ？」
　　激レア品だけに実物はバックヤードにあり、展示品がないのです。
　
私「そうですね、入り口に限定○○個なんて表示もありましたし・・・
　　でも、一応カードが残っているやつはレジで買えるみたいですよ」
　
男性「そうかあ。（一つを指して）これってどうなるのかな」
　
私「光ったり音が鳴ったりするみたいですよ。電池が必要って書いてありますし」
　　
　
　などと、お孫さんの為に真剣なおじいちゃんは質問を投げかけてきます。
『いよいよ「これは僕が遊ぶんです」なんて言えないな（苦笑』と考えながら、
ひとしきりおじいちゃんの質問に応じること数分。
先方もとりあえず納得されたようなので、

私「それじゃ、僕はこれ買ってきてみますね」と、
当初はそこまで買うつもりではなかったものを、
デモンストレーションがてら、なりゆきで買うことに致しました（笑
　
　

　【　ＤＸヒーハックガン　】

　火を吐きます。だからひーはっくガン。
因みにライダーのバイクは【マシンマッシグラー】まっしぐらです。
電撃でビリビリやる必殺の棒は【ビリーザロッド】。

　どんだけ駄洒落好きやねんと。
　
　
　去り際、おじいちゃんは
「いろいろと悪かったね、ありがとう！」と笑顔で言ってくれたので
私の愚行も強ち無駄ではなかったようですね？
　　
　オトナになるってのは結構大変です（笑
　
　
　
　余談ですが、仮面ライダーフォーゼのおもちゃには
それなりに高額な物を買うと、変身ベルトに使える特殊なスイッチがついてきます。
レギュラーで”２個８００円”にてセット販売される中にはなく、
高いオモチャにしか入っていません。
実にあざと・・・基、上手い商売ですね～。
　因みに”ヒーハックガン”を買うと、
カッコイイ消防士ライダーに変身できるスイッチがついてきます（笑
　
　
　それでは皆様、よい週末を～（　´ー｀）。