六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

笑って飲んでたら放射能は来ない???

2011-04-02 22:29:02 | 社会評論
          

 前に、数億の巨額な研究援助を東電からもらっている東大の先生たちの解説は値引きをして聞かねばならないのではないだろうかと書きました。
 そして、いままでは多少異端と言われていた先生の言説を紹介しました。

 これは第二弾で、昨夜のNHKニュース・ナインで解説をしていた長崎大学の山下俊一という先生のお話です。

 純朴な私は、原爆被災地の大学のセンセイだからきっとまっとうなお話をされるのだろうと聞き耳を立てていました。
 ところが全く歯切れが悪いのです。例えば、長崎での被災時のデータに比べ、今回はどのレベルにあって今後の見通しはどうなのかについてもウヤムヤで、全体としては「大丈夫でしょう」としか聞こえません。

 気になって、この先生のことを調べてみました。
 なんとこのひと、原子力安全委員会のメンバーで、客観的な装いをしていましたが実は当事者そのものなのですね。

 そして現在、福島県下で講演をして歩いているのですが、基本的には「たいしたことはないから大丈夫」というのが基調のようです。
 講演を通読してみましたが、そのなかで「みなさんは新聞やTVを科学的に読みなさい」といったことをいっています。
 そして、この人の講演の結論部分は以下です。

 「放射線の影響は、実はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます。これは明確な動物実験でわかっています。酒飲みの方が幸か不幸か、放射線の影響少ないんですね。決して飲めということではありませんよ。笑いが皆様方の放射線恐怖症を取り除きます。でも、その笑いを学問的に、科学的に説明しうるだけの情報の提供がいま非常に少ないんです。」

 これって科学でしょうか?
 「明確な動物実験」って、笑っている動物をどう見分けたのでしょうか?
 笑って酒飲んでたら放射能は怖くないということでしたら、自粛ムードなどはもってのほかで、どんどんお花見で騒ぐべきですね。

 なんでこのカルト教団まがいの言説が科学なのか、分かる人は教えてください。
 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小学生とお姉さんの「想定」、そして科学力

2011-04-02 02:50:02 | 社会評論
          

 4月1日付「朝日」の投書欄からです。
 東京電力が運営する「電力館」に見学に来た小学生と案内役のおねえさんとの何年か前の会話だそうです。話題は、災害時の原発の多重な安全対策についての質疑だそうです。
<以下原文のまま>

 小学生「これが、壊れたら?」
 女性「その場合にはこれが働くので大丈夫です」
 小学生「もしそれも壊れたらどうするんですか?」
 女性「その場合にもこれが働くので大丈夫です」
 小学生「それも、壊れたら?」
 女性「そんな事はありません!」
 案内役の女性はとうとう怒りだしてしまった。 
<原文ここまで>

 結果が明らかなように、この小学生の「想定」のほうが、今回の事故が「想定外」だとうそぶく東電やその御用学者の自然をなめてかかった「想定」よりも、はるかにリアルであったといえます。

 また、科学が原因と結果の因果関係を言語化し、それを実験や実際の経験と照合しながら検証してゆくという一連の手続きであるとしたら、東電から億単位の支援を受けていた東大の偉い学者さんのそれを徹底し得なかった結論よりも、この小学生の方がはるかに科学的であったといえます。

 象徴的なのは、このお姉さんが「怒った」ということです。
 それは、このお姉さんの背後にいる東電や学者先生が「怒った」ということであり、今回の事故は、この小学生が代表するような私たちの素朴な疑問に対して「怒る」という感情論や「政治的判断」で突っ走った果ての結果だといえます。

 偉い学者先生は、科学は疑問とともに始まり、それに答えようとする極めて人間的な試みであるというイロハのイを忘れてしまったようなのです。
 その忘却の原因が億単位のお金であるとしたら・・・。

  投稿者のお名前は東京都三鷹市の比企秀一さん(62歳)です。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする