退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「思いがけない『人物』との出会いあるいは意外に面白味に欠ける映画」について

2020-10-29 02:37:04 | Weblog
晴れ。好天が続く。

大瀧啓裕「翻訳家の蔵書」を読む。

ディックやラヴクラフトの作品で名前を知った著者がこれほどの「人物」だったとは。
いやはや恐れ入りましたといった趣き。

久生十蘭が翻訳されることを考慮して「母子像」の文体を変えたというのにふむふむ。
英語の造詣の深さに加えその他の各国語にも通じていて。

おまけにPCやネットもお手のものだから何とも。
小栗虫太郎「黒死館殺人事件」が「パロディ」だというのも著者ならではの見解。

「虚無への供物」の中井英夫と「文通」していたり。
とにかく「凄い人」だとしか言いようがない次第。

日夏耿之介も含めて辛うじて知っている部分を理解したのみ。
米英の作品については全くの「門外漢」。

なるほど英語を極めればこうした「世界」も可能になるのか。
もっと語学に真剣になっていればと思うものの「後悔先に立たず」とはこのこと。

鈴木清順「野獣の青春」(’63)を観る。

期待していたほどの面白さは感じられず全体にむしろテンポが緩いような。
物語は黒澤の「用心棒」(’61)に似て。

「ウルトラマンの隊長」小林昭二が「悪玉」を演じるとこうなるのか。
江角英明の「コメディ・リリーフぶり」が好ましく。

渡辺美佐子、香月美奈子、星ナオミの女優陣は魅力的。
金子信雄は「抑え気味」で信欣三のヤクザの親分がなかなか。

清水将夫はほぼ「カメオ」。
郷鍈治はいつも通りで個人的には上野山功一が懐かしく。

モノクロの映像にパートカラーで始まる一方。
美術に木村威夫がいないので映像の迫力がないかも。

「エースのジョー」宍戸錠は今年初めに彼岸へ。
長男を「開」と名付けたのは古典でその語が「女性の局所」を表すのだと知っての上かどうか。

かの俳優ならやりかねないことだとは思いつつ。
詳細はもちろん不明。
コメント
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