退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「雑誌をめぐる『歴史』と趣き深いロマンポルノ」について

2020-10-28 02:21:49 | Weblog
晴れ。おだやか。

掛尾良夫「キネマ旬報物語」を読む。

そうして始まったのかということと同時に何とも複雑な「歴史」。
ひとつの雑誌に関わる人々の興亡よ。

何度も休刊しては復活し。
編集長や編集方針、寄稿者あるいは金主も変わり。

この「疾風怒濤ぶり」は味わい深く。
現在の姿は未確認だけれど。

個人的にはほんの一時期に買って読んだのみ。
たぶん遥か昔の大学時代のことだと思うが詳細は不明。

それとは別に。

アマゾンプライムからの本人確認のメールになぜかリンクがきちんとされていず。
何度やっても同じ結果に。

仕方なく久方ぶりにGyaoへ。
西村昭五郎「覗かれた情事」(’72)を観る。

エロ小説を書いている夫と「作品を絶対に読まない」と約束した妻。
作品を愛読している友人に唆されて読んだ結果はというお話。

照明・熊谷秀夫の技術を味わう。
光と影の交錯が素敵。

白川和子の下から見上げる時の表情の「うらめしさ」。
丹古母鬼馬二の「野生ぶり」が好ましい(刑務所で歯ブラシを削って局所に埋めた話も)。

「女子の性欲」が認められていなかった時代の作品。
その「解放の果て」は「唐突な終わり」を迎えて。

「私をあなたの小説の中に閉じ込めないで」という台詞が意味深。
つまり「男子の妄想」は「現実の女子の姿」を見ていないと。

ただしそうした展開を全て操っているのが「小説家の弟子」だったり。
その「限界」ゆえに主人公は死んで「別世界」へ。

「女子の生き難さ」を描いた作品。
なかなかに深い「ロマンポルノ」を是非。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする