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ドアの向こう

日々のメモ書き 

落水荘

2006-10-24 | 別所沼だより
 羊歯のかたわらでホトトギスが寂しげな花をつけている。 今日も一日、寒いくらい降った。

  斯くの如く秋の時雨に濡れ申す    虚子
  秋時雨ズボンも細く濡れ果てし     汀女

 さながらの外出だった。 時雨とともに暮れる秋。 夜は楽しみにしていた番組を見る。

  20世紀の名住宅物語 
  第1回「浮世絵の啓示~フランク・ロイド・ライト 落水荘~」 
 1937年竣工。 70年まえ、浮世絵を6000点以上も収集したフランク・ロイド・ライトもジャポニズムに魅せられた。 のちに帝国ホテルの設計もする。 
 「滝を眺めるのではなく、滝とともに暮らす」 滝の上にエドガー・J・カウフマン家の別荘を建てる。 奇抜な発想にびっくりだ。
 明るいアプローチから、ほの暗い玄関を抜ける。 一階のリビングに入った途端、目の前が開け果てしなく広がる。 豊かなみどりや明るいひかりに、客は思わず息をのむ。

 ことさら天井を低くしたのは、その圧迫感から 視線を外に向かわせることを意図した。 広々とした居間、 開放感のある窓、 その周りはぜんぶ森だ。

 自然と住まいが渾然とするデザイン。 「自然はただ眺めるものではない。 自然とともに暮らすことだ」 
 こころよく響く。
 渓谷の岩盤は、リビングの床のいちぶとしてあるがままに組み込まれ。 室内にちりばめた日本趣味もさり気なく。 もてなしの「ザブトン」 と呼ばれるクッション。 暖炉のそばに自在鈎を模したオブジェ、 塗りの大きなやかんが下がっている。 回転させると暖炉の真上にきた。 しかし、使ったのはたった一度だけ。 漆器がはげるから… 

 夫人の部屋には広重の「堀切の花菖蒲」が飾られていた。
 また、ガラスしたの階段から つまり家の中から水辺に降りられる。 蛙庵には願ってもないことだ。
ガラスしたは階段
      
 


 





 自然と一体になる住まい…  人間もまた自然の一部  
浮世絵に習う夢の住まいを愉しんだ。    写真は TVから

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