日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

ソニーが益々心配になる平井CEOの顔色

2012-12-21 | 経営
写真をご覧ください。ソニーが先月株主向けに配布した上期業績の報告に関するIR資料です。これを見せられてびっくりしませんか?私はビックリでした。



いきなり目に飛び込んでくる平井CEOの顔色です。二日酔いレベルのなんとも生気のない顔色(添付の写真は、最近のデジカメの性能が良すぎて自動で顔色に赤味の色調整をしてしまうようで、実際の刷り物よりも少し顔色が良くなっています)。しかも笑顔のかけらもなく、何とも疲れ切った表情。こんな写真をトップの近影として平気で使用する天下のソニー、大丈夫ですか。今ソニーに一体何が起きているのか、ちょっと気になるところです。

写真に関して言うなら、常識的にはソニーほどの企業なら、意図して出さない限りこんな写真がIR資料に使われるはずがないということ。少なくとも出井ソニーの時代以降、企業イメージを大切にしてブランド価値をひたすら高めてきた同社の企業文化の在り様を考えるなら、これは考えられないことだからです。

ならば誰の意図であると考えるべきなのか。ひとつ考えられるのは、平井CEOを快く思っていない社内の反乱分子の仕業。でもそれはどうかなと。こんなアイドルのポスターにヒゲの落書きをするような小細工は自社のイメージダウンになる以外何の発展性もなく、誰も得をしないでしょうから。

では、平井CEO自身が意図的にこの写真を使ったと考えるのはどうか。IR担当が作成したであろう文面には、当然「とりあえずいろいろ手を打っています」「下期もがんばって業績回復に努めます」という前向きな話が書かれていますが、平井氏がこの文面を読んで「実際はそうじゃないだろう。そうは言っても株主にすべて本当のところを話すわけにもいかない。せめてできるのは、私の顔の顔色や表情から現状を察してもらうぐらいか」と考えたとするなら、けっこうたいした経営者であるのかもしれません。

以上はあくまで想像の域を出ない話です。それをなんでことさらに書いたのかと言えば、世界水準でのIR活動を展開してきたソニーともあろう企業が、もし誰の意図もなくしてトップのこんな写真をIR資料に掲載してしまうような管理の甘さが社内に蔓延しているとするのなら、そのことの方がよっぽど企業として危機的な状況ではないのかと思ったからです。一般的にはこういう小さなことにこそ、組織管理における危機的状況の「兆候」は現れるものなのです。

実は同じような「兆候」と言える管理の甘さを露呈した出来事が、他にもありました。やはり先日新聞紙上をにぎわせていた同社の電池事業からの撤退の話。実はこの電池事業の製品、今年の株主総会での株主用のお土産として蓄電池セットが配られていたのです。報道内容の信憑性がどこまであるかはともかく、「火のないところに煙は立たず」であり、撤退が取りざたされるような事業部門の製品を株主に「引き続きがんばります」と配布するのは、管理の甘さ以外の何ものでもないわけです。

この“事件”にしても、担当が何も考えずに「とりあえず、お土産になるような商品と言えば電池ぐらいかな」というノリで決まったことだとしてもIR管理面から問題ありですが、もし仮に「不良在庫が多いんだから、株主向けのお土産で一掃しておけ」という社内での意図的な動きがあったなら、IR管理不在ともいえる一層危機的な管理状態であると言えるでしょう。

ソニーが今苦しいのは確かです。企業も平井氏ご自身も。派手にぶち上げたオリンパスとの提携も、オリンパスの自社主導へのこだわりが邪魔してどこまで成果を上げることができるのか、かなり疑問符が付いてもいます。どん底のテレビ事業にしても光明がさす話など現状何ひとつとして存在しない。

平井氏は、当初ストリンガー前CEO続投下の“通訳兼下働き”としての社長職を務める予定が、ストリンガー氏の想定外で起きた指名委員会によるストリンガー氏更迭により突如としてCEOの重責を担われることになった“音楽とゲーム事業の貴公子”です。ソニー未曾有の危機的な状況下での舵取りにはちと荷が重すぎるのではないかと、就任時に心配したことが早くも現実化した感じです。

それにしても悪すぎる平井氏の顔色。もしこれが彼の意図せざる掲載であるのなら、この顔色以上にソニーの組織管理の実態は大変な状況にあるのは間違いないと思うのです。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-12-22 10:46:05
顔写真一枚で根拠のない想像を並べ立てる。特に世の中の役に立つ情報でもなく、企業視点ではこんなことを書かれては非常に迷惑。

ブログのコンテンツを増やす以外には特に意味のない作業。コンサルタントと名乗るならもう少し価値のある記事を書きなさい。
いや、ありじゃないでしょうか (aomama)
2012-12-24 01:17:28
企業の悪化兆候をいろいろな点から探りだすというのは、銀行経験をベースにされているコンサルタント的見方として全然ありじゃないでしょうか。
写真の話、お土産の話、ソニーに親しみをもって接している一人として、コンサルタントの視点を知る意味でもとても勉強になると感じました。

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