大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

大人ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ラストスタンド』

2013-04-27 18:19:20 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評 
『ラストスタンド』


これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです


 うん、そんなに酷くはなかったですね。

 なんせアメリカでBOX OFFICE 1週間で圏外、しかも全米で1000万稼いだかすら怪しい。転けた……どころやない作品、覚悟して見に行ったらまぁ 見られる映画でした。アメリカじゃ 州知事末期の人気の落ち目が映画にも響いたって事でしょうかねぇ……まぁある意味中途半端ではありました。製作費がかかっているやら安上がりなんやらようわからん作りだし、悪党がシュワちゃん相手には小振り過ぎるし、思うにB級扱いされない体裁だけは整えて 本格復帰前のトレーニングって所でしょう。公開まだ未定ですけどターミネーター新作に登場は決定していますし、元々 スタローンみたいに自ら企画を建てる人じゃないんで、誰かに使ってもらわなきゃ出番が無い。シュワちゃんが演技出来ない事をよおく理解した上で持ち味を生かせる作品が必要、過去デビュー以来40本弱 内主演32本でヒット作品8本…当たり確率25%ってのは やっぱり大物…なんでしょうねぇ〓


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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『藁の盾/アイアンマン3』

2013-04-26 21:25:15 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『藁の盾/アイアンマン3』


これは悪友の映画評論家・滝川浩一が身内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです


☆藁の盾

 とりあえず褒めておきます。 

 三池崇史にしては抑制の効いた画面です。程ほどにサスペンスも利いています……まぁ こんな所。

 細かい指摘ですが、三池崇史は殴る蹴る刃物を振り回す……までの監督やね、作品にチャカ持ち込むなら、銃器専門の監督(出来りゃアメリカ人の)を雇った方が宜しいようで……。
 まず、ピストル訓練で 大沢たかおが照準を定めるのに片目を瞑っている……有り得ない、最近 漸くライフル照準で スコープに目をくっつけるのが無くなってきたのに…信じられん。松嶋菜々子は両目開いているが上体が後ろに傾き過ぎ、それと発射後の反動が嘘っぱち、通常スピードならまだしも わざわざスローモーションにするから…あ~~あ チョンバレ。
 前からフルスロットルで突っ込んで来るタンクローリーに9ミリ弾で何をしたい訳? ケツが滑り落ちそうでしたわいな。タンクの中身がニトログリセリンって……ほんであの程度の爆発ですか…ホ~〓〓  犯人護送中に邪魔される話は色々ありまっさかい まぁ パクリやとは申しませんが、原作は読んで無いんで置いとくとして、映画を見る限り“S,W,A,T,”と“ガントレット”をミックスして 日本的ネットリ感でまとめた作品です。
 それでもええんですが、5人の護衛警官の描き方が表面的過ぎる、犯人/藤原もコントラストが効いていないし、賞金をかける山崎も薄っぺらい。この部分が本作の肝! ここの手抜きは致命的、嗚呼。
 三池崇史の「これまで日本に無かった映画を~」って意気込みは理解するが、アメリカ映画の形だけを真似てもアキマヘン。
 まず、作品から銃器を除きましょう、殴る蹴る斬るが三池崇史の限界だと、まず本人が自覚していただきたい……ナンマンダブ~〓

☆アイアンマン3

 アイアンマンシリーズの中ではダントツの面白さと規模、相変わらずストーリーが破綻してるのは……なんせ原作が古いアメコミですから見過ごしてあげましょう。そこんとこ御納得いただければ、あとはジェットコースタームービーに成っとります。まぁ、ストーリーを追っかけても仕方ないので……ああっと、本編が終わっても席を立たずに最後まで座ってて下さい、ボーナス有りです(ちょっと微妙ですがね)
 それにしても、日本配給元がまたまた騙しをやっとりまんなぁ、なぁにが「さらば アイアンマン」なんですかねぇ、来年か再来年にアベンジャーズ2が決まっとりますし、本作が大コケせんかぎりアイアンマン4どころか5だって有り得ます。マーベル(て事は ディズニーですが)は次のアベンジャーズに向け 本作に続いてマイティ・ソー/キャプテンアメリカの続編、新しいヒーロー(といっても昔のマーベルヒーローですがね)物をガンガン作るようで……いつか来た道でんなぁ。
 それより 今回気になったのは、クリストファー・ノーラン(インセプション/バットマンのリ・ブート/古くはメメントの監督)の“MAN OF STEAL”あのスーパーマンのリ・ブートです。予告編を見ているだけで雰囲気有ります。
 もう一つ、ジョニー・デップの“ローン・レンジャー”が少しずつ顔を見せ始めてます。ジョニーはレンジャーじゃなく、インディアンのトント役…なぁんていって 判って貰えるのは60代以上のジェネレーションだぜ キモサベ〓 こいつも面白そう ハオ インディアン嘘つかない


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高校ライトノベル・『河東 けい という名女優』

2013-04-25 05:33:48 | エッセー

『河東 けいという名女優・その一』
 

 これは、昨年秋(1912)に書いた『大いなるもの』を加筆したものです

 書こうと思って、一つは半年が、もう一つは二年がたってしまった。

 わたしは、思い立ったら、すぐに文章にしてネットで流してしまい、時に批判をうける。
 その、わたしが書けなかった。

 で、思い直した。不細工でも書けないということを書いてみれば、書けないことをネガにして、読む人にポジにしてもらえ、ある程度通じるかもしれない。

 人間というものは、あまりに大きなものを目にすると描写ができないものである。
 たとえば、ビルの陰をまわったら、目の前に大きな黒い壁の前に出てしまった。あまりに唐突で、それが何であるか、しばらく分からなかった。やがて、それが巨大な船であると教えられた。タラップを上がり、船上に上がったが、船内は迷路のようになっており、デッキに出てみて、なんとか船らしいことが分かった。
 これは、幼稚園のときの実体験である。幼稚園に帰り、その船の絵を描くことになったが、幼いわたしの頭の中で、それは船のカタチをしておらず。最初の印象の巨大な黒い壁を正直に描き、先生や仲間からは「?」であった。

 人にも大きさがあることは、頭では分かっていたが、現実に会って、その大きさのあまりに書けないことは、この二回が最初であった。

 この春に、長年の友人の紹介で、関西でも指折りの大女優さんに会うことができた。関西芸術座の『河東 けい』さんである。
 若い頃に、この人の舞台を観た。『奇跡の人』で、ヘレンケラーの家庭教師サリバン先生をお演りになり、それ以来、わたしは、この女優さんのファンであった。
 この人は親の反対を押し切り女優になった。
 今時の親ならば、こう言う。
「なにを夢みたいなことを言って。将来の保障なんかないじゃないか」と反対する。
 この人の親は、こう言った。
「河原乞食にするためにここまで育てたんじゃない!」で、勘当(親子の縁を切る)されてしまった。

 この人が女優になったのは、終戦直後で、世間の演劇人に対する認識は、おおむねこのようであった。「アカ」という非難のしかたもあり、その言い回しは、わたしが若い頃にはまだ存在していた。
 こういうことは予想していたので、さほど驚かない。

「わたし、女優志望じゃなかったの」
 
 この言葉に面食らった。わたしは、この四十年間、この人は女優であると思っていた。それも頭に「大」のつくそれである。それが女優志望ではなかったとおっしゃる。
 女学校を出てしばらく、この人は、芝居がおもしろそうなんで、移動劇団について回り、雑用をやっていた。で、しばらくすると、劇団員から声がかかり、正式な劇団員になった。しかし入ったところは……。

 演出部……であった。

「わたし、そんな美人てわけじゃないし、スタイルもね……人前にでるのも恥ずかしかったし」
 と、意外な答えがかえってきた。
 この人の舞台での存在感は圧倒的である……このことは説明がいる。個性が強く華があるという意味ではない。
 この人が、舞台に立つと、役が舞台に立つのである。現役の役者の多くは、自分の個性で舞台に立ち、スクリーンに出てしまう。このことは善し悪しである。役者個人が魅力的であって、観客もそれを望んでいるのであれば、それで十分である。
 マリリンモンローが、そうであった。何をやってもモンローで、アメリカのセックスシンボルと言われ、そう言う意味での女優としては成功した。しかし、モンローは、そういう自分に限界を感じ、いろんなことが演れる女優になりたいと思い、リー・ストラスバーグのアクターズスタジオに通い、他の駆け出しの俳優たちといっしょに演技の勉強を始めた。残念ながら、その成果が現れる前にモンローは、亡くなってしまった。

 わたしが会った、この大女優さんは、モンローのようなタレント性が自分に無いことを十分知っていたので、演出部に入ったのである。
「演出の勉強なんかしてなかったわよ」
 平然と、この大女優はおっしゃった。煙に巻かれたようなので、つっこむと、こう答える。
「見よう見まね」
 で、終戦直後の劇団は、どこでも人と金がなかった。そこで、演出部に籍をを置いたまま、片手間で女優も演るようになった。
 で、わたしは、この人の片手間を観て大感激したのである。

 素人のわたしが観ても、この人の芝居は、スタニスラフスキーの演技術。そしてリー・ストラスバーグのアクターズスタジオのメソードを使っていた。それを指摘すると、答はこうだ。
「いやいや、とんでもない。そんなの少しは知ってたけど、わたしは見よう見まね」
 並の俳優が言うと、嫌みな謙遜にしか聞こえない。しかし、この人は本当に「見よう見まね」と思っている。
 かつて、先輩の俳優に、こう言われた。
「君らの一生懸命はこんなもん(指を五センチほど広げた) 僕らの一生懸命はこれくらい(両手を一杯に広げて見せた)」
 この人は分かり易かった。本番の舞台を観にいっても努力の跡がわかるのである。
「ああ、この見せ場の、この間の取り方やなあ」という具合。

 しかし、この大女優さんは、舞台での存在感が自然なのである。サリバンさんのときは、その女優ではなくサリバンさんとして、そこに存在している。テレビで脇役を演っておられるときなど「え、どこに出てはったん?」である。エンドロールを見ると、確かに名前が出てくる。で「え、あのオバハンが……」と分かる。
 で、わたしは圧倒されてしまう。
 この感動はメリル・ストリープで感じた。『プラダを着た悪魔』『マンマ・ミーア』『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』『マディソン郡の橋』の主役・主役級の役が全てメリル・ストリープであったと気がついたときの感動と同質である。

 で、その秘訣と、その人の歴史が知りたくて、四時間あまり話をうかがったが、結局は、幼稚園児がいきなり巨大な船のドテッパラを見せられたようなもので、とてもその全体を形容することができない。
 あわよくば、この人をモデルに小説を書いてみたかったのであるが、こんな小文を書くのに半年もかかってしまった。

 関西芸術座のサイトを開いてみると、個々の役者さんの写真と共に、その役者さんの肉声が聞くことが出来る。おけいさんの言葉は、一音一音、そっと確実に置かれていくようで耳に心地よい。悪くとられると困るのだが、女性であることを超えて人間の声としての確かさと潤いがある。ラーメンのコマーシャルではないが、「嘘だと思ったら聞いて下さい」である。

 タイトルは忘れたが、おけいさんの別役の芝居を観た。別役=難解という人。また難解に演出したり、演技してしまう人がいるが、おけいさんの(たぶん)お母さん役は、ちゃんとお母さんだった。一家でリヤカーを曳いて旅をするような芝居だった。「ああ、これは一家の歴史を描いた芝居なんだな」と思って、ロビーでお会いした本人に「この芝居は人生ですね」 そういうと「あたりまえやんか」という表情を、まるで、女学生のように弾んだ表情でされた。当時は○十代であられたであろうか。反応は、まるで日頃相手にしている女子高生のようであった。


 この稿は、また続編があるかもしれません………♪

※写真は『日本タレント名鑑』からお借りしましたが、著作権上の問題で使えません。サイトの画像でごらんください。 
 

 
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高校ライトノベル・ライトノベルセレクト№34『あのころの私』

2013-04-24 15:42:25 | ライトノベルセレクト
ライトノベルセレクト№34
『あのころの私』
     


 わたしは、朝の9時からの開会式だと思っていた。

 だから、地下鉄の駅で「千里中央行き」をタッチの差で見逃したとき、思わず「チッ」と舌打ちしてしまった。我ながら下卑ている。目の前の小学校の低学年とおぼしき女の子が振り返って、怯えた目をした。それほどわたしは殺気だっていたのかもしれない。
 次の「新大阪行き」を見送り、その次の「千里中央行き」までには10分待たなければならない。せめて1分でも早くつけるように、わたしはホームの最後尾に向かった。ここが、本選会場の「よみうり文化ホール」には一番近い。

 やっと来た「千里中央行き」の中でも、わたしはいら立っていた。その時は、まだ思ってもいなかった。わたしが数年間青春をかけてきた高校演劇の時代が、こともあろうに今日、自分の中で終わってしまうことを。いら立ちの原因は、そのことへの予感にあったのかもしれない。

「千里中央」で降りて、エスカレーターを上がると、駅前。そぼ降る雨の中、見覚えのある後ろ姿が目に止まった。

――大橋先生だ――

 気後れから声が掛けられなかったけど、先生は、わたし以上にいら立っているようで、横断歩道の信号が変わりかけているのを、強引に手をあげ会場に向かっていた。第62回大阪府高等学校演劇研究大会の看板が濡れそぼっていた。
「よみうり文化ホール」は、ごていねいに午前9時にチャイムが鳴る。信号を律儀に守った……というより、大橋先生に気づかれないため、距離をとった私は、完全に遅刻してしまった。
 ホールの二つのガラス戸を潜ると、入場しおくれた女生徒たちの最後尾に付き、OGの厚かましさで最前列に回った。
 そこで、大橋先生の少し大きな声が聞こえてきた。
「そんな、開会式は午前9時て、オフィシャルのパンフレットにも書いたありまっせ!」
 先生が、パンフレットの、そのページを開いて常任委員の先生に悔しそうに言っている姿が目に入った。
「ほんまや」
 その常任委員の先生は、まるで宿題の提出期限を間違えていた生徒のように甘えた苦笑いをしていた。

 で、気が付いた。開会式が予定より30分も遅れていることを……。

 開会式では、私の記憶にある限り「お詫びの言葉」は無かった。予選での会場名のささいな印刷ミスのお詫びはあったが、予選であった、お客さんの混乱……時程が、ネットの連盟のサイトにも載っておらず、朝から某地区の予選を観にいったお客さんが迷ったこと。なんと、その地区は、会場校の文化祭の日、それも午後5:30の開会という異例な予選で、複数のお客さんが、朝から来て迷惑……そのことには一言も触れられなかった。
 わたしは、もう高校生ではない。バイトもしている女子学生である。イベントが30分も遅れるのは事故であるという認識ぐらいはある。また、イベントをやるに当たって、ウェブに時程が載っていないことなど考えられなかった。そのことについてMCの先生からは一言もなかった。わたしの中に残っていた、先生や連盟への信頼感が、なんだか、とても虚しいものに感じられた。

 わたしは、三年前のコンクール本選の合評会でナンクセをつけた大橋という人に、反感半分と疑問に似た興味が半分で、個人的に会ったことがある。この人が言うことは、もっともと思われるところもあるが、わたしは「恨み」からではないかと思っていた。三年前のコンクールの本選で大橋先生の作品が唯一の既成脚本として上演され、「良い作品」だと思ったが、講評では審査員の意味不明な言葉「作品に血が通っていない、思考、行動原理のそれが、高校生のものではない」……当時の私のメモには、そう書いてある。それで選外となり、合評会でナンクセをつけた。MCをやっていたうちの顧問が「ここは、大橋先生の演説の場ではありません」と言い。大橋先生は、一呼吸おいて一言二言喋って終わりにした、その竜頭蛇尾が気になって、ネットマガジンに載っていた先生のところに電話した。根性無しの私は、電話するのに一週間もかかってしまった。
 そして、じかに会って、話を聞いた。意外な答えが返ってきた。

「恨みからです」

 まさか、面と向かって言われるとは思わなかった。何か高尚な理屈か、言い訳が出てくるだろうと予想していた。
「作品に血が通っていないと言われて、恨まないのはプロの物書きとちゃう」
「じゃ、なんで、中途半端な抗議でおわったんですか?」
「それは……君らの姿が見えたからや」
「え……」
「あそこで、あの先生をケチョンケチョンに言うのは簡単やけど、あんたらには神さまやもんな」

 わたしは混乱した。先生は、その混乱をほぐそうとはせずに、いろんな話をしてくれた。
「先生、いろんなことをご存じですね」
 そう言うと、少しはにかんで、こう言った。
「ボク、会話に隙間できるのイヤでね。で、とりあえず喋っとく。で、相手が……今は君が興味を持ったとこから、話を広げていく。案外ノミのの心臓でね。ハハハ」
 つられて笑ってしまった。
 その中で、こんな話があった。
「学校の先生いうのは因果なもんでね、自分は話し下手やのに面接指導せなあかん。自分は気い回らへんのに、生徒には気配りせい! と言わならあかん。君の学校の先生は、どないや?」
 顧問のアジテーション(学生になって覚えた言葉)のような言葉が頭に浮かんだ。で、今、開会式で喋っている先生達の話を、もろにヘタクソと思ってしまった。

 正直、現役の頃のように芝居には感動しなかった。現役の子達がノリノリなのに違和感を感じる。
「演劇部はオタク化している。自分たちで通じる表現やら、言葉にしか反応せえへん。おかしい思たら、台詞喋ってない役者を観てごらん」
 二年前に言われた、大橋先生の言葉が蘇り、その通り観てみると、まさに先生が言った通り。
「台詞を、ちゃんと聞いてない」
 幕間交流で、そういうことを言おうと思うと、心が凹んだ。

「発言は、現役の生徒に限らせてもらいます」

「なんで!?」思わず聞いてしまった、
「去年のコンクールで、不適切な発言があったから」
 知り合いの常任委員の先生が教えてくれた。とても理不尽な気持ちになった、一部のフトドキ者のために、なんで私たちが割を食わねばならないのか!

 現役を離れて初めて分かった。幕間交流では、誉め言葉しか出てこない。考えてみれば、去年や一昨年の合評会も、そうであった。当たり前に思っていたが、現役を離れると違和感を感じる。

「ボクは、○○高校の××さんが好きです。この場を借りて告白したいです!」

 考え事をしていたら、突然、そんな言葉が耳に飛び込んできた。

「じ、じつは、ボクも!」
 直ぐに感染者が現れて、同様なことを言った。
 ふざけるな! と、思った。芝居の中身にはほとんど触れずにいきなりのコクハクである。
「君たちね、ここは、君たちの告白の場じゃないの!」言葉が、喉まで出てきた。
 この言い回しは、三年前の合評会で、うちの顧問の先生が、大橋先生にぶつけた言葉とおなじであり、意味は、まるで逆であることに気づいた。

 会場で、大橋先生の姿には気づいていたが声がかけられなかった。その代わり、帰ってからメールを久々に打った。主に、幕間交流で発言を封じられたことについてである。
『あ、その発言者はボクです』
 びっくりした。
 私は、先生の近畿大会での発言については承知していた。東日本大震災にモチーフを得た芝居に、大橋先生が噛みついた。
「震災の問題は、発生から半年。まだ現在進行形の災害なんです。それをタイムリーというだけで軽々と取り上げていい時期じゃないし、作品の中に震災の問題はなにも生きていない。フィールドワークもなしに、この震災を取り上げるのは、問題があります」
 そのような内容だった。正直、わたしは頭に来た。この作品は先生が中心で書いたもので、生徒は演じたのに過ぎない。その生徒相手の幕間交流で言うことではない。
『生徒には責任はありません』
 短く、半ば絶縁状のつもりで打った。
『ゲンチャやら自動車の免許が取れる奴が、そんなとこだけ子供面するんじゃありません』
 と、返事が返ってきた。

 それ以来、大橋先生とは疎遠だった。

 でも、わたしは、その発言が元で、生徒以外の発言を封じたのだとしたら、間違っていると思った。

 うちの学校は選外で、近畿大会には出られなかった。
「シード権も取れんと予選落ちしよって」
 審査発表のとき、同じ地区の先生が呟くのを聞いてしまった。

 帰りの駅のゴミ箱に、私はパンフレットを放り込んだ。それで、大阪の高校演劇とは決別してしまった。

 それから、いろいろあって、人生で初めて彼ができた。で、半分自慢で、大橋先生にメールを打った。
『そら、めでたいこっちゃ。お祝いしよう!』
 そういうことで、先生行きつけの南森町のパスタ屋さんにいる。世間話をしながら、自然に彼の話になった。
「恋愛感情の発達には四段階あってな。最初は第一次性徴期。お互いの体のつくりの違いから、相手を好きになる。まあ、幼年期やな。それから第二次性徴期、いわゆる思春期。イヤが、だんだん好きになる。せやけど、これは本当に異性を好きになるための予行演習みたいなもん。この時期に結婚した奴は長続きせえへん傾向がある。ほんで、二十歳を過ぎてから、相手も自分も客観的に観られるようになって、ほんまもんの相手が見つかる。これは個人差があってな、君は、さてどんな段階やろなあ?」
 と、意地の悪いことを言う。
「君、気づいてるか?」
「へ……」
 我ながら、間の抜けた返事になった。
「君は、意思が強い。ひょんなことからボクとメールのやりとりやらするようになったけど、クラブでは一切分からんようにしてたな」
「かいかぶらないでください。私の中では、先生は、ほとんどカタキだったんです」
「それで、本選でもシカトしてんねんな」
「気が付いてたんですか!?」
「そのカップ回すクセなあ……」
「え……」
 そう言われて、初めて気づいた。飲み終わったティーカップをソロリと回していることに。
「なんか、底に残ったミティーで、カップの内側、コーティングしてるみたいやな」
「え、あ、いや、そんな……」
「そうやって、心もコーティングしていくんやな。高校演劇は、もう、そのコーティングの下やなあ」

 それから、もう三ヵ月。わたしのコーティングは、さらに進んだよう。だから『あのころの私』なんて書けるんです。

 この話はフィクションであり、実在のものではありません。また『あのころの君』と姉妹作になっていますので、合わせてお読み頂ければ幸いです。


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高校ライトノベル・ライトノベルセレクト№33『あのころの君』

2013-04-23 21:12:30 | ライトノベルセレクト
ライトノベルセレクト№33
『あのころの君』
     


「もしよかったら、会ってお話できますか……?」

 三年前の、年末も押し詰まってきたころに、君は初めての電話をくれました。
 君なので、ここでは君子クンということにしておきます。
「先生、合評会で言い残されましたよね?」
「あ、うん。いろんなことを考えてしもてね」
「その話、よかったら聞かせていただきたいんです」
「……その、あなた、生徒さん? 先生?」

 一瞬のためらいがあって、君は一気に喋りました。

「あ、失礼しました。R高校の指原君子って、いいます。あの時の先生のご発言を聞いてもっともだと思ったんです。で、とことんおっしゃるかと思ったら、うちの先生の発言で、急に……その……言葉が濁ったような気がしたんです。あれだけはっきり大阪の高校演劇の先生が踏み込んで発言されるのを初めて聞きました。でも、エンディングを観ていない映画のように気持ちが中途半端なんです。それに……」
 ここで二呼吸ほどの間が空きましたね。言葉が持つ力に逡巡しているように感じました。
「先生の言葉が、恨み辛みからのことでないという確認がしたいんです」

 正直、少し無礼な子だという印象を受けました。しかし、多分ネットで調べたんでしょう。大阪府高等学校演劇連盟の合同合評会で、一度発言を聞いただけの、多分父親よりも年上で、なんとなく演劇的に偉そうなオッサンに電話をするには、かなりの勇気がいったはずです。

 梅田のSという、ボクが学生のころから使っている喫茶店で、待ち合わせました。

 君は、一二度店内を見渡すと、確信を持ってボクの席に来ました。
「大橋先生ですね。失礼します。R高校の指原君子です」
 言い終わる前に、君は、もう四人がけの左斜め前の席についていました。
 そこまでは、分かり易い子だと思いました。人間は、関係が対等、あるいは対立的な立場でなければ正面には座りません。また、心理的に不安定、あるいは不安になる左側に相手を置こうとはしません。ごく自然に楽な自分の右側、わたしにとって左側に座りました。店員のオネーサンがオーダーを取りに来ると、「ミティー」と軽く注文すると、少し笑顔になって、足を組みました。足を組むのは、組み方によりますが、リラックスと親和のサインです。左脚が右脚の上に載り、ボクとは、ちょうど逆で、斜め前に見交わした顔と合わせると、かなり親和的な感じになります。ようは無意識のうちに緊張感と、親和的に話したい気持ちが表れていました。
「どうぞ、なんでも聞いてください。ボクがそれに答える形が一番ええでしょう」
「大橋先生が、不審に思われたのは○○先生の審査が、講評とレジメで違っていたからですね」
「よう、分かったね」
「三人の審査員の中で○○先生の内容だけが、講評と大きく違っていましたから……」
 わざとビックリしたような顔をすると、君はたたみかけてきました。
「あの、最初に聞いておきたいんですが。先生が怒ってらっしゃるのは、恨みとかからじゃないんですよね?」
「恨みです」
 ボクは、あえて正面から言いました。君はビックリし、当惑したように目を泳がせました。自分の中で起こった感情を持て余しているようでした。
「作品に血が通っていないなどと言われて、怒らない奴は作家とちゃうで。そやから、この審査員の人とは、直接メールでやりとりしたんや。それでも、自分の意見を貫き通すんやったら、ボクは、ここまで言わん。変な見方する人や思てしまい。そやけど、あの人はレジメで、審査の根幹になる部分を全部削除しはった」
「作品に血が通っていない、行動原理、思考回路が高校生ではない……という部分ですね」
「そうや」
「でも、学校の先生が、例え、よその学校の生徒の前でも、生な怒りを見せつけるのは間違ってます……と、思います」
「君、勘違いせんといてな。ボクは学校の先生とちゃうねん。プロの本書きや」
「え…………」
 と言って、君は混乱したままミルクティーを飲んでむせかえりました。
「じゃ……じゃ、なんで、うちの先生が制止したら、あんなに簡単に、その……引き下がったんですか?」
 君は、足を組み替えて、十代の典型のような潔癖さで言いました。不覚にも、ボクは、そんな君がアルテミスのように美しく見えました。
「それは、君らの姿が見えたから……」
「……どういうことですか?」
「あの先生は、君らには神さまや。君らの前で、神さまをコテンパンにはでけへん」
「だって、先生は、作家だって……」
「二年前までは、現職の先生やった」
「あ……」
 君は、それで、何事かを悟りました。正直アンテナの感度の良い子だと思いました。君は、ハンパな作家であり、元教師であるオッサンの真理を忖度し理解してしまったのです。

 それから、君は飲み終わったティーカップをもて遊びながら聞きました。そのもて遊び方がフルっていました。底に残った僅かなミルクティーで、カップの内側をコーティングするかのように、グルリと回します。あれが海水なら、ちょっと心に浸みる一つまみぐらいのナトリウムが採れそうだと、ボクの中のヘタクソナ詩人が思いました。

「先生が、考えていらっしゃる審査基準って、どんなですか?」
 君は、ボクの「せめて、審査基準は持って欲しい」という悔し紛れを覚えていました。
「ドラマが成立していること。ドラマとは人間の葛藤、いざこざのこと。その結果、人間が変化していること」
「はい」
「ドラマを通じて観客に感動や、カタルシスが与えられたかどうか」
「はい」
「そして、演出、演技、道具、音響、衣装、照明、などが作品を表現する上で、効果的になされていたかどうか。その三つが基本やと思う」
「でも……そんなこと数値化して……」
「できる」
 目を見て断言したので、君は、それ以上は何も言えませんでしたね。こちらは、単なるディベートのテクニックだったのですが、君の反応は素直でした。

 アドレスを教えたので、それからはメールがよく来ました。

『ブログで演技の三原則って書いていらっしゃいましたが、どういうことですか?』
『自己解放ができること』
『自己解放って?』
『舞台で、自分の感情が自由に操れること。例えば、笑えって言われたら、一時間でも笑っていられること』
『それから?』
『役の肉体化』
『それって?』
『自己解放できた感情を、役に合わせて加工できること。例えば君が笑うのとクララが笑うんじゃ違うでしょ』
『なーる……それから?』
『相手役や、与えられた状況とコミュニケーションできること』
『ちょっと、ムズイです。他には?』
『あとは、ボクのブログ見て』
 そんなやりとりがあって、少しボクのことを理解してくれた君ですが、自分のクラブでは、そんなこと、まるでおくびにも出しませんでした。ネットでも、二度ほど自分の疑問をぶつけていましたね。

 近畿大会で、ボクが発言したことには珍しく反発しましたね。
『生徒には責任はありません』
 木で鼻を括ったようなメールがきました。
『ゲンチャやら自動車の免許が取れる奴が、そんなとこだけ子供面するんじゃありません』
 で、しばらく音信不通でしたが、去年の本選ではOGとして怒っていましたね。
『なんで幕間交流で、わたしたちに発言権がないんですか!?』
『ボクが、近畿大会で発言した内容が問題らしい』
『そんなのおかしいです!』
『そう思ったら、自分で意思表示してください』

 それから一年ちょっと。久方に君と、南森町の友人の店で、食べながら話しました。

 不思議に演劇の話はしなくなりましたね。また、飲み干したミルクティーの残りをカップの内側にコーティングするようにして、タマゲタことを、事のついでのように言いました。
「ところで、今度、会って欲しい人がいるんです。それからね……」

 君の三年は、ボクらの十年分以上はある。と、店の窓から見える夜空に書いてあるような気がしました。 

 この物語はフィクションであり、実在の人物や、組織とは関係ありません

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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『リンカーン』

2013-04-20 12:53:01 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『リンカーン』


この映画評は、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので転載しました



 いやはや、まず言うべきはD・D・リュイスの凄まじいまでのリンカーン像ですね。

 S・フィールドの妻役も迫力がありました。 自分も かつて下手ながら芝居をしていたので感覚的に判るのですが、役者は演じているキャラクターに引っ張られる傾向があります。D・D・リュイスはこれが極端に出る人で、一旦仕事に入ると24時間役柄のまんまに成る事で有名。奥さん……大変ですねぇ 耐えてますねぇ だって嫌でしょう 家にリンカーンが帰って来るんですよ! うっとおしいじゃありませんか ねぇ!
 さて、映画ですが 今年見た作品の中で一番難しい映画でした。ただの一瞬のシーンを見落としても、一言の台詞を聞き逃してもいけない、だからといって決して辛くはない 2時間半心地よい緊張が続く。  ただ、全編 「修正憲法13条」を巡る政治的駆け引きの1ヶ月のクローズアップ、ゲティスバーグ決戦もアトランタ炎上も有名な演説も一切出て来ない。政治の裏側に興味が無ければ全く面白くない……かも……。
 ただ、ここに一つの現実がある、本作は硬派テーマの作品ながら昨年11月全米公開以来、今年の2月まで13週間に渡ってボックス・オフィス10位以内に留まり(途中2週圏外)1億7千万$の興行収入を叩き出している。何より本作に対して「難解だ」という評価を聞いた事がない。あの「クラウド・アトラス」程度の映画を難解だとして敬遠するほどアメリカの観客の質は劣化してしまっている。そんな観客に本作の意味が浸透するのだろうか。詳しく書くとメモリーオーバーになるので ふ~ん位に読んでいただきたいが、まずリンカーンが攻撃したのは“南部の奴隷制”であって 当時北部にも黒人奴隷は存在していて、有名な奴隷解放宣言に彼らは含まれていない。つまり北部に奴隷は存在するが“奴隷制”すなわち奴隷は家畜と同じく所有者の財産である。つまり同じ人間ではないとする考え方は無かったものの、当時 女性に選挙権が無かったのと同じ偏見は有った。人間とは認めても対等の存在とは認めていなかったという事をまず知らなければならない。
 修正憲法13条が上院を通過し、下院の2/3の賛成を得れば成立するのだが、この段階では全米ではなく あくまで北部だけの決定である事。成立しても この後、南部を降伏させ この憲法を認めさせなければならない。アメリカが真っ二つに割れていた訳だが、北部も一枚岩だったのではない。民主党は13条成立によって黒人奴隷の人権が無制限に広がるとみて断固反対の立場(何故か 日本人はリンカーンが民主党大統領だと思っている人が多いが 彼は共和党、北部で黒人の人権を制限したがったのはリベラル民主党である) 共和党が優位ではあるが民主党を切り崩さないと必要票数に届かない。再度確認するが、黒人の人権を白人と同等に認める考えはない(リンカーン本人も)、この事に関しては政党間に亀裂が有り、同政党内にも温度差がある。
 もう一つに、当時 長引く南北戦争に嫌気しており、停戦交渉は別個に始まっていた。13条決議前に停戦してしまうと 南部の意向も考慮しなければならず、そうなると反対票が一気に増えて成立は絶望的になる……そういうギリギリのタイムラインに乗っていたと言うことも大きい。
 こういう捻れに捻れた状況下、強力なスタッフ 議員はいるものの心理的にリンカーンは殆ど孤軍奮闘しており、次男の従軍、妻との葛藤……バックアップするべき家族も彼の上に重くのしかかっている。  相対化するつもりは全く無いが、リンカーンにだって“光と闇”は当然有る。と しても、アメリカ最高のカリスマ英雄である、神聖とさえ言える。その絶対的英雄を崇拝すること無く、一定の距離を置いて その人生を深く掴もうとしたスピルバーグの姿勢はもっと絶賛されてよい。
 この繊細微妙かつ迫力有る作品がヒットした背景には、主人公がアメリカ最大の英雄である事と 大人の観客が戻ってきたという事実がある。
 とは言っても、この1ヶ月の政治駆け引き物語は極めて複雑である、相当に難しいと言える。これがアメリカ人に当然のごとく受け入れられるのは かれらが大部分を既に知っている以外に有り得ない。この事実を知っているだけで アメリカ人は日本人の百倍 政治的人間である。かつて フロリダに行った事があるが、その時痛感したのは「よくもこんな途轍もない国と戦争したなぁ~ 勝てる訳ゃぁ有り得へん!」という事。本作を見て思ったのが「こんな政治的人間と政策駆け引きなんかしても勝ち目は限り無く“0”じゃんかいさ」って事です。
 てな訳で、言いたい事は山程あるんですが 私がゴチャゴチャ書くほどに観客の足を引っ張るような気がしてきました。すべての人に とは言い切れませんが一人でも多くに見ていただきたい映画です。
 アメリカの黒人が 当たり前の人権を得るには リンカーンからさらに百年、公民権運動の成功を待たねば成りません。そして それが社会に根付くのにさらに数十年…ベトナムで死傷した兵士は圧倒的に黒人が多かった、歴史は這うようにしか進まない。しかし、進むべき方向を定めるべく社会構造を変革するイベントは急激に起こる。その起点がリンカーンである事に違いはなく、そのインサイドストーリーに触れるのは貴重な体験であります。
 ドキュメンタリー色が強い作品ですが、間違いなくドラマ。有名なシーンは一切ありませんが、リンカーンが通信士に語る ユークリッド幾何学に例えた人間存在の意味、議会で飛ばすヤジに籠められたユーモアとウィットにとんだ切り返し……一瞬の台詞も揺るがせに出来ないのは 解らなくなると言う以上に“勿体無い”からです。リンカーン家に勤める黒人女性の「私には自由の意味(アメリカに住む黒人が自由である事)など解りません。私達は自由になるため戦って来ました。そしてこれからも戦いは続きます」……この台詞が一番重く響いた。
 ご存知の通り、リンカーンは暗殺されて二期目早々に亡くなる。諸説あるが、誰がどのような意図で暗殺したのか未だに不明です。彼の運動は敵を新たに産む運動であり、殆ど自殺を目指したのと同じだというのは本人にも自覚が有った筈、命懸けで無ければ何事も成し得ない……見事な映画でした。
 本作が アカデミー作品賞を穫れなかったのは、アカデミー協会内で優勢とはいえ ジワジワ保守勢力の台頭を許しているリベラルの最後の抵抗だったと実感しました。作品賞は“アルゴ”への配慮から仕方が無いにせよ、本作を見た後では 監督賞はアン・リー(ライフ オブ パイ)ではなくスピルバーグでしょう。この決定に至る論評を知りたいものですが 英語力“0”の私には1年たたないと解らんのやと思います。 自分の不勉強を責めるしかございません……阿呆!


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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ読書評『愛と憎しみの豚』

2013-04-19 17:30:46 | 読書感想
タキさんの押しつけ映画評
『愛と憎しみの豚』


 これは悪友の映画評論家・滝川浩一の個人的読書感想ですが、もったいないので転載しました。

         

 長らく ユダヤ、イスラムの人々が何故「豚肉」を食べないのかについて興味があった。
 勿論、それが宗教的忌避である事は知っている。旧約聖書には ハッキリ「豚は食べるな」と記されており、ユダヤ教から別れたイスラムが豚肉を忌避するのも解る。なら、同じくユダヤ教から出たキリスト教が 取り立てて豚肉を嫌わないのは何故なのか、新約聖書にも豚を忌避するごとくの表記がある。旧約聖書程 明確には表現されてはいないが 感覚的にあまり好ましくなさげな書き方がされている。この点に関しては「内閣法制局憲法解釈的」な弁明しか聞いた事がない。 人間だって 究極の飢餓状況下では共食いする、それに比べれば たとえ宗教的禁忌であろうとも豚を食べる事などなんでもない。
 イスラエルにロシア/ソ連邦から難民が大量流入した時(大きく二回ある)、 豚の飼育が始まった記録が有り(流入してきたのはユダヤを名乗る人々であるにも関わらす) それは現在においても「キブツ」やキリスト教徒の居住区に受け継がれている。要するに、時の政治的要請やら社会状況に応じて食物禁忌はいとも簡単に変化するのであって、狂的なまでの宗教指導のもとにない限り 平和で食物が充分に有る状態においてのみ守られる掟なのだといえる。
 ならばこそ、未だに強固な宗教的禁忌たりうるのか…う~ん、面白い。さっぱり解らない。

 前置きが長くなりました。以上のような興味で“それらしき”本を見つけると読んでみるのですが、未だかつて答えてくれる本に出会った事はありません。この本は 何かの雑誌に書評が載っていて、その書評からすると私の疑問に答えてくれそうな気がした。 わざわざ取り寄せて購入したのだが……結果、止めときゃよかった。まるっきり期待外れ。まぁ、女性一人旅の徒然の記としては 楽しめる読者もおられるでしょうが……早い話が こんなもん、旅行記ブログを本にしただけです。一応 漠とした“豚”というテーマはある物の何を追いかけたいのやら不明。こんなので 北アフリカからイスラエル、東欧諸国から果てはシベリアまで出かけて行くのだから……いやはや大した度胸と行動力ではあるが、あまりにも準備不足、無謀の極み……シベリアに着いた所では 旅程の終わりが近づいているにも関わらず「まだ一頭も豚を見ていない」と嘆いている。極寒のシベリアにおいて、彼女の旅は破綻する。
 自己の問題提起が曖昧だから事前に何を調べるべきかも判然としなかったのだろう。旅行ライターでもあるようなので ある種の海外事情には通じているようだが 途中で信じがたい無知を露呈している。
 出先での偶然の出逢いに期待するか インターネット情報によるかの旅行で、おおよそ“ルポ”をおっての旅ではない。序章を読んだ段階でこんな事は全部判ったが、取り寄せた手前「いらん!」 とも言えず 購読した次第。全くの金と時間の無駄でした。

 誰が書いたんやあの書評!


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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『舟を編む』

2013-04-13 17:30:04 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『舟を編む』


この映画評は、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですがもったいないので、本人の承諾を得て転載したものです。


 とっても優しく 素敵な映画でした。 と共に安易に言葉を選んで喋ったり書いたりするのが ちょっと怖く成りました。

 原作は長めの中篇位の作品で、「まほろ~」なんかでもそうですが 三浦しをんの小説は「もうちょっと書き込めばいいのになぁ」と思わせながら 読後に一種独特な満足感を与えてくれます。  映画は、この小説の「もうちょっと」を埋めています。原作と映画が互いに補完しあうのは誠に幸せな現象です、めったにお目にはかかれません。
 ですから、どちらが先でもいいので 是非とも映画と小説 どっちにも接する事をお薦めします。私の感覚からすると、本作は原作を忠実に画像化していますが テイストが違っています。小説では“辞書編集室には外界とは異質な時間が流れており、人をして ゆっくりと「たゆたう存在」に変化させる病原菌に満たされている”主人公/馬締(松田龍平)は、元々保菌者だった感はあるが 配属即感染……以後 強烈な宿主となり 触れる者総てに影響を及ぼして行く。と言うように読める。
 映画は もっと1対1の人間同士が互いに影響しあう作り方に成っており、原作とは少し違ったテイストを持っている。 結果、編集室独特の時間はあまり感じられなくなったが 映画のエンタメ性はぐんと上がった。監督の石井裕也は まだ30歳、これまでの作品は ハッキリ言って嫌いだったが……これも出会いの結果なのだろうか 同じ人の作った映画とは思えない。
 映画では 馬締が主人公である事は変わらないが、登場人物があるがままに 適材適所 居るべき場所に嵌っていて キチンと自分の役割を果たしている。これはキャスティングの妙でもあって、各キャラクターが「この人以外考えられない」と思える。キャラクターが「老人と若者」に二分されるので、各人の色をハッキリさせる手法を採ったのだろう、その意味で脚本が素晴らしい。
 小説では「年代」が提示されていないが 本作はスタートを1995年とし15年後をラストとしている。すなわち、原作の普遍性をある程度犠牲にして現代に接続してある。これも映画のエンタメ性に貢献している。
 これは監督の手腕なのか、俳優の力量なのか微妙な所だが 老優と若手の演技バランスが これまた非常に心地よい。松田の演技は彼独特のギリギリ感(判っていただけますよね)で演じられるが これをベテラン勢が包み込むようにして受け止めている。まず渡辺美佐子の 下宿のバァチャンが抜群……誤解のないように、松田をくさしているのではない。龍平は本作でハッキリ 父・優作を凌駕したと見た。存在感ではまだまだオヤジの壁を越えられないにせよ 優作が悩んで悩んで……結果、大勘違いした役柄を ヒョイと簡単につかんでしまった。(簡単ってのは龍平に失礼?)
 助演の若手も それぞれに妙味を発揮している。池脇千鶴はいつも通りの巧さ、出番の少ないのが勿体無い。宮崎あおいは毎度の形、オダギリジョーは恐らく男性サラリーマンの共感を一手にさらう役柄で 演じきったと言うよりは ごく自然に見える所がさすが。ベテラン陣では、小林薫が渋い もはやアングラ出身の匂いなどどこにもない(アングラをくさしているのではない……しつこい?)加藤剛と八千草薫のカップリングは絵に描いたように嵌っているし、加藤と伊佐山ひろ子が同じスクリーンに並んでいるのは 昔なら信じられない。
 これらの要素が絶妙に混ざり合って本作を構成している、見ていて心地悪かろう筈がない。小説もベストセラーだし、映画もなかなかのエンターテイメントである。辞書編纂ってのは 地味なようでエキサイティングな作業なのかもしれない。 当然 愛の物語ではあるが、見る者が 己の仕事を見つめ直すキッカケになる作品でもある。例によって ウダウダ言うとりますが、ムッチヤ面白い映画です!華丸推薦。


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高校ライトノベル・ムッチャンのイレギュラーマガジン

2013-04-11 08:13:11 | イレギュラーマガジン
ムッチャンイレギュラーマガジン・4

☆ホンダN360Z発見!
 発見と言っても、ネット上での発見。この車が発売されたのは1970年ごろ。スマートなデザインに21世紀を感じた!
 ちょっと大げさだろうか。ジェット戦闘機(70年代ごろの)を思わせるようなフロントグリル。4人乗りなのにクーペのような外観。大きなリアウインドウには極太の黒い縁がついており。後ろ姿も精悍。通称「水中メガネ」ノーズが普通にあるのに、リアボディがないので、印象としては、お尻の小さなキュートで小生意気な女の子を連想させた。CMは、アメリカの大学のキャンパスを使っていたような記憶がある。伝統的なカレッジに、可愛く、かっこよく、この車が滑り込んできて、停まる。キャンパスの仲間がわらわらと集まる。学生の体格に比べ、なんと車が小さいことか。でも、ちゃんと個性と自己主張があった。免許をとったら、こんな車に乗ろうと思っていたが、とうとう、この歳まで、免許はとらなかった。
 この車は赤が、よく似合う。でも、車の特徴を見せながら赤いのは無かったので、このオリ-ブ色で、ご辛抱を。

    
 

☆年金生活の予感
 先日、共済年金の支給予定額のお知らせが来た。来年(平成26年)から部分支給で、140万ほど。

 まさか、こんなに安いとは思わなかった。55歳で早期退職したので、覚悟はしていたけど。ショック。
 27年間なら、こんなものかあ。昔はもうちょっとあったような気がする。所得も含め、教師というのは……言い方は憚られるがおいしい仕事ではない。人(生徒)の成長が自分の職業人としての成長と同軸線上にあるという、やりがいのある仕事だった。
 ここで、教師の仕事内容には触れないが、もう昔のようではないことは確かだ。首からはIDカードをぶら下げ、出退勤は、これで管理されている。こうでもしなければ、無断遅刻、早退がはびこる。人はサボルものだという性悪説にたった措置のように思える。なんだか大昔の犬の鑑札のように思えるのだ。
 話が逸れてしまった。問題は年金の安さ。65歳から頂ける老齢年金も含めて170万に手が届かない。カミサンの年金とあわせて、なんとか食えるか……。
 ただ、共済年金には遺族年金がなく、どちらかが死ねば、とたんに生活に困る。まだ、かろうじて還暦前。あまり考えないようにしているが、問題はすぐそこまできている。

☆仰げば尊しは……
 『仰げば尊し』は、教育現場では長年忌避されてきた。日本の教育理念に合わないということらしい。たかが戦後、それも昭和40年ごろからの50年あまりの短期間に左傾化した中で作られたものを正しいとして、数百年かかって培ってきた、日本の師弟理念は無かったようにして、ほんの数年前まで国歌さえ忌避してきた。ちょっと前の先生方が「戦前の教育の権化」のように忌避されてきた『仰げば尊し』の原曲がアメリカにあったと言えば驚かれるであろうか。時代がたてば、世の中の認識、常識は変わるものである。鎌倉幕府の成立は長年1192年となっていたが、いまは1185年が本当らしい。
『仰げば尊し』は、長年、作詞作曲共に不肖とされてきたが、やっと、そのルーツがはっきりしたようだ。くわしくは、検索していただければ、いろんな方が、この2011年に発見された原曲をルーツとされていることが分かる。ちなみに、原曲の一番は下記の通り。『仰げば尊し』のメロディーにピタリとおさまる。

We part today to meet, perchance, Till God shall call us home;
And from this room we wander forth, Alone, alone to roam.
And friends we've known in childhood's days May live but in the past,
But in the realms of light and love May we all meet at last.

☆身体髪膚
 中国の「孝経」にこうある。

 身体(しんたい)髪膚(はっぷ)これを父母(ふぼ)に受くあえて毀傷(きしょう)せざるは孝の始めなり

 自分の体は、父母から頂いたもので、いたずらに傷つける(ケンカなどで怪我をする、入れ墨、ピアスなども入るという人もいる)ことをしないのは親孝行の始まりである。という意味。明治のころ、これをもじった有名なのが以下のもの。

 寝台 白布これを父母に受く あえて起床せざるは 考の始めなり

 ちょっとフルっていると思いませんか。白布とはシーツのことで、これを寮のドアに貼り付けて、「起こすな」という意味。書く方も、読む方も、ある程度の知識がなければ分かりません。
 大事なことですね。今は、何かというと「意味わかんな~い」で、ゆるく相手を拒絶否定する言葉になって市民権を得ています。還暦のオッサンは引いてしまいます。ウィットというのは、センスと、ちょっぴりモノを知っていなければ、出てこないものだと思いました。


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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ヒッチコック』

2013-04-05 20:01:57 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『ヒッチコック』


これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に、身内に流しているものですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです。


 こりゃあ、マニアってかフリークってか……すこぶるつきヒッチコックファン(殆どヒッチオタク)でないと楽しめないかもしれませんねぇ。

 私だって 映画オタクの端くれ ヒッチに関する本の1~2冊は読んではいましたが、彼の妻 アルマがここまで深くヒッチを支えていたとは…本作を見るまで知りませんでした。アカデミー功労賞受賞に際して“私には4人の協力者がいた。そして、その4人の名前は 皆 “アルマ”といいます!”とスピーチしたのは繰り返し映画雑誌に掲載されたので覚えてはいましたけど……てか、そこそこのファン程度だと余りご存知無いみたいです。
 本作はヒッチが“サイコ”撮影中の裏話を縦糸に、ヒッチとアルマの私生活を横糸に書かれた原作(ドキュメンタリー)をドラマ化してあります。
 60歳になったヒッチコックに「もう歳だし 引退するのか?」なんぞと、無礼かつ間抜けな記者やら、ヒッチに画一的な作品を量産させようとするお馬鹿なプロモーターの存在やら、彼が何故アカデミーを穫れないか等、知ってはいましたけど……それでも もう少し この時代背景(映画表現の限界)やら、ヒッチコックのおかれた状況やら 詳しく説明しないと解りにくいですねぇ。
 脚本の欠陥?監督の手腕? 制作のドジ(尺を確保出来ない)のいずれかでしょうか、「この程度は知ってて見に来い」的な仕上がりに成っています。
 そう言われましてもねぇ~ キャストは全く問題ない、まぁ A・ホプキンス/H・ミレンの演技にダメ出しするほど自惚れちゃおりません。ただ、どうも繋がりが宜しくおまへん、なんだか無理に編集しているように思える。根拠は二つ、“サイコ”の中で最も有名なバスルームでの殺人シーンの演出シークエンスの迫力、漸く公開にこぎ着け 劇場のドアの横で観客の悲鳴にしてやったりと爆発しているヒッチの喜び! この2シーンが飛び抜けて良く出来ているので、これからすると 他のシーンの繋がりの悪さが目立ちすぎます。
 とは言っても、もう出来上がっている作品…なら仕方ないんで最低限の下知識をお持ちになって下さい。

1) この時代、アメリカでも女性の裸、露骨な殺人シーンは映せなかった。

2)“めまい”は公開時不評“北北西に進路をとれ”も賛否があった。

3)“ヒッチブロンド”と 揶揄される程ブロンドの女優を使い、彼女たちとの浮気を取り沙汰されたが、この頃は監督と女優の関係以外の何物でもない

4)アルマはずっとヒッチの影に徹しており、たまたまこの時期久しぶりに独自の脚色依頼があり、彼女としてはどうしてもやりたかった以上、これだけ仕込んで見て下さい。これで繋がる筈です。ご存知だった向きには……出過ぎたマネをいたしましたぁ、ごめんなさい。 とにかく、もっと面白く かつ 感動的な映画になっていた筈です、せっかくの名優の名演技を……なんとも勿体無い一本でありました。


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大橋むつお戯曲集『自由の翼』戯曲5本入り 1050円(税込み) 
門土社 横浜市南区宮元町3-44 
℡045-714-1471   
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