大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

演劇集団 ザ・ブロードキャスティングショウ Vol.37「想いでのグリーングラス」

2014-09-27 08:44:14 | 評論
演劇集団 ザ・ブロードキャスティングショウ Vol.37
「想いでのグリーングラス」 


 作:桑原裕子(KAKUTA)   演出:要冷蔵(劇団往来)

  
 台風16号と17号の狭間、一杯に張り出した高気圧の下。一心寺シアターに出かけました。

 どうも夜の公演に出かけるのが、いい歳をして帰り道がおっかないので、初日(9/26)のマチネーに出かけました。地下鉄四天王寺夕陽丘から、トロトロと歩きました。左に四天王寺の山門、右手に大阪の語源になった逢坂を見つつ交差点を渡り、次の角を回ると一心寺さんと天王寺公園に挟まれた道路が「へ」の字に曲がり、「へ」の右端に当たるあたりに一心寺シアターがあります。

 うっすらと額に汗を感じましたが、会場にたどり着くまでの道行きは、微かに秋を感じさせます。秋晴れの昼下がり劇場に向かえるのは雨男のわたしには、なかなか良い辻占でありました。

 タイトルから、アメリカの超有名カントリー・ソング『思い出のグリーングラス』(1965年発表)をヒントにした御作であろうとは見当をつけて参りました。
『思い出のグリーングラス』はご存知の方も多いと思うのですが、死刑囚が作った歌です。刑の執行がいつくるか不安な日々の中、死刑囚は夢を見ます。故郷の田舎に帰ると、汽車から降りたところで迎えてくれていたのはパパとママ。庭にそびえる樫木。子供の頃に遊んだことが蘇る。街のみんなもボクを迎えてくれる。でも、そこで夢から覚めた……そんな歌詞であったと記憶しております。未来のない追憶、それが「思い出のグリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム」の6回のリフレインの中に見事に結晶した名曲であります。
 案にたがわず場転で、何度も流れ、この作品が『思い出のグリーングラス』のオマージュであることを印象付けてくれます。

 ただ、一筋縄ではいかないオマージュであります。

 舞台の設定は、チラシの通り美しい公園、古ぼけた貸しボート屋の小屋、背景には公園の広い池があるこころ。舞台前は、その池の縁から降りてくるスロープと50センチほどの階段。
 舞台に、幽霊と会話のできるホームレスの老婆が、ベンチに座り、新聞を音読しているところから始まります。一人なのにだれかに話しかけている風情。もうそこからファンタジーと言っていい、桑原さんの世界が広がります。

 これを書いているのは、まだ公演中なので、ストーリーやどんでん返しに関わる解説は控えます。

 ただ11人の人間と幽霊たちの絡み、コミニケーションが大阪的な面白さ、切なさに溢れているとだけ申し上げておきます。
 わたしの勝手な思い入れなのですが、これは、若い現在を生きる若者よりも、一定の人生を送ったオッサン・オバハン世代にしみじみ感じられる芝居だと思いました。むろん若い人が観ても。楽しめるだけの仕掛けや工夫が随所になされています。
 ただ、死別し見かけの歳が親子ほどに離れてしまった恋人同士、三世代家族の窮屈さや軋轢が笑いの中に織り込まれていて、そういう「実体験」のある世代の人ほど、自分に引きつけて「自分のもの」として共感させる不思議な力を持った作品です。

 初日のマチネーであるための緊張感が少し舞台にありました。中日ぐらいのこなれた舞台を観るべきだったのですが、せっかちな上に夜道がきらいなオッサンなので勘弁してください。

 台詞は発せられているのですが、役者相互には届ききっていないところがありました。あらかじめ役として用意しておいたリアクションで終わってしまい、人としての会話が弾けていないところに惜しさを感じました。しかし、この劇団を大好きなお客さんがかなりおられるようで、記号としての演技も自分の中で膨らませ、十分に芝居を楽しんでいました。観客と役者が共に創る劇世界であると思いました。

 違うと思いながら「ほんなら、これがええ」というアイデアまでは浮かばなかったのですが、この劇世界を感じさせるには、少し舞台が狭いように感じました。芝居の展開上、どうしても必要なものばかりなのでしょうが、役者の演技空間が狭く、時に心理的な距離を物理的な距離に反映しきれていないところが気になりました。もう少し大道具置き道具に大胆な省略があってもいいのではと感じました。

 しかし、今時貴重な大人のファンタジーを観せてもらえます。一見の価値ありであります。


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大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・35『コンクールの参加申し込みをしました』

2014-09-24 23:23:07 | 小説4
大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・35
『コンクールの参加申し込みをしました』



☆ありがたい混乱

 専業部員は3人だけですが、先日の演劇部をめぐる校内紛争の結果、軽音とダンス部が兼業部員として加わってくれたので123人という大所帯になりました。
 台本は『すみれの花さくころ』で、キャストは3人だけです。この本はフレキシブルで、演出のやりかたでどないでもなります。
 原作では、すみれの独白から始まりますけど、テキストレジーして、冒頭を学校の全校集会の設定にしました。ド迫力やと思います。幕が開いたら100人からの生徒がならんで、校歌を歌ってます。そんで……なんやかんやあって(企業秘密)すみれ一人になります。
 途中で6曲入ります。これを仮設の張り出し舞台の上の80人近い軽音で伴奏してもらいます。で、曲のほとんどに、ダンス部がバックで入ったり絡んだり。もう一大スペクタルです。

 正直、ダンス部、軽音に負けてます。パフォーマンスとしての圧が違います。ブッチャケ食われてしまいます。

 正直うちらは、小規模演劇部として小さくなりすぎてました。一大ミュージカルになる芝居に、顧問の淀先生も張りきったり、顎が出そうになったり。


☆一度戻ってきた参加申し込み

 今朝、添付書類で送ってもろたんですけど、「参加生徒数間違ってませんか?」と連盟から問い合わせがありました。「ほんまに123人なんです」言うたら、担当の先生がびっくりしてはったそうです。


☆移動手段

 123人いうても、人間だけやったら電車で行けます。団体割引ができるんで、ええなあと思てました。
 問題は軽音の機材です。アンプとパーカッションがはんぱやないんです。どないしてもトラックが必要なんで、悩みの種です。学校の援助は見込めません。バックナンバー読んでもろたら分かると思います。


☆合同練習のむつかしさ

 これだけの所帯になったんで、時間的にも場所的にも、なかなかむつかしいです。なんとか本番前日は体育館まる借りできますけど、ほかが目途がたちません。全体のバランスとるためと、いろんな意味で色をそろえる必要があります。過去に似たようなことを近畿総合文化祭で、10校ぐらいが集まってやったそうですけど、沈没したみたいです。

 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 
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高校ライトノベル・ライトノベルセレクト・238〔いのち短し 戀せよ 少女〕

2014-09-17 20:30:05 | ライトノベルセレクト
ライトノベルセレクト・238
〔いのち短し 戀せよ 少女〕
          


 勇気が無い、かと言って下戸なので酒も飲めず、CDを聞いた勢いで電話した。曲はゴンドラの唄。

 四か月ぶりだった。
 五回コールが鳴って、彼女が出た。

「はい、○○ですけど」
「おれ。お久しぶり……」
「お久しぶり……」
「……どうしてんのかな、って……思って」
「……元気してる」
「そっか……会えないかな……」

「久しぶりに会えないかな……」

「……どうして四か月もほったらかしてたのよ」
「え…………」
「どうしてしっかり掴まえておいてくれなかったのよ……」

 一瞬混乱した。この四か月で二十通は手紙を出している。その返事が返ってこないから、思い切って電話したんだ。
 そして分かった。いま、あいつには付き合っている相手がいるんだ……。
「四十通も手紙を出した」
 そう言えば、四か月の空白を手繰り寄せられる。でも、彼女は混乱して苦しむだろう。お父さんやお母さんとももめるに違いない。

「じゃ……じゃあな」

 それだけ言って電話を切った。行き場のない想いだけが残った。


 あれから二十七年たった。

 仕事で曲を探していた。シンガーの名前からYouTubeで検索。今一つ作品のイメージではない。

 そうやって検索し直すと「ゴンドラの唄」に行き当たった。

 いのち短し 戀せよ少女(をとめ) 朱き唇褪せぬまに 熱き血液(ちしを)の冷えぬ間に 明日の月日のないものを……。

 二階の部屋を締めきって息子がボーカルの練習をしている。曲はハードなんとかというジャンルらしいが、まるで分からない。

 あの時、二十通の手紙の話をしていたら、わたしは、あのハードなんとかを聞かずにすんだかもしれない。

 明日の月日は、ないのだから。なかったのだから……。


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大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・34『人間万事塞翁が丙午(ひのえうま)』

2014-09-16 16:32:46 | 小説4
大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・34
『人間万事塞翁が丙午(ひのえうま)』



☆『人間万事塞翁が丙午(ひのえうま)』

 このタイトルの小説知ってる人は、かなり斜めの文学通です。青島 幸男(放送作家・元東京都知事)の小説で東京日本橋の仕出し弁当屋を舞台にした作品で青島さん自身の体験記みたいな小説です。
 元の言葉は『人間万事塞翁が馬』いう故事です。人間なにが幸いになるか分からへんいう意味です。これが丙午になると、やったことが裏目に出て、いっそう悪なる。そやけど笑い飛ばして生きて行こう言う人間賛歌です。
 せやけど、うちらは賛歌とは縁遠い……言うたらバチ当たりますけど。

☆演劇部闘争の余波

 前のブログでも書いた通り、うちらの闘争は、学校のその場しのぎのスルーで幕を下ろしました。
 うちら生徒はおとがめなしで、顧問の淀先生に顛末書書かせて、学校側は紙屑みたいな勝利を得て面目を保ったつもり。そんで全生徒の学校への幻滅という前世期と同じ、踏んではならない轍を踏みました。
 もう、その影響は授業にも現れてます。先週までは一応の規律が学校にはありました。スマホを授業中に触る生徒なんかいてませんでしたけど、今日は机の下に隠して触ってる子がいてました。大半の先生が見て見いひんようにしてます。一人だけ注意した先生がいてました。規定通り、こない言わはりました。

「授業中のスマホは禁止。預かるから出せ!」

 先週やったら素直に出した思います。その子は、こない言いました。
「ボクがスマホ触ってたて証拠あるんですか?」
「ゴチャゴチャぬかすな! わしは、ちゃんと見てたんや!」
 そない先生が言うと、別の子が言いました。
「その言い方は恫喝や、パワハラみたいに聞こえますけど」
「なんやと……」
 で、そこらへんの生徒と言いあいしてるうちに、スマホの子は履歴を消しました。その上で、こう言いました。
「分かりましたよ。履歴見てください、なんにもあれへんから」
 スマホ見た先生は、言いようのない顔になりました。スマホは取り上げられませんでした。信頼関係築くのは大変やけど、崩すのは一瞬です。一部の先生除いて、先生とは呼べません。呼ばれへん自分らも悲しいです。分かるかなあ、この気持ち……。痛い心に麻酔打ったみたいです。

 授業は静かでしたけど、みんなスルーしました。他の授業もスルーです。べつに反抗やないんです。学校に対しては、そんな気力も残ってません。

「愛の反対は憎しみではありません。無関心なんですよ」闘争委員長が最後に先生らの背中に投げたマザーテレサの言葉が浮かびます。

 昼休みに、軽音とダンス部の部長が来ました。
「あの『すみれの花さくころ』て、歌とダンスが入るねんね。あたしらもよせてくれへん?」
 びっくりしました。あの芝居は三人だけの芝居です。せやけど、何べんも改訂されて上演されてるうちにミュージカルになったりして、歌とダンスが増えました。音大の学生さんらが演ったときは完全なレビューみたいになってしまいました。うちらも、ささやかに歌って踊ります。伴奏は長曾我部先輩がアコステでやってくれはることになってます。
「あたしらYouTubeで観たんやけど、あれ、演奏もダンスも人数増やしたら、めっちゃデラックスになるで。コンクールの締切24日やろ、間に合うやんか、軽音とダンス部の選抜入れたら100人近いよ。なあ、列組もうや!」
 まあ、よかったらYouTubeで『すみれの花さくころ』で検索してください。ラストのレビューは感動的です。

 というわけで、正規部員3人兼業部員1人の演劇部が一気に100人を超えることになりました。嬉しいような怖いような。

 放課後、顧問の淀先生に報告にいきました(相談やのうて報告です)先生の目が引きつってました。

「あんたらね、コンクールは8000円の参加料の他に部員数だけのパンフ買わならあかんのよ。なんぼになると思てる?」

 パンフは一部500円……それに100人以上を掛けると……答えは考えんことにしました。

 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 
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大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・33『学校は死んだ。演劇部闘争の果て』

2014-09-12 20:36:36 | 小説4
大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・33
『学校は死んだ。演劇部闘争の果て』



☆本日の抗議行動

 昨夜原稿を闘争委員長の生徒会長にメールの添付書類で送り、委員長はさらに添付書類のビラ原稿を執行部と有志に転送。それぞれが50枚ずつコピーして、しめて1200枚のビラを7:50分から正門と通用門に分かれて撒きました。別にポケティッシュが付いてるわけでもないのに、ほとんどの生徒が受け取ってくれました。
 予想に反して先生らからの制止や妨害はありませんでした。これは校外の人にもめてるとこを見られたないからやと思います。
 一限終了後、闘争委員長といっしょに教頭先生に確認にいきました。

「臨時職員会議は開かない。学校は平常通り授業を行う。教室にいない者はエスケープとして指導する」

 学校はあくまでも強い姿勢です。あたしらは自分らで禁じていたので闘争委員以外の生徒にはスマホで連絡を取ったり、一般生徒を煽ることは自重しました。一部の闘争委員が授業開始後も連絡のためスマホを操作してたら「授業中スマホを触るのは違反や」と先生ともめました。しかし、この程度の引っかけは想定内なんで、素直にスマホを先生に渡して平穏に3限まで終わりました。
 休み時間に、あらかじめ決めておいたとおり、廊下を闘争委員が手分けして、生徒会のハンドマイクやらメガホンで緊急の生徒総会の出席参加を叫んで回りました。
 4限が始まって5分もすると823人(闘争委員会調べ)の生徒が体育館に集まってくれました。総合学習の授業ができたクラスは一つもありませんでした。
 闘争委員長の経過報告のあと、あたしが話しました。

「うちら演劇部は、なんにも悪いことしてません。演技の訓練のため自衛隊の体験入隊をやったんです。ちゃんと活動計画書出して学校長の許可ももらいました。それが二学期になって……」
 あとは泣いてしもて喋れませんでした。みんなが「がんばれ!」言うてくれましたけど、ますます喋れんようになります。闘争委員長が代わりに喋ってくれました。最後に「これで間違いないね?」言われて、あたしは頷くことしかできませんでした。

 要求通り臨時職員会議が開かれるまでは、全学ストに入ることが満場の拍手で決まりました。48年ぶりの全学ストです。一線を踏み越えたいう気持ちと、何か熱いものを取り戻した感激で胸が一杯になりました。

 そんで、学校は5・6限の授業をカットして臨時職員会議を開くことを、やっと約束してくれました。勝った思たけど、闘争委員長が言いました。
「これはストの実績を残させへんための学校の手ぇや。問題は、臨時職員会議の結果や!」
 単細胞のうちと違うて、さすがは生徒会長。見通してます。
「臨時職員会議が終わるまで学校に残ってくれるように、呼びかけならあかん!」
 そう、みんなが帰ってしもたら、うちらの手に最終的な勝利は残りません。生活指導の先生らが「今から臨時職員会議やる、生徒の管理がでけへんから帰るように。これは妨害とは違う学校としての管理責任の問題や!」と言うてきました。上手い誘導と闘争つぶしです。そんでも先生の誘いにのらんで、半分以上の生徒が残ってくれました。

☆学校側の回答

 今回のことは、教職員の手続きの齟齬の問題で生徒には責任がないことを確認。つまり反省文は書かんでもええいうことで、一見うちらの要求が通ったような気がしました。
「騙されたらあかん」闘争委員長が手ぇ挙げました。
「ほんなら、責任は教師がとるいうことでお茶濁すんですか。顛末書を淀先生が書くいうことは……まさか顧問に責任押し付けて幕引いたんちゃうやろな!」
 一瞬先生らが静かになりました。ほんで、顧問の淀先生が前に出てきて蒼白な顔で言いました。
「わたしの認識不足。わたしの手続きミス。それが全てです。顛末書を提出しました」
 顛末書の意味が分かりません。
「先生らは学校を死なせた!」闘争委員長の顔が赤なりました。
「いや、始末書やないんや。顛末書いうのは、ことの成り行きを書いただけのもので、始末書にある過失に対する陳謝の意味はないんや」
 教頭先生がにこやかに言わはりました。
「そんな問題やない! 学校は僕ら生徒の怒りをスルーしたんや! 分かってるんでしょ。生徒におとがめなし。顧問に顛末書書かせる。ほんで幕引き。僕らの怒りの矛先を無くしたんや! 前代未聞の日和見や。四十何年前もそないやった。僕らは学習したんです、先輩らの闘争を。同じ幕の引き方や……ほんで残ったんは無気力・無責任・無関心の三無主義やったんや。その結果学校は管理主義のドグマに落ちたんや。先生らが、こないに忙しなったんは、そのせいなんですよ。自分で自分の首絞めてるのん分かりませんか!?」
「とにかく、これですべて解決した。すみやかに解散しなさい」
 そない言うて、先生らは背中を向け始めました。
「先生、逃げるな。これだけは聞いて欲しい!」
 それでも足を止めへん先生らの背中に、闘争委員長は言いました。

愛の反対は憎しみではない。無関心なのですよ……マザーテレサの言葉を送ります」

 数名の先生がギクリと足を止めたけど、先生らは背を向けたまま行ってしまいました。学校は死んだと思いました。
「自分、どこの学校や?」
 一人の他校生が体育館の入り口に立ってました。

☆敗北の後

「あんた○○高校の某さんやんか!」
 その子は、みんなの視線を浴びて固まってました。
「なんで来たん?」
「……他人事やないような気がして、つい来てしまいました。ごめんなさい」
 ポニーテールぶん回して頭下げました。うちらは彼女を前に呼びました。で、うちが説明しました。
「この子は、○○高校の演劇部の生徒さんです。連盟(浪速高等学校演劇連盟)のコンクールに審査基準がないんで審査基準持ってくれ言うた人です。連盟は協議することは約束しましたけど、半年たっても回答がありません。連盟は学校と同じスルーしたんです。この子はうちらと同じスルーされた高校生です」
「も、もうええんです。ここに来て、あたしは一人やないいうことが分かったんで、それでええんです」
 拍手がおこりました。でも、それ以上は迷惑になりそうなんで止めました。そやけど、その子も含めてうちらには、今まで無かった連帯感が生まれてました。
「このまま解散するのは惜しいな。負けたけど、この繋がり……どないしょ」
「委員長、みんなで歌おうや!」
 軽音の部長が言いました。軽音の何人かはギター持ってました。そのギターがあの旋律を弾いて、自然に歌になりました。

 『翼をください』の大合唱になりました。

 歌うと、ますます高揚してきます。続いて『今日の日はさようなら』になりました。みんなエヴァンゲリオンは好きみたいです。最後は、なんでか『恋するフォーチュンクッキー』と『心のプラカード』で盛り上がりました。
「で、演劇部はなんの芝居やんのん?」
 ダンス部の部長が言うたのにはカックンでした。

『すみれの花さくころ』です!」

 後輩が言いました。みんなポカーンです。
「あ、歌が入るんです。先輩一曲いきましょ!」
 みんなに拍手されてやらんとあかんはめになって。ラストの曲を歌いました。

『お別れだけどさよならじゃない』YouTubeに出てます。音大のミュージカル科の学生さんです。よかったら観てください。

 負けたけど、大事な仲間がいっぱい増えました。今は、それでええです……ええんです。あたしらは、また歩きはじめますよってに!

 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ)

                                                            ※ これは小説です
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大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・32『職会の決定と演劇部の見解と』

2014-09-11 20:46:17 | 小説4
大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・32
『職会の決定と演劇部の見解と』



☆職員会議の決定

 演劇部が(いわゆる明文化されていない)内規に反して夏休みに合宿=自衛隊体験入隊を認めた校長先生が改めて陳謝。しかし職会は収まらず、部顧問(淀先生)の始末書とあたしら演劇部の反省文を要求してきました。
 職会としては演劇部ブログの反響や、部長会議全体の演劇部支援決議に脅威を感じ早期の収束を図ろうとしての「歩み寄り」のつもりのようです。

☆演劇部の見解

 この「歩み寄り」は、あくまで演劇部に非があり、それを認めさせた上での「穏便な解決」を図ったものであると思てます。職会は何も理解していません。たとえいかなる「穏便」であろうと、あたしら演劇部が非を認める形での解決は断固容認できません。
 18:30分まで職会は続きました。結論を聞くために、各クラブ代表、生徒会執行部、一部有志の生徒が40名ほど残ってくれました。そして、あたしら演劇部の見解を視聴覚教室で全面的に支持してくれました。そして、全クラブと生徒会、有志生徒のみんなで「演劇部闘争支援委員会」の発足が議決されました。
 これは、50年近い昔、あたしらの先輩がとった共闘の形式を踏襲しています。あたしらは、首部(こうべ)を挙げて勝利を勝ち取るまで戦います。生徒会長は執行部と演劇部闘争支援委員会の名前で、待機していた生徒会顧問を通じ職会議長に手渡しました。制度上の責任者は学校長ですけど、実質は職会で、演劇部の自衛隊への体験入隊を良しとしない先生たちです。
 あたしらは、明日の回答を要求しましたが、明日は時間的にも臨時職員会議を開く余裕が無く連休明けまで回答を延ばして欲しいといわれましたが、三日もスパンを置くと、個別のクラブや個人の切り崩しにかかられる恐れが高いので断固明日の回答を要求です。実際運動部では顧問による切り崩しが始まっています。演劇部闘争支援委員会では、個々の説得や切り崩しには乗らないように決議はしましたが、三日のスパンは大きく危険です。ここまで共闘してくれる生徒のみなさんに心から「ありがとうございます」です。

☆当面の活動

 明日、登校時に正門と通用門でビラ配りをやります。スマホやラインでのアオリは絶対やりません。アナログこそが力やと思てます。一限終了後の休み時間までに臨時職員会議開催の告知がない場合は4限の「総合学習」の時間をボイコット、緊急生徒総会を開きます。正直、今夜が心配です。心配の内容を書くと、弱点を見つけられそうなんで書きません。
 生徒総会が成立することを願ってます(登校している生徒の半数以上の出席で成立します)総会の議決は直ちに学校側に伝えられます。それでも臨時職員会議が開催されない場合は、真田山学院48年ぶりの全学ストに突入します。

☆大学からの支援申し込み

 二つの大学の組織から支援の申し込みがありましたが、断りました。中には本気でシンパシーを持ってくれてはる学生さんもいるんでしょうけど、あたしらは、あくまでも学内で解決していきます。

☆演劇部闘争支援委員会の歌

 会議の最後に提起されました。連帯を確認し紐帯を確かなものにするために、折に触れて歌う歌を軽音が提案してくれました。

「翼をください」

 古い歌ですけど、エヴァンゲリオンでも使われた曲でもあり、意外と知ってる者も多いので決まりました。今日も最後に、みんなで歌いました。涙が止まりませんでした。今も泣きながらキーを打ってます。

 いま わたしの願い事が叶うならば……。   かなわへんかもしれんこど、でも、そやけど頑張ります。

 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ)

                                                 ※ これは小説です
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高校ライトノベル・ライトノベルセレクト・237〔むかしむかし……〕

2014-09-10 16:16:00 | ライトノベルセレクト
ライトノベルセレクト・237
〔むかしむかし……〕



 むかしむかし……ではなく、ついこないだまで。

 お爺さんとお婆さんがありました。
 二人は、昭和二十三年に見合い結婚しました。二人とも二十三歳の若さでした。
 お爺さんは、終戦の二十年八月には二十一になっていましたが、あの忙しい戦争にも召集されなかったほど体格が小さく病弱でした。戦争前なら、きっと嫁の来てなどなかったでしょう。
 しかし、当時、若い男に女はトラック一杯と言われるぐらい少なかったのです。みんな戦争に狩り出され戦死したり抑留されたりしていました。
 お婆さんは、近江の国のお寺の九人兄弟の長女でした。通り一遍の女の人がやることは、たいていできました。たいそう働き者でもありました。ただ、色が浅黒く、けして美人とはいえませんでした。

 で、お互いに「こんなものか」と思って結婚することにしました。

 最初の所帯は、神崎川のほとりの六畳一間でトイレも炊事も共同の安アパートでした。でも二人は幸せでした。けして人並みではありませんが、人並みの八割ぐらいには幸せだと思っていました。
 あくる昭和二十四年には、お婆さんは初めて身ごもりました。ただ、七カ月に入ったころに洗濯物を干そうとして転倒。そのショックで陣痛が始まり、アパートのみんなが心配し、産婆さんもがんばりましたが、生まれてきた男の子は三十分しか生きられませんでした。若い二人には幼い死者に葬式をだしてやるお金もありませんでした。産婆さんは死産として届けました。
 子犬ぐらいの大きさの男の子はオクルミにくるまれ、哺乳瓶に一杯のミルクを添えられ、ミカン箱の棺に入れられ神崎川の河川敷に葬られました。目印に大人の頭ほどの石がおかれ、若い夫婦とアパートの人たちが線香を焚き手を合わせてくれました。

 しかし、そのお墓は、秋のジェーン台風で跡形もなく流されてしまいました。若いお爺さんは、うろうろと、そのあたりを探しましたがみつかりません。お爺さんとお婆さんの一生の心の傷になりました。

 あくる昭和二十五年に女の子が生まれました。生まれた時には息をしていませんでした。産婆さんは、今度こそはとがんばり、その子は三十分近くたって、やっと小さな産声をあげました。みんなホッとしました。

 それから三年たった昭和二十八年の春に念願の男の子が元気に生まれました。三畳と六畳の新しい社宅にも入れました。

 やっとこれからだと思った時に不景気がやってきました。そのとき妊娠していた子どもは堕ろさざるをえませんでした。処置が終わった後、お医者さんは女の子だったとだけ告げました。このころからお爺さんとお婆さんは仲が悪くなりました。貧乏なのをお婆さんは、お爺さんの甲斐性がないからだと思いました。お爺さんは、世間や会社が悪いと思っていました。ケンカが絶えませんでした。

 でも、何回かの好景気不景気の中、お爺さんとお婆さんは少しずつ歳をとりながら二人の子供を懸命に育てました。

 死にかけで生まれた女の子は、言い争いの絶えない家が嫌で、二十歳で家を出ていきました。 
 お爺さんは、五十代の半ばで病気になり、仕事を辞めざるをえませんでした。幸い男の子が入れ替わるように学校の先生になれたので、一家は、なんとか路頭に迷わなくてすみました。年金と息子の稼ぎでなんとか平穏といっていい生活を送れるようになりました。

 そうやって、お爺さんもお婆さんの、本当のお爺さんお婆さんになりました。

 お婆さんが七十代半ばで認知症になりました。たった一年で要支援から要介護の五になってしまいました。悲しいことにお爺さんは認知症というものを理解できませんでした。そしてお婆さんに手を上げるようになり、大人になっていた子ども二人に別居させられました。お婆さんは認知症専門の介護施設に入りました。その日お爺さんは子供のように暴れました。介護休暇をとっていた男の子は、まるで暴れる生徒にするようにお爺さんを制圧しました。二人とも泣きながら制圧され制圧していました。

 お爺さんは、2011年11月11日という覚えやすい日になくなりました。介護付き老人ホームで夜中の三時ごろに……突然死でした。
 お婆さんは、2013年7月23日に亡くなりました。多臓器不全で、最後の一週間は点滴も受け付けなくなり、最後の最後は三日間下顎呼吸という苦しい呼吸をしながら逝ってしまいました。

 真夏の一周忌は、お坊さんもみんなも暑いので十月の頭にやることにしました。この時期は、東京オリンピックがそうであったように晴天が多いのです。いま女の子は64に、男の子は61になっています。

 そして、今がすぐにむかしむかしになっていくのでしょう。ふと、意味のないため息をつきました。
  

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大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・31『部活停止に対する私達の行動』

2014-09-09 21:19:16 | 小説4
大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・31
『部活停止に対する私達の行動』


☆現状認識

 あたしらが夏休みに、『すみれの花さくころ』上演にあたって、演技力向上=役の肉体化(煩雑になるため意味は略)のために自衛隊に体験入隊したことが二学期になって問題化。学校側は「体験入隊そのものが問題なのではなく、合宿に関する内規違反」を理由に挙げ、演劇部の部活動を無期限に休止。あたしらは学校の横暴な決定に対し、処分の取り消し、演劇部の部活の早急な再開に向けての闘争を開始しました。

☆問題点

 内規には7月末日までに合宿の計画を提出し、職員会議の議決を経て学校長が許可するとなってる……そうですが、明文化はされておらず、慣習的内規であるとの学校側の説明です。あたしらは、そんなことなんにも知りませんでした。また、関係方面に確認したところ明文化していない内規は、あんこの入ってないアンパンをアンパンと表示するくらいにナンセンスなものだそうです。

 あたしらで過去の合宿を調べたところ、他の運動部で、事後承諾で行ったクラブがありました。今回演劇部にだけ適応するのは、指導の公平性、一貫性という学校が踏み外してはいけない教育の基本から目をそらしています。

 反対された本当の理由は自衛隊への体験入隊にあったと承知しています。職員室の前を通ったときに、複数の先生が喋っていたのを耳にしました。

 形式的には、顧問の淀先生の部活指導の過誤で、あくまで職員の問題であり、あたしら生徒は、この問題には関われないという説明。直接影響を受けるのはあたしら生徒やのに、ものすごい矛盾がある。

☆ここまでのあたしらの行動

 生徒会の文化部長を通し文化部全てから、部活停止決定の解除を求める署名を集めました。そして昨日は臨時クラブ部長会議を開いてもらい、その場で、同署名を運動部まで広げ、クラブ部長会議の決定とし、生徒会顧問を通じ学校側に申し入れ可及的速やかに職員会議にかける返答を生徒会顧問からは得ました。直近の職員会議は今週の木曜(9月11日)です。これに並行して全生徒への呼びかけのため、登校時にビラまきをするつもりでしたが、必ず直近の職員会議にかけるとの生徒会顧問の返答を了として、職員会議の決定が出るまでは、自粛することになりました。

 問題は明後日の職員会議しだいです。

 ブログに書くことを止めるよう「お願い」として言われました(主語は師弟の信頼関係上書きません)しかし、事実に反しない限りは生徒にも表現の自由があります。ブログはやめません。ただし扇情的になるのでSNSやラインを使った情宣はやらないことを約束しました。古典的ではありますけど、はるか昔の先輩の皆さんがやってこられたメソードに準じて戦いを進めていきます。

☆ぶっちゃけて

 うちらは稽古がしたいだけなんです。スマホを使ってのエアー稽古は続けてますけど、正直ストレスは溜まる一方です。隠れ部活やと思われるのも業腹やし、因縁つけられるのもかなんさかい、カラオケも自粛してます。
 将来の演劇部員のために著作権の切れた戯曲を高校生でもやれるように、手を加え始めてます。どんな作品かは内緒です。真似されてうちらよりええ作品書かれたらかないませんよってにね。

 ここまでお父さんに読んでもろたら、ヘタクソなアジびらや言われました。そら17やそこらで、学校むこうに回してビビりながらやってるんです。兄貴は府教委に言えて言いますけど、うちは道から外れてるように思います……というか、なんでもかんでも府教委。モンスターピアレントとはちゃうんです。あくまで校内問題です。基本の基本では真田山の先生らを信頼してるんです。○○先生、ここのとこ汲み取ってくださいませ。

文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 
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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ARISEとお知らせ』

2014-09-08 07:45:55 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『ARISEとお知らせ』



 これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです



 攻殻機動隊:ARISE4完結いたしました。

 ちょっと違うストーリーを予想していて、肝心の導入部を読み間違って、帰宅してディスクを見返した上で書いています。毎度、本作は一筋縄では行きません。それは全くそうで、なんせ25年前に、今日の社会情勢、水の問題、人間心理の変化……などなど、見事によみきった作品。それをウブカタ・トウが深読みに読み込んで、“公安9課攻性部隊”結成前夜を描いている。確かにファン数はワンピースに比べれば極少数、しかし、そのコアさ加減は並みじゃない。少しでもミスればズタズタにされてしまう。それを、納得の深い溜め息と拍手の中に劇場を巻き込むのだから、こいつは凄い!まさに脱帽です。
 さて、本シリーズ、幕開けから“電脳ハックと疑似記憶”が物語のメインを流れています。各人が、その必要に応じて義体(サイボーグ)化し、肉体に手は入れずとも、何らかのコンピューターと外部接続端子は、この時代の人間には必要な装備
。現代の我々が携帯電話なしに生活する事が困難なようにです。
 ただ、そうなると、外部からの操作で偽物の情報を与えられる危険性が惹起してくる。しかも、与えられるだけでなく記憶を書き換えられる可能性が出てくる。物語の前提として、人間の精神の最奥部には、その人固有のゴースト(魂?個人を個人たらしめる精神)が存在し、未だ、ゴーストのハックは研究中の段階。
 原作①には、ゴーストのコピーを作る逸話が出てきますが、本シリーズは原作の前夜ですから、まだ、そこまでの技術は無いとなっています。
 本シリーズ③のラストに一人の少女が登場しましたが、彼女は草薙少佐と戦えるかと問われ、頷いていました。そのときは、単に電脳ハックのスペシャリスト?くらいにしか思っていませんでした。
 本作導入部、多数の人間が同時にハックされているシーンから始まります。 なる程、そういう能力なんやね……と見ているとさにあらず、彼女はもっととんでもない能力を秘めていました。さらに、その後ろに501部隊の影が見え隠れするわ、軍部の暗躍はあるわ、某国の謀略が絡むは……ややこしいったらありゃしねぇ、とても一回見ただけじゃ取りこぼしが出てしまいます。と、まぁ、あんまり喋ったんじゃファンの皆さんの興味を殺いじゃうんでこの辺にしときます。

 そこで爆弾情報!来年、“攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL”最新作劇場版公開です!どこまで続く? 本作には、原作では不明であった、設定のアンダーグラウンドに答える部分が幾つもあります。一番大きな所はゴーストに対する考え方でしょう。後日、草薙が出会って一体となるA.I.人形使いにゴーストは在ったのか(在ると結論せざるを得ないが、それはこれまでデータ不足で、ストーリー設定を受け入れているだけだった) 草薙と人形使いはネットの中に入っていくが、果たしてネットの中にまでゴーストは持っていけるのか。 ゴーストとは、複雑ではあるが、ある種のデータに過ぎないのか……知的(痴的?)興奮を覚えますね。
 さて、小咄程度ですが、素子達のバックアップロボット(A.I.を組み込んだロジスティック・コンベイヤー・マシン 通称ロジコマ)は、原作では“フチコマ”と呼ばれていました。これは、日本神話にある、素戔嗚尊の乗馬「天乃斑駒」からの命名、アニメシリーズのロジコマが“タチコマ”と呼ばれるのは、「タチコマはフチコマより“立っている”から」……だそうです。(´ヘ`;)はぁ~~なんだんねん!の真相でありました。チャンチャン。

 お知らせであります。 私、映画評のゴーストゴーストライターをやっていた関係で、その下書きを兼ねて、当「押し付け映画評」を配信してきましたが、実は、私に仕事を振ってくれていた編集事務所は、本年初めに解散しています。 今までも、同じような事態は何度かあったのですが、そのたび復活していました。しかし、どうやら今回はこれまでのようで、社長も編集長も、老後の楽しみとか言って、この春から海外に消えとります。
 これまでは、編集スタッフだった女性が二人、仕事を取り次いでくれていたのですが、一人が結婚し、残っていた一人も、今回を最後に別な編集局に就職しました。 まぁ、別に、個人的に見に行ってウダウダ書きゃあええだけですが、ちょっと一息つきたいと思います。 気にはなってるんですよ来週の「舞妓はレディ」えらい顔ぶれです。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」こいつら来年のアベンジャーズに登場?「るろうに剣心」どんな決着? 猿の惑星」予告見る分には予想してたのと違うみたい。「ゲッタウェイ」は期待はずれでしょう。「世界一受けたいお稽古」活ける伝説、ピーター・ブルックの舞台演出ドキュメント。10月に入って「蜩の記」岡田准一 今回はいかに、「ミリオンダラーアーム」インドからメジャーリーガーは生まれるか? 「不思議な岬の物語」大して期待なし。アタシャ吉永小百合さんをあんまり評価しとりません、竹内結子さんも、ちょっとオバチャン化?「誰よりも狙われた男」フィリップ・シーモア・ホフマン遺作、ジョン・ル・カレ原作。「ヘラクレス」う~~怖いなぁ~。あと、年内、ヴァンサン・カッセル、レア・セドゥ「美女と野獣」実写、説明不要「エクスペンダブルス3」、期待してます!クリストファー・ノーラン監督「インターステラー」。ついにやります「寄生獣」 ブラピの「フューリー」はプライベートライアンの焼き直し以上の物語を見せられる?ディズニーの「ベイマックス」は日本人のお話、これは何らかのムーブメントの先駆け? 年明け、黒人版「アニー」やいかに、ほんで最大興味は「エクソダス」“十戒”のリブートであります。クリスチャン・ベールのモーセです。“ノア”みたいに、またまたいがんだ聖書物語に成っちゃうんでしょうか、私の記憶に残る、一番始めの映画はチャールトン・ヘストンの「十戒」です。さて、どうなんでしょうね。

 これまで何度も言って来ました。人がなんと言おうとも、あなたが「面白い!」と思う映画が面白い作品です。「こりゃ、テレビでええわ」とか「こんなもん、見やんでええ〓」っつな作品もございますが、それはそれで、見た後ブツブツうなるのも楽しいもんです。 皆さん、映画を愛して下さいね。私のウダウダに返事をくださった多くの方々、喧嘩した事もありましたね。クェンティン・タランティーノは言うに及ばず、リチャード・ロドリゲスファンの皆さん、よう ド突きあいにならんかったですね、いや面白かったです。では、またどこかでお会いするかも……しばし、お別れいたします。

 お付き合い、心より感謝いたします。 サイナラ〓さいなら〓サイナラ〓 アハハハ パクリヤ〓


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高校ライトノベル・ライトノベルセレクト・236〔父の部屋〕

2014-09-07 22:30:09 | ライトノベルセレクト
ライトノベルセレクト・236
〔父の部屋〕
         


「正式に決まったら、お母さんと、三人で志忠屋でもいくか」

 Youtubeで、スニーカーエイジの決勝をヘッドフォンかまして聴いていたボクの頭に父の声が飛び込んできた。けして大声じゃないけど、父の言葉は、耳にではなく、頭に飛び込んでくる。
 おふくろの怒鳴り声はヘッドフォンしてると、ほとんど聞こえず、よく叱られる。

 たぶん三十年間、困難校とカテゴライズされる学校ばかりで教師をやってきたからだろう。S高やK高などのヤサグレた学校で怒鳴っていては、一時間ももたないのに違いない。
「……また、その時に考えるよ」はんぱな答えしかできなかった。

 はんぱな答えになったのには、二つ理由がある。

 一つは、父が二音節以上の言葉を僕にかけたからだ。生活時間にズレのある僕と父は、どうかすると三日やそこら声を交わさないこともある。
 もう一つは、父が志忠屋に行こうと言ったことである。
 志忠屋は、父の友人がやっている多国籍料理の店で、元々はマスターと父の共通の友人がやっていた。その初代の急死後、今のマスターが跡をついでやっている。
 最初に行ったのは、中学の時。父の病気がよくなって外出ができるようになったとき。父が人生の再出発の気まぐれで連れて行ってくれた。あんなに陽気に喋る父は、後にも先にもそれだけだ。僕は、まだ子供だったから、おいしい国籍不明の料理に熱中していたけど、マスターと喋る父に普段にはないものを感じ、少しドギマギした。そのドギマギが増幅されてよみがえり、要領の悪い返事になってしまった。

 父は、長年の困難校勤務と祖父母の介護に疲れ、突然溶け崩れるように発症した。病名は重篤な鬱病だった。一時は家中の刃物を隠した。母も、家の中で、なるべく父を一人にしないようにしていた。二年休職した春、父は五年を残して早期退職した。

 それからいろいろあって、父はパソコン相手に小説や戯曲を書きだした。もともと劇団に所属したり、演劇部の顧問をやったりで、戯曲は書いていた。
 しかし、今度は一生の仕事として物書きの道を選んだ。その重さは教師をやっていたのと同様に厳しく、教師以上に孤独な仕事であることは想像がついた。

 母は、そんな父を許してはいたが理解はしていない。父の本が出ても読むことはない。父の芝居が名古屋でミュージカルになったときも、母は、鬱の後遺症の残る父を一人で名古屋へ行かせた。宿泊のできない父は、その晩終電で帰ってきた。
 父は、最初はリビングの隅でパソコンを打っていた。父は、ものを書くために周囲をハウルのように魔法の空間にする。関係図書やノート、スクラップブックまでは僕にも分かったが、戦艦大和の模型や大魔神、戦車、風水盤、石ころ等になると、僕にも分らない。
 いつのまにか、リビングのほとんどが、そういうオブジェで埋め尽くされた。

「一階の部屋にひっこして。リビングは、お父さんの書斎じゃないんだから」

 父は無表情なまま一階の仏間に引っ越した。隣に父の本来の四畳半がある。しかし、そこは沢山の本や、昔使った小道具、古道具、アナログのテレビデオ、意味不明なオブジェで埋め尽くされていた。それらは、埃にまみれ、あるものは阪神大震災で傾いたり、こけたままになったものもあって、隅のほうには蜘蛛が巣さえ張っていた。
 母は、何度も「整理して、使わないものは捨てて。三年使わないものは、ただのゴミなの!」と言った。その都度父は生返事。仏間に追いやられたときなどは返事もしなかった。ボクはなんとなく分かった。これは父の精神世界の表れなんだ。混沌として未整理。だけど父が精神の平衡を保ち、インスピレーションを得るためには必要なものなんだ。ボクも、そこまでは分かるけど、シンパシーは持てない。父は一日の大半を仏間で過ごしている。
 父にあてがわれた座卓の上や周りは、オブジェでいっぱいだ。最近はSDとかFDとか言われる人形が、父の周りを取り囲むように置かれている。正直不気味だ。僕も母も、そのことについては触れない。触れれば父への非難になり、家族としてか細く結びついている大事なものを。取り返しのつかないことにしてしまいそうな気がするから。

 そんな父が「志忠屋にいこうか」と言ったのだ。父には直接言ったこともなかったけど、ボクはO大学への校内推薦が決まっていた。あとは小論文と面接だけだ。そのことを父は、ちゃんと知っていたのだ。

 でも、ボクはきちんと返事ができなかった。

 父は、六畳の仏間の半分は手つかずに清潔なままにしている。ボクも母も仏間はリビング同様、ハウルの部屋のようになると思っていた。意外だった。
 思い切って聞いてみた。
「どうして、半分はきれいなままなの?」
 父は不思議そうな顔をして言った。
「お客さんが来ている……みんな、おまえの校内推薦を喜んでくれてる。ほら……見えないのか?」

 ボクには、なにも見えなかった……。


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大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・30『モノ言えば……秋の風』

2014-09-06 10:22:19 | 小説4
大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・30
『モノ言えば……秋の風』


☆ご無沙汰いたしておりました

 先月の21日から、16日ぶりの公式ブログです。ちょっと校内でもめ事があって、事実上演劇部は休部状態でした。本当は公式ブログを書くことも差しさわりがあるのですが。わたしは憲法で保障された「表現の自由」で書いてます。校内事情を書くわけですから、月曜日には、なにがおこるか分かりません。それでも、あたしは書きます。

☆自衛隊への体験入隊

 これが問題になりました。基本的にはクラブの合宿の手続きで行きました。そやけど、ここで足をすくわれました。
 合宿は、一学期の7月末日までに顧問が合宿計画を校長に提出し、職員会議にあげられ、そこの承認を得た上で決定になります。しかし、これは校内の内規、あるいは慣例であって、基本は学校長の許可で専決事項になります。内規は、あたしら生徒には見られませんですけど、淀先生の言葉では明文化されてはいないそうです。淀先生も、その点をついて職員会議で説明してもらいました。せやけど多勢に無勢やったようです。むろん職員会議の中身は淀先生も言うてくれはりません。演劇部の無期限休部の結論から導き出したあたしの推論です。

 たとえ内規に明文化されてなくても、長年慣習化してきてるんで、内規同然。いや、慣習内規やいう理屈やと思てます。

 法律には、実定法と慣習法があります。商法なんかで慣習法が一部あります……むつかしいですね。日の丸と君が代が長い間慣習法でした。法律のどこにも日の丸=国旗、君が代=国歌とは書いてありませんでした。多くの国民にとっては、ごく当たり前のことやったんで、あえて法律にしてなかったんです。せやけど、これを楯にとって「法律にもなってないこと守る必要はない」いう理屈で、多くの先生が長い年月国旗・国家をないがしろにするタネになってました。そやから学校では長いこと日の丸と君が代については不毛な論戦がありました。賛成派の先生は「反動」とか呼ばれたらしいです。
 そやけど、あれだけ(消極的とはいえ)日の丸、君が代に反対してた先生らが、今は、当たり前みたいに起立して歌うてはります。「信念やったら、貫けや!」いうのがあたしの感想です。大阪では3人ほど歌えへんかった先生がいてはったそうですけど、見上げたもんやと思います。

 話題を戻します。

 合宿が慣習内規や言うて、それを守らへんかったことで、演劇部を休部処分にするのは、先生ら自己矛盾してないかいうことです。国旗・国家では実定法やない言うてサボタージュして、うちらの体験入隊を内規違反いうのは矛盾してます。
 これも推測ですけど、ほんまは自衛隊への体験入隊を問題にされたんやと思います。うちの先生の中にも「憲法をまともに読んだら、自衛隊は違憲や」いう骨董品みたいな先生がいてはります。集団的自衛権が閣議決定されたころには授業で演説めいたことも言うていかはりました。
 うちらは、いま集団的自衛権の行使に向けて運動中です。文化部の賛同署名は集めました。いま部員が手分けして運動部に働きかけてます。来週には文化部長から生徒会にあげてもろて、臨時生徒総会にもっていこと思てます。
 手の内ばらして「アホか」と思う人がいてるかもしれませんけど、これも作戦です。まず外堀から埋めよです。この公式ブログはゲリラブログです。これをもって、うちらのこと処分しよいうんやったら受けて立ちます。

 ここまで決心して、ブログに書くのに二週間かかりました。正直ビビってます。せやけど表現の自由を守るためにがんばります。

☆休部期間中の稽古

 部活が禁止されたんで、淀先生に迷惑かけんために完全に自粛してます。せやけど、部活は禁止されてますけど、スマホの使用が禁止されたわけではありません。部員同士でラインで稽古してます。スマホに台詞打ち込んで、台詞の稽古だけはしてます。喋る速度で打たならあかんので、部員は、みんな親指姫になった気持ちです。
 不思議なもんで、スマホでやってると変な現実感があります。案外練習法としては新発見かもしれません。

 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 
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高校ライトノベル・ライトノベルセレクト・230〔ささやきダイヤモンド〕

2014-09-01 15:44:41 | ライトノベルセレクト
ライトノベルセレクト・230
〔ささやきダイヤモンド〕



 走り出すバス追いかけて、僕は由紀子に伝えたかった。

 が、走り出して10秒もたってからでは間に合わなかった。それが「ささやきダイヤモンド」であることを……。
 0・5カラットほどの小さなダイヤモンドは、戦争前、医者をやっていたひいひい祖父ちゃんが今のユーゴスラビアで、女の人の病気を治してあげた時にもらったもので、僕は結婚するときに母から譲り受けた。
 母は二十数年前、羽田から日航123便に乗るところ、その「ささやきダイヤモンド」のささやきによって一便遅らせて、命が助かった。
 お祖母ちゃんは、海外旅行に行ったとき、テルアビブの空港で「ささやきダイヤモンド」が「早く空港ビルを出て」とささやいたので、無差別銃乱射テロから免れることができた。
 ひい祖母ちゃんは、昭和20年3月の大空襲の前の晩「横浜の伯母さんの家へ行って」とささやかれ、10万人が死んだ東京大空襲から逃れられた。

 ここまで読めば分かると思うんだけど、この「ささやきダイヤモンド」は女性にしかささやかない。僕は一人っ子だったので、由紀子と結婚するときにそれをもらった。当然男だから僕はダイヤモンドからささやかれたことは無い。

 そのかわり、夢があったし、夢を見るようになった。

 夢には二つの意味がある。一つは子供のころからの夢。子供のころから日記や文章を書くのが好きで、文章で食べられたらと夢見ていた。
 そして、結婚してから詩を書くようになった。で、ある晩、外人の女の人が夢に出てきて「その詩をコンテストに応募しなさい」と言う。で、半信半疑で応募したら、なんとグランプリを取り、その年のレコード大賞で最優秀作詞賞をもらった。
 それからはとんとん拍子だった。どちらがいいか迷った時には夢に女の人が出てきて「こっち」と言ってくれる。数年前には「女の子のユニットを作りなさい」と言われ、AKR47を作った。それが数年の間に大成功。僕はいっぱしの作詞家・プロディユーサーになった。父と母は、やや不満だった。曽祖父の代から続いた言語学者の道を捨てたからである。

 しかし、成功には代償が付き物だ……と言うと自虐にすぎるかも知れない。

 仕事柄、若い女の子が絶えず周りにいる。週刊誌に書かれることもある。むろん根も葉もないことではある。
 しかし、由紀子には耐えられなかった。若いころは人並み以上に見場も心映えもいいやつだったけど……。
「これ、クララが美味しいから、奥さんにどうぞって」
 チームリーダーの大石クララがくれた生キャラメルを渡した。クララは、変な言い方だけど男気のある子で、後輩の面倒見もいいし、先輩やスタッフへの心配りもできるやつだ。ファンの中でも「クララは男だ!」がセールスポイントになっていた。だが、由紀子にとっては若い女の子の一人にすぎない。
「こんなもの!」
 そう言って生キャラメルをごみ箱にブチ込んだ。
「何か月、うちでご飯食べてないと思ってんの!?」
「それは、お互い忙しい……」
 言い終わる前にゴミ箱が飛んできた。

 由紀子は、大学時代からのサークル活動からフェミニストの評論家になり、僕に負けないほどに忙しかった。僕は、この互いに独立した生活を肯定していると思っていた。しかし由紀子は額面通りのフェミニストではなかった。気づくのが遅かった。

 数日後、由紀子は「ささやきダイヤモンド」を送り返してきた。
――ブツブツ声が聞こえて気味が悪い――と、添え書きがあった。
 数週間後、由紀子はK国のテレビ番組に出る途中暴漢に襲われて半身不随になった。

 僕は思い出した。あの「ささやきダイヤモンド」はユーゴスラビアの言葉でささやく。由紀子はユーゴの言葉は分からない。

 僕たちは復縁した。女の人のお告げでも、ダイヤモンドのささやきでもなく、自分たちの意思で……。


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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画論『LUSY』

2014-09-01 07:28:41 | 映画評
タキさんの押しつけ映画論『LUSY』


 これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。


まず、面白い映画でした。それは間違いなし。

 スカーレット・ヨハンセン主演だから……否定しません。綺麗でした。始めは、ルーシーの役をブラピの嫁にオファーしたらしいが、いゃあ、アンジーで無くって良かったですねぇ、この役は絶対スカーレットどす!ほんまどす! 本編90分あるかないか、相当スピード早いです。これって、リュック・ベッソン的ごまかしでしょうか? 実感としては“???”なストーリーが随所にあります。
 例えば、脳のアクセスが30%くらいで複数の人間を昏倒できるのに、もっとアクセスが上がった段階で敵をそのままにしていたりします。そういうアンバランスが多数存在しますが、割と平生に受け入れて見ていられます。
 ルーシーは、自ら「どんどん人間性を失って行く」と語っていますが、これは増えて行く情報を処理するのにタンパク質とアミノ酸の肉体は不適当だ、という判断とイコールになっていて、これがスムーズに納得出来るストーリーになっているからです。
 正直、あちこちで引っかかるのですが、間に正確な脳科学情報を挟み、展開をスピードアップして、あまり深く考える余裕を与えない、しかも次の展開がスリリングな構成になっていて、画面に目をとられるので余計にそうなります。リュック・ベッソン一流の映画作法ですね。
「ニキータ」や「レオン」と同じく、有り得ない設定をリアルに見せる、あるいはそれ以上に、映画の中に深く感情移入させてしまう。 これが彼の上手さで、成功すると絶大な効果を発揮します。ニキータなんてのは、設定の割に組織が脆弱に感じられ、画面もどこかチープなのに、あまり気にせず見ていられましたからね。
 ルーシーが、脳アクセスアップと共に段々変化していくってのは、あんまり感じられません。一番始めのアクセスアップでの変貌が最大です。あとは、アクセスアップに伴って自分が踏み込む領域に驚いたり感動しているように見えます。 ちょっとネタバレになりますが、重要なファクターは「時間」だと結論され、アクセス100%に達すると時間の流れに乗る事が出来るようになるのですが、そこで彼女が何をするかに注目、ここでドジると、ラストでもありますし、取り返しはつきません。
 スカーレットは少々難ありながら、問題なしです。これがアンジーだったら、もっとえらい事になったでしょうからね。   モーガン・フリーマンはさすがの説得力ちゅか存在感ちゅか、大したセリフが在るわけでもありませんが、彼の存在で映画にリアルを与えています。 敵役、台北のマフィアに「オールドボーイ」のチェ・ミンシク。チャンという名前なので、韓国俳優が中国人を演じているのかと思いましたが、喋っている言葉が韓国語で、韓国マフィアです。ここでも中国人を悪役にしない配慮がされています。舞台は台湾なのにであります。嗚呼、リュック・ベッソンよ、お前もか!ってなもんですが、これもマーケットリサーチの結果、商売商売ですね。

 さて、ハリウッド情報を少々、かつての007 ピアーズ・ブロスマンがスパイとして復活「スパイ・レジェンド」来年1/17公開。この人、幾つになったんですかね。原作はベストセラーのスパイ小説です。
 イントゥ ザストーム 公開3週間で10位落ちですが、4000万$に迫ってます。ほんまに微妙~ですねぇ。
 シン・シティ2が初登場8位の680万$……あっちゃ~ですね。原作者のフランク・ミラーを久し振りに見ましたが、なんか「エルムストリート」みたいになってました。存在が妖怪じみてましたよ。
 1位2位は先週と入れ替わり「亀」が落ちて「アライグマ達」が返り咲いてます。売り上げは、以然低調なままですが、ランク内は400-1800の範囲内、ドングリの背比べ状態で平和に推移しています。
「ルーシー」はランク外に成りましたが、4週間で1億$を超えてますから大ヒットしとります。こっちでも、大体満員の入りで、結構当たっているようであります。
 あっと、もひとつ、「ルーシー」ラストに、日本のアニメ(漫画)ファンなら、思わずニンマリするセリフが有りますよ、どの漫画か指定するとバレちゃうんで、ファンの皆さんお楽しみに〓



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