大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・ライトノベルセレクト・270〔演劇部に入らなくって8カ月〕

2014-12-29 16:19:09 | ライトノベルセレクト
ライトノベルセレクト・270
〔演劇部に入らなくって8カ月〕



「御手毬高校やったら、演劇部入れよ!」

 合格を伝えに卒業母校になりたての中学に行ったら、ミッチーが、そう言うた。
 ミッチーいうのは、担任の吉田美智雄先生。進路担当で、生徒の面倒見もええし、授業も面白い。ミッチーのクラスになってよかったと思うてる。
「卒業したら、演劇やりたいんです!」
 三者懇談で言うたら、私学の御手毬高校を勧めてくれた。大阪の高校演劇では一番の高校らしい。
 そもそも演劇やりたい思うたんは、京橋学院の演劇部出身の里中るり子いう若い女優さんが、金狼映画祭いう国際的な映画のフェスティバルで、金狼賞とって「かっこええ!」と思うたから。高校時代は目立たへん普通の女の子やったけど、演劇部では光ってたらしい。
「いまのわたしがあるのは、田山監督と演劇部の近藤先生のお蔭です」
 と、インタビューで謙虚に言うてたのがかっこええ。けして明るくパッと目立つような美人やないけど、ひかえ目で、謙虚な美人やった。素人のあたしが見ても、このるり子さんは、人生に自信とやりがいもったから、美人になったんやろと思うた。

 で、親を説得して、京橋学院高校に入ろと決めた。

 せやけど、ミッチーは、こない言うた。
「里中るり子いうのは、確かに京橋の演劇部やけど、この子が芽が出たんは大学行ってからで、田山監督と出会うたからや。大阪の高校演劇で一番言うたら、御手毬高校やで」
 ミッチーは、資料を見せてくれた。
「中学で演劇部あったら顧問したい!」言うくらい、実は演劇が好きらしい。高校演劇のコンクールのパンフレットやった。
 なんと、御手毬高校は毎年本選に出てる。近畿大会へも京橋学院よりも出場回数が多い。なんでも顧問の先生が、W大学の演劇科出身で、付属の大学で、コミニケーションの出張講義にも行ってる。

「優衣、芝居したいんなら、演劇部はよしとけ」

 一円玉が、横からいらんことを言う。
 一円玉言うのは、生活指導の玉井先生。どういうわけか、東京から大阪の中学校の先生しにきてる変わり者……いうか、生徒からも先生らからも嫌がられてる。これ以上崩しようがないくらいのダメ教師で、陰では「一円玉」で通ってる。
「芝居がしたいんだったら、直に劇団にいけ。高校演劇では力がつかないぜ」
「どうしてですか?」
 やめといたらええのに、合格に水差されたみたいで、ついつっかかってしもた。

「これ、見てみろよ」

 一円玉は、大阪の高校演劇連盟でパソコンを検索した。
「で、映像を観てみる……どうだ?」
 あたしはビックリした。連盟の映像に高校演劇が一つもなかった。
「分かるか、大阪の高校演劇は内側に閉じてしまって、好きと言いながら、こんなもんだ。ミッチー先生、パンフ見せてもらえますか」
 ミッチーは、快くではないけど、断る理由もないので、コンクールのパンフを一円玉に渡した。
「創作劇の数数えてみろよ」
 あたしは、こういう具体的な指示には弱い。通知表の所見にも「指導に素直に従う」と書かれてる。で、数えてみた。

 なんと90%以上が創作劇。本選に至っては、100%。

「こんなの大阪だけだぜ。御手毬の創作劇、どれでもいいから入力して検索してみな」
 あたしは、近畿大会までいった御手毬の作品名を入れた。
「……なんにも出てきません」
「そこの顧問名で検索」
「……野球選手が出てきます」
「学校名といっしょに入れてみな」
「……出てきました」
 60件ほど出てきた。
「その先生の作品が、よそで演られてる実績は?」
「……ありません」
「これ、御手毬の校外公演のチケットだ。自分の目で見てこい」

 ちょうど、三日後やったんで観にいった。きれいやけど小さい劇場やったんで、ミッチーといっしょになった。

「どうや、たいしたもんやったやろ!」
 ミッチーは、大いに笑い、大いに拍手して、幕が下りたら、興奮して、そう言うた。
――こんなもんか――
 正直、それが、あたしの感想。

 あたしは、一円玉の紹介で、劇団到来の研究生になった。学校のクラブには入らへんかった。

 あれから8カ月。ほんの端役やけど、台詞のある役をもろた。もうじき幕が上がる。キャパ800の会場は満席。
「映画監督の田山さんが来てる」
 演出と舞台監督が、そんな話……聞かんほうがよかった。緊張する~!

 演劇部に入らんで8カ月。

 あたしは思う。べつにクラブに入らんでも、高校生が芝居したら、それでも高校演劇やと思う。現に研究生にも5人高校生が居てる。
 一円玉は、なんでか、うちが一年で御手毬に入ったら、新転任の先生の中に入ってた。

 これについては、面白い話がありますけど、また、別の機会に……。


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高校ライトノベル・あのころの自分・3『多数決で決まる担任』

2014-12-22 16:46:09 | 私小説
あのころの自分・3
『多数決で決まる担任』



「それでは決を取ります。大橋先生に担任になっていただきたい方、挙手ねがいます……多数。よって大橋先生よろしく」

 これが、職員会議の議長の発言で、たった数分で、私の担任が決定した。
 多分、担任を逃れたいための言い訳にしか聞いてもらえなかったのだろう。
 私は四十代後半から、ずっと行き届かぬ介護の連続だった。

 母がおかしくなったのは、七十代のなかばごろであった。大腿骨折の入院から始まった。病院と自宅の区別がつかなくなり、病室のロッカーを部屋のドアと思い込み、しきりに父を呼んでいた。時には私が息子と分からず「先生」と言ったりした。

――ああ、始まった――

 痛みと虚脱感を伴った認識のはじまりだった。
「いや、入院による一時的なこんらんですよ」
 医者は、こともなげに、そう言った。
「うちの病院は完全看護ですから、息子さんは帰ってください」
 看護婦さんに、そう言われた。一抹の不安を残して八尾の自宅に帰った。遅い夕食を終えようとしたら、病院から電話がかかってきた。
「お母さんが、暴れはって手が付けられません。今から病院にきてください!」
 一時間四十五分かけて病院に行く。

「遅かったですね」

 半ばなじるように、看護婦さんに言われた。
「八尾からきてるもんで」
「うそ……車なんでしょ?」
「教員免許では、車は運転できませんから、電車の乗継です」
 せめてもの皮肉に、看護婦さんは無関心をもって応えた。
 一晩、錯乱する母の横で過ごし、あくる朝、病院から学校に出勤した。
 父は、大正十四年生まれながら、あの戦争で徴兵にもかからなかったほどに体が弱い。父にはなにも期待できない。

 だから、担任を打診されたときは、教師生活で初めて断った。

 それから、なんの事情聴取もなく、年度末の職員会議に出ると、担任候補者のプリントにわたしの名前があった。
「せめて、事情聴取せえよ」
 思わず声になってしまった。プリントをよくみると、どう見ても健康体の某先生が外れていた。あとでご本人から聞くと「医者に言うて、診断書だしたら外してくれよった」であった。どうやら、書類がモノを言う学校であったようだ。

 案の定、五月の中間テスト空けに母が脳内出血で倒れたと父から午前五時に電話があった。「すぐに救急車呼んで!」そう言って、私は始発電車で実家に向かった。一時間四十分かけて実家につくと、父は、まだ救急車を呼べずにオロオロしていた。母は半ば意識が無く、動物のような声を上げていた。すぐに救急車を呼び、入院に必要なものと服用している薬を確保する。

「なんで、もっと早く救急車呼ばへんかったんですか!」

 医者からなじられたが、何を言っても言い訳にきこえるだろうと「すみません」だけを言っておいた。
「介護休暇取らせてください」
 介護と看護の合間を縫って職場へ。中間テストの結果だけ入力を済ませて、校長に頼んだ。校長は困惑の表情だった。
 体育祭の直前で、三者懇談を半月後に控えていた。担任が抜けていい時期ではない。
――だから、でけへんて言うたんです!――
 喉まで出かけた言葉を飲み込んだ。

 三か月の介護休暇を終わって、職場に復帰。廊下ですれ違った運営委員の一人が、こう言った。
「あんた、ほんまにしんどかってんな」
 笑顔で言うな。と、思った。

 二年後、また担任に指名され、また、職員会議の多数決で決められた。今回も、なんの事情聴取もなかった。

 五月に、また母が入院。介護休暇をとった。帰ったクラスはメチャクチャだった。保護者との関係がこじれてる。復帰一番に教頭から言われたのは、ねぎらいではなく、これをなんとかしろということであった。その足で家庭訪問に行った。お母ちゃんと膝詰で相談し、なんとか信頼の「し」の字ほどを取り戻す。

 その年の秋、自分自身鬱病を発症。休職、復職を繰り返し、五十五歳で早期退職せざるを得なくなった。

 この間、言ってはなんだけど、面白い話もある。また、稿を改めて。


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高校ライトノベル・あのころの自分・2『笑顔という自分の見せ方』

2014-12-19 17:35:52 | 私小説
あのころの自分・2
『笑顔という自分の見せ方』



 何度か書いてきたが、私は首切り教師だった。

 13回担任をやったが、三年生を持ったのは3度だけで、残りの10回は一年生が7回、二年生が3回で、圧倒的に一年生の担任が多かった。特に好き好んで一年生の担任を希望したわけではないが、担任選考委員会で指名されたときは全て一年か二年だった。

 勤務校は、いわゆる困難校ばかりで、ひどい学校は240人入学し、卒業時には100人も残っていない。

 六割以上が退学していき、そのほとんどが一年生である。一年生の担任の使命は、いかに問題なく自主退学させるかということである。一番まずいのは留年させることである。
 留年生の90%以上が、その後退学する。留年すれば、ダブリと言われ、多くの場合留年生同士群れて、他の生徒の邪魔をしたり、悪影響を与えたりする。だから留年生を大量に出す担任は迷惑がられた。学校のためにならないばかりではなく、本人のためにもならない。

 13年間で100人前後の生徒を自主退学させたが、留年させた生徒は一人もいない。別に自慢話ではない。

 私自身、高校時代からのスコブルつきの劣等生で、二年生を二回やり、修学旅行に二回行った。留年生の弱さや脆さは自分のこととしても、よく分かっている。
 
 高校に入学した時(私が)担任に言われたことばは、こうであった。
「自分らは、大手前、市岡によう入らんかった奴らや……」
 このあとに、頑張れば関西大学ぐらいはいけるという、慰めというか励ましの言葉がくる。公立大学には行けとも言わない。入学早々自信を喪失させられた。

 私は、一年生を持った時の最初の話は「犯罪以外なら、なんでもできる。どんな夢でも見ろ。君らの人生は一日に例えたら、まだ日の出前や!」これを、とびきりの笑顔で言う。生徒自身最低の学校に来たと思っている。まずは軽く自信の種を植え付ける。同時に、二年生になれそうにない生徒を見極める。で、四月いっぱいかけて個人面談をやる。この時も、たいてい話の終わりには笑顔でいる。

 教師がやってはいけないことは、いろいろあるが、その一つが笑顔で叱ることである。生徒は教師が本気で叱っていないと思う。結果、担任を軽くみてしまう。教師は、どこかで嫌われたくない(生徒に)と思って、目線も合わさず、笑顔でことを済ませてしまう。そして、学年末には、無責任に留年させてしまう。

 退学させるときは深い笑顔で接する。退学への伏線は数か月前から張ってあるが、原級留置が決定した生徒は、決定したその日のうちに家庭訪問し、本人と保護者に伝える。10人以上出ることもあるので、短時間で済ます。落ちた場合の選択肢と落ちる可能性は、、保護者にも生徒本人にも伝えてあるので、げたを預けて帰る。たいてい、その場で自主退学を決意してもらえる。この時に「人生、これで終わるわけではない」と、深いところで笑顔でいる。

 もう何度も書いてきたことなので、本題に入る。

 高校生のころ、大阪府高等学校演劇連盟の前身である大阪府高等学校演劇研究会の副会長をやっていた。簡単に言えば、大阪の高校演劇の事務的なまとめ役で、今の連盟の常任委員長にあたる。これを、当時は生徒がやっていたのだから、時代を感じる。
 会長は、対外的な問題があるので四天王寺高校の校長先生がやっておられた。
 実質的なお目付け役は四天王寺の藤木先生がおやりになり、藤木先生と会長の校長先生とのパイプ役は、校長先生の息子で教頭先生のS・T先生がおやりになっていた。だからS・T先生とは、数回お目にかかっている。

 現職の教師になり、家庭訪問のハシゴの途中、四天王寺の亀の池で汗を拭いていた。すると、かなたの塔頭から、四天王寺の偉いお坊さん二人が出てくるのが分かった。
 そのお一人のお坊さんの視線を感じた。それも笑顔の視線である。まさか私に向けられた視線であるとは思わず、ボーっとしていたが、すぐにその笑顔がS・T先生であることが分かった。

 仏教に和顔施(わがんせ)という言葉がある。人に対しては、まず笑顔でいようという、宗派を超えた仏教スマイルである。

 S・T先生は、そのころは四天王寺の管主をやっておられた。
 教師として半端な笑顔しかできない私は、ただボーっとして会釈も返せなかった。

 何かの偶然で覚えていただいたのかも知れないが、あの笑顔には負けたと思った。

 つい先年、後輩の私学の先生に言われた。
「大橋さんは、目が笑うてへんからなあ」

 同じことは、徳川家康も言われているが、むろん、私には家康にあった凄味もない。
 半端な笑顔のまま、どうやら今は……気味悪がられているような気がする。修業がたりないようだ。


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高校ライトノベル・あのころの自分・1『ひょっとして、もしかしたら……』

2014-12-15 14:48:11 | 私小説
あのころの自分・1
『ひょっとして、もしかしたら……』



 還暦を過ぎて一年半、来し方行く末を、ほんの少し考えてみる気になった。

 ほとんど3/4を終わろうとしている人生を振り返って、ひょっとして、もしかしたら……というようなことが何度もあった。
 いわば人生のジャンクションで、そんなことを気に留めながら徒然なるまま……という手垢のついた言葉で始めてみようと思う。

 もう、十分に手垢にまみれた人生なんだから。

 幼稚園から、高校まで徒歩圏内の学校ですましてきた。
 私の年頃なら、中学校までは、これで当たり前である。
 大阪市の旭区で育った私はT小学校K中学校を「ちょっと変わったムッチャン」として過ごしてきた。成績は48人ほどのクラスで、だいたい20番台。まあ、真ん中の生徒であった。当時K中学とは公園一つ隔てたA高校が人気があった。
 当時の学区で言うと、市岡、大手前の次くらいの準進学校で、K中学では人気があった。なんといっても歩いて通える。地元でもお行儀のいい学校で通っていた。そして、友達のかなりの数が希望していた。
 要は、大きな変化を望まず、幼稚園からずっと続いてきた地縁的な温もりの中にいたかったのである。

 しかし、A高校は10段階評価で7ぐらいはある学校で、真ん中の成績であった私には、いささか敷居が高かった。

 でも十四の歳まで、なんとかなってきた気楽さで私立との併願を条件に担任の先生が受験をしぶしぶ許可してくださった。
 後年教師になってから自覚したが、とてもA高校を受験できる成績では無かった。担任の先生は、よほど無謀だと思ったのだろう。学校別受験者の成績順位表まで見せてくださった。むろん学校の部外秘の資料で、生徒には見せてはいけない個人情報であった。

「な、大橋。A高校の希望者は150人もおるねん。これが一覧表や」
 そう言って、先生はプリント4枚閉じの資料を開いた。
「一番が、某。10段階の10や。以下ずーっと名前が続いてるやろ……成績順や」
 二枚目の下の方に赤線が引いてあった。
「ここから下のやつは受けても落ちるやつや。大橋は……」
 そう言いながら、先生は三枚目を飛ばして四枚目を開いた。私の名前は、なんと四枚目の一番最後にあった。

 いま、心の底を探っても、その時の感覚が思い出せない。

「受けます」
 とだけ答えた。
 受験会場の雰囲気は、なんとなく覚えている。たいていの人は、こういう時には「まわりがみんな自分よりも賢そうに見える」のだそうだが、そういう感覚は、鈍感な私には無かった。ただ現実に周りの受験生の大半は、私よりも学力が高い。その認識はあった。

 あのころの私は、どこか自分は特別だと思うようなところがあった。むろん、時には「こんなダメなやつはいない」という自虐的な気持ちもあり、その躁鬱の振子は今でも振れている。受験した時は、かなりの躁状態であったのかもしれない。

 で、結果は合格であった。

 私よりも先に友達が見に行き結果を担任に報告していた。友達は自分の合格よりも先に、こう言った。
「先生、大橋通ってましたよ!」
「ほんまか!?」
 後日談によると、先生は椅子に座ったまま30センチもとびあがり、職員室は寂として声も無かったそうである。

 逆の子がいた。受験者の上位に位置し、合格間違いなしと言われた子が落ちた。勝負は時の運というが、後年現場の教師になって思った。
――あれは、間違いだったのではないだろうか?――
 公立高校は、長い間、受験終了後すぐに採点をやり、二回人を替えて採点や点数の合計ミスがないかどうかをチェックする。午後三時ぐらいから始めて、六時半ぐらいには終了する。
 あくる日一日かけて、入試担当の教師が集計し、合否ギリギリの者については、解答用紙のチックからやり直す。

 一見念がいっているように見えるが、けして低くない確率で採点、計算ミスが出る。

 今は、それを防ぐために、受験当日の採点はやらずに、あくる日、丸一日をかけて採点する。それでもミスが起こっている。
 こういう書き方をすると、現場の教師が無能に見えるが、けしてそんなことはない。
 あえて書くと、問題が悪い。配点が微妙すぎ、記述問題など、採点者の裁量で数点の開きが出ることもある。例えば、ある年「アフリカ大陸の地図を描け」という問題が出たことがある。アフリカは人間の横顔をしており、五大陸の中では一番描きやすい。
 しかし、採点には条件が付いていた「アラビア半島との結合が描けていること」この一点で配点が大きく異なる。
 ほぼ完全に描けていても、アラビア半島との結合が不明であれば、点数がかなり低くなる。逆に、石ころみたいな地図を描いていても、アラビア半島との結合らしきものが描けていれば満点である。国語の作文に至っては、この地図の比では無い。

 何がいいたいかというと、私は間違って入ってしまったのではないかと、退職した今でも感じている。落ちた子は間違って落ちたのではないかと。

 で、A高校に入ってしまったことで、私の人生のレールが大きなところで決まってしまった。

 今の公立高校の入試システムは大幅に改善され、ミスはほとんどなくなった。と聞いている。


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