小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

原子力発電所の新検査制度の住民説明会

2007年12月05日 | 活動日記
文化会館で開催された、原子力安全・保安院による「新しい検査制度における保全活動の充実に関する住民説明会」に参加しました。
説明会での内容は専門的で難しいテーマですが、かいつまんで簡単に説明します。
(私もそれほど詳しくないので間違っているかもしれません。)

従来、原子力発電所の定期検査制度は、国が重要度の高い設備のみを定期的に検査し、他の機器は事業者が保安規定に基づいて保安活動を実施していました。
これを、平成12年と平成15年にそれぞれ、JCO事故や東電問題を踏まえて検査制度が見直しされて現行の検査制度となっています。
現行の検査制度では、従来の定期検査に加えて、事業者が行う検査(定期事業者検査)についてその実施体制を国が審査するとともに(これを定期安全管理審査といって通常は略して安管審と言う)、保安規定に基づく保守管理業務や運転管理業務などの保安活動全般に対しても、保安規定の遵守状況を国が確認する保安検査が導入されました。

そして、今後は更にこの検査制度について、①プラントの特性に応じたきめ細かくメリハリのある検査 ②運転中の検査の充実 ③ヒューマンエラーや組織の問題による事故・トラブルを減少させる目的で、新たに追加する項目として、
①設備の保全の基本的な方針 ②定期検査毎の保全計画の作成 ③保安検査項目に運転中検査の強化を追加することになります。

そして、①プラントの特性に応じたきめ細かくメリハリのある検査の実施の中で、新たな制度としてプラント毎の原子炉停止間隔の設定がある訳です。

ところが、この停止間隔の設定のみにスポットを当てた報道の結果、原子力発電所の検査が、あたかも縮小化、簡略化でもするかのように伝わってしまったように感じます。今日の説明会でもそうした懸念の声がありました。これは全く逆で、むしろ検査が充実強化される方向にあるということを理解しておく必要があります。
その上で、①順調に動いている機器を分解点検することでかえって故障を誘発する場合があること ②起動停止の繰り返しによる設備の負担 ③作業員の被ばくが多いなどの課題への対応を行うということだと思います。

説明会では地域経済等の影響を懸念する声もありましたが、これも運転中の検査の充実など、一時に集中する点検業務が年間に平均的に発生する方向になると思いますので心配するような懸念はありません。少し勘違いされているように感じました。