あと7日だ・・・休み明けに各中学で実施される実力試験まで。
中2の数学・理科・社会はほぼ仕上がってきているが頓挫しているのが英語だ。中間や期末など恣意的な問題が多く、実力を測りにくい試験にまみれているうちに、そうではない実力試験で手ひどくやられる。中間や期末はまあまあだけど実力試験が・・・という輩は単に実力がないというだけだ。その意味で実力がない生徒が半分ほど、このクラスの底上げが急務だが・・・これがなかなか難しい。危うい生徒には極力毎日塾に来るように言ったが、さすがに中2の今の段階では危機感もない。
そんな逡巡をしていると、ドアが開き顔を出す・・・髪を染めて帽子をかぶっているが遼太(34期生・金沢大学医学部2年)。
こっちの自動車学校に通っていることもあり、顔を見せられなかったとか。それを押しての魅力が俺になかったわけだ。・・・皮肉はともかく、無事に免許取得。もう金沢へ帰るとかで土産持参で挨拶に来てくれた。帽子は似合う、しかし写真を撮る段になって「これじゃ僕ってわからないでしょう」と帽子を脱ぐ。おいおいおい、見得を切れるようになったやん!
ということで土産を掲げてのスナップ・・・冬に帰ってきてくれると、大所帯の高3で気が狂いそうな俺としては本当に助かるわけで。
ふと気づく・・・既視感。この土産、最近見てるな・・・あっ、アキラの親父が俺にくれた・・・いつ・・・昨日・・・どこにある・・・塾にない・・・おいおいおい。すかさずダイヤモンド滋賀に電話、「昨日403号に泊まった中山ですが、部屋にお菓子置き忘れていませんでしたかね」「しばらくお待ちください」・・・「はい、預かっております」
毎年2回、春と秋に会う。出会ってから半世紀だ。酒を飲み、マージャンをして、一晩過ごす。
今回はアキラの親父から泣きの1回、夏季講習真っ只中の俺に「頼む、8月に会おう」 さすがに場所は俺のことを考えてくれたのだろう、三重県境から近くのダイヤモンド滋賀、客室で囲まれた空間が吹き抜けになってる30年ほど前に流行った造作。シュウちゃんは今回のことを奥さんに次げたのは前日。結婚する娘が「最後に旅行をしようと」との誘いをはねつけてきたなかでの今回の旅行・・・「誰と行くの」「ああ、いつものメンバーや」「娘との旅行は行かないのに」「アキラの親父がな、大きな手術するらしい。今回会えなかったら、もう一生会えないかもしれない」 シュウちゃん、営業うまくなったやん。次に殺されるのはたぶん俺やな。
駐車場は他府県ナンバーばかり、ホテルの客層は小さな子供を連れたファミリーが半分。あとがゴルフウェアが異常に目を引く老年組。さすがにマージャンをしに来た客はいないだろう。そのマージャンでは半荘4回、2回だけトップを取らしてもらった。しかしアキラの親父に痛打、ホンイツのドラ赤単騎に打ち込んでしまった、俺もまた筒子の大車輪のテンパイ。ついつい欲をかいてしまった・・・まだまだ甘い、この面子と打つとそう思う。
遼太は彼女ができたそうだ。雰囲気はいい、あの堅ぐるしい雰囲気はなくなった。やはり大学はいい、人生の夏休み、しがらみを解き放つ。しかし彼女ができたそうだ、なぜか腹が立つ。相手は薬学、クソッ、総合大学、羨ましいやん。近々、金沢だ。彼女をいじりにいってやる。彼女がかわいかったら、いじり倒す。
しかし金沢より、まずダイヤモンド滋賀。英汰が「こんなうまいお菓子、初めて食べましたよ」と言った土産の回収だ。
大学はいい、なりたい自分になれる。
午後11時から悠人(津3年)の諮問試験を挟んで延々と4時間。中3の昨日の授業を踏まえたうえでのプリントを打ち終えた、4枚。明日、解説して試験に入る。
やはり気分はいい、性格が悪くてもアイツ等と過ごすと昔に戻れる。