ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




松沢たばこ店。豊島区西巣鴨3-19。1987(昭和62)年2月15日

明治通りの掘割交差点の東北側の街並み。写真右の松沢商店の右が欠けてしまっているが、この店は交差点の角にある。『東京―昭和の記憶―』の「中山道 西巣鴨~板橋 2ページ目」に、交差点の東南角の「自転車サービス商会」の古い建物を撮った写真があって、そこに松沢商店の角の部分も写っている。
写真左の出桁造りの3軒の商家は、「ヴェルドミール西巣鴨」(1992年2月築、11階建38戸)というマンションになっている。その裏に写っているビルは「大正大学1号館(本部棟)」。

「掘割」という交差点名が気になる。これは交差点のすぐ南にある「区立千川上水公園」が関係している。この公園は千川上水の沈殿池があったところ。千川上水は、この北(上流)では旧中山道の南に沿うように微妙に曲がりながら通っている、いかにも流路だったような裏通りがその跡である。
幕末に滝野川村(現在の「醸造試験所跡地公園」)に「大砲製造所」が計画され、その動力用に水を持ってくるために、千川上水から水路を掘った。それが「掘割」の地名の由来である。その分流はこの辺りでは明治通りに沿っていたらしい。水なら石神井川から汲み上げればいいではないか、といえそうだがポンプなどはなかったのである。

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