日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

がんばれ!「街の喫茶店」応援団~前編

2008-03-31 | マーケティング
本日3月31日は世間一般は「年度末」。皆さまも、忙しくバタバタと動き回ったのではないでしょうか。

弊社は2月決算ではありますが、3月はさすがに世間の皆さまが年度末を迎えられるわけで、お付き合いで私もかなり忙しい日々を送らせていただきました。そんな3月に都会の街角で思った外食業界話をひとつ。

忙しいビジネスマン同士が外で打ち合わせをしたり、忙しいアポとアポの合間に寸時を惜しんで資料確認をしたりするときに、探すのが喫茶店。ところが最近は、適当な場所を見つけるのが一苦労なんです。街に溢れる喫茶の類は、たいていドトールやらエクセシオールやらスタバやらのカフェ・チェーン店ばかり。早くて安くてでもそこそこお洒落でけっこうなんですが、落ち着いて話をしたり資料を広げたりは、どこもちょっとねぇというスタイルです。ホント、難儀してます。本当に最近はいわゆる「街の喫茶店」って減ってしまったんですよね。

喫茶店業界は80年代に登場した「ドトール」に代表される、いわゆる当時言われた“100円コーヒー”の台頭が、「大競争時代」の幕開けを宣言したような状況でした。「ベローチェ」など同業がこれに続き、80年代後半~90年代前半には急激に“100円コーヒー”は店舗数を増やし、「安いコーヒー」の時代を確立したのでした。それでもこの時代の「街の喫茶店」は、“100円コーヒー”との棲み分けを「味の良さ」に求めることで、かろうじて存続の道を歩めたのです。

しかし決定的なダメージは90年代後半以降、相次いで登場したシアトル系と言われるコーヒー・チェーンの乱立でした。その代表格が「スターバックス・コーヒー」。「エクセシオール・カフェ」や「タリーズ」がこれに続き、一大“シアトル系ブーム”が巻き起こった訳です。彼らのエスプレッソをベースにした「味」がウリのコーヒー・バリエーションを前にして、「味」をチェーン店との棲み分け材料としてきた「街の喫茶店」はひとたまりもありませんでした。2000年以降、「街の喫茶店」は次々姿を消し、中にはシアトル系の軍門に下りチェーン入りして喫茶を続ける店も出てきてしまったのです。

こんな訳で、我々忙しいビジネスマンが必要とする、打合せや作業場所としての「喫茶店」が今や不足する状況に陥っているのです。「街の喫茶店」の生き残り策やカフェ・チェーン店に対抗できるカフェ・ビジネスはありえないでしょうか?そんなことはないはずです。「街の喫茶店」には、現に私をはじめ今でも多くの人のニーズがあるはずですから。

外食マーケットでは、「値段(価格志向)」→「味(本物志向)」での勝負から先に、「次の勝負どころ」が必ず待っているのです。今の喫茶店は資本力のなさから、ただ単にこまで待ちきれずに、店をたたんだり、敵の軍門に下ったり、となってしまっているのが現状なのでしょう。

「次の勝負どころ」については長くなりそうなので、「年度」をまたいでまた明日。

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