今日からNHKの大河ドラマ「平清盛」が始まります。
今日はこのドラマにも出てくるかも知れない、平家の薩摩守(さつまのかみ)と無賃乗車についてご紹介します。
薩摩守とは本来、薩摩国(現在の鹿児島県西部)の国司で、行政・司法・国務一切を総括する長官職を言います。
ところが、薩摩守が無賃乗車を意味する隠語として使われていると云うので調べてみました。
大河ドラマの主役である平清盛の異母弟に伊勢平氏の頭領であった平忠盛(たいらのただもり)という武将がいます。
その平忠盛に1144年(天養元年)六男が誕生し、その名を平忠度(たいらのただのり)といいます。
平忠度は歌人としても優れており、勅撰和歌集には11首が入集されていますが、武将としても治承3年(1179年)に伯耆守(ほうきのかみ)、治承4年(1108年)には薩摩守(さつまのかみ)の官職についています。
その薩摩守が 無賃乗車の代名詞に使われているのです。
もうお分かりですね。
薩摩守・平忠度(たいらのただのり)は諱(いみな)が「ただのり」であることから、忠度の官名「薩摩守」は無賃乗車(ただ乗り)を意味する隠語として使われるようになり、無賃乗車のことを薩摩守というそうです。
この事は現在に始まったことではなく、狂言でも渡し船をタダ乗りしようとする僧を題材とした「薩摩守」という演目があることから、古くから使われていたと考えられているそうです。
平忠度(たいらのただ乗り)が薩摩に赴任してきたために、「薩摩守」の官名はとんだ迷惑を被ったものですね。