ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




アニリンクリーニング店。台東区上野桜木1-14
左:1988(昭和63)年8月5日、右:2005(平成17)年3月31日

言問通りの谷中霊園入口のすぐ西。写真の家並みの向かいは浄名院、裏は寛永寺幼稚園がある。アニリンの銅板貼り看板建築は、その造りの典型例だ。窓がサッシに替えられ、戸袋の上が破損しているが2階から上のファサードはほぼ建築時のままで残っているようだ。
現在、アニリンは住宅に建て替わり、その左の「信栄商事KK」は1991年にはすでに取り壊されていたが、今は2台分の時間貸し駐車場。

下の写真の交番は1枚目写真の右手の、信号のある三叉路の交差点の角にあった。写真右のスレート屋根は寛永寺幼稚園。1966年の住宅地図では「下谷警察署桜木町巡査派出所」。『台東区近代洋風建築調査報告書 データ編』(東京芸術大学前野研究所編集、平成8年)によれば、RC造で、「人造石洗い出し、石積風意匠に特徴あり」ということだ。いつのまにか取り壊されてしまったが、もったいないことだ。行政の人は住み着いてしまう人を警戒しているのだろう。


桜木町派出所。上野桜木1-14。1988(昭和63)年8月5日

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