mitraと夢みた薔薇の世界。
mitraからの「碧が来る前に咲いちゃった。薔薇がどんどん咲いていく!」と、嘆きの便りが何度も来た、寒い日本の春。
遠いペルシャでは、薔薇の莟が柔らかく、花開き、そして散っていった。
テヘランについて真っ先に飛んでいった薔薇園。
mitraに逢うよりも前に駆けつけた薔薇園で、私は、残りの薔薇と二番花の硬い莟を目にした。
照りつける太陽の下、なぜか噴水も上がらず、静まり返った緑の薔薇園で、ぽつりぽつりと咲く薔薇を、私は追いかけた。
花びらが、ひとひら、ふたひら、風にそよぎ、散ってゆく。
満開の薔薇園だけが薔薇園ではない。かわいい莟や、芳しい花びらをりんとさせているだけが薔薇でもない。
散りゆく花の美しさこそ、詩的であると感じられるのは、日本に生まれたからかもしれない。
二人で訪れたイランの薔薇の里。
月夜の晩、満開の日に訪れたらどんなにか良かったか。
二人の切ない想いを秘めて、そして、期待と共に私はトルコの地を踏んだ。
トルコの薔薇農園に、私は何の手がかりのなく向かった。ただ、mitraの「碧に、満開の薔薇を!」という、強い願いに支えられて。
トルコの薔薇の町。
私はそこで一言訴えた。
「私は薔薇を愛しているんです」
薔薇の町で、私が初めてそのことを告げた人は、にっこりと微笑んだ。
「あなたは何て、幸運の持ち主なの!」
その若い女性に連れられ、私は満開の薔薇農園にたどり着いた。
夕焼けの中、農家の小さな女の子と、犬と、子羊という、完璧な取り合わせの中で、私は畑の中を歩き回った。
思い出は、今も私のすねに残っている。
鋭い刺でできた蚯蚓腫れに、私はしばらく気がつかなかった。
薔薇の町へたどり着いたことを、
そして、イランからの絵葉書が、昨日あたりついたとの知らせをあちこちからいただいて、今、私は旅の終わりをしみじみと感じている。
さらさ、留守番をありがとう。
そして、mitraとの出会いを感謝して…
碧
絵葉書、ご好評をいただきまして感謝、感謝です。
引き続き、お楽しみくださいませ。
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碧のイラン・トルコ紀行、またこの薔薇の町の詳細は、イスラミック・ブルー
にて、徒然に書いてゆく予定です。
私も、エジプトで真っ先に買ったのは薔薇の香水でした^^今も時折、あの辺りの土地を感じるために薔薇の香りを楽しんでいます♪
mitraのところで読みましたよ。エジプトとは又違った薔薇の香りです。
香りって、思い出と密接ですよね。
ここも、匂いたつような文章を書くのが夢です。
満開のバラ園にたどり着いたとき、その女の子は、天使に見えたのではないかしら。。。
さぞかしバラの香りに夢のようで幸せ一杯だったことでしょうねーー。
育てるのはともかく、誰しもどこかでであった薔薇にほっとしたことが1度や2度はあるのでは?薔薇もいろいろですもの。
本当に天使ちゃんでした。
私だけだったら、写真を撮らずに帰ってきてしまったかもしれません。それほど、我を忘れて、畑の中を歩き回っていました。
現実をかみ締める今、本当に夢だったのでは?と、mitraと確認中です(笑)