大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル やくも・04『街灯』

2018-12-16 15:02:05 | 小説・2

やくも・04『街灯』  

 

 

 あのお厨子は一晩で無くなった。

 

 本格的な解体工事が始まるようで、生け垣の一部が取り壊され怪獣みたいなショベルカーが入っていた。

 お厨子は、ショベルカー入れるのに邪魔なんだろう、三本ほどあった庭木といっしょに無くなっていた。

 当然五十メートルの崖道を迂回して学校に行く。

 裏側に出た時には、もう、バリバリと音がして母屋が取り壊される音がした。

 その音が恐ろしくて、視界の端に捉えることもしないで三丁目の学校に急いだ。

 

 帰りは、また図書委員の仕事が周ってきて遅くなった。

 

 黄昏時のあの道を歩く勇気が出なくって、十分以上余計にかかる道を通って帰った。

 途中、道幅の割には人通りのない道に差し掛かる。

 真っ直ぐな道の彼方にはうちの町が見える。でも、町につくまでは薄暗い一本道、二車線あるから車も通るんだろうけど、この瞬間は車の陰どころか、音もしない。

 街灯の間隔が長いのも不気味だ。

 おまけに、一つ向こうの街灯は切れかけていてチラチラ……と思ったら、ほんとうに切れてしまった。

 ほんの五分ほどで一本道は突き抜けられる。

 よし!

 図書室に並んでいた本たちを思い出しながら行こう。

 委員会で、図書室の見取り図をもらっていた。分野別の本棚や、本棚の中の推薦図書などが書き込まれている。

 それを、きちんと読みながら白線で区分けされてるだけの歩道を歩く。

 

 二百冊ちょっとのタイトルを読んだところで、一本道を通り終える。

 

 やったー!

 

 嬉しくなって、振り返る。

 暗い一本道の先が闇に溶けている。こんな怖い道を通ったんだ、自分を褒めてやりたい気分になる。

 

 あれ?

 

 この暗い道……どうやって、本のタイトルを読んだんだろう?

 ぜったい暗くて読めないよ。

 でも、ずっと明るいまま見取り図を見ていたよ。

 え? え?

 街灯を見上げて、上から下に目線を移して……ビックリした!

 街灯の下は道路に埋まっていない……下からは四本の脚が出ていて、がに股になっていて、後ずさりするわたしに合わせてヨチヨチと歩いてくるではないか!

「あ、ありがとう。も、もう、いいからね」

 そう言うと、街灯は残念そうにため息ついて立ち止まった。

 

 そこからは走った!

 お風呂掃除が間に合わなくなるし!

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高校ライトノベル やくも・03『フフフフ』

2018-12-15 16:14:15 | 小説・2

やくも・03『フフフフ』

 

 

 例えて言うと合わせ鏡。

 

 鳥居の下に、わたしは居て、前と後ろにも鳥居がある。

 鳥居は前後にいくつも続いていて無限に小さくなって、鳥居の朱色と夕闇色に溶け込んでいく。

 合わせ鏡と違って、前後の世界にわたしは居ない。

 

 これはヤバイ。

 

 鳥居一つが一つの世界で、一歩でも動いてしまったら別の鳥居に行ってしまいそうで、そうすると、もう元の世界には戻ってこれないような怖さがある。

 ジッとしていよう……

 ジッとしていたら、きっと元に戻れる。うちに帰ってお風呂掃除やって、晩ご飯の時にお爺ちゃんとお婆ちゃんに話そう。こんな不思議なことがあったって、ドキドキしたよって、面白かったよって、そして、夜遅く仕事から帰ってきたお母さんにも話すんだ。また、やくも、おかしなこと言ってえ。そう言って笑ってもらおう。そうしたら、もちょっとはほぐれるよ。急に始まった祖父母と娘と孫と、不足のない四人家族。家族なのに血のつながりは無い……これは言っちゃダメなんだ。自然に家族であるためには、そういうさりげない日常会話が必要なんだから。だから、だから元の世界に戻らなきゃ。

 グラッときた。

 足許が揺れた……と思ったら、鳥居が前後にフフフフって感じで動いていく。前から後ろへ、後ろから前へ、もう、どれが元の鳥居だか分からなくなってしまう!

 フフフフてのは、鳥居が風を切る音……たぶん。スターウォーズでライトセーバー振るとフフフってするじゃない、あんな音。それが、ますます大きく高い音になって、まるで女の子が笑っているような感じになった。

 フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ

 突然女の子が現れた!

「突然じゃないわ」

 怖かったけど声はあげなかった。七つほど前の鳥居だったし、ゆうべテレビで観たアイドルの子と同じコスきてたし、なによりも可愛いし。

「フフフって、ちゃんと可愛い笑い声たててからでてきたでしょ」

「えと、だれ?」

「え……わたしは、あなたよ」

「わたし?」

「そう、わたしって……あなたなんだけど、自覚ないかもしれないけど、こんなに可愛いんだよ」

 ぜったいに嘘だ! もう十年以上可愛いなんて言われたことないもん!

 保育所のころ言われたような気がするけど、大人の社交辞令かわたしの錯覚。

「じゃ、これでどう?」

 その子の目や口元から元気と光が無くなっていき……わたしの顔になった。

 目を背けてしまう。自分の顔なんて、突然には見られない。

 とたんにグラッときて目が回る。

 

 目まいが止まると……もとのお厨子の前だ。

 手に持ったスマホは、自分のキッズスマホに戻っている。

 スマホは時計モードになっていて図書委員の仕事が終わった八分後の時間を示している。

 早く戻ってお風呂掃除しなくちゃ!

 お厨子の前を離れて、庭の角。

 立ち止まって、瞬間お厨子に手を合わせて、それから一目散にお屋敷を出る。

 

 不思議なことに、お風呂はすでに掃除をしたあとみたいに濡れていて、風呂桶やシャンプーやらもきれいに定位置に並んでいる。

 ボンヤリ不思議がっていると、お婆ちゃんがやってきた。

「あら、どこかやり残したの? いいのよ、そんな真剣にお風呂掃除しなくっても」

「あ、わたし……」

 もうすでに別のわたしがお風呂掃除をやったような口ぶりだ。

「おいしい栗饅頭いただいたから、食べよ」

「あ……」

「スィーツは別腹、さ、おいで」

 栗饅頭がスィーツか?

 ちょっと笑っちゃったら、いつもの調子に戻って茶の間を目指した。

 

 今日のことは……とりあえず、黙っていよう。

 

 

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高校ライトノベル やくも・02『お屋敷の中へ……』

2018-12-14 15:48:23 | 小説・2

やくも・02『お屋敷の中へ……』

 

 

 お風呂掃除をかってでた。

 

 お爺ちゃんもお婆ちゃんも、お母さんだって「なにもしなくていいよ」と言ってくれた。

 でも、こんなに立派な家に住まわせてもらって、何もしなくていいというのはかえって気づまりだ。

 それで、頭をグルンとめぐらせて「お風呂掃除をやらせて」と頼んだんだ。

 お風呂掃除なら学校が終わった夕方で間に合う。庭とか家の周りの掃除も考えたんだけど、近所の人と顔を合わせたくなかったし、外回りの掃除は雨が降ったら大変だ。お風呂ならお天気に左右されないし、毎日同じダンドリでやればいいんだし。

 でも、お爺ちゃんが晩ご飯の前に風呂に入る習慣だということには思い至らなかった。

 遅くとも五時には帰って風呂掃除しなくちゃならない。

 

 図書委員の仕事が遅くなって、焦っていた。

 

 普通に帰ったら五時を回ってしまう。

 だから、あのお屋敷の崖下で脚が停まった。

 あのお屋敷は、もうだれも住んでいない。生け垣の隙間から見えた一階も雨戸が閉められている。

 四日前からは工務店の工事に関する看板みたいなのが掛けられ、昨日は取り壊しのための足場が運び込まれ、今朝は工事機材を運び込むために門扉が外されていた。

 ここを抜けたら百メートルの近道だ。

 そう思ったけど、裏の出入り口が閉まっていたら元も子もない。

 

 その裏口も開いている!

 

 わたしは、ドキドキしながら階段を駆け上がった。

 裏木戸を潜ると庭。モワっと湿っぽい土の匂い、ちょびっとかび臭い。たぶん、取り壊すにあたって中の荷物を出したりしたんだろう。

 土蔵の脇を周って広い庭。

 お母さんとチラ見したお厨子が静もっている。

 ソーラーかなにかでオートなんだろう、お厨子の中のお燈明が点いている。

――すみません、通らせてもらいます――

 ペコリと頭を下げて通り抜けようとしたら、お厨子の下に光るもの……あ、スマホだ。

 

 こちらに来るのあたってスマホを買ってもらった。

「好きなの選びな」

 お母さんは言ってくれたけど、離婚したてで大変なのわかってるから、指さしたのはキッズスマホ。

「これでいいの?」

「うん、いろいろ付いてても使いこなせないから」

 ほんとはカタログの表紙を飾っていた最新型。見ないようにするのに苦労した。見れば、お母さんが気を遣う。

 

 その表紙を飾っていたのと同じスマホが落ちている!

 

 わたしは、視界の中心を外してモノを見るのが得意。

 スマホ屋さんで、憧れのスマホはしっかり目に焼き付けてある。

 家の人か工事関係の人が落としたんだろう……思わず手に取ってみた。

 手に取ると、それまで暗かった画面がパッと明るくなった。

 静電気かジャイロのセンサーが付いているんだろう。ま、このくらいでは驚かない。

 

――いらっしゃい――

 

 声がすると同時に、画面にも「いらっしゃい」が現れる。

 やばい、どこか触っちゃったかな。

 うろたえると、文字が消えて鳥居が現れてズンズン大きくなっていき、いつの間にか画面からはみ出した。

 目の前に鳥居が現れた。

 首を巡らせると、鳥居を囲んでボンヤリと長方形の枠が滲んでいる。

 

 これって……わたし、スマホの画面の中にいるんだ。

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高校ライトノベル やくも・01『崖のお屋敷』

2018-12-13 15:57:46 | 小説・2

やくも・01『崖のお屋敷』

 

 

 一丁目と二丁目の境には崖がある。

 

 崖と言っても二メートルほどの高さで、石垣やコンクリで固められていて、ただの段差と言った方が客観的なのかも。

 でも、越してきて間がないわたしには、崖という感じがしたんだ。

 

 一丁目に家があって、三丁目にある学校に通うには、この崖が邪魔だ。

 五十メートルほど迂回すると、崖は数十センチほどに大人しくなって、横断する坂道や段差も現れる。

 一丁目側の崖の縁には百坪ほどのお屋敷が並んでいる。

「お屋敷だねえ……」

 初めて転入の手続きのために通った時、そう呟いたら「ハハ、やくもの家だって同じくらいじゃん」と、お母さんは笑った。

 わたしは、まだ家に馴染めていなかったので、こういう広くて大きな家を見るとお屋敷と感じてしまう。

 お母さんは、わたしが新しい環境に物怖じしないように軽く言ったんだ。

 お母さんにとっては生まれ育った家と街だから物怖じなんかしない。わたしを元気づけようとして言ったんだ。けして百坪の家を軽んじて言ったわけじゃない。

「わたしのころはお友だちの家があってね……ほら、この家」

 それは昭和の初めごろからあったんじゃないかと思うくらいの二階建て。瓦が重々しい二階建てで、屋根はお城みたい。壁は杉かなにかの木の皮が貼ってあって、窓なんかは木製の雨戸が閉められている。庭は手入れされていない庭木やなにかが猛々しく茂りっぱなしになっている。生け垣の隙間から一階の一部が覗いていて、木製のサッシが見えたので、まだ人は住んでいるんだろうか。聞いてみたい気持ちはあったけど、なんだかはばかられた。

「脇のくぐり戸を通って庭を抜けさせてもらってたの、ほら、お厨子の屋根が見えるでしょ?」

「おずし?」

「神社のミニチュアみたいなの……」

 ピョンとジャンプしたら見えた。会社の庭とか屋上とかにありそうなやつだ。銅の屋根が錆びまくって、そこだけ鮮やかな薄緑。

 

 続きは崖を迂回してからだった。

 

「ここに出てくるのよ」

 お屋敷の裏手はお城のような石垣になっていて、古城のように苔むしている。

 少し窪んだところがあって、お母さんが指差したのは、その窪みにしつらえられた石段だ。

 石段は道路に沿って十段ほどあって、クニっと窪みのところで折れ曲がり崖の上の裏門に続いている。なるほど、ここを通れば五十メートルの倍で百メートルはショートカットできる。

 でも……他人様のお屋敷。

 人は住んでるようだけど、お化け屋敷ぢみて見える。お母さんの口ぶりでも、このお屋敷の住人とはとっくに付き合いが無くなっている感じだ。

 それから一か月。

 わたしはショートカットすることもなく、大きく崖を迂回して学校に通ったのだった。

 今日まではね……。

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高校ライトノベル・小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・17『今日この頃』

2018-10-30 15:42:23 | 小説・2

小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ
Vol・17『今日この頃』 
 
       


※台詞は入ったんやけど

 稽古は着々……と言いたいんですけど、なかなかです。
 なかなかいい、とちごて、なかなか進まへんの「なかなか」です。日本語はむつかしい。

 配役は以下の通りです。

 咲花 かおる    三好清海 (二年:部長・演出)
 畑中 すみれ    九鬼あやめ(一年:舞台監督)
 由香・看護師    大野はるな(一年:音響・その他)

 本は『すみれの花さくころ』 ネットで、これに大橋むつおと入れると出てきます。

 えらそうや思うたら堪忍してくださいね。いわゆる高校演劇のレベルにはなりました。
 台詞も入ったし、立ち位置や、おおよそでとりあえずの動き(ミザンセーヌ)は決まりました。挿入曲も一応覚えました。文化祭のクラス劇やったら、もう完成です。

 そやけど演劇部は、ここからです(^_^;)

 泣き笑いなんかの喜怒哀楽が、まだまだ引き出し芝居です。一応役者としての基礎練習はよそよりやってるんで、普通には芝居できます。

 役者の第一条件は、自己解放です。

 自己解放とは、芝居に合わせて自分の感情が自在に操れることです。一年の時に徹底的にやらされました。やり方は簡単。過去の体験で、悲しかったことや、辛かったことを再現するんです。演じるんとちゃいます。気持ちを表現するんとちごて、その時の物理的な記憶を思い出すんです。
 うちは、お婆ちゃんが認知症になって、あたしのことを忘れた時のことを思い出しました。病院のたたずまい。病院独特の奥行きの在るエレベータ、消毒薬と、そこはかとなくしてくる病人さんらのニオイ。夏やったんで、エレベーターが開いたとたんに入ってきた冷気。それも足元やのうて、首筋で感じたこと。病室のドアが最初はちょっと重たいけどスルっと開く感覚……ほんで、お婆ちゃんが「こんにちは」と言うた時の他人行儀な響き。他人に対する愛想のよさ……この時の笑顔が、お婆ちゃんが亡くなったとき初めて見た死に顔と重なって、あたしの記憶は一気に、お婆ちゃんが死んだ日にとんでしまいました。どっと悲しみが溢れてきて、お通夜、葬式、火葬場、骨あげ、あたしはパニックになりかけました。
 この練習は、メソード演技の基礎です。ただ、レッスンの素材に使う思い出は、3年以上経過してて、感情の崩壊をおこさん程度のもん。これが原則です。うちは、お婆ちゃんが亡くなったばっかりやったんで、記憶が、そっちに引っ張られてしもて、まだ生傷のお婆ちゃんの死を思い出してしもたんです。
 そやけど、これであたしは自己解放を覚えました。

 しかし、役者は、これではあきません。役者個人が自分の感情を見せたら演技とちゃいます。
 役者は、その役に合うた感情表現ができんとあきません。たとえばAKBの高橋みなみと指原莉乃とでは、泣き方も笑い方もちがうでしょ?

 今、あたしは、この段階にさしかかってます。役の肉体化と言います。かおるというのは昭和20年に17歳やった女学生です。女と言えど人前で泣いたり笑うたりしたらあかんと言われてた時代です。ほんで宝塚を目指すほどの子ぉですから、姿勢もええし、歌もうまいし、抑えようとしても出てくる自然な明るさ……なかなかですわ。

 チェ-ホフやったかスタニスラフスキーやらが言うてました。

 本を書くのも演技するのも、例えて言うと森の中を歩くのといっしょやて。
 一回通っただけやったらあかんのんです。毎日森を歩いて、森の中の最高の場所と道を探します。最初は、毎日違う道を歩いて迷うこともあります。適当に見つけたロケーションで満足することもあります。それでも繰り返し歩いて、ほんまに、その人物や戯曲が求めてる道を探ります。

 つまりですねえ、森の中で「ここや!」という場所を見つけたら、見つけたことを喜んでるだけではあかんのです。

 何回森の中に入っても、その「ここや!」にたどり着けるように、森の中の目ぼしいとこをチェックしとかならあかんのです。朽ち果てて横倒しになった楡。根元から分かれた糸杉。谷川に露出した岩。獣道の痕跡。キノコの群落。エトセトラ……そういう目印になるようなところを発見して、いつでも「ここや!」にたどりつけんとあきません。

 それを繰り返して、脚本が要求している感動にたどり着けるようにするのが稽古です。

 また、繰り返すことによってマンネリになってくるのも稽古です。

「返してよ!」とお願いして目的のものを返してもらう演技があるとします。それがクライマックスの感動に結び付くとしたら、ええかげんにはできませんよね。

『アーニャおじさん』というロシアの芝居で、酒飲みのおじさんから姪の女の子が酒瓶を取り上げるシーンがありました。公演を重ねるにしたがって「おねがい、おじさん、酒瓶を渡して」という姪の台詞に切実さが無くなってきました。

 あたりまえですよね、台本では、このセリフで渡すことになっているのですから。役者はダンドリで台詞を言うようになってしまいます。ダンドリ芝居では観客は感動しません。

 そこで、おじさん役の男優は酒瓶を渡さないことにしました。

 姪の女優は本番の舞台で困り果てました。

 そこで困り果てた気持ちで、ほとんど役者個人にもどって「返して……」と台詞……というより、本気で哀願しました。

 男優は、そこで初めて「おまえに頼まれちゃかなわないなあ」とアドリブをかまして酒瓶を渡し、とても生きたしばいになりました。

 なんか、ええ話に聞こえますが、本当は決められた台詞と演出の中で演技できならあきません。

 それを、確かで強固にするのが稽古なんです。

 分かったようなことを言うてますけど、実際は難しいもんです。

 まあ、今は、こんなとこです。役作りは、毎回のことやけど、大変です。まあ、四か月あるから、どないかなるでしょ。こういう楽観も役者には必要です。


 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 

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高校ライトノベル・小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログVol・16『臨時増刊号』 

2018-10-28 17:57:21 | 小説・2

小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ
Vol・16『臨時増刊号』 
 
         


 昨日のVol・14は意外に反響が大きかったので、臨時特別号です。

☆反響のコメントなど

 実は、デリケートな問題なので、顧問の淀貴美先生からは書くなといわれてたんですが。概要だけでも書いておきます。学校訪問で行った誠学園や谷町高校でも話題ににはなってたんですが、あえて書かなかったことです。それほどデリケートかつ根本的な問題なんで、あえて要目だけでも書いておきます。みなさんにも考えていただけたら嬉しいです。

☆創作劇の偏重

 大阪は、90%以上が、顧問や生徒などによる創作劇がコンクールに出てきます。これは創作劇が特別な扱いをされるからです。
「既成脚本と、生徒が一生懸命創作してきたもんを同列にはあつかえません」という高校演劇の先生方の公式見解による影響です。
 うちらは、坂東はるか先輩のころから、この風潮には反対してきました。谷町の先生なんか「上演本探してはいてんねんけど、どうせ落とされることが分かってると気がなえてしもてね……」と、苦笑いされながら言うてはりました。
 前号を読んだ人には分かると思うんですが、谷町の先生は「野村萬斎のマクベスなんかええな」と言うてはりました。やっぱり手に合うたものを探してはいてはるんです。これを、実際の上演にまでいかさへんのは『創作至上主義』からです。
 うちらは既成の『すみれの花さくころ』をやります。まっとうな芝居を、高校生にやらせるためには、創作優遇主義、どないかせんとあかんと思いました。

☆審査基準

 二校ともそうでしたが、審査には不信感を持ってはりました。コンクールの2回に1回は「あれ?」と思わはるそうです。むろんうちらもそうです。創作劇の偏重との相乗効果で、コンクールの審査に疑問を抱かせてる大きな問題になってます。審査基準がないと、極端な場合「裏で、なにかあるんちゃうか?」と勘繰られてしまいます。実際学校訪問で行った学校の先生は「一つの地区で、同じ学校が四半世紀に渡って、地区で最優秀とんのはおかしいで」とおっしゃってました。やっぱり審査基準を作って、透明性のある審査が望まれています。

☆今年の審査員

 本選審査員のお一人は、三年前に真田山を「作品に血が通っていない、思考回路・行動原理が高校生ではない」いうわけ分からへん理由で落としておきながら、合同合評会では、レジメで、その審査を撤回した人です。この人を再び使うんやったら、それ相当の説明が必要です。
 三年前は落とされましたが、東京のNOZOMIプロのディレクターは、ちゃんとDVDの記録を観てくれはって、坂東先輩がプロの女優になるきっかけになりました。その結果から見ても、審査はおかしいです。個人名はひかえますが、この疑問と、三年前の誤審については釈明し、審査員の人選を再考すべきやと思います。

 では、もう学校に行く時間なんで、失礼します。

 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 

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高校ライトノベル・小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログVol・15『加盟校活動報告・3』

2018-10-27 16:11:21 | 小説・2

小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ 
Vol・15『加盟校活動報告・3・大阪府立谷町高校』
        


☆近所の府立谷町高校にお邪魔しました

 旧制女学校が、戦後の学制改革で新制高校になった由緒ある高校で、昔は府大会で優勝したり、近畿大会にも出場経験のある伝統校でした。それが今では、兼業部員が一人だけ。で、この部員は帰宅部と兼業。
 そう言って笑わせてくれたのは、顧問の矢部先生。

 先生自体、正式には放送部の顧問で、演劇部は副業。連盟には演劇部として登録してるけど、校内の扱いは同好会やそうです。

 むろん好き好んで二つの顔を持ってるわけやないんで、演劇同好会がクラブとして、三人以上の部員は必要という実態を失って長いからです。
「コンクールは、三年に一回ぐらいかなあ……」
 寂しそうに先生は言わはります。
「今年は出ますよってに」
 帰宅部兼業のH君がいう。
「まあ、あてにせんと待ってるわ」
「一緒にやってくれる奴が、もう二人ほどおったらね」
「そんな言い方せんでもええがな。芝居いうのは、舞台は一人でも、やっぱり照明やら音響のスタッフはいるさかいな」
「まるっきり一人で演れる芝居もありますよ」
「知ってます。そやけど、稽古場にいっつも一人いうのは、やっぱりね……」
 H君は俯きながら、そない言うた。
「こいつだけが悪いんやないねんわ。やっぱり、条件整備いうのは顧問の仕事やからね。昔はほっといても演劇部は人が集まったけど、今はこっちから声かけてもあかんあらね」
「中学校で、演劇部が無いようなってしまいましたからね」
「この四月はHもがんばってくれたんですわ。入学者の名簿から演劇部出身の子ぉ探したんやけど、どうもね、今年は見事に一人もいてなかった」

 高校演劇だけとちごて、中学校の演劇部が壊滅状態いうのを改めて実感。

「もし、何人か居てたら、やってみたい芝居とか無いんですか?」
「うん、野村萬斎がやってた5人だけでやる『マクベス』なんかよかったね」
「先生、5人なんか、絶対不可能。それに、あれマクベス以外は、みんな一人で何役もやらならあかんさかい、宇宙的規模で無理」
 
 そこで一回話題が途絶えてしもた。わざわざ来た甲斐ないので、他のことに話題をふってみる。

「ラノベなんか読まはります?」
「うん、多少はね。『はがない』とか『おにあい』とかね。映画も観に行ったし。

 ちょっと解説『はがない』とは「僕には友達がすくない」の略。『おにあい』は「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」の略。

 けっきょく、後半はほとんどラノベの話で盛り上がっておしまい。あたしらはラノベみたいな芝居でもええと思う。とにかく、面白いと思う着想を芝居にする力。それが必要。
「近所やねんさかい、コンクールなんか二校合同で出られたらええのにな」
 矢部先生の苦し紛れは、可能性やと思いました。管理やら責任の問題はあるけど、野球部なんかでは複数校が合同で試合に出ることもあるらしい。連盟の規約を変えならでけへんけど、一つの可能性やと思うて帰ってきました。

 ちなみに、このブログは朝の5時から起きて打ってます。昨夜のうちにやっといたらよかったんやけど、台本読んでたら寝てしまいました。次は、うちらのクラブのこと書きたいと思います。

 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ)

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高校ライトノベル・小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログVol14『加盟校活動報告2』

2018-10-26 17:49:21 | 小説・2

小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ
Vol・14『加盟校活動報告・2・誠学園高校』 
 
      

☆誠学園高校にお邪魔しました

 誠学園高校は、大正時代から続く伝統私立高校です。顧問の織田先生は連盟の運営委員もお勤めになられ、校内では学年主任もやっておられる忙しい先生です。そんなご多忙な中、わたしらの演劇部訪問にも快く応えていただきました。

「お忙しいところ、お時間をいただいてありがとうございます」
「いや、あんたらこそ、うちみたいなとこに取材に来てもろて、ありがとう」
「先生とこは、部員いてはれへんのんですか?」
「お恥ずかしいけど、今のとこゼロ。せやけど、コンクールまでには部員入れて参加しよ思うてます。ま、連盟の役員もやってることやし、辞めるわけにいかへんさかいね」
「先生の熱意で、引っ張って行ってるんですねえ」
「半分は、なんちゅうか生き甲斐やね。連盟の仕事はえらいけど、仲間の先生がいっぱい居てるし、こない言うたらなんやけど、毎年ゼロから出発するのんはスリリングでええもんやで」

 (笑)

「どんなふうにして、その都度部員を集めはるんですか?」
「一応は、新入生のオリエンテーションで演劇部の勧誘はやるんやけどね……」
「オリエンテーションとか、新入生歓迎会では、なかなか集まれへんでしょ」
「せやねん。おれが、もうちょっと若うてイケテたら、来るやつもおるんやろけどな。こんなおっさんではなあ(笑)」
「ほんなら、どんなやりかたで? 去年もたしか3人出てくる芝居やってはりましたね。なんかエチュ-ド発展させたような」
「あれは、演芸部いうのが別にあってね。あ、植物育てる園芸とちゃうほうの演芸。あそこの部員に声かけて、夏休み利用して東京までワークショップうけさせに行って、言われたように、エチュ-ドから膨らませてん」
「いっそ、その演芸部と演劇部の合併なんか考えられませんのん? 地方によっては『舞台芸術部』いうくくりかたしてるとこもあるようですけど」
「うん、一つの考え方やけど、僕は、やっぱり演劇部いうあり方にこだわりたいんや」
「なるほどね」
「それに、正直言うと、そういうくくり方したら、演劇部の方が飲み込まれてしまいそうな気ぃしてな」
「今、ああいうコント系いうか、演芸パフォーマンス系は人気も馬力もありますからね」
「ま、今年もいろんなとこに粉ふってがんばってみるわ。ところで真田山は、まだ既成脚本にこだわってんのん?」
「はい、大阪では不利やいうのは分かってるんですけど。基本は外したないんです。戯曲言うたら、吹奏楽のスコア(総譜)にあたるもんでしょ。スコアなんて、プロの作曲家でもむつかしいでしょ。吹部のコンクールなんかでも、新作は、なかなか古典を超えられません。せやから新曲に挑むとこは、作曲家の先生に自分らの演奏聞いてもろて、その長所やら特徴に合うた曲を作ってもろてるらしいです。むろん、そんな贅沢なことできるのは、一部の恵まれた吹部だけですけど。ま、とにかく自分らで作曲までやる吹部は考えられへんそうです」
「ま、せやけど、高校生やないと考えられへん芝居言うのもあるさかいなあ。僕は既成の本でプロの真似事するのは外れてるように思うねん」
「お言葉ですけど、それやったら吹部も軽音もプロの真似事になります。野球やらサッカーなんか、完全に大人と同じルールでやってますけど」
「まあ、見解の相違やね。お互い自分らのやり方でやっていこうよ」
「先生、連盟の役員してはるから、このさい聞いときたいんですけど。大阪は創作劇の方が有利やいうのはホンマですか?」
「有利いう言い方はそぐわへんなあ。借り物の既成脚本と、生徒やら顧問の先生が苦心して書いてきたもんには、それだけの評価をしたらならあかんと思うねんけど」
「コンクールに『創作脚本賞』がありますけど、『既成脚本選択賞』いうのんは考えられません?」

 (笑)

「まあ、冗談でもええんですけど、既成の脚本探してきて、自分らなりに咀嚼して、舞台化するのんは、チャラけた創作劇やるよりも、大変な努力がいると思うんですけど」
「まあ、お互い、それぞれのやり方でがんばろうや。ところで真田山は、どんなんが候補にあがってるのん?」
「あ、もう絞り切って稽古に入ってます」
「もうかいな!?」
「はい、そやかて、もう一学期も後半でしょ。残り4か月いうても、定期考査やら、検定とか、個人的な理由で抜けるのん考えたら、実質の稽古は3か月切ります。一日3時間の稽古として270時間。役の肉体化には、これくらいはかかります」
「ま、一つの考え方やな」
「でもね、先生。270時間言うたら、日数で、11日にしかならへんのですよ。ま、見解の相違やからええですけど、審査基準はどないなりますのん?」
「それは、残念やけど、無しやな」
「お言葉ですけど、先生、昨年度の最後の地区総会では、連盟の運営委員会で諮ってみるて言わはったんちゃいますのん?」
「諮った結果、いらんいうことになったんや」
「そやったら、総会で報告あってもよかったんちゃいます? なんかスルーされたような気ぃするんですけど」
「まあ、君らには言えん事情もあってな」
「大人の事情……いえいえ、冗談です。一回聞いてみたかったもんですから。ほんなら、今日は、どうもありがとうございました」
 
 ちょうど校内放送で先生を呼ぶ声。うちらは、それで失礼しました。お忙しい中、際どい質問にも答えてくれはって、感謝の一言です。

 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 

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高校ライトノベル・小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・13『加盟校活動報告・1』

2018-10-25 18:15:07 | 小説・2

小説大阪府立真田山学院高校演劇部
公式ブログ・Vol・13『加盟校活動報告・1』 
 


☆本年度加盟校確定       

 本年度加盟校が、連盟から発表されました。昨年は111校でしたが、今年は113校です。一昨年が112校でしたから、ほぼ横ばい状態と言えると思います……というのが、常識的な見方ですけど、あたしらは、統計資料いうのを、そのまま鵜呑みにはしません。

 加盟したということは、学校のパソコンに送られてきた書類に数字や必要事項を打ち込んで連盟にメールで送信、あとは加盟費の12000円を振り込んだ学校の総数ということで、実際演劇部としての実態があるかどうかというのは別問題やし、連盟も、その実態の検証はしてません。
 そやさかいに、コンクール参加校が、加盟校数と一致したことはありません。去年は111校の加盟校で、コンクールに参加したのは89校で80%の参加率です。実数では21校の学校が加盟しながら、コンクールに参加してません。

 これは、何を意味してるんでしょうか?

 加盟時から、あるいはコンクールの時期にクラブの実態がないクラブがあるということやと思てます。東京の演劇部仲間に言うと「最初から、コンクールに参加する意思のない学校があるんじゃない?」と言われました。

 東京と大阪は、文化が違うなあと実感しました。

 余談ですけど、東京は外国です。タヌキうどん言うたら、大阪ではきつねうどんの蕎麦バージョンのことですけど、東京は素うどん(東京ではカケうどん)に天かすがはいってるもんで、大阪ではハイカラうどんて言います。冷たいコーヒーはコールコーヒー、アイスコーヒーで、けしてレーコとはいいません。東京の喫茶店で「レーコ」て言うたら「あたし愛子ですけど」いう返事が返って来たいうウソみたいな話があります。
 エスカレーターは右側を空けるので、大阪の人間は戸惑います。
 ささいなとこでは「チャリンコ」が通じません。「チャリ」です。ついでに名古屋は「ケッタ」で、もう完全に外国。それから東京の人間が相槌に使う「そうなんだ」は、あたしらには冷たく感じます。逆に、大阪の「うっそー!」いうのはちょっときつく感じるとか。
「直す」は完全に通じません。クラブが終わって「机なおしとくように」て言われたら、東京の9割は「机壊れてませんけど」になる。
 二人称の「あんた」はとても見下した言い方に聞こえるようで、あたしは東京の子ぉには使いません。

 ま、とにかく、大阪で連盟に加盟して、コンクール目指せへん学校なんか考えられません。ちゃいます?

 ちなみに、東京の加盟費は7000円です。大阪は12000円。知ってました!? 大阪の人間がほとんど東京の倍ちかい加盟日払うて、コンクール参加を目指さへんいうようなモッタイナイことはしません。
 
 なにが言いたいかというと、連盟に幽霊加盟校があるいうことです。クラブに幽霊部員が居てるのといっしょです。

 ほんなら、なんで幽霊加盟校があるのかというと、顧問の先生の熱い気持ちと都合からです。ちょっと信じられませんけど、役員やってはる学校の演劇部が部員ゼロいうとこもあります。連盟で重責を担ってはって、連盟に加盟せんわけにはいきません。先生もしんどいもんです。
 それから、コンクールの時には、なんとしても部員を、たとえ兼業部員でもええから、かき集めて創作劇でっち上げて……すんません、工夫してお書きになって参加しはります。ほんで、コンクールが終わったら、元の部員ゼロに戻りはります。
 そういう学校を含めて113校。分かりました、数字のマジック?

 ま、オオヤケの数字の113校を信じたとしても、大阪は261校の高校があります。これで割ったら、加盟率は43%、コンクール参加89校で勘定したら35%という寂しい数字が出てきます。
 うちらの真田山も、やっと部員3人。裏方入れても4人は獲得せんと、コンクールに参加できません。頑張ります!!

☆学校探訪

 これは予告です。最近他の学校のブログでよその学校紹介が流行ってます。たいてい部員の数も多くて、活発に活動してる学校です。そんな学校は、実は少ないんです。いや、ほんま。
 そこで、あたしらは、ごく普通の小規模、あるいは幽霊加盟校の取材に力を入れることにしました。

 これは、ただのイチビリとちゃうんです。

 アメリカで年収一億円以上の人ばっかり取材して「これがアメリカだ!」いう番組作ったらウソになるでしょ? アメリカ人の平均年収は350万円で、日本とほとんど差がありません。そこに日本ほど充実してない社会保障やら、一世帯あたりの家族数を考えたら、けして日本より豊かやとは言えません。ちなみに、あたしは国際科なんで、言うことがヒネこびてます。ほんなら次回からの学校探訪、お楽しみにね。

 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 

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高校ライトノベル・小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・12『明日地区総会』

2018-10-23 17:44:40 | 小説・2

小説大阪府立真田山学院高校演劇部
公式ブログ・Vol・12『明日地区総会』



☆明日β地区総会

 よそより早いと思うんですけど、明日6月7日地区総会です。最初の予定は以下の通りでした。

  ア)生徒連絡会代表生徒(2名) イ)地区講習会の計画 ウ)地区大会顧問審査員候補者(2名以上)卒業生審査員の推薦 エ)その他

 淀貴美先生から議案が変わったことを、今日聞きました。審査基準と審査方法について大幅な変更案が示されました。重要なことなので、あらかじめ、その内容が加盟校に伝えられ、熟慮の上地区として賛否をとり、大幅な点で合意がなされた場合、細目について意見がある場合、地区で集約して、地区代表者会議にかかります。以下、その内容です。


※:審査基準試案
今の浪速高等学校演劇連盟を始め、多くの高校生の演劇コンクールには審査基準がありません。また、昨年の予選では審査結果に疑問が持たれたところもありました。そこで、この原案を運営委員会審査問題諮問委員会として提案します。

①作品にドラマ性があるか
 ドラマ性とは、葛藤と読み替えてもいい。いわば、人間の物理的・心理的イザコザ。それが、作品に書けているか。この評価は既成、創作を問わない。作品の種類によってはエモーションと理解してもいい(能や音楽劇の場合、並のドラマツルギーで評価できないことがある)

②観客の共感を得られたか
 劇的な感動(人間が葛藤することや、その変化への観客の感動)を観客に与えられたか。

③表現に対する努力は十分であったか
 演出、演技、道具、音響、衣装、照明、などが作品を表現する上で、効果的になされていたか。

 以上の三点(③については項目別)に10段階評価を行い、最高点と最低点を除外して平均値を出す〈予選では10段階評価のみで、最高点・最低点の除外はやらない〉上位1/3の作品につき、さらに論議し、最優秀以下の受賞作品を決定する。その場合、一定の点数に至らない場合(例えば満点を100点とした場合、80点に満たない)上位コンクールへの出場権は与えるが、最優秀の称号は与えない。

 本選以上では、審査員に顧問審査員・OB審査員なども加え7名程度とし、点数集計において、最高点と最低点は除外し、平均値を出す(予選は審査員が3名なので、これは当てはめない)

※審査の点数化へのこだわり
 審査をしていて「これはだめだ」と思うと、無意識に「落とす理由」を探すことが多い。言うならば「減点方式」で、辛い審査になりがちである。
 逆に「これはいける」と思うと、無意識に「上げる理由」を探すことが多い。言うならば「加点方式」で、甘い審査になりがちである。
 ゆえに、全ての出場校を、最初は0点として、上記の項目について加点していく。これで無意識な主観による「加点」「減点」が、かなり防げると思料される。

 点数化しない限り、同じコンクールで「甘い加点」と「辛い減点」のダブルスタンダードに陥る可能性が高くなる。

※補足
 審査員は、事前に上演台本に目を通し、会場には台本を持ち込まず、メモのみとする。これは、半ば無意識に台本ばかり見て、舞台をあまり見ていない審査員にきちんと舞台を観て頂くため。観劇後、審査員はメモをもとに、直ちに審査員室で、審査用紙に点数を記入、審査管理委員に渡す。全作品を見終わるまで、作品についての論議は原則しないものとする。ただし、作品に、著作権上の問題、社会的、人権的な問題があった場合は、別とする。
 審査員席は、観客席後部が望ましい。観客の反応ごと作品を見るため。また、舞台全体を視野にいれるためにも、それぐらいの位置が望ましい。

 できるだけ多くの観客に作品を観てもらうため、連盟、出場校は観客動員に努める。最低、連盟のサイトに会場、日程、時程はアップロ-ドしておくこと(これは、今年はやって頂けました。一歩前進です)

 コンクールの地区大会において、出場校が10校に満たない場合、シード制は適用しない。


わたしたちの考え

 おおむね妥当な改定案やと思います。ただ、ここに触れられていないのは、審査員の選び方です。予選は従来通り顧問と専門家審査員とOB審査員やと思うんですが。問題は、この専門家審査員です。ちょっと小劇場関係の方々に偏る傾向があります。本選においては、今まで専門家審査員3人でした。
 この人たちは、自分の得意な芝居のジャンルや傾向には、ええ感性してはります。けども、他の芝居にはどうなんでしょ?
 教育現場に居てない人に「高校生らしくない」とか「高校生の感性やない」「等身大の高校生が描けてる」言われて、現場の生徒や先生が感心してるのは、なんか滑稽な感じがします。


☆関係ないんですけど

 今日、環状線の駅から学校行く途中に黒猫が歩いてました。それから白猫が通って、そのあと白黒のブチがきたら面白いと思てたら、ほんまに白黒のブチがきました。思わず笑てしまいました。なんかええことがおきるんちゃうかと思たら、九鬼あやめが『外郎売』の暗記に成功! 大野はるなは、まだ覚えられません。はるなは、うちがカスムほどの綺麗な子。まして、あたしよりも自分のミバに自信のないあやめは、こんなとこで差ぁつけたかったみたいです。なかなかええ当て馬やと思てます。


 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ)

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高校ライトノベル・小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・11『たこ焼き値上げ』

2018-10-22 17:32:00 | 小説・2

大阪府立真田山学院高校演劇部
 公式ブログ・Vol・11

『たこ焼き値上げ』 


☆由香役決定!

『すみれの花さくころ』は女子三人の芝居ですが、部員は、わたくし三好清海と九鬼あやめのデコボココンビだけです。
 淀貴美先生が大野はるなをスカウトしてきはって、なんとか三人でやれることになりました。メデタシメデタシ!(^0^)!です。
 以前のブログに書いた通り、専業部員です。で、もちろん一年生です。

 ここだけの話ですけど、あたしやあやめよりもベッピン! このニュアンス分かります?

 可愛いのではなく綺麗(漢字で書いたほうの綺麗)です。制服着て、じっと立ってたら、男子の99%が注目するような子です。いわばモデルさんタイプで、どないしたら『すみれの花さくころ』のコメディーな色に染まるか。楽しみっちゃ楽しみ。心配っちゃ心配です。
 本人は、この時期の入部やいうのにやる気は十分です。今日なんか千田是也の『近代俳優術』なんか持ってきてました(汗)

 うっとこのクラブは、一見オチャラケたクラブですけど、やってることはストイックです。演技の基礎システムは、リー・ストラスバーグの『メソード演技』を、あたしらなりにアレンジしてやってます。ちなみに『メソード演技』いうのはアメリカの俳優さんにはバイブルみたいなもんで、マリリンモンローやジェームスディーン。今の人やったらメリル・ストリープさんなんかが、ここの出身です。

 むつかしいことは置いといて、ま、とにかく役者三人揃たんで一安心です。

☆写真は載せません

 よその学校で写真いっぱいのブログ書いてはるとこがけっこうありますけど、うちは二つの理由で写真は載せません。
 一つは、写真載せてきれいなブログにするだけの技術も知識もないから。また必要やとも思てません。
キレイなブログでも、中身が無かったり、美辞麗句や門切り型の言葉だけやったら意味ありません。
 うっとこは、文章で勝負です~なんちゃって。とにかく、普段しゃべってるような調子で書いていきます。え、ふだんおまえら、なんぼほど喋ってるかて? そら息吸うたら、なんか言葉喋らならもったいないいうのが、あたしらのコンセプトですW
 また、写真なんか載せたら、どこかのプロダクションからお誘いなんか来たら困りますでございましょう? オ~ホホホ。

 九鬼あやめとあたし三好清海のイラスト載せときます。左が九鬼あやめ、右のしっかりしてそうなんが、あたしです。

 

 ヘアースタイルはセミロングとフェミニンボブの中間。そういうとかっこええんですけど、先輩の女優坂東はるかさんのマネです。ってか、ほったらかしにして、時々カットだけしたら、こないなります(はるかさんの説明)。大野はるなは別嬪過ぎて絵にもなりません。くそ!

☆本線審査員の顔ぶれが見直されそうです

 念のため、こっちの世界の話です。そっちの世界ではT高さんが本選に出はって、まるっきり、こっちと同じ審査講評で落とされました。そっちでも少し動きがあるように伺いました。
 こっちの世界では、わが真田山学院高校が本選に出て落ちました。こっちの審査員は完全にどないかしてました。主演の坂東はるかさんは、その時のDVDを観たNOZOMIプロのプロディユーサーさんに認められて、一躍プロの女優さんにならはりましたから、やっぱり芝居観る目が違ぅたんでしょうね。
 しかし、こっちの世界で、一番問題になってるのは、その審査員の人が、合同合評会のレジメで、真田山の審査内容を放棄して「この学校にも何らかの賞をあげるべきだった」と書いてはることです。事実上の審査放棄やいうて問題になってます。また、なんか動きがあったら書きます。

☆スタッフをどうするか

 基本、顧問と出番のない役者でやります。そやけど、今度はミュージカルなんで、音響のオペやる人がどうしても必要です。まだ、これからの課題です。

☆たこ焼きの値上げ!😠!

 あたしらの、ささやかな楽しみは、学校帰りのたこ焼きです。6個250円がいきなり300円! どない思います?
 オッチャン曰く、今までギリギリでやってきた。今度消費税が10%になっても値上げせえへん……らしいですけど。あたしは卒業していてません。大阪の子は、たこ焼きだけはこだわります!

 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ)

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高校ライトノベル・小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・10『パラレルワールド』

2018-10-21 17:59:12 | 小説・2

小説大阪府立真田山学院高校演劇部
公式ブログ・Vol・10

『パラレルワールド』  


☆びっくりしました!

 大阪府立真田山学院高校なんか存在せえへんいうコメントをいただきました。

 ほんまにビックリしました。

 あたしらは、ネットで検索してもろても、グーグルの地図見ても、ちゃんと載ってます。戦前の私学のころから数えると、創立100年になろうかという学校です。
 古い人は分かりませんが、最近では俳優の坂東はるかさんや、新進ジャズサックス奏者の吉川裕也さんなんかががんばってはります。

 このコメント頂いた人は見当がついたんで、友だちに電話してもろて、ついさっき話したとこです。

「うちは、環状線真田山で降りてもろうて西へ400メートル……」
「ええ! 環状線に真田山なんて駅あれへんよ」
「ちょっと、おたくの学校の名前、きっちり教えて下さい……字ぃは、どない書きますのん?」
「○○に○○です」
「え、そんな学校存在せえへん!」
「そんなアホな、ちゃんと大阪府高等学校演劇連盟にも加盟してます」
「ちょっと待ってください。それ、なんですか?」
「連盟言うたら、大阪府高等学校演劇連盟にきまってるでしょ!?」
「うちらは、浪花高等学校演劇連盟ですけど」

 と、こんなやりとりがありました。

☆パラレルワールドです

 うちらの世界とよう似た別の世界をパラレルワールドと言います。理論的には完ぺきにいっしょのものから、微妙に違うもんまで。

 パラレルワールドとは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指す。並行世界、並行宇宙、並行時空ともいう。辞書には、こう書いてあります。

 元々は同じ時間の幹にあったもんが、枝分かれして、似たような世界ができるらしいです。それが、なんかの拍子で枝が重なるようにして、行き来できたり、こうやってブログやら電話だけで通じるものまでいろんなものがあるらしいです。どうやら、その異世界が重なって、妙なこと。あたしは、ちょっと面白いと思てるんですけど。
 ちなみに、うちはβ(ベータ)地区です。Bと、よう似てるんでこのへんから誤解がとけへんかったみたいです。
 いつまで、この枝が重なったままになってるか分かりませんけど、通じるうちは、このブログ続けていこうと思います。

☆『すみれの花さくころ』

 この芝居は、こっちの世界ではうちの真田山学院高校が本選までいって落ちてきましたけど、そっちの世界ではT高校さんが本選でやって落ちはったみたいですね。で、審査員の評はいっしょ。

 作品に血が通っていない。行動原理、思考回路が高校生ではない。

 この言語明瞭意味不明な評は、一言一句同じです。ただ審査員の名前は違います。混乱するといけないのでお名前は伏せます。

☆今のあたしたち

『すみれの花さくころ』に決まったんで、音楽の先生に頼んで歌の発声法習うてます。基本はいっしょやけど、台詞と違うて、高音は裏声になります。この裏声で声出すのに慣れてないんで、苦労してます。
 ほんで、宝塚について調べてます。一人の人物になりきるのには、その背景まで知らんとあきません。それから東京大空襲について。かおるいう幽霊の役が宝塚志望で、東京大空襲で亡くなってるからです。稽古が進んだら、登場人物の住んでた街やら家のことにかかってみよと思てます。なにをマワリクドイことと思うてたら、間違いです。NHKの朝ドラやら大河ドラマでも、ちゃんと、そういうことはやってます。

 ジブリのアニメでも「ガヤ」と言われる背景音同然の会話もちゃんと台本があって、スト-リーも考えたあるそうです。演る側でこれです。書くとなったら、これの何倍も調べて組み立てて、その多くは台詞にもト書きにもならんと捨てられるらしいです。創作劇が簡単にでけへんのは、これだけでも、よう分かります。

 愛染坂高校の演劇部が、夏の講習会で鍛えてもろて創作にかかるらしいです。せやけど、コンクールの本番まで三カ月もないのに、無理するなあと思います。本は書くだけで三カ月。そない作者の先生も言うてはりました。


 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 

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高校ライトノベル・小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・9『情報というより評判』

2018-10-20 20:21:03 | 小説・2

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公式ブログ・Vol・9

『情報というより評判』  


☆情報というより評判
 
 前回の8号の反響が大きかったので、部員全員で考えました。
「では、臨時部会の出席をとります。九鬼あやめ!」
「はい!」

 これで出欠とるのはお終いです。なんといっても、あたし三好清海を入れてたった二人の部員です。

「先輩の言うてはった『情報なしに公演を観に行くことは出来ません』と某高校さんが言うてはったのを『一見正論のようですが、基本的に間違ってる』と言い切るのは、ちょっと飛躍してませんか?」
 
 一年のくせして言いたいこと言いです。

「情報がなかったら、某高校さんの言わはるとおり、行きようありません」

 先輩に断定で、もの言うか?

「たいていの公演は、その気になって検索したら分かる。それから、逆に聞くけど、公演の情報あって観にいくか?」
「全部はむりですけど」
「そないして、三本も観たら交通費と時間返してくれて言いたなる。去年のコンクールでもそうやった。地区総会で『お互いの芝居も観ましょう』て、どこの地区でも言うてたけど、どこも閑古鳥。どないかすると、観客席より舞台におる人間の方が多い」
「その断定の根拠はなんですか?」
「数えてたもん。某地区の某高校は、観客25人。舞台はスタッフこみで15人」
「え、それて観客の方が多い」
「観客の11人は、某校の関係者と家族。これ引いたら一人少ない」
「……」
「なんや、言いたいことあったら言い」
「そやけど、K高校とかO高校とかM高校とか、けっこう入ってたいう話です」
「アホ、よう覚えとき『特殊をもって典型とするなかれ』民芸の滝沢修さんの名言や」
「だれですか、滝沢修とか民芸とか?」
「知らんのん!? ヘソ噛んで死ね!」
「……おへそまで口届きません」

 と、アホな話は、ここまでとして、真田山の意見として補足します。

 宣伝は必要やけど、元来は連盟に一元化して、連盟のサイト見たら分かるようにするのが正当。その上で、それぞれが情報発信する。連盟のオオヤケのとこに20年以上かかって、アクセスが23万ちょっと言うのは絶対少ない。情報のターミナルとして機能してません。割ってみたら、よう分かります。一年でアクセスざっと10000。一見すごそうやけど、一日で割ったら28あるかないかです。こんなん高校生が個人でブログやったって楽に、これくらいはいきます。けど「高校演劇」で検索したらYAHOOで二位、GOOGLEで三位。いかに日本において高校演劇がショボイかようわかります。
 ちなみに大隈ケイコさんが個人的にやってはるブログはもう200万件のアクセス。どないです?

 で、九鬼あやめと話して結論に達しました。情報量より評判や。

 評判が良かったら、人は探してでも観にきます。逆にスカタンな芝居は、どない宣伝しても観客は集まらへん。
 分かり易い例えで、東京の山手線はJRに代わったとき大々的に宣伝して『E電』て名前つけたけど、今はそない言う人いてません。看護師のことを、いまだに「看護婦さん」言う人は多いです。
 要は、評判なんですね。高校演劇「オタク、暗い、ダサイ、おもんない」の四拍子。
 やっぱり、ストイックに稽古して、力つけて、一般の人が観て面白いいうもんにならなあきません。
 かつて西成に車座いう劇団がありました。日雇いのオッチャンらが会場の小学校の講堂に鈴なりやったそうです。地味な公演重ねながら評判をとってきはったんですね。
 
☆演目決定
『すみれの花さくころ』に決まりました。決まりがわるいんで、3年前某高校がやった、と、書きましたけど、うっとこです。主演は映画やテレビで活躍中の先輩坂東はるかさんです。正直プレッシャーです。AKBやないけど『永遠プレッシャー』です。あたし個人としてはやりたない。やりたいけどやりたない。うちの演劇部には、そういう芝居です。
 もう一人、決まってるんですけど、まだ正式やないんで個人名は伏せます。

☆集団縄跳び(基礎練習)

 縄なしで縄跳びします。最低5人はいります。見えへん縄を、みんなが見てタイミング計ったり、縄引っかけたりしたら、直ぐにみんなに分かります。演技とは自分を騙すことです。ウソや思たらやってみてください。面白いのは請け合います。

☆九鬼あやめの欠点克服

 新入部員の九鬼あやめは滑舌に欠点があるて書きました(前々回)よね。

 泥だらけ⇒どよだやけ    ぱぴぷぺぽ⇒ぱぴっぺぽ     てな感じでした。

 真田山の訓練方法は以下の通りです。

 軽く口をつむって、息を吐き出して、プルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプル……てな具合に唇を振動させます。ま、昭和の時代の電話の音を口でやると思たら間違いありません。

 緩いと、プスーで終わってしまいます。きついとプッと一発吹き出しておしまいです。適度なつむり方で息の続く限りプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプル……です。

 軽く口を開いて、下を上あごに付けます。そして息を吐きだして、ルルルルルルルルルルル……と舌を振動させます。

 力を入れ過ぎても緩めすぎてもできません。感覚はプルプルプルと同じです。

 あやめと同じように悩んでる人はお試しあれ! あ~ら不思議! 一週間ほどで効果が出てきますよ!


  文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 

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高校ライトノベル・小説大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・8『ちょっと理屈っぽいです』

2018-10-19 18:19:09 | 小説・2

小説・大阪府立真田山学院高校演劇部
公式ブログ・Vol・8


 いろんな演劇部がブログを書いてはります。

 某高校さんのブログも、いつも興味深く読ませてもろてます。数あるブログの中でも継続性と何気ない日常の描写にすぐれています。理屈の多いうちらも見習いたいもんです。

 情報発信は、演劇という文化活動をやっていく上での重要なファクターですけども、根本問題ではないと思います。某高校のみなさんの意見は下記のように要約されます。

「知っていたら、情報があったら観に行ったのに」と思う公演もたくさんあるのです。これって本当にもったいないことだと思いませんか?やはりどれだけ観劇が好きな人でも、情報なしに公演を観に行くことは出来ません。

 一見正論のようですが、基本的に間違ってるように、あたしには思えます。

 たとえテレビや新聞などのメディアが取り上げても、一般の観客に継続的に支持していただき、リピーターを増やさなければ、観にいく人間は増えません。
 昨年某大企業が高校生向けの創作劇の募集をやり、新聞の文化欄にも取り上げられました。そやけど、後が続きません。あんなに大絶賛された鷲見さんの『LOCK ME!』が続きません。
 強調しときますが、一般の観客がリピーターとして付けへんかったら、いくら天下の平目モリコ氏が絶賛しても、一般の人たちが興味を持たへんかったら、その場限りの打ち上げ花火に終わってしまいます。ちゃいます?

 OHDに参加している一部の学校の公演は、その場にいると、ひところの小劇場の隆盛を思わせるものがあります。せやけど、冷静に観客席を見ると観客の大半が、高校演劇関係者ばかりで、一般の観客は居ないに等しく、むろんマスコミが来ることもないことに気付きます。

 大阪の高校演劇の部員は、ひいき目に見ても1000人は超えません。大阪には261の高校があり、生徒数は一校500あまりとして13万人ほどになります。その中のわずか1000人たらずしか演劇部員はいてへんのです。いわば、これがパイで、取り合いをしてもたかが知れてます。

 観劇が好きな人は、野球にはおよびませんが、そこそこにいることは、商業演劇などの観客動員数を見ても明らかです。この人たちが付いてけえへんかったら増えようがありません。そない思いません?
 高校演劇は違うのだとおっしゃる先生もおられますが、これは、単なる言い訳やと思います。
 プロ野球と高校野球の観客は、かなりの確立で重なります。軽音に、その傾向が出始めています。スニーカーエイジの隆盛を見るまでもなく(軽音は7000人収容の舞洲アリーナが満席になります。高校演劇の本選は、公表されませんけど、総計1000を超えてません)軽音は軽音以外の観客を取り込み始めています。

 原因は、ぶっちゃけて言うとパフォーマンスとしてのクオリティーの違いです。

 大阪弁で言うと「おもんない」からです。

 このクオリティーの低さは、第一に戯曲のお粗末さ。創作期間が、たったの一カ月あるかないかの創作劇。これでは、まともな本になりません。
 そやさかい、戯曲としての体をなしていないものには、演劇部自身も興味を持ちません。
 分かり易い証拠は「大感激した!」と誉められるような創作戯曲でも、他校が「こんないい芝居ならうちでもやろう!」に、どうしてならへんのでしょう。

 高校演劇の神様、榊原政常先生の本など、高校演劇を飛び出してプロの劇団が上演するほど高いクオリティーがあります。ウソやと思たら『しんしゃく源氏物語』で、検索してください。新旧あわせた公演の記録や予告で溢れてます。
 もう出来心のような創作劇や、小劇場のコピーは止めたほうがええんとちゃいます? 本気で戯曲の勉強をしませんか。現役の高校生は最長でも3年です。OBでも顧問の先生でもかまいません、「おたくの本演らせてください!」と言われるような本を書いて下さいませんか。

 第二に、役者がヘタすぎることです。

 十年に一人ほど個人的に才能のある子が出てきます。しかし、その子の力が光るのは、皮肉ですけど高校演劇を卒業してからです。
 大阪の高校演劇には、そういう子を生かすだけの創作劇がありません(大阪は90%が創作劇なので、劇=創作劇)。 その子を輝かせるだけの演出も居なければ、相手役を演れる子もいてません。劇作も演技も、よほどの天才でないかぎり、他の分野同様に毎日欠かさないストイックな努力が必要です。うちらは、それでやってます。

 けして、情報量が少ないことが致命傷ではないと思います。情宣ができれば解決できるようなレベルの問題ではない言うことです。

※念のため

 これだけは言うときます。某高さんは的は外しておられますが、この元気な情報発信は応援します。「ホームラン王は一番三振が多い」という名言があります。うちらみたいなスカタンでもかまへんと思います「あたしらはこう思う」という情報を発信してください。是々非々で論戦しましょう。論戦が、少しは人々の意識を変えるかもしれません。本業の芝居作りにも力を注がれているようですね。本選の舞台で観られることを楽しみにしています。

  文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ) 

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高校ライトノベル・小説・大阪府立真田山学院高校演劇部公式ブログ・Vol・7

2018-10-18 19:43:07 | 小説・2

小説・大阪府立真田山学院高校演劇部
公式ブログ・Vol・7 



☆部内で意見が対立!

 たった二人の演劇部で、どないしたら対立すんねん!?

 そういう声が聞こえてきそうです。実際は見解の相異という程度のことなんですけど、キャプションはショッキングな方が面白いのです。

 何を対立しているかというと、演目です。

 わたしは、個人的にも真田山の部長としても『にんじん』を絶対やりたいんですが、一年の部員の九鬼あやめが、ちゃうことを言い出しました。
 前も書きましたが、『にんじん』の最大のネックは、ルピック氏役の男子がおらんことです。あの役は寡黙な中年のオッサンの役で、寡黙であるだけやのうて、時には厳しさと、ルピック氏自身が持て余すような愛情が表現できんとあきません。並の高校生がほんの一カ月ほどやってできるシロモンとちがいます。

 じつは、あたしにはアテがありました。軽音の幽霊部員で、シブイ男子がおったんです。エグザイルの曲なんか歌わしたら、ちょっと高校生離れした表現ができる子です。
 この子が、幽霊辞めて生き返ったのが誤算。ことしのスニーカーエイジの隠し球やったみたいです。

 九鬼あやめが『すみれの花さくころ』がやりたいと言うてきました。単に思いつきではなくて、あやめなりに、青雲書房の原作と、ネットに出てる改訂版も読んで、You tubeで上演作品も観ての意見です。
 憎たらしいのは、名古屋音大さんがやらはった曲を、もうマスターしてることと、ちょい役で出てくる由香いう役を演れる子まで見つけてるいうことです。

 発言や提案には、具体的な裏付けがないとアカンいうのを見事にクリアーしとります。

 ただ、問題点があります。本選の審査員がX氏やいうことです。三年前の本選で、この作品をやった学校を、以下のような理由で落とした人です。

「作品に血が通っていない。行動原理、思考回路が高校生ではない」

 上演作品を超えて、戯曲そのものを否定してかかった人です。どんなにうまいことやっても、大阪は既成作品いうだけでハードルが高い。そこへもってきて、X氏がボロボロに言うた本やって、どないすんねん!?
 最初のブログで「予選落ちの真田山」て書きましたけど、そこに山があるから登るごとく、そこに本選があるんやから目指したくなるのは演劇部員、それも部長とあればアッタリマエです。
 はなから落とされると分かってる本はなあ……。

☆今、こんな歌やってます
 ディズニーの『アナと雪の女王』の『Let it go!』 松たか子さんが日本語でやってますけど、うちらは英語でやってます。役になりきって、アクション交えて。
 これを臆面もなく、グラウンドでやります。いっぱい運動部が練習してる中、雰囲気はアウェーですけど、これも練習。裏話ですけど、あやめが入部をそそのかしたんは、この『Let it go!』を横で聞いてた子で、このディズニーアニメが大好きな子です。一年ながら九鬼あやめは、なかなかしたたたかな子です。

☆九鬼あやめの苦手

 癪なんで、九鬼あやめの苦手をバラします!

 滑舌が苦手な子ぉで、滑舌があきません。

 どろだらけ⇒どよだやけ 

 ぱぴぷぺぽ⇒ぱっぺっぽ

 というぐあいになります。真面目に発声練習とかやってるんですけど治りません。

 一週間ほったらかしにしといたんですけど、二週目に入って落ち込んできよったんで、指導しました。

 最初から言うったったらええのに! そう思てる人も多いと思いますが、やっぱり自分で苦悩する時間も大事やと思って、親心で一週間待ってみました。

 こういう滑舌の問題抱えてる人、けっこう居てるんとちゃいます?

 正解の指導方法……残念、字数が一杯なんで、次回に回します(^▽^)/


 文責 大阪府立真田山学院高校演劇部部長 三好清海(みよしはるみ)

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