小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

西村幸夫町並み塾

2005年04月16日 | 活動日記
石川県加賀市で開催された、西村幸夫氏(東大教授:都市景観保全の権威)の町並み塾に参加しました。
昨年度も加賀市で4回開催され、そのうち3回参加しましたが、今年も開催されると聞き参加したものです。昨年参加した3回の塾では、沖縄県竹富島で町並み保存に活躍されているリーダー、秋田県角館町の元町長、新潟県村上市の観光カリスマの方の、それぞれ貴重な講演を聞くことができました。

今年は、北海道函館市の旧市街地の都市再生に長年尽力されている、「函館元町倶楽部」の村岡氏から「函館のまちづくり」と題した講演を聞きました。

【講演の概略メモ】
函館は司馬遼太郎の「菜の花の沖」で知られる高田屋嘉平衛の活躍や、北洋漁業で巨万の富が蓄積し栄えます。函館は大火の多い都市であることと特殊な土地形状であることから、中心市街地が東へ移動し、旧の中心市街地がいわば使い捨てられたことから、結果として歴史的町並みが残りました。
一時はゴーストタウン化していた旧市街地ですが、その後第一次西部開拓(旧市街地は西部地区と称される)、第二次西部開拓、第三次西部開拓と、30年以上にわたる息の長い都市再生によって現在の観光都市の地位を確保しました。
この西部開拓の中心は建築物の再生です。第一次では比較的規模の小さな建物を再生し、ペンションや飲食店などに蘇らせました。
第二次では旧函館郵便局舎(ユニオンスクエア)など、大きな物件の再生が進められ、第三次では、若者たちが無理せず楽しみながら旧い建物を再生し飲み屋街などを形成していきました。
建物の再生が都市にいのちを与えるというわけです。

【橋立地区見学】
講演終了後、会場となった橋立地区の会館の周辺部を見学しました。この加賀市橋立地区は昔、北前船で栄えた地区で、会館の手前は北前船の船主邸を利用した「北前船の里資料館」があります。そして、この地区一帯が船主の屋敷が多く残っていることから、今年4月に「伝統的建造物群保存地区」に指定されました。指定地区内を町並み案内人の金沢工業大学の山崎講師と共に参加者全員で見学しました。
ここ。橋立地区は伝建地区に指定されたばかりで、まだ町並みの再生も進んでいないので、説明を聞かなければ、どこにでもある風景のように感じます。しかし、今後、伝統建築物の再生が進み町並み整備が進んでいけば観光地として十分なポテンシャルがあると感じました。全国でこうした町づくりが進められており、魅了のある観光地が次々と現れてくる現実を垣間見ました。
(写真は北前船の里資料館)