別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

吾木香

2010-08-05 | 自然や花など

 

 近くの家で もう吾木香が咲いていた。 伸びすぎた小さな秋が、 足もとまで踊り出ている。 吾木香はくすんだ色をして、 無口で寂しい… ぽつんぽつんと気ままじゃないの そんな詩も思い出される。

           -☆-

  寂しさの極みのような吾木香も、 ほんとうは紅を秘めてしゃんとしているのだ。 そんな思いもこめられていたか… 埼玉の歌人 三ヶ島葭子の唯一の歌集は 「吾木香」だ。 生涯に六千余首の短歌を残し 四十歳七か月の若さで旅立った。
  (所沢市教育委員会発行  三ヶ島葭子Ⅱ)


  君を見ん明日の心に先だちぬ夕雲赤き夏のよろこび   
  春の雨けぶる欅の梢よりをりをり露のかがやきて落つ

 しみじみと 語句をたどる。 心に沁みることばだ。 
  夕雲赤き…  
  露のかがやきて落つ…
  
  困難は ひとをつよくするし 心を深く
するものだと思う。    

   
 ご案内

   埼玉の文学    三ヶ島葭子資料室 
  
    
   あきる野市デジタルアーカイブ

 

 

コメント (2)
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