上砂理佳のうぐいす日記

やっと秋らしくなりましたが、まだまだ日中は陽ざしがきついです。寒暖差で風邪をひかないように★

銅版メッキ★

2012-11-21 | うぐいすとお仕事
私は銅版の「クロームメッキ」をしてもらってます。もう、15年は経つでしょうか。
自分では出来ないので、メッキ加工の会社に依頼しています。
現在は、㈲横山鍍金工業所というところへお願いしています。

銅版にメッキをするとなぜ良いのか?なんといっても、インクのノリがいい!
メッキをしない銅版は、インクを詰めてふき取る作業をしていると、銅の成分が微量でもインクに混ざるので、やや濁った感じになる。
茶色や黒だとほとんど見分けがつきませんが、赤や黄色や青などのインクでは「メッキあり」「メッキなし」の版では、違いが鮮明です。「メッキなし」だと、赤→やや赤黒になるけど、「メッキあり」だと、赤→赤のまんま。

そして、耐久性がアップするので、何度刷ってもほとんど擦り減らないのです。
エッチングのみだとその差は出ませんが、アクアチントの薄い諧調を施していると、30枚も刷れば色が薄くなってしまいます。
やはり、プレス機でプレスして版画を刷るので、少しずつ少しずつ磨滅していくのでしょうか。私は初期のころ、沢山の注文を受けた版がどんどん薄くなっていくので、プレス圧を変えたりインクを変えたり紙を変えたり…原因が解らず真っ青になってしまいました( ̄▽ ̄)
夜中に版画友達に「出来ない~」と電話で泣きついたら、「そりゃー、メッキしてないから擦り減るわさ」と、あっさり言われてしまいました(笑)。
そんなん、早く言ってくれよ…いえいえ、くだんの友達にメッキ屋さんを紹介してもらい、そこで快調に長年メッキしてもらいました。版画友達さまさまです。
私はだいたい、ひとつの版で50~100枚は刷るので、メッキをしないとツライのです。それに、メッキをした版の版画は、インクが色褪せません。もっとも、色褪せた方が「良い味わい」…という場合もあるので、作家さんによってはメッキを嫌がる方もおられますが。

その後いろいろとあり、現在は↑上記の横山鍍金さんでメッキしてもらっています。とても具合が良く、少なくとも私にはフィットしています。
エッチングを自分でもされる方は、どーぞ。一度メッキをしてみてください!
インクふき取りの力が、断然違いますから。楽にふけますから★
コメント (2)
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