別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

切りとり名人

2010-06-06 | 自然や花など

  

  薔薇に近づいては、 あの葉っぱ、 この葉っぱ、 羽音をさせてしばらく品定めをつづけた。 古い葉はよけて、 まだ新しいのに跳び乗った。
  柔らかな葉に必死でしがみつく。  蜜蜂ではなさそうだ。

  あれぇー  何するの

  すごい早業!

 

  カミソリをあてるような なめらかさで、 滑るような 紙切りの術。
 みごとな技に息をのむ。 怒る気にもなれない。  ものの5秒、 予期せぬ出来事に茫然とし眺めるだけ。
    

  鉢の縁側に休んで葉先を丸めるようなしぐさ。 びっくり! 工夫が働く…  持ち運びまで考えている。 

  蜂はやおら飛び去った。 が、 陽を受けて明るさを増した若葉の小片は目印になりやすく、 すぐにみつかる。

 緑を両腕に抱え、 逆風にもまれながら空中をユラユラと移動した。 巣は棕櫚の木のてっぺんにある。 切り取った葉を、 巣房の壁や間仕切りなどに使うという。 緑色した小部屋とは、子育てにもよい環境だろう。

 行ったり来たり 若葉のボードを何枚も手にいれた蜂に、 拍手を贈りたい。
  「バラハキリバチ」のすばらしい技、 小さな虫の叡智に驚いた。

  またも緑がユラユラと昇っていく。 ただよう楕円はサーフボード、 胸毛の厚い真っ黒な強面が乗っている。

  こんな葉を見たことはありませんか、  どれも ハキリバチの作品です。

              

  
  チュウレンバチもやってきて 薔薇の茎に卵を産む。 
  喜んでばかり居られない。