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10月に訪れた「近くて遠い町」朝日町宮宿シリーズも今回で終わりとする。
本当に宮宿は「近くて遠い町」である。
地図で見るなら朝日町は山形市の西隣の町で、山形市域の西のはずれを越えたらもう朝日町である。しかしやはり遠い。
同じく山形市の隣の市町としての上山市や天童市にはJRの列車を使えば片道230円。
ところが朝日町の中心部たる宮宿に行くのに公共交通機関を使えば優に1000円を超える。しかも恐ろしく時間がかかる。
JR左沢線で左沢までは約50分。左沢駅前からバスに乗り換えて約30分。
そのバスの本数もひどく少ないし、乗り換えには待ち時間があるから、1時間20分以上は費やす。
これに対して上山駅や天童駅までは約20分しかかからない。
どうして宮宿までにはそんなに時間がかかるのかと言えば、山形市と朝日町の間には「白鷹丘陵」があり、最高峰は白鷹山の992mであるが、平坦部の作谷沢高原も標高は500mほどだから、やはりかなりの山越えになる。
以前は確か作谷沢高原経由の直通バスがあった記憶があるが、とっくの昔にその路線は廃止されている。
ところが皮肉なことに、そのバス路線が廃止される頃から山形・朝日町間の道路整備が進み、舗装化や拡幅化により朝日町から山形市へのマイカー通勤者が激増した。
だから、マイカー族にとっては朝日町はさほど「遠い町」ではない。
でも、クルマを持たない私のような者にとっては他県にでかけるほどの「遠い町」である。
新幹線を使えば福島県郡山市まで同じ時間で行くことができる。
なんとも「道路整備が進めばバスが不便になる」とはあまりにも理不尽なことであると言わざるをえない。
長々と朝日町への交通アクセスの不便さについて述べたが、山形市に住む私のような者にとって不便極まりない「遠い町」である宮宿もかつては賑わいのある栄えた町であったことを偲ばせる豪壮な土蔵が散見できたので、いくつか紹介したい。
なお、11月7日付けの記事「淋しい街を歩いたら・・・(3)」で紹介した土蔵は割愛する。
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