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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

ダンディ六文銭の雪駄チャラチャラ体験

2011-07-01 01:00:04 | よしなしごと
 郵便局にゆうメールを出しに行った。
 この暑いのに靴下を履いてさらに靴を履いてというのはまっぴらだ。
 かといって、つっかけサンダルなどという安直なスタイルは生まれついての私のダンディズムが許さない。
 
        
 
 で思い出したのが、先般今池の「蘭丸」で入手した雪駄である。
 これなら素足でもよかろう。出来れば着流しの角帯で、唐傘など逆手に持って行ったりするとかっこいいのだが、そうなると鶴田浩二の忍従を重ねた末の殴りこみに近くなり、郵便局にはふさわしくなかろうと考え、ポロシャツの着流し(?)に決め込んだ。

 熱中症の予防に帽子をかぶって出かけたので、シルエットを見ると鶴田浩二というよりは寅さんに近ものがある。

            
 
 え?雪駄だといっても単なる草履だろうって?やだなぁ野暮天は。
 確かに似てるよな。しかし雪駄は、畳表で裏に皮が張ってあり踵に鋲が打ってあるものということになっている。

 その歴史も古く、享保年間の「本朝世事談綺」によれば、
「千利休初めてこれを作らしむ。雪中の路地入に湿りの通るの忌みて、草履に又草履を重ね、これを裏付け草履といふ。なお湿りの通らぬことを計りて、裏に牛皮を以って作る、雪の上を踏むという理によって、雪踏と名づけたり。」
 ということでかくもありがたいものなんだ。

 え?刑事裁判で法廷へ被告が履いて現れるのもそれだろうって?
 あのねぇ、どうしてそんなにイメージ下げちゃうの?
 たしかに私の買ったのもまったくの本物ではないけど、これに慣れたら文化勲章やノーベル賞もらう時も履いて行けるような素敵なもの手に入れるつもりだもんね。

        

 でもホラホラ、この鼻緒見てよ、素敵でしょう。
 さる大棚の女将の一張羅の着物を崩して鼻緒に仕立てたって気がしない?
 
 ダメダメ、あんまりきちんと揃えては。それじゃぁ「おとっつぁん。おっかさん、先立つ不幸をお赦しください」になっちゃうじゃない。

           
 
 鼻緒のある履物、気にならないかって?
 あ~たねぇ、誰に向かってものいってんの?
 30年間、豆絞りの手ぬぐいに海老茶に白抜きの半纏、それに三寸の高歯の下駄で過ごした私ですよ。
 そん時の粋な姿見せたかったねぇ。
 そこいらの鼻緒なんざぁ、きつかろうが緩かろうが3秒も経てばこっちの足に馴染むってぇもんよ。

   「水無月暑いと愚痴などおよし
    雪駄チャラチャラぬしが往く   六」


 ってんだ。ザマアミロ。
 なんていってる間にもう文月だもんな。

コメント (2)
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