ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




舘ネーム店。千代田区神田須田町2-15。1987(昭和62)年9月13日

神田川の南に沿って、万世橋から柳橋まで東西に通じている通りを柳原通りという。江戸期は神田川の水が増水しても下町にいかないように土手が築かれて「柳原土手」の地名で、古着屋が並んでいたという。それが明治期もうけつがれ、通りには市電も走った。大正期には古着が洋服の既製服に替わってきて、戦後は岩本町を中心に繊維業の密集地になっている。
写真は柳原通りの、昭和通りと山手線ガードの間の辺り。銅板張りの看板建築が並ぶ。中央の同じ形の3軒あるいは4軒は長屋のようだ。店は左の横町の角から「伊関電気、まりっぺ、舘ネーム店、都築商店、215ビル(古畑)」。現在は写真の看板建築はまとめて「クレアール神田」(2004年6月築、13階建て68戸)というマンションに替わった。その1階に伊関電気と舘ネーム店が無事に入っている。

テレビでも取り上げられる「岡昌裏地ボタン店」は215ビルの右にある。『東京ダウンタウンストリート1980's>千代田区神田須田町(2011.05.22)』には、1982年に撮影した看板建築の町並みが載っている。そこには岡昌裏地ボタン店の左にあった「柴田ミシン商会」の看板建築も記録されている。


伊関電気。神田須田町2-15。1987(昭和62)年2月1日

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