大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『マン・オブ・スティール』

2013-08-30 17:21:01 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『マン・オブ・スティール』


これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が、個人的に仲間内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。


 製作/C・ノーラン、監督/Z(300) スナイダーは、やはり とんでもない“スーパーマン”を作り上げてしまった。
 
 もしかすると、賛否 四分五裂するかもしれない。

“スーパーマン”の初出は1938年、それから75年間に渡り、途切れる事無く新作が発表され続け、様々な“スーパーマン”が描かれて来た。

 ある時は、足下で水爆が破裂しても平気であり、その飛行速度は光速を超え、時間の壁を破る。如何なる理屈か次元の枠さえ凌駕してパラレルワールドにすら到達する(本作に登場のゾッドはこのエピソードで別次元の地球を破壊している)。人類にしてみれば、それは“GOD”のパワーであり、だから次のシリーズでは、彼の能力は大幅に減殺されたりもした。
 いかな漫画読みの私とはいえ全作品に触れてはいないが。各時代のエポックになるような物は読んでいるつもり……なんですがぁ。
 子供の頃にやっていたテレビドラマを皮切りに、再度の映画化、スーパーマンの地球到着からメトロポリスに出てくるまでを描いたドラマ、新旧数多のアニメーション~この辺りは割とコンプリートしていると思います。
 DCコミックのヒーロー達は、あるいは自らのアイデンティティ、またはレーゾンデートル。自分の超越性、他者とのエネルギーギャップに懊悩する者が多く、そのあたりが“マーベル系ヒーロー”の脳天気と一線を画しています(後年、マーベルヒーローも悩み始めますけど)。
 本作のクラーク・ケント/カル・エル(カルもエルも、ある種の“GOD”を指す言葉)は存在に多重の意味が託されており、その数だけ彼のアイデンティティは切り裂かれている。
 スーパーヒーローの草分けですから、その悩みも超絶規模って訳です。敵役ゾッド将軍にしても、何もかも相対化する現代の悪役に相応しく、その存在と行動原理には正当性が有ります。内面が引き裂かれたヒーローと使命感に凝り固まった敵役の決闘の果てに、勝者であるカル・エルが上げる悲鳴には、高揚など一切無く、深い悲しみが込められている。

 本作143分の中に、一体幾つのスーパーマン設定が込められているか……途中まで勘定していましたが、訳が解らなくなってしまいました。後、1~2回見ないと整理できません。製作陣は、その会議上で納得いく設定になったのでしょうが、映画初見の人間には複雑に成りすぎて飲み込みにくい側面があります。
 C・ノーランの旧作のいずれもが、なかなか一筋縄には行かない設定になっていますが、その複雑さは、登場人物の関係性に現れるので、人物相関に留意していると世界観が見えてくるのですが。本作の複雑さの大半は、殆どスーパーマンの内面に起因するので、極論するとカル・エルが、同じシーンながら二人や三人に分裂してしまいます。
 スーパーマンが抱える自己矛盾が作品そのものの矛盾に繋がるようにも見えてしまうのは、そのせいなんでしょう。 だから、スーパーマンとゾッド達の戦いにしても、そのエネルギー衝突によるカタルシス以前に「あ~あ、こんなビル街で傍迷惑な乱闘しとるなぁ」なんてな“ハンコック”みたいな感想が先に立ちます。
 映像が良く出来ていて、スピード感もエネルギー感も十二分以上に伝わって来ますから、ここに乗り遅れるとスペクタクルを満喫する前に余計な感慨にくるまれてしまいます。
 徐々にスーパーマンの潜在能力が発揮され、最終的には地球を改造しょうとするエネルギーにすら打ち勝ちます。その彼と互角以上の戦いを繰り広げるゾッドもそれなりのエネルギーのはずで、そんな二人が組み合ったら、その足元から地球なんか真っ二つに割れるんじゃないんですかねぇ。
 さて、なんだか否定的な感想に見えるんですが、さにあらず。過去に見た“スーパーマン映画”の中では最高傑作だと言えます。 ただ、一見しただけで、映画の総てを即座に飲み込めないのが口惜しいのであります。
 超絶世界のお話は、なぁ~んも考えずに見通す事が肝要なのですが、なにせ、人間クラーク・ケントの苦悩があっちこっちに出てくるので……しかもリアルに表現されるので、SFを見ている視点が各所ではずされます。これって、やっぱり製作意図なんでしょうねぇ。
 旧作群との違いは、まだ他にもあって、スーパーマンの正体の明かされ方が独特であり、それに絡んで、デイリープラネット記者のロイス・レインとカル・エルの関係も今までとは全く違っています。
 大体が、今までの“スーパーマン”シリーズで何がイラつくかってぇと、お間抜けクラークと全然 敏腕記者に見えないロイス(今回、ジミー・オルセンは登場しません)の関係ほどイラつく設定は無かったんですが、本作のエイミー・アダムスのロイス・レインは最高でおました。
 今作、エイミーを筆頭に、R・クロウ/K・コスナー/D・レイン/L・フィッシュバーン……なんてな人々がリアルに存在していました。殊に、特筆すべきは、ゾッドを演じたM・シャノンで、この人無しに本作の成功は語れません。
 ちょっと、考え過ぎて十全に楽しめたとはいえないので、また、見落としが相当有りそうなので、なんとか時間を作ってもう一回見たいと思っています。どうもディスクの発売まで待てそうに有馬線。


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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ガッチャマン』

2013-08-25 06:23:47 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『ガッチャマン』
 

 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一の個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。


ええっと、こんなドロドロした世界観でしたっけ?

 もっと スッキリ勧善懲悪だったような……確か、2クール位の予定で始まって(そう言や、一番初めは見てないかも)、 驚異的な視聴率(30%前後)だったので、結果的に2年やったんだよね。ジョーは死ぬんじゃなかったっけか?
 
 まず、今時の戦隊物イケメン追っかけヤンママを対象にした作りに成っていなかったので一安心。

 ただ、世界が焼けただれて、東京は残された数少ない人類の生息地って割りには、そんな雰囲気は感じられなかった。CG合成するならもうちょっと都市空間の作りと人間の有りようの作り方があったんじゃないんかなぁ?
 石とウィルスの関係も、こんな感じだったかどうか……どうも私はアニメに対して善き視聴者ではなかったかも……19から21の頃だから見落としも相当あるし(ビデオなんてなまだまだ10年以上後だし)、 見ていてツラツラ考えても答えが出てこない。

 だから、本作をそのまま素直に見る事にします。

 まず、ロケシーンには不満が有るものの 全体としては納得出来る画面になっている。ベルクカッツェってのは、もっとええ加減な親分で逃げ足だきゃあ滅法早かった(雌雄同体キャラの第一号じゃなかったっけか)のに、本作では最強キャラに成っていて チョイと違和感……まぁ、ストーリー構成上 必然なんですけどね。ジョーがクールに見えて 実は一番仲間意識の強い奴ってのも本作ならではの理由があります。
 キャスティングには不満はありません、松坂桃李/綾野剛…剛力彩芽もええでしょう。初音映莉子は「ノルウェーの森」以来 着実にキャリアアップしていて、本作では余裕を感じる。中村獅童もこういう怪演好きやなぁ……岸谷五朗ちゃんはチョトやり過ぎ(大爆)まぁ、こんくらいやらんと画にならんですかねぇ。

 実は、パンフレットをまだ一切見てません。アニメの記憶が案外あやふやなので、パンフレットを読むと引っ張られそうなので開いていません。なんか怖いですねぇ。とんでもない間違いは無いと思うんですが…… 本作を見ていて段々強く感じだしたのが『なんか、新感線の芝居を見てるみたいやなぁ』ってぇ感慨、いかにも中嶋カヅキの書きそうなストーリーテリングです。因果が繋がって世界がいがんでいき、巴に絡まりながら奈落へ落ち込むが、次の転換でチャッカリ大団円を迎える。ただし、大きな代償を払っている……的な構成。原作もこんな構成でしたっけ? そういや“コンドルのジョー”はなんで死ぬんでしたっけ……死にました……よねぇ……あれぇ?
 まぁ、よろしいわ。本作、もしかしたら続編が有るかも知れません。石とウィルスの関係を匂わせながら半端な説明しかしていません。しかも、エンドロールの後に気がかりなワンカットが入っていました。
 ○※☆は次回作で●◆のではないですかねぇ、そのため◎◇□や〓△▼が§★∋したりして。ムム~〓  いずれにしても、本作がある程度ヒットしないと見られませんねぇ。
 往年のタツノコファンは「怖い物見たさ」でもなんでもいいので劇場に足をお運び下さいませ。


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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ読書感想『俺達バブル入行組』

2013-08-23 12:14:42 | 読書感想
タキさんの押しつけ読書感想
『俺達バブル入行組』


これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している書評ですが、もったいないので転載したものです。

 言わずと知れた TBSの“半沢直樹”の原作です。

 半沢シリーズは3作有って、第1作 2作が今回のドラマ原作に成っていて、先々週 丁度第1作のエピソードが終わった所。
 前回にもかきましたが、池井戸潤の原作は映画には成らないがテレビドラマによく成っている。「下町ロケット」やら「七つの会議」なんかがそれで、私は本作とTBSドラマが初見。
 先人の言によると、小説よりドラマの方が面白いとの評判。今回、ドラマを見てから原作を読んで、ああ なる程ね……と納得がいった。大分以前の事だが、東野圭吾の“白夜行”をドラマ化した時に、原作では全く触れられてはいない裏工作を総てドラマに仕立て、原作とは一味違った厚みを持たせるのに成功した。
 あれに比べれば、多分にテレビ的面白さを追求した改作に成っているが、それは、主役を張っている二人のキャラクターの差、今作の堺雅人は笑顔の役者であるから、銀行でのブッチョウ面を家庭でひっくり返すように工夫されている。
 結構重要な設定も変更されているので、テレビドラマは初めからシリーズ化を考えていたかも……今クール視聴率“半沢直樹”一人勝ちだから決定的かもね。 とは言え、原作とドラマの空気感は大体同じ、テレビの面白さは原作が担保している。ただ、お金の算段で懊悩している時に読んだらヘコむかも……ドラマの方はそうでもないですから、小説の方がシビアかもしれない。部分部分の設定がテレビの方が詳しく描かれていて説得力があります。この辺がテレビの方が面白いと言われる由縁かも。
 上戸彩のカミサンに賛否有るようですが、アタシャええと思いますねぇ。この作りが物語に息抜き場を与えているし、堺雅人の持ち味を引き出していると思います……ありゃりゃ、これって…ドラマ評? 書評?

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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ読書感想『湖底の城④・他』

2013-08-21 06:30:41 | 読書感想
タキさんの押しつけ読書感想
『湖底の城④・他』


これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している読書感想ですが、もったいないので転載したものです。

『湖底の城④』
 こいつ、1年に1冊しかでないんで忘れてしまうんですよね。読んでいて10頁くらい進まないと 前作のラストを思い出しませんわ。

 北方の“史紀”なんかもそうですが……今の内はまだ読んでいる内におもいだせますが、段々ヤバくなりだしたら 始めっから読み返したりして……まぁ二度楽しめて、ええとしますか。 宮城谷昌光の中国古代史シリーズの一冊、呉越春秋時代……とは言え、呉王夫差はまだ少年、本書の主人公は伍子ショ(漢字が出ねぇ)です。有名な同時代人は孫武(兵法の孫子)。
 本作で呉の公子光が王僚を討って呉王と成り、いよいよ呉の黄金期が始まる。これに従って伍子ショも歴史の表舞台に登場してくる。 この辺りの話はブツ切りで通史としては知らないので、毎回「フ~~ン」と思いながら読んでいます。
 この辺りの話は、世界史の教科書じゃ面白くも何ともないので鄭門の“東周英雄伝”という漫画(大判2冊)がお薦め、春秋時代に現れては消えて行った英雄達のアンソロジーで、有名所はほぼカバーしているので、入り口としては最適。

 さて、本書も伍子ショの物語としては漸く入り口、この先、一体何年かかりますやら えらい先の話です。宮城谷さん ほかにも多数中国古代史シリーズを書いているので、その辺から読み出した方が宜しいかも。 三国志も5月頃に漸く終了、文庫はまだまだ出ない(現在9冊目)とは思いますが他に山程有りまっせ。
 宮城谷昌光の著書は、割と正確 且つ詳しく書かれているし、小説としても面白い。俄然 中国古代史に興味が湧きます。司馬遼を読んで日本近代史を知るのに似ています。その点、北方の中国古代史はまるっきり“演義”ですから、そのまんま飲み込めません(面白いですけどね) いずれにしても先の長い話であります。
 現在、テレビ放送中の“半沢直樹”の原作(俺達、バブル入行組)も併せてよんでますが、なんやらテレビドラマの方が面白いような気がする。この作者、“下町ロケット(WOWOW)”やら“七つの会議(? NHK)”にしてもテレビの方が面白いと聞いています。これって…どうなん?

 以下は、うかつにわたしが読んでしまった、京極夏彦の本の評であります。

『冥談』
京極に旨い(上手い)もん無し……これ、常識!

 一頃 ムッチャ流行ったのは意味不明。あの頃ですら「面白い」という人に逢った事がない。  
 事情通によると、メディアミックス初期の実験だったとの由。始まりは角川(春樹)の横溝正史、続いて大藪春彦ときて、江戸川乱歩で、その次が京極らホラー作家群になるんだとか。クソ子供騙しの裏に春樹有り。コイツだきゃあ殺した方が世のため人のため。 横溝は「犬神家の一族」以外 全く駄作の連続。大藪は「蘇る金狼」が秀作だったが、あれは徳間の製作。東映(岡田祐介のアホボンプロデュース)とタイアップの「野獣死すべし」は 当時の松田優作の勘違いもあって散々、「汚れた英雄」に至っては存在した事実すら消していただきたい。 森村誠一なんてなオモロイ事も何もない作家を持ち上げたのも角川春樹。 江戸川乱歩は当時 松竹のプロデューサーだった奥和良とのタイアップで、乱歩の大正ゴシックなんざどっかにぶっ飛んで、ただただ薄汚いホラーまがい。
 角川春樹については、半村良を地に落としてくれたし、「天と地と」「蒼き狼」の大失敗。近くは「笑う警官」のデタラメ! まだ金を持っているからかもしれないが、なんでこんな奴の存在が許されるのか。ヤクザはさっさとコイツを的にかけて鼻毛の一本まで抜いてやらんかい。ほんまに迷惑以外の何者でもない。
 はぁ~~ 久方振りにヒステリー爆発でした…… ご静聴感謝〓〓


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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『スタートレック イントゥダークネス』

2013-08-18 07:01:32 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『スタートレック イントゥダークネス』


これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。


さぁ~って、どないしましょっかねぇ……えっと、これを読む人はみんなトレッキスト(トロツキストではないので、殊にサヨクの皆様 誤解の無いように)だとして書くことにします。

 トレッキストと申しましても、初期のカーク船長、Mr.スポックの時代のファン。ピカード以降のシリーズは取り敢えず関係おへん。そんな ふっるいシリーズなんか知るかい!って人は……大丈夫! そのまんま受け入れて下さい。面白いのは保証、もし映画の中で誰かが命懸けの行動に出たとしたら、その動機は純粋です! 手放しで感動しちゃって下さいませ。

 さて、トレッキストの皆様は……取り敢えず本作に関する配給会社のスポットCMやら映画チラシに書かれているコピーは全部捨てて下さい。邪魔なだけです。ほんでもって、いにしえのシリーズを思い出していただきたい。古いディスクがあれば見ておく事をお薦めいたします。全部を見る必要は無いんですが、どこまで……と、指定するとネタバレするんで申しません。
 感のいい人なら、本作に何気なく出てくる数字を聞いただけで相当部分解ります。 クリス・パインのカーク船長も板についてきました。Mr.スポックとの友情も前作ではまだまだ心もとなかったのですが、本作でガッチリかみ合います。
 トレッキストとしての肝は、今作の敵役「ハリソン君」が、自ら正体を明かす前にどこで見破れるか。エラリー・クインじゃありませんが、「さて、証拠は全て出揃った」って奴です。監督は明らかにマニアに向かって挑戦状を突きつけていますよ。
 前作のなぞりも多数有り、ニヤニヤしながら見とりました。本作を見ていて判らないのは、対クリンゴン戦争が、どこで始まったのかって事で……この辺をネタにもう一本くらいは作れそうであります。
 兎に角、思わず頬が緩むくらい“スタ・トレ ワールド”です。正確な科学的理屈や設定のアンバランスもそのまんま。おっと、そういや一カ所だけ、過去のシリーズには無くって、本作で初めて出てくる装備設定が有りました。思わず大笑いしてしまう所……いやぁヤバかった。まぁ、今回のシリーズは前作を持って、未来と繋がってはいるものの微妙に異なったパラレルワールドに入っているので、こんなのも有りかなぁ…と、さらにニヤニヤ。トレッキストなら、こんな楽しみ方もご理解いただけると思います。
 さて、そろそろやめんといらん事まで書いてしまいそうですUSSエンタープライズ隊員達の若き時代を存分にお楽しみ下さい。
 ところで、本作、来週行く予定やったんですが、急遽 先行ロードだってんで見ちまいました。これが編集にバレたら、来週別作を見に行かされるんやろなあ。来週っちゃ、何があるかってえと……ゲゲッ「実写版 ガッチャマン」かぁ……びみょ~じゃあ~


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2013 ピッコロフェスティバル O・B・F『花ちゃん』

2013-08-17 21:39:23 | 評論
2013 ピッコロフェスティバル
 O・B・F 『花ちゃん』
      

 作:福井真里子   演出:OBF演劇部

 大汗かいて、ピッコロシアターにはいると、とても涼しかった。いや、寒かった。

 400はあろうかという観客席は一割に満たない38人。終演時に、やっと60ほど。
 グチはホドホドに中身に入ろう。

 多すぎる暗転
 10回までは数えたが、あとは数え切れなかった。おそらく15回はあったであろう。場転も含めれば、20ほどもあり、うまく繋いではいるが、この映画並みの転換は観客の集中、そしてストーリー理解の妨げになった。暗転を含め、場転は4回ほどが限度であろう。

 届かない思い
 作者は生徒の様々な苦悩を知りすぎて、それを盛り込みすぎ、話が冗漫、冗長に流れ、肝心の花ちゃんが描き切れていない。主人公花ちゃんの話に絞り、それを際だたせる工夫が必要である。また、主人公の名前が、花ちゃんと、さやかと二つ使われ、少し混乱した。
 話の根幹は、足にガンを煩った花が、凹みながらも、仲間の励ましや、努力を目の当たりにして、ガンと正面から取り組む気持ちを持ち、カタルシスで幕になる。
 正直、話が硬く、硬いわりには、登場人物がうまく花のカタルシスに有機的に絡んでこない。本から書き直さなければならないだろう。

 花が、くじけそうな気持ちを持ち直し、また前向きに人生に取り組むための、支点になる設定(お話)が必要であろう。と、同時に、こういう芝居が陥りがちな「ああ、なんて可愛そうな! なんとけなげな!」というのは個人的には趣味があわない。

 芝居とはエンタメであるので、どこか突き抜けたところや、暖かく爆笑できるような設定が欲しい。

 わたしなら、こうする
 春華を演じた柳井さんのガタイが女子で一番大きいことを利用する。
 足の切断の可能性がある花ちゃんを、並の励ましや、「わたしも、こんなに不幸」をいくら並べても、花ちゃんの救いにはならない。花ちゃんより天文学的に辛い目、それも、今の高校生が見て共感しそうな、クールで、少し笑える設定にする。

 実は、春華は、25年前に大事故に遭い、脳みそ以外全てツクリモノという義体であると設定する。ギタイという言葉は『攻殻機動隊』の中の擬体と言う言葉で、高校生には、たいがいお馴染みである。そこをヒントに義体を設定する。日本政府が、老齢化社会を予想して、秘密裏に研究。これに防衛省もイッチョカミしていたとする。
 25年前から、義体の先行実験がはじめられ、春華は、その時実施された10体の最後の生き残りである。仲間9人は、初期不良が原因であいついで死に、生き残っているのは春華一人だけである。
 最初は技術が未熟で、マツコデラックスほどの大きさがあったが、研究が進み、今の大きさにまですることができた。ただ義体であるために成長することが出来ず、三年間高校生をやっては、また別の高校に転校するということをくり返している。間にメンテナンスの期間も入るので、7回目の高校生活になる。
 最初は、歩くことも困難だったようなことを、花に実演して見せる。また義体ゆえの特技も披露、例えば黒子を使って器用に早くものが動かせたり、アルソックのように目から光線を出し(保険のCMのように額でもかまわない)ものを破壊(競技用のピストルなどを、黒子に撃たせるとか、シンセと照明のコラボでやるとか)する。
 で、春華は、このコンクールが終わるとメンテナンスのために、学校を辞めることになっていることを花に告白。そのために二人してがんばる生活を真ん中に据える。こうすると春華の存在が大きくなるので、タイトルも『花と春華』……では、昭和臭いので『二つのメタモルフォーゼ』あるいは『メタモルフォーゼ』あたりかなあ。

 二つあるエンディング
 コンクールの終わりを芝居の終わりと勘違いして、拍手した人がかなりいた。
 やはりエンディングは、劇中劇としてのコンク-ルのドン落ちに持ってくるべきであろう。序盤で花の病気の発覚、中盤で、花の葛藤と春華の真実、終盤で、春華との別れを前提にした、花の努力とコンクールの成功と、カタルシス。ラストは以前使った『お別れだけどサヨナラじゃない』を全員のコーラスでもってきてもいい。

 演技とは、どう受け止めるか
 よくできた役者さんたちだが、やはり待ちの芝居になってしまうところが多く、観客が共感しきれない。ひどいところでは、上手さに誤魔化され、舞台でおこなわれていることが理解できない。特に行動の中断は、それだけの反対行動が相手役の中になければ、無視するぐらいの厳しさが欲しい。生徒が足が痛いと言って、ひっくり返ったときに、男の教師はなにをするだろうか? あんなに次の転換を待っていてはいけない。傷ついた娘を母が抱きしめるタイミングが遅い。遅いため、その後のハグがニセモノになってしまい、ダンドリになってしまった。

 邪魔なパネル
 間が空くだけでなく、前のパネルが邪魔で、後ろの役者が見えなくなっている。わたしなら使わない。
 とっても古い技法だが、舞台の角に椅子を置き、役者を常に待機させる。そして、空きの役者には、観客と同様に、芝居を見せ集中させる。芝居の最中に役者に自己紹介をさせる。古くさい異化効果だが、今の高校生には新鮮だろう。

 役の彫り込み
 高校生としては、水準以上の演技ができている。役も立ち上がっているのだが、役者の個性に頼りすぎ、役の彫り込みが浅い。鶴見の『ROCK U!』は、今少し、ちょっとした台詞、ちょっとした動きに人間を感じさせてくれた。あの本も昭和的「かわいそう」に溢れ、往年の日活映画を思わせてくれ、なんとかロックで、新しさを出そうとしていたが、プロットそのものが古くさく、わたしは本としては評価していない。
 しかし、日本一をとるだけのことはあり、脇役も含め、役の彫り込みが確かで、その点秀逸であった。

 この作品も、想像力を高め、彫り込みをいっそ確かなものにしてもらいたい。

『風立ちぬ』が、ヒットしているが、あの作品に限らずジブリの作品には、ガヤの台詞にもちゃんと台本があり、人物の彫り込みを確かなものにしている。

 近代化大改装と、役者諸君のいっそうの努力を期待。

 音の使いすぎ
 場転や、雰囲気を出すための効果音、ちゃんと芝居をしていました。しかし多すぎて芝居の邪魔になってしまいまった。わたしなら、一切効果音は使わない……コンクールの劇中劇には必要かなあ。

 照明の触りすぎ
 サス芝居が多く、一見劇的に見えるが、あれはやるほどの効果がない。くり返すが、わたしなら、照明はツケッパでやる。

緻密であって欲しい無対象
 パネルと椅子とベンチしか出てこない。パネルが出てきて台詞の中でわずかに生きてくるが、道具としての意味は無い。大半の状況を役者の無対象演技で見せなければならないが(特に狭い……だろう)部室などは、緻密な設定をして、それぞれの場所や、カバンを置く位置、窓の位置などは、やっておく必要がある。ゴテゴテ飾らなかったことには共感できたが、無対象であるがゆえに、設定と、それをもとにした稽古をつんでおかなければ、芝居が痩せて見える。

☆厳しい批評
 いつものコンクール以上に厳しく書きました。誉めることは簡単ですが、それでは伸びません。
 観客の大半は、千円以上の交通費と半日に近い時間を使って観にくるのです。この点においては、プロも高校生も関係ありません。観客が使ったお金と時間に見合うモノを見せなければ、マズイという点では、高校演劇は甘いと思います。
 身体表現やエンタメ性では隣接する、軽音楽、ダンス、吹奏楽、チアリ-ディングなどの、トップクラスの完成度は非常に高くなってきています。そのせいか、軽音楽のスニーカーエイジの観客動員力はプロ並みであります。また、ネットで公開されているグランプリのパフォーマンスは、素人のわたしですが、プロ級だと思いました。
 息子が軽音楽部で、百人以上いる部員の中から選抜されて、スニーカーエイジに出場しましたが、選外でした。ギターの練習、ボイトレを含むボーカルの練習に、日に5時間はかけて、時間を作っては貸しスタジオを自分たちで探し、その集中とレッスンは『スゥイングガールズ』を思わせるものがありました。ギターもボイスも、一年の時と比べると段違いに上手くなりました。簡単にいえば聞かせる曲ができるようになりました。
 しかし、エンタメとしては硬すぎ、MCも拙いモノです。そこを指摘すると露骨にいやな顔をします。でも、結果は、そこを指摘され、予選落ちしました。今少し高校演劇は表現のための努力が必要でしょう。だから厳しく書きました。OBFには、まだまだ伸びしろがあります。だから厳しく書きました。

 大阪からは、OBFしか出ていませんでしたが、こういう取り組みを連盟はもっとPRしていただけないでしょうか。


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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ホワイトハウスダウン』

2013-08-17 05:44:51 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『ホワイトハウスダウン』


これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。


 舞台は最高、役者は揃った、脚本…う~ん、上手い!今回の事件の背景と、主役級の生活がサラッと、しかも過不足無くながれる。

 J・ヴァンダービルト(アメイジング・スパイダーマン)の脚本VERYGOO! 騒動の起点にも無理が無い、何より「エンド オブ ホワイトハウス」的な兵器威力のアンバランスや設定の嘘が無い。ええんとちゃうのん! アクションも切れない、状況は刻々変化していく。C・テイタム……よろしいんじゃないっすか!J・フォックスの闘う大統領も自然だすわ。政治オタクの娘エミリーのJ・キングにも拍手!アメリカじゃ映画館でスタンディングオベイションが有ったんじゃないかってくらいの最高の見せ場がラストに有る……拍手しながら泣いたんじゃないですか?
 しかし、J・ウッズ……歳食ったなぁ……つい最近「スペシャリスト」やら「ビデオドローム」を続けて見たから余計に感じますわ。でも、この人の存在感は独特、しかも健在。彼からすると E・ハリスの痩せさらばえた姿が気に成るなぁ(っと 本作には関係ないですね…病気じゃなきゃいいんっすが)

 ……と、まぁ ここまで褒めたら大絶賛かっちゅうと、残念ながらちょと待った。やっぱりなぁ~と言うべきか、所詮と申し上げるべきか……R・エメリッヒは大スケールエリアでなんもかんもブッ壊す映画がお得意さん、サスペンスを一つ一つ組み上げていくのは苦手なようですね。素材となるシーンはタップリあるし、役者も巧い、緊迫シーンに何気に挟んだジョークも効いてはいるけど……なんか繋がりがよろしくない。  だからスリルが盛り上がってこない。ストーリーテリングに破綻はないので(脚本の勝利)こいつは編集のミエですねぇ。パンフを見た限りではeditorのA・ウルフは大した仕事をしていない。製作費、それなりにかかっていると思うが、それなら何故こんな半端な人間に編集を任したんですかねぇ?
 監督も製作ウテ(エメリッヒの妹)にも、こういうサスペンス組み上げ作品に慣れていないから人選をミスった(当て推量ですが 恐らくは当たっているはず) 進行が噛み合わない位は可愛いもんで、J・ウッズの後ろに、もう一人大物が隠れているのがチョンバレ。しかも、それが誰だか割りと早くにバレてしまう。 ホワイトハウスに殴り込む連中も、元軍人設定ながら、なんやら弱いし……軍人なら絶対やらない銃扱いをしている。他が割としっかり作ってあるだけに、かなりデッカイ嘘に見える。
 事の真相が薄皮を一枚ずつ剥いでいくようにして見えなければならないのに、画面から受ける印象はゴタゴタしていて交通整理が出来ておらず、大きな裂け目が何ヶ所もあり、そこから伏線の帰結が覗けてしまう。嗚呼~!
 結論、この本はもっとサスペンスドラマの巧い監督に任せるべきでした。百倍面白い、最後までラストが読めない映画に成った筈ですわ。
 見に行く方は、映画のどのあたりでラストを見抜けるかってな楽しみ方も有ります。全否定はしませんが、余りに惜しい。
 そういや「崖っぷちの男」なんてな映画も同じように失敗しとりましたなぁ。「完全なる復讐」でも見てお勉強し直していただきたい(偶然、J・フォックスも出とります) 他にも「ユージュアルサスペクツ」やら「フォーンブース」やら、教材は腐るほど有ります。大して期待していなかっただけに、各パーツの仕上がりには感心しました。それだけに惜しい(泣)

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天神橋のドームセンターで手鞠演劇の記念碑的大作「ジャンプドール」

2013-08-14 16:23:41 | 小説
高校ライトノベル
天神橋のドームセンターで
手鞠演劇の記念碑的大作
「ジャンプドール」
 
      


「空気を読め」と大書した扇子がきぜわしく動くので校長先生と知れた。

「どないしょ、校長さんまで来てしもたで!」
 調光室で上から最初に発見したシモヤンがビビッた。
「プ、校長さん、アデランス丸出し!」
 調光卓のハナちゃんが吹き出した。定員の200一杯に入ったホ-ルは冷房の利きが悪く、つい校長さんはカツラの隙間にハンカチを突っこんで、頭を拭き始めた。客電が落ちているので、他の観客には分からないが、お二階の調光からは、丸見えであった。

――あんたら、うるさい!――

 舞台ソデから舞台監督のマリコ様の叱責が、インカムを通して飛び込んできた。

 マリコ様は、病気で一年休学していただけでなく、その身から発散されるオーラで、人をして「マリコ様」と呼ばしむる。

 しかし、無茶というか無謀というか、この『ジャンプドール』を上演にまでこぎ着けさせたのは、この調光でビビッているシモヤンこと下蒔素子そのものなのである。身長148センチ、体重秘密、Aカップ(部活で着替えの時にバレた) いつも髪をハイトップのポニーテールにし、少しでも身長をカバーしようとしている小心者で見栄っ張りなシモヤンなのである。

 事の起こりは、この春の学級写真の撮影である。
「下蒔もっと右、ああ、行きすぎ、なんやアベノハルカスでかすんでしもた通天閣みたいやなあ」
 前列の大里遥香と河東春奈のハルにかけたダジャレであることは誰にでも分かるので、笑いが広がった。
「みんな、笑らかして、どないすんねん」
 と、笑わした張本人が言う。
 結局、担任の光本が一つずれ、シモヤンが微妙に右に寄ることで、シモヤンの顔は無事に写真に収まった。

 で、このことで、シモヤン一人が、とんでもないものを発見してしまったのである。

「あんた、見かけの割に重たいなあ」
「うるさい、ハルカが非力すぎるんや!」
「シー、聞こえるで……!」
 WHのハルカとハルナを連れて、施錠されていない応接室の裏窓から、シモヤンは侵入しようとしているのである。
「シモヤン、アミダラ女王のパンツ!?」
「うっさい。これ穿いてると背えのびるねん!」
「どや、開いてるか?」
「うん。よいしょっと」

 シモヤンは、無事に応接室に忍び込み、二体のマネキンを発見した……!

「で、うちに相談しにきたわけか?」
「はい、マリコ様やったら、ええ考えもあるんちゃうか思うて」
 真相を知りたがったWHには「今は言われへん」で通してきた。そして、部活前の着替えの時に、一番頼りになりそうなマリコ様に相談したわけである。
「これが、証拠写真です」
 シモヤンは、スマホの映像をマリコ様に見せた。

 そこには、二体のマネキンが映っていた。新しい制服を着て。

「学校は、制服のモデルチェンジを謀っとるなあ……」
「でしょう……」
 そのときである。ハナちゃんにバレてしまった。
「わ、シモヤン、Aカップやったん!?」
「う、うっさいわ!」

 手鞠女子高校は制服が売りであった。関西ではめずらしい、胸当ての無いセーラー服。従って、関東風に襟が詰まっており、なんともバストアップの姿が美しい。それに、右腕に校章と学年章が付いており、それが海自の階級章のようにカッコヨク、その制服目当てで入学してくる生徒も多いのだ。

 それを、学校は変えようとしている。

 学校にも言い分はあった。セーラー服は改造が簡単で、最近制服の上の寸を詰めたり、スカート丈をいじる不心得者が出始め、学校の裏サイトでも、ダサイの、イモイの、ウルサイのと書き込みが多くなってきた。で、数年後の男女共学化のことも視野に入れ、制服改善委員会を立ち上げたのである。教師の間ではブルセラ委員会と呼ばれ、敬遠はされていたが、方向としては既成化し始めていた。

「あたしたち生徒には、何の相談もないんですか!」

 明くる日には、マリコ様を中心に三年生のオネエサマ方が、二人の教頭に直談判に及んだ。

「君たちには、決定後、デザインについては相談しようと思っていたんだ」
 東京の系列校から来た仲居クンを十年後にしたような方の教頭が、優しく……。
「集会、ビラ配りなんかは一切禁止。生徒手帳に書いたあるからな」
 大阪の教頭は、正面から言い負かそうとした。
「やるんなら、クラス会で決を採り、生徒会にあげ、そこから要望として上げてくれたまえ」
「そんなんしてたら、年越してしもて、食堂値上げの時みたいになし崩しになってしまいます!」
「とにかく、決まりは守りなさい。その範囲なら、なにをしても構わないから、ハハハハ」

 マリコ様たちでさえ、軽くあしらわれてしまった。

 ここからが、シモヤンの出番であった。

「部活は、集会のうちに入れへんよね……」
 シモヤンは、マリコ様に頼んで、演劇部の意思統一を図り、その上で弁の立つ三年生に、各クラブにオルグに入ってもらった。
 瞬くうちに、軽音楽部とダンス部を巻き込んだ。

「セーラー服を 脱がさないで~♪」

 発声練習に、オニャンコの歌を唄った。二日後には、音楽部が、これに加わり、明くる日にはダンス部が入り振り付けがついた。
 そして、放送部が録画して、You Tubeやニコ動に投稿され、アクセスは三日で一万を超えた。

 もう、町中で評判になった。

「面白いやんか!」から始まり。
「え、手鞠の制服変わるんのん!?」に変わっていった。

『学校訪問』という某番組に投稿した者が居て、半月後には放送局が取材に来て、総勢300人で唄って踊った。自然に歌詞が変わって、ジャスラックから文句が来そうになったが、事情を知った作詞者がOKを出し、一カ月後には、習慣歌謡曲でも紹介された。

 で、この一カ月ちょっとの間に、制服図鑑以外関心が持たれなかった手鞠女子が大評判になり、学校説明会は1000人ずつ、三日に分けてやらなければならない盛況ぶりになった。

「結果良ければ、なんでもあり!」

 理事長の一言で決まった。

「いっそ、芝居にしよう!」
 ということになり、天神橋のドームセンターを借りて、三回の公演を打つことになった。
『セーラー服を脱がさないで』が、最初のタイトルだったが、著作権の問題や、自分たちのセンスを生かすために改題した。
「うちら、今まで学校の言うままのお人形さんやったけど、今度のことで、うちらジャンプしたやんか!」
 だれが言ったか分からない一言で、タイトルは、『ジャンプドール』に替えられた。

 そして、今、初日の幕が開く。

「あ、ピンスポが理事長の頭でハレーション!」
――三番のフェーダーに切り替えて!――
 マリコ様の声が飛ぶ。

 観客の中には、何人かのマスコミと、ダクショの人間が混じっていた。彼らは、舞台の上だけでなく、裏にも目を向けていた。
 いくら息をひそめてもシモヤンの存在は、とっくに知られていた……。


※このお話は金蘭会高校演劇部の芝居の公演からヒントを得ていますが、関連はありません。金蘭会高校の演劇部のみなさん、山本篤先生に敬意を表しつつ。 

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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『パシフィックリム/ 少年H/ワールドウォーz』

2013-08-11 07:16:00 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『パシフィックリム/ 少年H/ワールドウォーz』


これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。

『パシフィック・リム』
 監督の異常者とも言える『日本の怪獣・巨大ロボ特撮&アニメ』に対するオタク愛がひしひしと伝わって来ます。
 これは『指輪物語』に注がれた情熱と全く同じ愛情と執念です。とは言え、毎度の繰り言から始めなければならないのが残念至極……まず、3Dは絶対ダメです! 2Dを見ましたが、全編 殆ど夜か海底が舞台、要するに暗いシーンが大部分なので、3Dにすると更に暗くなる、コンピューター後処理だと真っ暗になるんやないですかねぇ。
 もう一つ、殆ど吹き替えしかやっていない〓〓 一カ所 字幕上映を見付けたが、3Dとカップリング。役者の演技の出来が計り辛い。ハッキリ 上手いと言えるのは、芦田愛菜の泣きと菊地凛子くらい、その菊地凛子の吹き替えを別人がやっているし、怪優ロンの吹き替えがケンコバ……ケンドー小林が悪いとは言わんが、ロン・パールマンの吹き替えは荷が重かろう。
 吹き替えのキャスティングは 日本側の配給の責任、デル・トロの情熱が理解されていない、世界中のどこよりも日本に向けて発信されているのに…情けなさに泣けてきますわい。
 デル・トロはアニメ等の作品に限らず、柳田理科雄の科学解説にも通じている。それは巨大ロボのコックピットや操縦士が二人なんてな所から見て明らか。
 演技うんぬんに関しては字幕スーパー版を見るまでペンディングにしておきます。我々がかつて「ゴジラ」や「マジンガーZ」を見た時の気持ちを思い出して見て下さい。それだけの価値はあります。

『少年H』
 取り敢えずは、さすが古沢良太の仕事だと褒めておきます。あの、どうしようもないでたらめ史観の原作を、ようもここまで大東亜戦争当時の親子ドラマに収束させたもので、お見事!
 とは言え、今まで腐るほど見せられた戦争ドラマのステレオタイプ、大して新し味はない。登場人物もステレオタイプだし、演技に見るべき所もない。僅かに妹/好子を演じた花田優里音の表情が生きていた位、肝心のH役 吉岡竜輝がまるでダメ。水谷/伊藤の父母もリアリティ無し。
 まぁ、そこん所は原作の底の浅さとデタラメ加減に有ると思われる。古沢の台本はそれなりの出来だと思うが、監督が原作のテイストにこだわったのだろう。ラスト近くになる程、Hが叫び始める。これなら最初から原作通りに作った方が、少なくとも左翼連中から喝采を受けただろうに。兎に角、古沢良太君 ご苦労様でございました。

『ワールドウォー Z』
 ブラッド・ピット主演作品として初めての1億$超(もうちょいで全米2億$に届く) いわゆる「ゾンビ物」と「パンデミッククライシス」のミックスではあるが、見事なストーリーテリングと小気味よいテンポの演出である。設定、撮影共に斬新かつリアル、余計な事はもういいません、兎に角 映画館にGO! 見応え保証します。


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高校ライトノベル・ムッチャンイレギュラーマガジン・10

2013-08-10 13:06:28 | イレギュラーマガジン
ムッチャンイレギュラーマガジン・10

※カサブタがが取れた       

 さっき、寝っ転がって本を読み終わった。起きようとして右足を寄せたら、二週間ちょっと足の甲に張り付いていたカサブタが取れた。

 このカサブタは、サンダルで長距離を歩いたために出来たのだが、特別な思いがあるので書くことにした。

 七月の二十三日に母が逝った。

 その六日前から具合が悪かった。預けている特養から、「様子がおかしい」と、姉に連絡があった。あとで理由を述べるつもりだが、わたしに特養から連絡がくることはない。
「様子看にいこか?」
「睦夫は来たら、あかん!」
 姉にそう言われると、逆らえない。わたしのことも、母のことも全て知っている姉だからである。

「七度二分の熱、肩で息してる。酸素吸入3リットル。点滴中」
 二日後にそう変わった。

「発熱変わらず、全力疾走のような呼吸。酸素吸入は1リットル、血中酸素濃度92、点滴中」

「発熱変わらず、あいかわらず苦しそうな呼吸、腎臓機能低下、むくみが出てきたので、点滴やめる。確認、延命措置はしない」

「発熱変わらず、下顎呼吸になる。酸素5リットル」

 こういう意味の電話が毎日かかり、その都度「行く」と伝えるが「あかん」と姉に拒絶される。

「今、息をひきとった」
 その連絡があり、初めて母に会うことを許された。

 病名は書けないが、わたしには八年越しの精神疾患がある。日常生活には、ほとんど障害はないが、母の死に至る苦しさを見て耐えられるだけの精神力がないことを、ケアマネなり損ないの元介護士の姉はよく知っていた。だから、母が息を引き取るまでの六日間は会わせてもらえなかった。

 母の部屋に入ると、やけにベッドが大きく見えた。母がそれだけ小さくなったのだろう。布団が深く掛けられ、顔にはレースの縁取りが付いた絹のハンカチのような布が掛けられていた。

「顔見てもええか?」
「かめへんよ……」

 そこから、十分あまり、わたしには記憶がない。気づくと母の死に顔がぼやけていた。涙で視界が曇ってしまう。何度拭っても曇ってしまう。
 
 カアチャンと、わたしは呼んでいたらしい。孫ができてからは「バアチャン」で通してきた。それが「カアチャン、カアチャン、ごめんな」とくり返していたそうである。

 母は、逝く五日前から点滴もされていなかった。腎臓が機能していないので、しかたのないことであるが、五日間、母は、ゴールのないマラソンをやっていたようなものである。それも栄養はおろか、水分の補給も無しに。

 母は、脳内出血による認知症で、ここ数年は言葉を発することもなく、自分を含め人の認知ができなかった。介護士である姉は、自分の職場である特養に母を入所させた。二度目の大腿骨折で入院した病院の医師が「三日以内に退院させてくれ」と言うので、緊急避難的に入所させたのが、母の終の棲家になってしまった。

 二年前に父の葬儀を出したので、ダンドリはよく分かっていた。三十分ほどして、ようやく大人の話が出来るようになったわたしは、すぐに懇意の葬儀屋さんに電話をして、手はずを決めていった。寝台車が母を迎えに来るまでのあいだ、特養のスタッフのみなさんは交代で、母に別れを告げに来て下さった。
「大橋さん、ご苦労様でした」
「かづゑさん、ようがんばったね」
 母の担当の方など、非番であるにもかかわらず、わざわざ別れを告げにやってきてくださった。

 葬儀屋さんに着いてからは、火葬の手配から始まって、通夜、葬儀のダンドリをごく事務的に済ませた。
 
 従兄弟の坊主に枕経をあげにきてもらい、数時間ぶりに母の顔を見た。最初見た死に顔より、見た目には少し、心で感じる分には数倍縮んで見えた。夏場のため冷房がきつく、かなり乾燥しているようだった。唇など2/3ほどの厚さになってしまっていた。

「ほんなら、今夜はひとまず帰るわな」

 もう、電車もバスも通わない時間になっていた。
「タクシー呼びましょうか……」
 葬儀屋さんの親切を、わたしは断った。

 せめて、家までの数キロを歩いて、母の苦しかった六日間のいくらかでも感じるべきだとも思った。
 また、呆け果てた自分の顔を人に見られたくないという気持ちもあった。

 そして、素足にサンダルのままで数キロの道をあるき、数カ所の擦り傷が出来て血が滲んだ。せめて、何十分の一でも、母が登ったゴルゴダの丘への道を登らなければと思った。

 母の死亡診断書は、老衰による多臓器不全となっている。老衰とは眠るが如き理想の死だと思っていた。現実は丸六日間に及ぶ、マラソンに似た、まさに命がけで、遥か彼方のゴルゴダの丘を目指して駆け上がるような苦行であった。八十七歳の母は、身をもって還暦になったばかりの息子の性根に入るように教えて、そして逝った。

 で、そのカサブタが取れたので、とりあえず、この雑文を書いている。

 カサブタの下には、まだ治りきらない傷がうずいている。


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高校ライトノベル・ライトノベルセレクト№92『序章 事故』

2013-08-10 06:49:33 | ライトノベルセレクト
ライトノベル・ライトノベルセレクト№92
まどか 乃木坂学院高校演劇部物語『序章 事故』
  

主人公まどかの冒険とともに演劇の基礎と、マネージメントが分かるノベライズドテキスト(『はるか 真田山学院高校演劇部物語』姉妹版)

 ドンガラガッシャン、ガッシャーン……!!

 タソガレ色の枯れ葉を盛大に巻き上げ大道具は転げ落ちた。一瞬みんながフリ-ズした。
「あっ!」
 講堂「乃木坂ホール」の外。中庭側十三段の外階段を転げ落ちた大道具の下から、三色のミサンガを付けた形のいい手がはみ出ていた。
「潤香先輩!」
 わたしは思わず駆け寄って、大道具を持ち上げようとした。頑丈に作った大道具はビクともしない。
「何やってんの、みんな手伝って!」
 フリ-ズの解けたみんなが寄って、大道具をどけはじめた。
「潤香!」
「潤香先輩!」
 皆が呼びかけているうちに、事態に気づいたマリ先生が、階段を飛び降りてきた。
「潤香……だめ、息をしていない!」
 マリ先生は、素早く潤香先輩の気道を確保すると人工呼吸を始めた。
「救急車呼びましょうか!」
「早く」
 マリ先生は冷静に応え、弾かれたように、わたしは中庭の隅に行きスマホをとりだした。
 一瞬、階段の上で、ただ一人フリ-ズが解けずに震えている道具係りの夏鈴の姿が見えた……乃木坂の夕陽が、これから起こる半年に渡るドラマを暗示するかのように、この「事件」を照らし出していた。


 ロビーの時計が八時を指した。わたしの他には、道具係の夏鈴と、舞監助手の里沙しか残っていなかった。あまり大勢の部員がロビーにわだかまっていては、病院の迷惑になると、あとから駆けつけた教頭先生に諭されて、しぶしぶ病院の外に出た。まだ何人かは病院の玄関のアプローチのあたりにいる。わたしと里沙はソファーに腰掛けていたけど、夏鈴は古い自販機横の腰掛けに小さくなっていた……いっしょに道具を運んでいたので責任を感じているのだ。

 時計が八時を指して間もなく、廊下の向こうから、三人分の足音がした。

「なんだ、まだいたのか」
 バーコードの教頭先生の言葉は、ほとんどシカトした。
「潤香先輩、どうなんですか?」
 マリ先生は、許可を得るように教頭先生と、お母さんに目配せをして答えてくれた。
「大丈夫、意識も戻ったし、MRIで検査しても異常なしよ」
「ありがとう、潤香は、父親に似て石頭だから。それに貴崎先生の処置も良かったって、ここの先生も。あの子ったら、意識が戻ったら……ね、先生」
 ハンカチで涙を拭うお母さん。
「なにか言ったんですか、先輩?」
「わたしが、慌てて階段踏み外したんです。夏鈴ちゃんのせいじゃありません……て」
「ホホ、それでね……ああ、思い出してもおかしくって!」
「え……なにがおかしいんですか?」
「あの子ったら、お医者さまの胸ぐらつかんで、『コンクールには出られるんでしょうね!?』って。これも父親譲り。今、うちの主人に電話したら大笑いしてたわよ」
「ま、今夜と明日いっぱいは様子を見るために入院だけどね」
「よ、よかった……」
 里沙がつぶやいた。
「大丈夫よ、怪我には慣れっこの子だから」
 お母さんは、里沙に声をかけた。
「ですね、今年の春だって、自分で怪我をねじ伏せた感じ。あ、今度は夏鈴のミサンガのお陰だって」
 マリ先生は、ちぎれかけたミサンガを見せてくれた。
「……ウワーン!」
 夏鈴が爆発した。夏鈴の爆泣に驚いたように、自販機がブルンと身震いし、いかれかけたコップレッサーを動かしはじめ、すぐに、自販機とのデュオになった、


 一段落ついたので、状況を説明しとくわね。
 わたし、仲まどか。荒川区の南千住にある鉄工所の娘です。
 中三の時に……って、去年のことだけど、近所のはるかちゃん。はるかちゃんは一歳年上なんだけど、幼なじみなんで「はるかちゃん」そのはるかちゃんが入ったのが乃木坂学院高校。去年、その学園祭によばれて演劇部のお芝居を観てマックス大感激! 
「わたしも、この学校に来よう!」と、半分思ったわけ。半分てのは、下町の町工場の娘としてはちょっと敷居が高い……経済的にもブランド的にもね。

 演劇部は、とにかくステキ!

 ドッカーンと、ロックがかかったかと思うと、舞台だけじゃなくて、観客席からも役者が湧いてきた! 中には、観客席の上からロープで降りてくる役者もいて、「怖え~!」と思ったけど、思う間もあらばこそ。集団で、なんか叫びながらキラビヤカナ照明に照らし出され、お台場か横アリのコンサートみたい。ゴ-ジャスな道具に囲まれた舞台で舞い踊り、そこからは夢の中……お芝居は、なんか「レジスト!」って言葉が散りばめられていて、なんともカッコヨク「胸張ってます!」って感じですばらしかった。「レジスト」って言葉には、コンビニのレジしか連想できなかったけど、あとで兄貴に聞いたら「抵抗」って意味だって分かった。
 この時主役を張っていたのが潤香先輩。もう、そのときから「オネーサマ」って感じ。

 で、この時、はるかちゃんは三角巾にエプロン姿で人形焼きを、かいがいしく売っていた。

 演劇部のお芝居のコーフンのまんま、ピロティーに行って、はるかちゃんから売れ残りの人形焼きをもらい、はるかちゃんのご両親といっしょに写メの撮りっこ。
 今思えば、はるかちゃんちの平和は、この頃が最後。今思えば……て、同じ言葉を重ねるのは、わたしに文才がないから……と、わたしの落胆ぶりを現しております。
「明るさは、滅びのシルシであろうか……」
 中三のわたしには分からない言葉を呟きながら、はるかちゃんは三角巾を外した……。
 と、その時!
――ただ今より、乃木祭お開きのメインイベント。ミス乃木坂の発表を行います。ご来場の皆様はピロティーに……と、校内放送。
 三位くらいからの発表かと思ったら、いきなりの一位の発表。その一位がなんと……。
――ジャジャジャーン(ドラム)一年A組、芹沢潤香さん! 
 そう、さっき見たばっかしの潤香先輩!
 ピロティー中から「ウォー!」とどよめき。潤香先輩はいつの間にか、かつて在りし頃の『東京女子校制服図鑑』のベストテン常連の清楚な制服に着替えて、野外ステージに登りつつあった。
 そして、タマゲタのは……。
――準ミス乃木坂は(ドラム)……一年B組の五代はるかさん!
一瞬ピロティーが静まった……。
「え……」

 本人が一番分かっていなかった。


 まどか 乃木坂学院高校演劇部物語より

『まどか 乃木坂学院高校演劇部物語』        

 青雲書房より発売中。大橋むつおの最新小説! 

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大橋むつお戯曲集『わたし 今日から魔女!?』
 高校演劇に適した少人数戯曲集です。神奈川など関東の高校で人気があります。
 60分劇5編入り 定価1365円(本体1300円+税)送料無料。

お申込の際は住所・お名前・電話番号をお忘れなく。

青雲書房。 mail:seiun39@k5.dion.ne.jp ℡:03-6677-4351

大橋むつお戯曲集『自由の翼』戯曲5本入り 1050円(税込み) 
門土社 横浜市南区宮元町3-44 
℡045-714-1471   
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高校ライトノベル・ライトノベルセレクト№91『竜頭蛇尾、そしてクリスマスへ』

2013-08-09 10:23:02 | ライトノベルセレクト
ライトノベルセレクト№91
『竜頭蛇尾、そしてクリスマスへ』
     


 竜頭蛇尾という言葉がある。

 小学校六年の時に覚えた言葉なのよね。最初は、やる気十分なんだけど、後の方で腰砕けになっちゃって、目的を果たせない時なんかに使う言葉。

 担任のシマッタンこと島田先生が、三学期の国語の時間に教科書全部やり終えちゃって、苦し紛れのプリント授業。その中の数ある四文字熟語の一つがこれだったのよね。
「意味分かんな~い」クラスで一番カワユイ(でもパープリン)のユッコが言った。

「……いいか、先生はな、野球選手になりたかった。それも阪神タイガースの選手になりたかった。そのためには、高校野球の名門校聖徳学園に入学しなければならなかった。ところが受験に失敗して、Y高校に行かざるを得なかった。ところがY高校の野球部は、八人しかいない。入れば即レギュラー。でもなあ、Y高の野球部って三十年連続の一回戦敗退。それで悩んでたらさ、バレー部のマネージャーのかわいい子に誘われっちまってさ……」

 島田先生は、これで自分が野球選手になり損ねたことをもって『竜頭蛇尾』の説明をしようとした。
でも、これで言葉の意味は分かったけど、大失敗。『お里が知れる』という言葉も同時に子ども達に教えることになった。
 それまで、先生は――維新この方五代続いた、チャキチャキの江戸っ子よ!――というのが売りだった。実際住所は神田のど真ん中だった。
 でも聖徳学園高校もY高校も大阪の学校。神田生まれで阪神ファンなんて、もんじゃ焼きが得意料理ですってフランス人を捜すよりむつかしい。それに自分自身がデモシカ教師であると言ったのといっしょ。野球の腕だって、PTAの親睦野球でショ-トフライを顔面で受けたことでおおよその見当はついていた。
 五代続いた江戸っ子だってことが怪しいのも、わたしは早くから気づいていたのよね。
 島田先生は、五年生の時からの持ち上がり。
「先生は、神田の生まれで、五代続いた江戸っ子なんだぜ」
 と、カマしたもんだから、家に帰って言ったのよね。
「ね、今度の担任の先生は神田生まれの五代続いた江戸っ子なんだよ!」
 すると、おじいちゃんが前の年に亡くなったひい祖父ちゃんを片手拝みにして言った。
「ほんとの江戸っ子は、そんなにひけらかすもんじゃねえんだぜ」
「だって、先生そう言ったもん」
 すると、おじいちゃんは紙に二つの言葉を書いた。
――山手線と朝日新聞が書いてあった。
 純真だった(今だってそうだけど)まどかは、その紙を先生に見せて読んでもらった。
「これ、読んでください」
「ヤマテセン、アサヒシンブン」と……発音した。ショックだった!
「ヤマノテセン、アサシシンブン」と……わたしの家族は発音する。

 前置きが長い……これは、わたしがいかに『竜頭蛇尾』という言葉に悩んでいるかということと、シマッタン先生を始め小学校生活に愛着を持っていたかということを示しています。

 で、この『竜頭蛇尾』は、言うまでもなくクラブのことなのよ……ね。
 あの、窓ガラスを打ち破り、逆巻く木枯らしの中、セミロングの髪振り乱した戦い。
 大久保流ジャンケン術を駆使し、たった三人だけど勝ち取った『演劇部存続』の勝利。
 時あたかも浅草酉の市、三の酉の残り福。福娘三人よろしく、期末テストを挟んで一カ月はもった。
 公演そのものは、来年の城中地区のハルサイ(春の城中演劇祭)まで無い。
 とりあえずは、部室の模様替え。コンクールで取った賞状が壁一杯に並んでいたけど、それをみんな片づけて、ロッカーにしまった。
 三人だけの心機一転巻き返し。あえて過去の栄光は封印したのよね。真ん中にあるテーブルに掛けられていた貴崎カラーのテーブルクロスも仕舞おうと思ってパッとめくった。

 息を呑んだ。クロスを取ったテーブルは予想以上に古いものだった……わたしが知っている形容詞では表現できない。

 わたし達って、言葉を知らない。感動したときは、とりあえずカワイイ(わたしはカワユイと言う。たいした違いはない)と、イケテル、ヤバイ、ですましてしまう。たいへん感動したときは、それに「ガチ」を付ける。
 だから、わたし達的にはガチイケテル! という言葉になるんだけど、そんな風が吹いたら飛んでいきそうな言葉ではすまされないようなオモムキがあった……のよね。
 隣の文芸部のドアを修理していた技能員のおじさんが覗いて声をあげた。
「これ、マッカーサーの机だよ……こんなとこにあったんだ」
「マックのアーサー?」夏鈴がトンチンカンを言う。
「戦前からあるもんだよ……昔は理事長の机だったとか、戦時中は配属将校が使って、戦後マッカーサーが視察に来たときに座ったってシロモノだよ。俺も、ここに就職したてのころに一回だけお目にかかったことがあるんだけどさ、本館改築のどさくさで行方不明になってたんだけどね……」
 おじさんの説明は半分ちかく分からないけど、たいそうなモノだということは分かる。
「ほら、ここんとこに英語で書いてあるよ。おじさんには分かんねえけどさ」
「どれどれ……」里沙が首をつっこんだ。
「Johnson furniture factory……」
「ジョンソン家具工場……だね」わたし達にも、この程度の英語は分かる。
 技能員のおじさんが行ってしまったあと。そのテーブルはいっそう存在感を増した。
 テーブルは、乃木高の伝統そのものだ。貴崎先生は、その上に貴崎カラーのテーブルクロスを見事に掛けた。
――何色のテーブルクロスを掛けるんだ。それとも、いっそペンキで塗り替えるか。貴崎ってオネーチャンもそこまでの度胸は無かったぜ。テーブルに、そう言われたような気がした。


『まどか 乃木坂学院高校演劇部物語』第七章より

『まどか 乃木坂学院高校演劇部物語』        

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こんなコメントをいただきました。そして考えました。

2013-08-08 22:00:50 | エッセー
こんなコメントをいただきました
そして考えました


2013-08-07 05:37:48 Unknown
 これは私の個人的意見です。無視して貰っても構いません。ですがあなたの心にとどめておいて欲しいので残します。いちいち取り上げてブログで紹介しないで下さい。お願いします。

 まず私が鶴見の記事を何故あげないのかとコメントしたのは、あなたが以前から申している大阪の高校演劇は低迷しているという内容。そう話しているあなたが今回、32年ぶりの快挙を成し遂げた鶴見さんに対してどういう反応を示すのかとても興味深かったのです。ですがそれに対しておめでとうの一言。拍子抜けしました。あんなに大阪は昔はこうだっただの言ってる割にはあっさりするもんだな、と。あげくの果てには「色々と思うところはありますが」という一言。
 ものっっすごい不愉快でした。連盟から書くなと言われたんですよね?書くな=鶴見が知らなくていいということでは?書くなと言われたのなら一切書かないのが大人のすることじゃないんですか?いちいち匂わせることを言って。もし鶴見さんが見たらと思うと気が気じゃありません。
あなたのブログはよく拝見させて頂いてましたがこれを最後にしようと思います。幻滅したからです。
長々と失礼しました。


☆人を批判するときにUnknownでは、いけないと思います

 批判的なコメントで無記名なものは、いつも無視していますが、この方のコメントは真摯であり、また誤解されているところがあるので、あえて、転載させていただきました。

「あなたはいつも人のせいばかりしてますので今回もどうぞこのコメントについて自分を正当化して私を否定して下さい」

 否定して下さい。できません。

 真摯な問いかけには真摯に答えるのを信条としております。だから、紹介もし、あなたと同じくらい真摯に考えています。

 で、書きように困っています。

☆いつも人のせいにしている
 無理な注文かもしれませんが、ここに思いこみがあり、具体性がありません。全てとは申しませんが、どこそこを人のせいにしていると具体的な指摘をしてください。

 わたしは、基本的に是々非々です。

 わたしのブログを普通に読んで頂ければお分かりになると思うのですが、ご苦労されたことや、成功されたことには惜しみない賛辞を送っています。

 例えばF地区の予選で非常に開催にご苦労されたことなど。ただ、その時に連盟が、夕方の5時半からの開催をオオヤケのサイトで紹介しなかったことは批判しました。時間と会場に振り回された方が、わたしも含め数名いらっしゃったことです。

 運営されたF地区のご苦労への感謝は、わたしなりに述べました。しかし、「多忙で、各ブロックの開催時間までは書けない」という連盟の対応は批判しました。分かり易いのでF地区のことを書きましたが他意はありません。

 いつも人のせいにしているつもりはありません。

 これ以上は控えます。あなたとはもっと話し合った方が良いように思います。下にわたしのアドレスを記しておきます。

 大橋むつお  oh-kyoko@mercury.sannet.ne.jp

 必要なことは、互いに幻滅することではありません。通じ合うことから始めませんか。不愉快は、お互い様でありますが、これをコミニケーションの始まりにしませんか。わたしは、貴方を否定などしません。それから、お便りを下さるときは、どうか姓名を明らかにしてください。
 また、このUNKNOWNさんをご存じの方がいらっしゃいましたら、わたしに連絡をとっていただけるように、お話ねがえませんでしょうか。
 
 大橋 むつお  垂首  
  
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大人ライトノベル・志忠屋繁盛記・8『気の利いた日本語講座』

2013-08-08 13:04:27 | 志忠屋繁盛記
志忠屋繁盛記・8
『気の利いた日本語講座』
      


 志忠屋のマスター・タキさんは日常会話において河内弁以外口にしないことを信条としている。

 その割には、交友関係が広く、亡くなった勝新太郎や中村勘三郎さんなどとも、たまたま飲み屋でいっしょになっただけで、友だちのように喋ってしまい、店の二三件は軽く梯子し、嘘か誠か、勘三郎さんからは「大阪のニイサン」とまで言われた。
 国際的にも付き合いの幅は広く、アメリカ人、フランス人をはじめ国籍不明までを含めると十数カ国の友人が居る。
 東日本大震災のおりには、東京方面から大挙して外国人の皆さんが非難してきて、ひところの志忠屋は、そういうタキさん曰く「不良外国人」のたまり場のようになった。
 外国人の方々の名誉のために申し上げておくが、彼らはけして不良ではない。正しくは、タキさんから不良のような言動を、しゃれた言葉や身のこなしと教えられ、あちこちで不良と間違われた方々である。

 大阪への疎開生活にも飽きてきたころ、ミシュランの重役をやっているジョルジュ氏が、禁断の質問をした。

「タキさん、なにか気の利いた日本語教えてくれないかい?」
 目の奥底を光らせながら、タキさんは聞いた。
「どんなシチエーションで、使う言葉やねん?」
「職場の若いスタッフが、なにか失敗したときに、カマスような……それから、パーティーなんかで、食べ物ちょっと落としただけで捨ててしまう、もったいないときとか」

 タキさんは、ニンマリ笑って二つの言葉を教えた……。

 ある日、ジョルジュ氏の会社の女の子が遅刻してきた。彼女は山手線で通っているが、この山手線のラッシュ時の混みようは、他の日本人でも理解しがたい。ドアのあたりに立っていても、開くのが反対側のドアであれば降りられないことがある。
 彼女は、会社の最寄り駅の三つ前の駅で、反対方向へ押し込まれ、最寄りの駅で降りることができず、三十分遅刻してしまった。
 彼女は、上司であるジョルジュ氏の机の前に立ち、わびと共に頭を下げた。
 ジョルジュ氏は、ここだと思った!

「※※!」

 周囲は、一瞬固まり、女の子はグッと口を一文字に結び、深々と頭を下げ、足早に自分のデスクに付いた。
 ジョルジュ氏は、クールに決まったと思うと同時に、何とも言えない違和感をスタッフが発しているのを感じた。

 なんと、明くる日彼女は辞表を出した。

 驚いたジョルジュ氏は、知りうる限りの日本語と、彼女との共通言語である英語を駆使して慰留に努めた。
 で、やっと辞表を撤回させたジョルジュ氏は、滝川に電話した。
「大変だったよ。あれ、ほんとは、なんて意味!?」
「普通やで、わしら、仲間が失敗しよったら『ボケ!』の一言で収まる」

 ジョルジュ氏は、会社で自分より日本語に堪能なドイツ人のシュルツに聞いた。
「それは、大阪の、ごく一部じゃ信愛のこもった言葉だけど、他のところじゃ、英語の『※※!』にあたる」
 そう言われて、ジョルジュ氏は卒倒しかけた。

 しかし、ジョルジュ氏は、タキさんに悪意がないことが分かったので(ジョルジュ氏は、かなりの親日家で、タキさんの毒には不慣れであった)次の言葉をパーティーで使ってみた。

 日本の自動車メーカーのエライサンたちが大勢くる気の抜けないパーティーで、なんとかソフトに、かつクールに決めてみようと思った。

 で、チャンスが巡ってきた。

 日本のエライサンがローストビーフを取りこぼし、床に落としてしまった。ジョルジュ氏は、あっさりと落ちたローストビーフをつまみ上げ口に放り込んだ。
 またしても、周囲は一瞬固まった。で、ジョルジュ氏はかました。

「な~に、死にゃあせん」

 日本人のエライサンは、そのジョルジュ氏のセンスとユーモアの感覚に思わず声を出して笑った。
「そうだ、死にゃせん! ビジネスにも、この感覚は大事ですなあ!」
 そこへ、件のドイツ人のシュルツがやってきてたしなめた。
「そんな、下品な日本語使うんじゃないよ!」
 ジョルジュ氏は、シュルツが理解できないフランス語で早口で、かつ笑顔で、こう言った。
「ケツの穴からホウキ突っこんで突っ立ってるドイツ野郎め♪」
 フランス語の分かるスタッフが真っ青になった。

 それから、数年後、ジョルジュ氏の次男が、周囲の反対を押し切って自衛隊に入ろうとした。

 日本では、お気楽な自衛隊であるが、国際感覚では立派な軍隊で、フランスの親類はもとより、日本人のお母さん、滝川のオッサンまでが、動員されて説得にまわった。

 ジョルジュ氏の次男は、ニッコリ笑ってこう言った。

「なあに、死にゃせんよ♪」


『まどか 乃木坂学院高校演劇部物語』        

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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ローンレンジャー』

2013-08-03 07:27:35 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『ローンレンジャー』


 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。


こらぁ 当たりまへんわ、こいつは「ローンレンジャー」ではなく「トント」ですね。

 見に行くなら、絶対信頼出来る友人(映画の最中 絶対眠らない人)と一緒に行って、あなたはさっさと寝ちゃいましょう。ほんでラスト30分の列車アクションで起こして貰って下さい。本作はそこしか見る所が有馬線。
 2億5千万$かけて作って全米ボックスから2週で脱落、6千万$稼いだかどうか、大赤字! ディズニープロにとって去年の「ジョン・カーター」の二の舞。ブラッカイマーも一体何を考えて製作したのやら。前半、中盤 呆れかえって見とりました。
 この大失敗、誰に一番責任があるかっちゅうたら、そら、ブラッカイマーもデップも逃げられませんが、やっぱり監督のゴア・ヴァービンスキーに一番責任がおまんなぁ、極刑決定でおます。パンフレットの製作インタビューが総てを物語っています。
 この記事、100%否定します。もう一々反論を書けない位、思い違い・勘違い・センス無し……書きようが有馬線、嗚呼~。
 この映画から『アメリカの法制度の変化』『マスクマンの歴史』『ウェスタン映画の変遷』……語れる事は山程あるが、こんだけ無茶苦茶されると何にも語れない。去年でしたっけか、セス・ローゲンが「グリーンホーネット」で大失敗をかっ飛ばしましたが、本作も全く同じです。この二作には繋がりがあります。どちらも同じ作者によるラジオドラマ(1930年代~50年代)であり、ホーネットことブリット・リードはローンレンジャー/ジョン・リードの又甥だという設定(後に権利関係の捻れでこの設定は無くなった)でした。そして、新作を作ったセスもゴア(この名前にロクな奴がいない、アメリカの元副大統領やらマグマ大使の敵役やら)も同じ間違いを犯している。
 問題は二人とも これが現代のリアルだと信じ込んでいる事で…不幸やなぁ。ゴアは名監督だって事になっているが、これがまず勘違い。「パイレーツ」3作の監督ですが、シリーズ代一作は退屈な作品でした。当時も「現代的でリアルな海賊」を作ったと大いばり、もっとスペクタクルに徹したらシリーズ化出来るっていう製作サイドの判断で続編が作られ、まぁそこそこにヒットはしたのですが、巨額の製作費からすると必ずしも納得できる稼ぎじゃない。だから、第三作は製作費5千万$ダウン、最新作は更にダウン……日本の配給会社の宣伝だと、どんだけヒットしてるんやと思いますが、実際には結構綱渡りしています。
 ゴアにとっての不幸は、パイレーツ3と4の間に監督したアニメ「ランゴ」がアカデミーを取った事で、このせいで彼の勘違い病は更に進行してしまった。ランゴはアメリカではヒットした(何でか解らん)が世界興行では大ズッコケ、通常 監督起用する時にこんな人は躊躇するんですが、ゴアにはスペクタクルシーンを撮らせると超一級という顔もあるので、これがプロデューサーの背中をおすんでしょうねぇ。
 上映している部屋は一番小さい部屋、ハナから当たらんと思われてます(まぁ日本でもコケますやろ) ほんまにガッカリです。ここらでやめますわ。

 あっと、一つだけ、ラスト30分のアクションだけは必見です。そこだけ見たらサッサと席を立ちましょう。タイトルロールに画が付いてますけど、見る価値有馬線。ちゅう事はレンタルディスクでアクションだけ見て返したらええっちゅう事でござります。


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