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大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

魔法少女マヂカ・128『ループする二条駅』

2020-02-09 17:38:29 | 小説

魔法少女マヂカ・128  

『ループする二条駅』語り手:マヂカ 

 

 

 

 京都駅を出発すると梅小路京都西駅、丹波口駅を経て二条駅。

 

 装甲列車が出てきたので梅小路には気を配ったが、霞の向こうに鉄道博物館が濃灰色のシルエットになって沈もるばかり。念のためボイラー室側壁のガンピットから量子カノン銃を覗かせて警戒するが、北斗は梅小路公園の縁を撫でるようにして、たちまちのうちに丹波口駅に迫る。

「とりあえずは無事の発進かニャ……」

 ミケニャンが早々と安どのため息を漏らす。

「どれぐらいで黄泉比良坂に着くのかな?」

「いまの北斗はSLモードだから、無事に行けば十時間くらいじゃない? ノンコ、眠かったら寝ていていいよ。ブリンダとサムが寝台車取ってきてくれたから」

「まだ、大丈夫だよ」

「あ、高架になったぞ」

「そうか、京都市内は高架工事が完了しているんだ……」

 京都は休眠前に訪れた戦前の印象しかない。山陰線の高架と言えば餘部鉄橋があるくらいで、ずっと地上を走るイメージしかない。

「うわあ、お寺みたいな駅だ」

 ノンコが和風の二条駅を珍しがっている。

 二条駅は古都のイメージを壊さないように寺院建築を模した和風の駅舎になっている、離宮として使われた二条城が近いこともあって、天皇や皇族方の利用を考慮して、その規模の割には貴賓室を備えているなど、地味な割には凝った造りになっている。

 あれ……?

 二条駅は地上駅のはずだ、高架になって目の高さに地上駅が見えるのはおかしい?

「マヂカ、進行方向に同じ駅が見えるぞ」

 ブリンダも警戒の声をあげる。

「その向こうにも……」

 次々と二条駅が現れては後方の霞の中に消えていく。

「ループしている……」

「友里、二条駅を検索してくれ、いまの二条駅の姿をモニターに出すんだ!」

 安倍先生が叫ぶ、聖メイド服であるバジーナ・ミカエル・フォン・クルゼンシュタイン一世の衣装をまとったまま男っぽく命ずるのは、なにか倒錯した魅力がある。

「これです!」

 すっきりした高架の駅舎がモニターに映し出される。

「みんな、この駅のイメージを持って!」

 しかし、少し遅かったようだ。和風の二条駅駅舎は次々にループしていく。

「総員戦闘準備! 次の二条駅に停車して妨害している霊魔を撃破する!」

「「「「「「ラジャーー!」」」」」」

 

 総員の声が揃い、機関士である友里が加減弁を押しブレーキをかけた。

 

 

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せやさかい・122『造反有理』

2020-02-09 13:16:03 | ノベル

せやさかい・122

造反有理』         

 

 

 反逆すのるには道理がある……という意味らしい。

 

 ほら、大仙高校の水道管破裂事故で、旧館の裏階段通って避難した時に壁に赤ペンキで書かれてた四文字熟語。

 帰ってからテイ兄ちゃんに聞いたけど「仏教用語には無いなあ」という返事。お祖父ちゃんに聞いてみた。

「ああ、反逆するのには理由があるいう意味や」

 え、当たり前やん。反逆とか反抗とかは、なんか気に入らんことがあってやるもんや。あ、『理由なき反抗』いうのもあったっけ。あれは映画やし。

「お祖父ちゃんが若かったころはなあ、あっちゃこっちゃで学園紛争ちゅうのがあってな。授業も受けんと、学校の中で暴れたり、もの壊したりしとった奴らがおった」

「校内暴力?」

「まあ、そんなもんやけどな。そこに理屈をつけよった。学校や社会は我々学生や生徒に、秩序への一方的屈従を強いるものであって、それは打倒され破壊されなければならない、とかな」

「なんや、難しいなあ」

「やってることは校内暴力や、褒められたもんとちゃう。せやけど、なんでそんなカビの生えたような言葉知ってんのん?」

「ああ、それはね……」

 スマホの写真をお祖父ちゃんに見せる。

「これは……大仙高校か?」

「うん……て、なんで分かんのん?」

「わし、大仙高校の卒業生やからなあ」

「え、旧制中学!?」

 交流会のファッションショーで見た詰襟の制服を思い出す。

「アハハ、そこまで歳やないわ」

 そう言うと、お祖父ちゃんは衣を着て檀家周りに出かけて行った。

 

 ネットで調べてみた。

 

 造反有理いうのは中国の毛沢東(マオ・ツォートン)いう人が中国の態勢を倒したり、文化大革命(なんやろ、文化祭の革命?)やるときのスローガンやったとか。昔からあった『造反無道』のひねりみたい。

 むつかしいので、大仙高校を調べる。

 字ぃ読むのはメンドイから画像を見ると、旧校舎の写真、外観は、こないだ見た通りやったけど、内部は剥き出しの配管なんか無くてスッキリしてる。仁徳館いうのが正式な名前。文化祭やら地域の行事、選挙の演説会やら投票所にもなって、青春映画のロケにも使われた様子が映ってる。

 いろんな思い出がある建物なんや。

 スクロールすると、仁徳館に赤旗が林立して、立て看板が並んでるのがあった。これやろか、学園紛争いうのんは?

 あ、造反有理や!

 壁に、あの造反有理がピカピカのペンキで書かれてて、その前にヘルメット被ったニイチャンらが腕組みして立ってる。傍の旗には『大仙反戦反帝連盟』と書かれてる。なんや、怖い。

 その中で一人だけノーヘルで学生服いうのが写ってる。画像下のURLをクリックすると、別のサイトに飛んで、さっきの写真が大写しで出てる。

 今度のは、下に名前が書いてある。

 書記長   野中民雄  以下ゴチャゴチャとあって、ノーヘルの学生服……。

 生徒会長  酒井諦観

 

 え? え? お祖父ちゃんのこっちゃ! 

 

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ここは世田谷豪徳寺・6話《拡散、その兆し》 さくら編

2020-02-09 06:27:32 | 小説3
ここは世田谷豪徳寺・6
《拡散、その兆し》 さくら編   
 
 
 

 駅を出てみそな銀行の前まで来ると罵声が聞こえた。
 
 あたしは、水道工事のガードマンのニイチャンと顔を合わせたくなかったので、一本向こうの道を行こうとしたんだけど、もめ事には直ぐに顔と耳が向いてしまうのは江戸っ子の習い性。
 人だかりの向こうで、ガードマンのニイチャンと学生風がつかみ合いっこ。工事のオジサンたちが作業着にメット姿で間に入っている。
 
「てめえ、しらばっくれやがって!」
「だから、濡れ衣だって。あんたこそガードマンのくせして、交通妨害だろうが!」
「忠八、怪我させちゃだめだぞ、すぐにお巡りが……きたきた!」
 工事のオジサンたちが道を空け、お巡りさんが交通整理をし始めた。
「いったい、どうしたんですか?」
 息は弾んでいたが、男女のお巡りさんは穏やかに聞いた。
「こいつ、盗撮野郎なんですよ!」
 ガードマンのニイチャンが、学生風の襟首と腰のベルトを掴みながら言った。
「盗撮?」
「金井さん、ちょっと交代」
「あいよ」
 学生風は、オジサンに後ろ手に捻り上げられた。
「イテテ……」
「オジサンこそ怪我させないように」
「すまねえ」
「これなんですよ」
 
 ガードマンのニイチャンはスマホを出して、お巡りさんに何か見せた。
 
「これは、え、君のスマホに入ってるってことは……盗撮は君?」
「違いますよ。こいつがアップロードしてたのを証拠にコピーしといたんですよ」
 ここまででだいたいの事情が飲み込めた。でも、あたしは頭に血が上って動けなくなった。
「……なるほど。こちらがこれを撮ってたのを憶えていて、今あなたがここで発見したというわけ?」
「オ、オレが撮ったって証拠、どこにあるんだよ!」
「これが、証拠だよ。おめえだろうが!」
 ガードマンのニイチャンは、スマホの動画を再生した。
「なるほど、スマホ見ながらニヤツイテるのは、まさしく君だね」
「服装も同じです。香取巡査」
 女性警官が大きく頷いた。学生風がわめきだした。
「ぼ、ぼくは、単に街のスナップ撮ってただけなんすよ。それを、女の子のスカート跳ね上げたのは、このガードマンの方なんですから! 悪いのは、こいつ!」
「そ、それは事故なんですよ、事故!」
「事故なもんか。あんたこそ、誘導灯振り回して、女の子を!」
「悪いけど、二人とも署まで来てもらえるかな。すぐそこだから」
「「そんな!?」」の声だけは仲良く揃った。
 
「ガードマンさんは、悪くないです!」
 
 みんなの視線がいっせいに、あたしに向けられた。
 で、四人揃って、近所の北側警察に行くハメになった。
 
 
「じゃ、佐倉さんは、ガードマンの四ノ宮君が気になって見つめていた。四ノ宮君は、そんな佐倉さんにアガっちゃって、思わず大きく誘導灯を大きく振って佐倉さんのスカート跳ね上げた。それをたまたま街の景色を撮っていた前田君の映像に映りこんだ……というわけか?」
 お巡りさんが、いったんまとめた。
「でも、香取巡査。前田君の映像は、ハナから佐倉さんをフォローしてますよ」
 任意で出させたスマホの映像を見ながら、女性の直感で、そう言った。
「たまたま、彼女が前を歩いていただけですよ」
 前田は、開き直った。
「他にも、女子高生の映像が多いなあ……」
「たまたまですって、時間帯見て下さいよ。通学時間でしょ。女子高生なんか、どこにでもいますよ」
「でも、これは狙ってるなあ、あきらかに……」
「でも、そうだとしても、パンチラは、これだけですよ」
「たしかに……でも、これは制服フェチですね」
「そ、それは違う。単なるリセウォッチングですよ!」
「単なる街頭撮影ではないわけ。今自分で言ったわよね?」
 なかなかの女性警官だ。
「法律には触れません」
「でも、てめえ、サイトに投稿してんじゃんよ!」
 四ノ宮さんの逆襲。
「うん、投稿の記録残ってるね」
「とっくに削除されてます」
「偉そうに言うな!」
「四ノ宮君は落ち着こう。佐倉さん」
「はい!」
 あたしはビックリして、椅子に座ったまま五センチほど飛び上がった。
「あなたは、こんなことされて嬉しかった?」
「とんでもない、迷惑です!」
「じゃあ……」
「その前に確認です。香取巡査」
「え……?」
「迷惑に思ったのは、投稿されたことだけ? スカートをナニされたことは?」
「恥ずかしいけど、あれは……事故です」
 
 ドン!
 香取巡査が、拳で机を叩いた。
 
「決まり。前田君、都の迷惑防止条例違反。一晩泊まってもらおうか」
「四ノ宮君と、佐倉さんは、ここに署名して帰っていいわよ。連絡先もお願い。で、これは肖像権の侵害で訴えられるから、家に帰って相談してみて」
 
 梅ヶ丘の駅まで四ノ宮さんと歩いた。
 
「ごめん、もともとはオレが……」
「いいの、四ノ宮さんのは事故。学校でも言われちゃった。そんな三十メートルも手前から見つめるもんじゃないって」
「オレこそ……」
「ううん、あたしこそ……」
 で、目が合っちゃって、それでおしまい。あたしは梅ヶ丘から豪徳寺まで電車。四ノ宮さんは駅まで迎えにきてくれた工事車両に乗ってお別れ。
 普通だったら、番号の交換ぐらいするかなと思ったけど保留。良きにつけ悪いにつけ、あたしは優柔不断。でも「ガードマンさんは悪くないです!」と叫んだ。そんな自分は新発見。
 
 そして、この問題は、これだけでは終わらなかった……。
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オフステージ・(こちら空堀高校演劇部)・35「アジサイよりも早く」

2020-02-09 06:09:26 | 小説・2
オフステージ(こちら空堀高校演劇部)35
「アジサイよりも早く」ミリー                   




 あれ?

 パパさんが新聞を広げ、雄太(千代子の弟)がタブレットをスクロールして、ママさんとお婆ちゃんがテレビのワイドショー、千代子がスマホ。

 見た目には変わらない朝の食卓なんだけど、昨日までとはそれぞれ見ているものが違う。
 パパさんと雄太は連日のコロナウイルスとか花見とかの最新ニュースを見ては親子で言い合いをしていた。
 もちろん深刻な論議になることはなかったけど、やっぱ、日本でも大人たちは、時事問題というか、社会や国のことを考えているんだなあと思った。
 パパさんが広げているのはA新聞じゃなくてスポーツ新聞だ。
 雄太さんのタブレットは、ポリティカルな動画サイトではなくてネットゲームだ。
 ワイドショーはパンダの赤ちゃんとアジサイの名所を特集している。

「千代子はいつも通りやなあ」

 そう言うと、虚を突かれたようにワタワタした笑顔を向けて「アハハハ」と顔を赤くする千代子。
 千代子は彼が出来たようで、スマホでチェックしているのは彼からのメールばかり。もともと朝食でのメールチェックは千代子の日課だけど、メールの相手が彼だと気づいているのは下宿人のミリーだけだ。

「ミリー、気ぃついてたん(^_^;)」

 駅までいっしょの通学路で千代子が聞いてくる。
「うん、隣に座ってるし、微妙にパパさんママさんから見えへんように画面傾けてるやろ、あたしからは丸見えやねんでえ」
「あ、えと、内緒、内緒ね」
「分かってるよ、そやけど、パパさんら見てるもんが変わったね」
「え、そうなん?」
 ミリーは朝の食卓の感想を述べた。
「そら、花見も下火やし、もう、おもんないんちゃう?」
「そうなんかなあ」
「うん、ミサイルのことも、もうトレンドやないし」
「そうか……」
 ミサイルが発射されて新幹線までが停まったのが、遠い昔のように思われる。

「あれ?」

 立ち止まりはしなかったが、コンビニに目を向ける千代子。
 
「なに?」
「昨日までは、ミリーのこと見てる男の子らがおったんやけど」
「え、そんなんおったん!?」
「うん、学校の部室棟のことでネットとかに載ったやんか、先週は新聞にも載ったし、あれから密かに注目されてたんやで」
「そんなん、言うてくれやなら!」
「ハハ、そんなガッツかんでも、ミリーはモテモテやろ~し」
「いやあ、そんなことあれへんよ!」

 千代子と上り下りに乗り別れた電車の中でスマホをチェックしてみた。

――アクセス頭打ちにになってきたなあ――
 
 部室棟のことで先週までは、ちょっとしたアイドルという感じだったが、世間は急速に感心を失ってきているようだ。

――まあ、こんなもんやねんやろけど、ちょっと早すぎひん?――

 改札を出ると、植え込みのアジサイが目についた。
 昨日まで青っぽかったアジサイは赤っぽく色を変えはじめていた。
 
 季節の移ろいは早いもんだ。安心とも落胆ともつかないため息の出るミリーであった。

 
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不思議の国のアリス・26『番外編1・天保山山岳救助隊・2』

2020-02-09 05:57:36 | 不思議の国のアリス
不思議の国のアリス・26
『番外編1・天保山山岳救助隊・2』            


 
 
「いやー、千代子、どえらいおとなになってしもてからに!」

「アリスこそ、アン・ハサウェイみたいになってしもて!」
 千代子との再会は、まるで映画のワンシーンのようだった。じっさい関空を取材に来ていたテレビのクルーが、機転を利かして取材にきたものだから、周りの人たちは本当にスターが来たのかと思った。
 アリスも、大人の感覚が分かるようになっていたので、リポーターの顔を潰さないように、英語で喋り通した。
 しかし、これが、あとで大きな波紋を呼ぶとは思い至らなかった。

 半年ぶりで、クラーク先生ごと千代子の家にお世話になった。
 
 クラーク先生は、オバアチャンの部屋の仏壇に興味を持った。
「これは、なんだい。お寺のミニチュアかい?」
 まるでドールハウスを見る感覚で言った。
「違いますよ、これはお仏壇です」
「OBUTSUDAN……?」
「ええと……The family Buddhist altar」
「ああ、そうかい。あの小さいのがブッダかな?」
「あれは、阿弥陀如来です」
「おお、大日如来の化身だね」
「いや、ここは浄土真宗で、大乗仏教ですから、世界そのものの象徴です」

 アリスは、ホームステイしていたころ、近所の住職から聞いた、浄土真宗の教義の説明をした。

「アリスちゃん、ちゃんと伝えられたん。先生、なんか難しい顔してはるで」
 オバアチャンが、心配顔で聞いてきた。

「解脱しなくても救済されるということなんだろうけど……どうも、それが世界の約束というのがわからないんだよ」
「あ、約束ちゃいます。真理です」
「真理!?」
 先生の目が険しくなった。
「ゼロは誰にも見えませんが、誰でも認識できる真理です。それと極楽往生は同じことなんです」
「しかし、極楽とはパラダイスのことだろう。だとしたら、存在、すなわち実存するものだ、実存には限界がある」
 なんだか、話が難しくなってきた。
「人間は、いや、万物は必ず死んだり、壊れたりします。この宇宙さえ膨張の果てにブラックホールとして消滅すると言われています。つまりゼロです。それを民衆に分かり易く表現したものが、極楽なんです」
「うーん……」
 クラーク先生は、ますます難しい顔になった。

 しかし、渡辺家ご自慢のヒノキ風呂に入り、商売モノの美味しい魚を食べ、剣菱のヒヤで上機嫌になった。

「お、クラーク先生とアリスちゃんのことテレビでやってるで!」
 お父さんが、マグロの刺身に箸を伸ばしながら言った。
「すごいやん、世界最高の山と、最低の山を征服する男と、助手のアメリカ女性やて」
「うわー、うちただの学生やのに、どないしょ!?」
「ハハハ、わたしのアタックに日本中が注目だ!」
 先生は上機嫌になり、2万5千分の1の登山地図を広げた。
「先生、天保山やったら、スマホのナビでいけまっせ」
 アリスが訳すと、先生は、こう答えた。

「山であるなら、それ相応の礼儀を持って接するのが真の登山家です。アリス、君の装備はいいかね?」
 
 そういうと、クラーク先生は、山の装備点検を始めた。みんな驚いた、チョモランマに登ったときと同じ装備である。

 アリスは千代子に頼んで、近所のオネエサンから、登山用の装備を借りてもらった……。
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