イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

早くうまくなれ

2008-04-17 21:27:52 | テレビ番組

“芸人使い捨ての元凶”“お笑いブームマッチポンプ”と悪評高い(?)『爆笑レッドカーペット』を初めて録画して冒頭からちゃんと見ました(162200~)。

うん、ありゃ確かにダメだわ。予想を上回るつまらなさでした。個々のネタが目を覆う低レベルというわけじゃなし、赤絨毯をベルトコンベアーに見立てて“強制終了→搬出”のしつらえを考え出した着想は、皮肉味もあって悪くないと思う。

ただとにかくスタジオMC陣、審査員陣も含めて調子に乗り過ぎ。「水曜10時レギュラーで半年=2クールもらった」「その記念すべき第1回のMC席に使用済みの爪楊枝捨ててったスタッフがいる」って、それが番組全体のツカみにするほどのことかね。今田耕司さん、高橋克実さん、いずれも別の番組のMCとして一定の評価を得ているだけに、「これからネタ披露する芸人よりもオレのほうが絶対おもしろい」とヘンな自信と自己顕示欲持っちゃってるんじゃないのかな。

特にサブ司会の女子アナ、「前回のスペシャルではスウジ194%という高視聴率でした」とヘラヘラこいたときには殺意さえ覚えたね。根拠も正当性もない、ただただ広告代理店が有難がるだけの“視聴率”なるものを、画面で視聴者に向けて放送する者が放送の付加価値上げるためにクチにのぼせては絶対にいけない。世の中には、ハラで思っている分には構わないが、人に向かって言っていいことと悪いことがある。言っていい相手と、悪い相手もあるし。冒頭のこの女子アナのひと言で、番組自体の了見の底が割れた。

ただ、どこから何基準で集めたんだっていう顔ぶれの審査員の中で、「(永井佑一郎の“エロ本親父に見つかってビリビリ”に)懐かしい感じがしました」とのたまった沢村一樹さんだけが輝いていたな。どこでも自分のキャラ相応の仕事は忘れないエロ男爵かっこいい。

『花衣夢衣』は第14話。第3週の終盤ともなってくると、情念ドラマの取っ掛かりグチである悲恋に焦点が当たってこないと3ヶ月の尺的に間に合わないんじゃないかと気がもめてしまうのですが、将士役・眞島秀和さんに比べて真帆役・尾崎亜衣さんが、着物に襟足シニヨンの和装でしっとり装っているとはいえいかにも容姿も演技も幼くて、“お似合い感”、観客として“万難排して結ばれてほしい感”がもうひとつ盛り上がらないのがね。

今日はむしろ、友禅師匠(宮内洋さん)からひとり娘・淳子(民部洋子さん)を「貰うてくれないか、貰うて私の跡を継いでくれ」と持ちかけられて、弟子を辞する覚悟で断る絵入れ一番弟子安藤(『けものみち』の結婚しよう魔・長谷川朝晴さん)と、「安藤さんが初恋の人やったのに、弟子入りして来たときからずっと見てきて、ワタシのこと少しは気にかけてくれると思っとったのに、フラれてしもうた、バカよね」と泣きながら思い切る淳子のやりとりのほうがジンと来ました。

「辞めるなんてお父さんだけじゃなく、ワタシだって許しませんから、ワタシも運命の人に出会って、幸せな家庭を作って見せるんやから」と淳子。「わかりました、これからもここでお世話になります、お嬢さんの幸せを祈っています」と安藤。家つき娘と弟子、身分は違ってもお互いの“譲れない一線”を守りながら気遣い合う、人生まだ手探り途上のふたりの自尊心が摩擦し合い火花を散らし合って、イタいけどとても美しいシーンでした。

昨日13話では、ねちねち意地悪なわがままプー娘と見えた淳子ですが、「運命の人はほかにいるのかも」と元気づけてくれた以外、別に何もしてない真帆にも「ありがとう真帆ちゃん」が言えるのは気だてのいい証拠。

“人は人を恋するものである”ってことを、自分の中で封印するのは勝手だけど、同じ年頃の従姉に思いやってあげられなかった、真帆のほうがよっぽど解からんチンでしたね。

師匠の申し出に考え込む安藤→泣きながら座敷を飛び出して真帆と行き会う淳子→座敷で苦り切った表情の師匠夫婦、と、会話描写を極限まで端折りながらことの成り行きを提示するカットつなぎも良かった

東京チームでは、先約のため仕立て仕事を断った詫びに立ち寄った澪(尾崎由衣さん)に「ご家族で食べて」と菓子折りを差し出しながら家族構成や生い立ちに探りを入れるよね屋女主人=将士母(田岡美也子さん)のやんわり鋭い観察眼もなかなか。04年『愛のソレア』では芸能事務所の敏腕女マネージャーとしてパンツスーツでカッカッ立ち回っていた田岡さん、今作は江戸っ子商家の女将らしい小粋ないでたち。

もう10年ぐらい前になるでしょうか、『火曜サスペンス劇場』の人気シリーズだった『転勤判事』で、渡辺えり子さん扮する亡き夫の遺志を継ぎ全国を転勤して歩く女裁判官となぜか気の合うお洒落な探偵好きお姑さんを演じていた渡辺美佐子さんに、田岡さんはよく雰囲気が似ている。

主役ふたりの情熱曲線の盛り上がり、このご時勢だけに「子供が産めない身体だから結婚できない」を切なさ加油モチーフとしてドラマ上しつこく強調はしにくいのではないかというところも心配と言えば心配ですが、どうなんだろう。やっぱり淳子さんと安藤の行く末のほうが、色恋タームとしては牽引力があるなあ。

願ってもない跡取り話を断ってでもお嬢さんは貰えないと言う安藤は、見習いとしてしごいている真帆が好きなのかな。安藤の初登場がいきなり真帆入門3年後だったので馴れ初め期の描写はまったくなかったけど、こっちのほうが路上でドンよりはまだ説得力がありそうな気がする。

ヒロインたちとの絡み先行きを抜きにして、いち男性人物として鑑賞しても、安藤のほうが将士より“どんな人なのかもっと知りたい”心をそそられるけどなあ。ここまで来ると好みの問題ですけど。

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美しいものは美しい

2008-04-16 20:45:22 | アニメ・コミック・ゲーム

『花衣夢衣』14日(月)~の3週めから金沢篇に入って、それらしい家並みや雪景色などのロケシーンも増えてきました。

昼ドラで屋外ロケ、特に交通整理や多数の通行人エキストラが必要な街頭シーンは、全60余話を通じて数えるほどしかない作品もあります。もちろん製作費と撮影時間と撮影量との三つ巴バトルである昼帯ゆえの制約ですが、ある意味監督さんや編集スタッフの腕の見せどころなんですね。

たとえば資料などとしての有りモノ街頭映像を12秒マクラにしてから“ビルのエントランス”や“邸宅門扉”のセットでのシーンにつなぐと、俳優さんやカメラ録音機材をいっさい“外”にお運びすることなく、スタジオに居っきりで結構な“街頭感”を映像に盛り込むことができる。

その意味では今作、東海テレビ開局50周年記念ドラマにふさわしく、資金やハード面はかなり通常作より潤沢に投入しているなということはすでに画面から窺い知れます。

ただ、「そんなところにおカネ使ってもらっても…」といまいち“有難み”が薄いことも否めません。

月河が日舞や茶の湯や華道書道などの“和”方面の造詣に乏しいので、“和だから高級”“和だからセレブ”“和だから色気がある、情感に富む”といった、“和だからこそ”をプラスに評価する感覚の回路を持っていないせいもある。幼い頃から着物を着るお母さんやお祖母ちゃんが身近にいて、着物にあこがれて育ち、呉服や畳紙の匂いがしただけで胸がときめく…といった女性視聴者なら、そこそこ素直に嬉しい絵柄に仕上がっているドラマかもしれません。

逆にそういう人は、真帆や和美(萩尾みどりさん)らが劇中で着る着物の製品レベルや着付けセンスのアラが見えてあまり楽しめないかな。

こちらはとにかく、和だろうと洋だろうと中華だろうと(←またトータルテンボスか)“人物の情念のぶつかり合いで衝き動かされるダイナミックな物語”をひたすら期待しているので、13日(火)放送の第12話での真帆(尾崎亜衣さん)と将士(眞島秀和さん)との路上遭遇はちょっと説得力が薄い感もありました。

身ひとつで加賀友禅作家である伯父(仮面ライダーぶいすりゃー宮内洋さん)に弟子入りして3年修業ひとすじ、「アンタは姪でも従妹でもない、お弟子さんなんよ」「和美さん(萩尾みどりさん)も生活に困って、真帆をうちに寄越したんやわ」と冷たい伯母に女中仕事まで課される日々の真帆は、米兵レイプの一件以来異性との接触をことさら避けてきたふしも窺えるので、免疫がないゆえに東京から来た垢抜けた御曹司に、迷惑がり戸惑いつつも心が揺れ動いて…というのは結構ありそう。ここまではいい。

昭和28年、戦後の窮乏から復旧しつつある東京から、加賀友禅の仕入れに来た老舗呉服店総領(長兄は戦死?早世して繰り上がり跡取りらしい)、もちろん商用と見学がメインでしょうが、“女主人としてうるさい母の目のとどかない地方でちょっと羽根伸ばしたい”気持ち含みの金沢出張だったはず。旅がもたらすハイテンションは夜目遠目傘の内とは言え、地味で野暮ったく色気封印な真帆に、あっさり目がハートになるかな。

やはり路上でぶつかったときに真帆が取り落として、拾ってあげた白生地の「シボのないなめらかな手触り」に、まず着物・織物のプロとしての“触覚”がラブモードになり、それを大切に抱えていて「少しでも汚れたら使いものにならないんです、気をつけてください(プンプン)」とマジおかんむりな真帆に“これだけの素晴らしい生地の価値を愛しめる感性のひとなら、どんなにセンスある、情こまやかなイイ女だろう”と転移した、というのが正直なところなのでは。

今日(16日)放送の13話では、「とにかくこの店を切り盛りしていけるしっかりしたお嫁さんを早く」と母(田岡美也子さん)からの見合い攻勢で“いい家のご令嬢”に飽き飽きしている描写もあり、偶然出会ったお地味な真帆の“友禅作りで頭がいっぱい、結婚も色恋も念頭にない”雰囲気が新鮮に感じられたのかも。

眞島さん扮する将士、そういう“運命的一目惚れ”の説得力にちょっと欠ける。将士は軽く軟派寄りで、東京人の商家倅らしく、玄人女相手ならば遊び慣れてますよという雰囲気や、おとぼけ浮わっついた調子もあっていいキャラだと思うのに、眞島さんがどちらかと言うととことんシリアス・もの悲しさを背負った役を得意としている、そのギャップも影響しているかもしれない。「ボクとは二度と会いたくないですか?」とテンパった告白の最中に「あ!時計忘れてきちゃった!オヤジの形見なのに!」とズッコケて真帆が思わず噴き出すくだりはいかにもムリヤリでいただけなかった。ボケても可笑しくないし、取ってつけたみたいに笑うほうもどうかしてるだろうと。

主役ふたりのいまいちっぷりに比べて、真帆の従姉に当たる友禅家娘の淳子(民部洋子さん)のわかりやすい意地悪さは実にいいですな。安心して見ていられる。

昨日12話で着ていた、カットワークレースの飾り衿が中原淳一スタイルブック風。加賀友禅の家のひとり娘なのに洋服ばっかり、という時点で“人生に何の目標も持たない、頃合いみてそこそこの嫁入りする以外親から期待もされてない、ヒマもてあましたプー娘”感ありあり。真帆の兄弟子で色入れ担当の安藤(長谷川朝晴さん)にラブだけど振り向いてもらえない…という状況のようですが、一応当時としては恵まれた境遇のお嬢さんなのにビタ一文幸せそうに見えず、羨ましくも思えない感じがよく出ている。

演じる民部さん、他局のドラマで拝見したことあるようなないようなですが、劇中で“この人物を快からず、敵意を持っている”って設定与えられると役者さん、俄然精彩を増しますね。真帆も澪(尾崎由衣さん)も、和美なり万平(斉木しげるさん)なりに噛みつくシーンはやたら元気がよく声も出ていたもの。

将士の病弱な弟・祐輔に『仮面ライダー555の善良一般人代表・溝呂木賢さん。この枠では『新・風のロンド』のヴァイオリニスト以来2年ぶりで、役に合わせて?減量して頬もコケさせ青白めのメイクでの登場ですが、真帆&澪ヒロイン姉妹の相手役には、むしろこちらのほうがお似合いの年格好。ちょっとボケたりズッコケたりの芝居も『555』以来得意そうで、心臓を患って寝たり起きたり動きの少なそうな役どころはもったいなかったかな。

まぁキャスティングは決まってしまったことなんで、“コノ人じゃなくアノ人だったら…”なんて無駄な妄想してもしょうがない。現行キャストでどれだけ見せてくれるかです。

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ラブコメかっ!

2008-04-15 19:59:17 | アニメ・コミック・ゲーム

昨日(14日)夜は月曜日。『くりぃむナントカ』がゴールデン進出(23日~らしい)で空いたスペース(テレ朝系2315~)に開店したのが『お試しかっ!』なんですね。タカアンドトシがメインで、いろんなことを“もしも~~だったら”と“お試し”してみる、というフォーマットの番組らしい。

開始17分ぐらいから出会いがしら視聴。お笑いブーム去りし後に生き残った数少ない組の中では、タカトシに結構、シンパシーあるんだな月河。やっぱりご当地パワーかな。土日、それも昼しかTV見られないような時期がちょっと続いても、マルちゃん焼きそば弁当おかか味と、鈴木商会のCMだけは目にするしな。

“もしも相方が○○になったら?”トシは南海キャンディーズしずちゃん、タカは小島よしおと急造コンビ。この相方決めの部分を見逃したんだな。何がどうなってこういうコンビになったんだか。とにかくネタ打ち制限時間、設定1時間。

わかってないようでちゃんとわかってるしずちゃん相手に「女優か!」「乳頭か!」を節目~オチに使って無難にまとめたトシコンビに比べて、ネタ打ち段階では「ツッコミで入ったほうがボケに回り、ボケだったほうがツッコむ」みたいな高等戦術を高らかにうたいあげていたタカコンビは本番絵に描いたようなダダすべり。

でもTV的見ものとしちゃタカ&小島のほうが笑かしてくれましたね。原稿用紙まで出して放送作家並みのノリでネタ書き込んだ打ち合わせの段階では、小島がTシャツ短パンで着衣。それが本番行っていつもの全裸ブリーフじゃ、観客が“おっぱっぴー待ち”モードになっちゃうのも無理ないですわねぇ。

「ピンじゃ、売れても不安。がっちりツッコんでくれる相方がほしい」と小島に言わせ、「任せてよ、13年漫才ばっかりやってきたんだから」とタカ。おい13年かい!でもオマエボケだったじゃん!と、これだけで、タカアンドトシのブレイク前を知る者には爆笑です。

タカ「オマエなんだいつまでもそんなカッコウで!服を着ろ服を!」と最後のほうは、“キレついでに脱いじゃったカンニング竹山”みたいだった。んでまた、一応筋肉締まってるのが売りの小島が穿くとメタボリック・タカの短パンブカブカズルズルなんだな。いちいち爆笑。

M1チャンピオンOBということで、楽屋ネタ打ちモニターだけブラックマヨネーズがコメンテーターとして出演。これは意味がわからないしもったいなかった。『くりぃむナントカ』からの、言わば残業と取られても仕方がない。ふだん視聴者・観客の目に触れない“ネタ打ち”にどれだけ可笑しさがあるかは年末年始の『ドリームマッチ』で一般的に立証済みなので、お笑いの楽屋裏を商品化するならもう少しハラくくってほしいところ。

それにしても、073月に『爆笑オンエアバトル』3連覇成らずで“野に放たれた”タカアンドトシにとっては、“ガチ漫才ネタ披露できないフィールド”(←ヒナ段馴れ合いトークやバラエティ賑やかし役)でも、“まるっきし使えないわけじゃない”をどうにかプレゼンして“ギリ踏ん張った”1年間だったような気がします。

踏ん張るについてどれだけプレッシャーかかったかは、キレ脱ぎタカの“人間としてギリ”なカラダの輪郭線に見事に現われていましたね。頑張れタカ。2年後ぐらいに最愛のトシを“若くしてクモ膜下出血で相方を失って就職活動”なんて立場にしないであげてね。焼きそば弁当おかか味、醤油味、塩味、ぜんぶ買って食べてるからさ。おかげでこっちも軽くメタボ付き合ってあげてる(特に非高齢家族)からさ。

 彼らが1年間表舞台から忘れ去られず失墜せず“踏ん張り切れた”原因は、もちろん若手の中で数少ない“露骨関西吉本臭のなさ”もありますが、先輩や同僚に“あんまり嫌われ叩かれなかった”、つまりはオリエンタルラジオみたいなポッと出天狗っぽい、ブイブイ言わせてるっぽい空気を身に纏わなかったから、それに尽きると思うのです。

しかしこのことは、言い換えれば“「漫才うまい、できる」の評価のわりにはさほど誰からも興味持たれなかった”からとも言える。

テレビ朝日がくりぃむしちゅーの後を“お笑い技量のわりにあまり興味持たれてない”彼らに託したのは、ある意味チャレンジだし、タカトシ自身にとっては『黄金伝説』でのサバイバル披露もろもろは「この日のための長く辛い伏線だった!」ってぐらいのラストチャンスでしょう。

さまぁーずの「××かよ!?」にも対抗でき得る「××かっ!」というタイトリング語尾を持てただけでも一目(もく)もらい。4月スタート、9月まで、いや夏休みまでがヤマか。ご当地タレントくん、積極的に視聴しましょう。BBSにも書き込みましょう。

いやしかし、そんなにタカトシ好きだったかな月河。

『花衣夢衣』は第12話。金沢に友禅修業に出た真帆(尾崎亜衣さん)と運命の人・呉服店息子羽嶋将士(真嶋秀和さん)の出会い。路上でぶつかってドンピシャ「なんて感じ悪い、イヤな男(or女)だろう」→恋愛感情、ってそれベタなラブコメコミックじゃん。時代設定は昭和28年ですが、お話を前に進ませる方法論は、かなりバブル期です。

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ナウなヤング

2008-04-14 20:02:28 | アニメ・コミック・ゲーム

『炎神戦隊ゴーオンジャー』13日がGP9でした。同じスーパーヒーロー枠の『仮面ライダー』では「現場で78話を撮影している頃、第1話が放送される」と、スタッフさんのインタヴューで読んだことがあるので、1話を観ての視聴者の反応食い付きがスタッフキャストの耳に入ってきて、現場にフィードバック第一弾として反映されてくるのがまさに今頃ということになるのでしょう。戦隊は仮面ライダーより人工的な合成シーンが多いイメージがあるので、CGなどに回すタイムラグも考慮してもう少し先行して撮っているかもしれない。ジャンクワールド屋外シーンでは範人(碓井将大さん)の息がまだ白かった。

レンズ蛮機に瞬間移動させられてゴーオンジャーに変身できないという設定のもと、その範人と早輝(逢沢りなさん)が生身アクションでウガッツ相手に大活躍。ともに91年生まれで16歳の碓井さんと逢沢さん、闘うヒーロー&ヒロインとしては手足が長いほうではなく、格闘アクションに最適な体格とは言えませんが、ジャンクワールドの隠し工場の狭い空間限定という演出上のサポートがあったとは言え、身体の切れはなかなかです。特に碓井さん、手すりを平行棒にして身体を支えての両脚キックは吹き替え?と何度も巻き戻してみましたが、どう見てもノースタントらしいラッチ(←レンズ蛮機が伝染った)。

おふたりとも“変身できなくても強い!”と見えるように撮ってもらってるという快感にも後押しされて、リハーサルの倍以上身体が動いたのではないでしょうか。生身俳優さんたちがこれだけ動ければ、今後のエピソードでも、変身しないことを前提にいろんな脚本のバリエーションができそう。

いままでのエピソードで、こんなとき何やってんの?と思うこともあった早輝のクチ癖「スマイル、スマイル」も、ケーキ屋さんを目指して入門した製菓専門学校で味オンチと言われ中途挫折…など「こうなればいいな、と思ったことがたいていうまくいかない」というネガティヴ体験連続の裏返しだったんですね。一緒にジャンクワールドに飛ばされたのが、逆風のときほど「明日は明日の風が吹くさ」「なんとかなるよ!あきらめなければね」とポジティヴな範人で良かった。レギュラー5人の中でこの2人が“年少組”という設定も効きました。

チームヒーローである戦隊における、女性戦士のキャラづけって結構、難しい部分があると思います。月河が久しぶりに戦隊を復帰視聴した04『特捜戦隊デカレンジャー』ではイエローとピンクが女性、以後05『魔法戦隊マジレンジャー』06『轟轟戦隊ボウケンジャー』と女性2人体制は3年続きました。

『デカレン』塚田英明Pのインタビューだったと思いますが、「チームで女性メンバーを1人にすると、“女の子”的要素をすべて1人が背負わなければならない」という話があり、なるほどなと思った記憶も。

確かに『デカレン』ではデカピンクが、「ワタシがリーダーよ!」という上昇志向と「寿退職あこがれちゃう」というちゃっかり面、わかりやすい“女の子要素”を持ちつつ、デカイエローが“クールでミステリアスだけど悲しい過去も持ったミス・不思議”を表現してくれたため、ふたりともまったくバッティングせず、かつ埋没しなかった。

 『マジレン』は家族・きょうだい設定を存分に活かし、奔放で発展家で楽天的な姉マジピンク、家族思いで努力家で忍耐強いが本気で怒ると怖い妹マジブルー、しかもオクテの妹の方が言わば“居候”の先生・ヒカルと恋愛して先に結婚…と、“母性”“家政性”“妹属性”“色気”をうまく住み分けさせた。

『ボウケン』では、男女メンバーを通じていちばんシビアでプラウドなキャリア志向に設定されたピンクが、プロ意識から徐々にチーフにラブ、天然ちゃんのイエローが、兄ポジションをともすれば踏み越えそうになるブラックと“お守り”したりされたり、とこれまた初期設定キャラと相反する意外性を随所で使って渡り切った。

今期の我らが『ゴーオンジャー』イエロー早輝は、彼女たちに比べるとやはり塚田Pが『デカレン』の時点で危惧していた“男の中に女がひとり”の息苦しさからは自由になりきれていませんが、GP9まで見る限り、“料理好きで世話焼きの擬似お母さん”をブルー・蓮(片岡信和さん)が(たとえばバイトのほうに熱くなっちゃうなど)戦闘モティベーションがあやふやで危なっかしいけど、局面では意外に頑張り屋でムードメーカー”の“お転婆妹キャラ”をグリーン・範人が、それぞれ引き受けてくれているおかげでずいぶん荷が軽く、風通しよく、観やすくなっている。

今回見せた“スマイルアピールに秘めた寂しさ挫折感”“落ち込みやすさと立ち直りの早さ”“甘い物好き、作るのも好きだけど腕が伴わない”などは、“わかりやすい女の子っぽさ”の中でもいちばん、見てて疲れない、好感が持て反感を買わない要素だけエッセンスのように集めました。脚本としてはかなりのグッジョブです。

あとは演じる逢沢さんが早輝をどれだけ魅力的にプレゼンして、脚本演出をインスパイアできるかにかかっているとも言えます。

そして『ゴーオン』のもうひとつの楽しみは毎回の蛮機獣。レンズ蛮機くんも“マニアックな老写真屋さん”を思わせる風貌でなかなかキュートでしたよ。日本に写真機が入ってきた幕末~明治時代は「魂を吸われる」と怖れていた人も多かったようですが、「はいっバター」でシャッター切られると人間が消失、実はジャンクワールドに転送されていた、という設定は、当時の日本人の“魂吸われる”観と相通じるものがある。

レンズ蛮機くんがいきなりアナログカメラ前提の造形で、「~~ラッチ、パパラッチ」をクチ癖としながらも、携帯でデジタル写真秒殺撮られる時代の我々が“写真”に対して持つ悪いほうのイメージの代表=“覗き”“盗撮”“肖像権やプライバシーの侵害”といった要素を一個も持っていないのがおもしろかった。フィルム型のシッポで鞭打グルグル巻き攻撃なんて、アナログを通り越してアナクロで笑っちゃいました。

ショウキャク蛮機には煙突塞いで「お通じが…」、スプレー蛮機には噴霧レバー=アゴ粉砕、今回のレンズ蛮機には「カメラがいちばん苦手なのは…」「そうかよっしゃ!」→(太陽背にジャンプ)「逆光は苦手でショ?」と、ゴーオンジャー諸君、弱点をプラグマティックに、即物的に衝いて来ます。斬らば日は背に。ちょっと『眠狂四郎・悪女狩り』なんか思い出させます。

害気大臣キタネイダスの“ウガッツ補完計画”で光線?を当てられ原料スクラップにされかかった人たち、転送されたときの服装のまま顔と手・足元だけスクラップ、という描写も、始祖・石ノ森章太郎さんワールドでなかなかそそられました。本当に細かいところまで手を抜かない番組です。

毎回「あーおもしろかった、次が楽しみ」で30分を締めくくってくれて、一週間後にはその「楽しみ」に必ずこたえてくれる、日曜ごとの幸福な相互循環。TV番組はこうでなくっちゃね。

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それはレジオネラ

2008-04-13 16:21:33 | アニメ・コミック・ゲーム

そう言えば先週10日(木)は新年度で放送曜日・時間の変わった『爆笑オンエアバトル』をナチュラルに視聴忘れてましたよ。録画も忘れてた。2440~となると、如何な不良中年月河とて出会いがしらTVとお友達とはいかない時間です。

それにしてもずいぶんあっさりと、忘れも忘れたり。そんなにトータルテンボスに熱入れて見てたつもりはないんだけど、彼らのチャンピオン戴冠とともに、ここまでオンバトという番組自体への興味も薄れるとは我ながら意外。新年度一発めの放送で目撃した金色 主調のセットがよほど癇にさわったのかな。

次回17日の放送にはラバーガールランチランチノンスモーキンハマカーンと軽く贔屓の組が多数挑戦するので、心機一転復帰視聴する最後のチャンスだろうな。

“贔屓がオンエアされる(かもしれない)から見る”、この姿勢では50%も楽しめない性格の番組ではあるんですけど。

昨日は『ザ・イロモネア』も前半6割ぐらい見逃してしまった。今季から土曜のレギュラー番組になるので、その言わばパイロットSPらしいです。午後7:00にTVナマ視聴って、結構、大変だなあ。子供の頃はラクだった。

次長課長藤崎マーケットはちょっと見たかったけど、エド・はるみが出てきたところで視聴やめてしまいました。

この人がどうにも嫌いな理由が自分でもよくわからなかったのですが、もう10年以上前になるのか、お笑い・バラエティ界に“天然”という言葉が定着した頃、「そんなの笑えないよ」と釈然としない気持ちでいた時期が、月河にはありました。“天然”を笑いの対象として見出す、それは主体のセンスの鋭さ斬新さ慧眼さをこそ嘆賞すべきなのであって、客体として何の努力も工夫もしていない、生まれたままの素材でテクスチュアでそこに存在しているにすぎない“天然さん”を、さもユニークで稀有で才能あるかのように誉めそやすのは間違いだろうと。

エド・はるみというピン芸人を見ていると、「“天然”っつってチヤホヤ有難がるのは好きじゃない」と思った、その皮膚感覚を逆撫でにあてこすられているような気がしてくるのです。

「おっしゃる通りよね、じゃあホラ、ワタシはこんなに計算し工夫し作り込んで、笑いを、ウケをとっているのよ、あなたの否定の真逆を行っているでしょう?だからワタシを肯定したらよろしいんじゃなくって?」と流し目で促されているような気がしてしょうがない。またこの人、“作り込んでるという、そのことをそっくり手柄にしている”ような芸風なんだ。

確かに「“天然”をもてはやすのはいただけない」とは言ったが、計算して工夫して作り込みさえすればいいと言った覚えもない。否定の否定は肯定、ってわけではないのです。早のみ込みしていい気になってんじゃねえよ、ってことです。

さっぱり贔屓も情報もない今年の桜花賞、『スーパー競馬』からリニューアルして悪い評判しか聞こえてこない『みんなのケイバ』(フジテレビ系)を初めて見ましたが、ゲストの『仮面ライダー響鬼』ヒビキさん=細川茂樹さんが、なんか空手コントのはんにゃの片方みたいになってた。

小牧太騎手のレジネッタ。なんか循環式の温泉で感染する肺炎みたいな名前。思い入れがないと、これだけクラシック第一弾桜の女王にも冷たくなるものか。やはり春クラシックは社台の服。母父がサンデーサイレンス。これまたやっぱりですね。

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