ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





亀の子束子西尾商店。北区滝野川6-14
1990(平成2)年1月14日

「株式会社亀の子束子西尾商店」というのが正式な社名である。昭和23年から使っている。初代社長の西尾正左衛門が亀の子束子を発明して、会社を創立したのが明治40年。亀の子束子などはどこにでも転がっているものだから、もう大昔からあったような気になるが、明治年間にはなかったのである。それまでは荒縄を丸めるなどして釜や桶などを洗っていたらしい。亀の子束子は画期的だったわけだ。昭和初期に言われだしたらしい「日本三大発明」のひとつに入っている。
滝野川に本社と工場を移したのは1909(明治42)年という。写真の洋館は「滝野川銀座通り」に面した事務所棟で、その裏手に工場がある。今は敷地の半分以上を貸駐車場にしてしまっているので、写真の門扉は取り払われた。1922(大正11)年に建てられた木造2階建ての建物。東京ではもうほとんどない関東大震災前の貴重な建物だ。

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