明治安田の会は2度目ですが、平日にもかかわらず地下道入り口からホールまで、当日券を求める人の列が続いていました。結構年配の方も整理券をもとめて並んでいます。今回もチケットは秒殺でしたからね。本当にプラチナチケットになっています。
ロビーゲストはコミックマイムのヘルシー松田さん。広めのロビーに人の輪ができ、その中で大道芸のようにコミックマイム。最近の劇場にはこういう贅沢な空間はないなー・・・などと思ってしまいました。取り囲む人たちも、普段着。会社帰りのサラリーマンやOLさんもいて、なんかいいな~こういう空気。その輪の後ろのベンチでサンドイッチを食べていたら、私の前を大きなマスクに厳しい表情の皮コートの人が通りました。な・な・なんと、志の輔さんご本人!後ろにお弟子さんや付き人さんたちがぞろっとついて通って行きました。
前座は立川めんそ~れ君。沖縄出身で志の輔さんの4番弟子だそうですが、なかなか華があって好感度高かったです。
志の輔さん登場!先ほどの厳しい表情の訳は喉の不調だったようで、今年最後の新宿をこんなコンディションで迎えて申し訳ないというようなことを仰っていました。たしかに声はやや枯れ気味でしたが、7列目センターだったので、私には問題なく楽しめました。最初の噺「ディア・ファミリー」は「価値観」についてのお話。本当はこのテーマの「はてなの茶碗」をもってくるつもりで関西弁の練習をしたけれど、この噺の軸である大阪人と京都人の根深い確執が、どうしても関西の落語家さんでないと表現できないと分かり、新作を持ってきたとのことです。勤続30周年記念に社長から「鹿の頭の剥製」を贈られてしまった家族の話。父はなんとかその剥製を押入れに収納しようとしますが、荷物がいっぱいで入りません。その荷物というのが「ジューサーミキサー」「餅つき機」「美顔器」「ぶらさがり健康器」「サザエさん70巻」などなど・・もう、思い当たる節があるものばっかりで、場内大爆笑でした。「ディア」は、「親愛なる」と「鹿」をかけてるわけですね、さすが志の輔さん!
松元ヒロさんのニュース・マイムをはさんで2題目は「名人長二」。小室哲哉さんの著作権問題から入り、古典落語の著作権がはっきりしている円朝の大作という紹介がありました。円朝はこの噺を語り終えるのに15日かかったとか。今回は「みなさん、そんなに長いんじゃいやでしょ?」ということでダイジェストで演じてくれました。複雑な出生の秘密を抱える天才指物師の長二が、ふとしたはずみで親殺しをしてしまい、裁きを受ける噺です。この「長二」がしぶい!江戸の花形職人ここにあり!という感じ。決して妥協しないプライドが志の輔さんとだぶる気がしました。エッセンスだけを構成して・・ということでしたが、語るうちに志の輔さんがどんどん噺に入り込み、9時終演の予定が40分もオーバーしてしまいました。でも、通しで全部聴いてみたかったです。
今年最後の新宿、ということで、最後は志の輔さん、松元ヒロさん、出囃子の松永鉄九郎さんが3本締め。にぎやかに幕が降りました。さて、次は新春の志の輔らくごin PARCOです。チケットとれるかな。
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