ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




聖ヨゼフ修道院。港区六本木4-2。2013(平成25)年8月7日

東京ミッドタウンと六本木通りの間の裏通りにあるビル。通り沿いに塀があり敷地の少し奥に建っているので、なにかの会社の本社ビルか、あるいは学校のようにも見える。これが「聖ヨゼフ修道院」、右に写っているのが「フランシスカン・チャペルセンター」で、門の脇の塀に「カトリック フランシスコ会」の看板が出ている。つまりカトリック教会の施設である。
4階建てのビルは昭和30年代に建てられたものだろうか? 事務所ビルにしか見えないが、最初から宗教施設として建てられたらしい。『 Laudate>教会をたずねて』には、「第2次大戦後、六本木の元防衛庁の敷地内にGHQの建物があった。そこで働くアメリカ人兵士たちのために、フランシスコ会のニューヨーク管区から司祭たちが来日し、教会を開いたのがそのはじまりである。……フランシスコ会が来日した当時は、大使を経験したことのある川村氏邸があった」「修道院の一部は、2階建てだった旧川村邸をそのまま使い、増築されている。すでに100年以上経っている木造の建物だが、当時かなり立派な洋館であっただろうと思わせるしっかりとした階段や窓枠の飾りなど、今もその趣を残している」とある。

修道院の周辺は空襲によって焼き払われた地区である。向かいにあった志賀直哉の屋敷も空襲で全焼している。川村邸は自邸や隣家の庭木が延焼を食い止めたのかもしれない。ちなみに、1904(明治37)年にジョサイア・コンドルが麻布三河台町25に自邸を建設しているが、チャペルセンターの向かい側辺りになるらしい。



旧川村邸。左: 2013(平成25)年8月7日、右:ストリートビュー2018年8月より

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