山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

内側も異次元空間・・・旧済生館三層楼

2007-05-02 23:26:24 | 建物
 かつては市街地のど真ん中に威容を誇っていた旧済生館三層楼も今では“深層の老令嬢”のように深い森の奥にたたずんでいるようなものである。
 霞城公園(山形城跡)の桜が開花している時は確かに訪れる人も少なくない。しかし、桜が散れば訪問者も格段に減る。その減少した訪問者の多くは外周から外観だけを眺めるだけで、入館する人は更に少なくなる。
 確かに外観を眺めるだけでもこの建物の奇抜な美しさに感動する人は多い。
 だが、三層楼の素晴しさは外周からの眺めだけにあるのではない。中に入ってからの眺めは一層感動を呼ぶはずである。広い内庭を挟んでの回廊からの眺めは誰しもまさに異次元空間に迷い込んだかのような驚きを覚えるであろう。
 かつては病院であったが、訪れた病人もこの回廊に足を踏み入れるや、あまりにもの別世界的な空間に接し一瞬ながらも自己の病気のことを忘却したことであろう。
 それ故に、この建物は「明治建築の華」とか「擬洋風建築の最高峰」とまでの高い評価を得ているほどなのだから、わざわざここまで来訪して入館しないで引き返す人たちが多いのはまことに惜しいことである。
 なんとか1人でも多くの人に内部に入ってもらう手だてを講じられてほしいものである。市民の知恵を・・・!
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