ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





小石川植物園本館。文京区白山3-7
1989(平成1)年5月7日

小石川植物園は「徳川綱吉が将軍職にあった貞享元年(1684年)に、子供の頃の綱吉の下屋敷であった白山御殿の跡地に作った薬園(小石川御薬園)を起源としている。明治になって、文部省博物館の附属となった時に小石川植物園と改称され、日本における最初の植物園となった。その後、明治10年(1877年)4月12日の東京大学創設後間もなく本学の附属となり、理学部の管理する施設となった」「本館には研究室や事務室、標本室などがある」(東京大学大学院理学系研究科・理学部>第1回植物園)。そういう施設だから、正式名称は「東京大学大学院理学系研究科附属植物園本園」という。
本館の建物は1939(昭和14)年に建ったもので、RC2階建塔付、内田祥三(よしかず)の設計。内田は関東大震災後の東京帝大構内の復旧を主導し多くの建物を設計しているが、多くはゴシック様式を基調とする古風な建物で、「内田ゴシック」といわれるデザインある。植物園本館はモダニズムというしかないようで、アールデコとか表現派にはならないようだ。内田は1936(昭和11)年に「東京大学三崎臨海実験所本館」を建てていて、そこに出窓のような半円形の部屋を造っている。植物園本館の左右の翼先端の造形は、実験所で使ったデザインを再使用したのかもしれない。時計塔は実用からは外れて外観を整える役割しかない。内田はなかば遊びで設計していないだろうか。

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