梅雨前線
2011-07-05 | 雑学
昨夜、大阪南部の熊取地方は激しい雷雨に見舞われました。
稲光と同時に大きな雷鳴が響き、その後“バケツをひっくり返した”と云う形容がぴったりするほどの豪雨が十数分間続きました。
天気予報では大陸に北上していた梅雨前線がゆっくり南下し、昨夜のこの時間に近畿地方を通過したようでした。
そこで今日は、昔、中学校で習った梅雨前線について取り上げました。
先ず「前線」とは、元々は戦争で敵と味方が接する境界線のことですが、気象用語では、寒気と暖気の境目を意味して使われています。
寒気の勢いが強くて暖気を押している場合は「寒冷前線」と言い、その逆の場合は「温暖前線」と言います。いずれの場合も上昇した暖気が上空で冷やされて雲が出来、雨が降りやすくなります。
「梅雨前線」は寒気と暖気の勢力が釣り合っている「停滞前線」の一種です。
温帯低気圧に伴う寒冷前線や温暖前線は、普通は数日で西から東へ通過しますが、梅雨前線は1カ月以上も停滞します。
この梅雨前線は、南に勢力を持つ太平洋高気圧と北側にあるオホーツク海高気圧の間にできます。これらの高気圧は偏西風の影響を強く受ける比較的小さな温帯低気圧とは異なり、動きが鈍いのが特徴です。
このため梅雨前線は長いこと同じ場所に居座ることになり、南北の高気圧の勢力差によって梅雨の時期が毎年違ってくることになります。
一般的には、太平洋高気圧の勢力が強くなり、前線を北に押し上げ、やがて消滅し、本格的な夏へと移行します。
今年は5月下旬から梅雨前線が太平洋側に停滞し、6月中旬から下旬にかけて太平洋高気圧が強くなって前線を北に押し上げました。
このため各地で6月としては観測史上最高の気温を記録したようですが、7月に入り再び梅雨前線が南下してきたと云う天気推移になっています。