日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

海外の日常性を教える通販サイト「フラッター・スケープ」

2010-06-22 | マーケティング
「フラッター・スケープ」なるWEBページをご存じでしょうか?

日本に住んでいる外国人が、自分で選んだ日本の商品を海外に売るインターネット通販サイトだそうで、これマーケティング的にけっこうな注目サイトであると思っています。外国人が日本商品のバイヤーになっていると言う点がミソでして、日本人ではわからない外国人の好みを垣間見ることが出来る訳です。でもそれがなぜ注目なのか。海外にモノを売ろうと思っている人以外関係ないんじゃないって思われるかもしれませんが、実は日本で対消費者ビジネスを考える人にこそ大きなヒントがあると思うのです。それはなぜか…。

昭和の高度成長の時代から舶来品は数多く日本に入ってきていましたが、そのほとんどは日本人が日本人の感覚で選んだ「日本の日常に役立ちそう=日本で売れそう」な商品の数々でした。ところが、ネット新時代のこのご時世では、日本の日常性を勘案する間もなく欧米の日常で便利なモノが、世界どこでも便利であり必然的に日本でも便利であるとの理解の下、続々入ってきているように思います。例えば一昔前のヤフーやマイクロソフトが全盛の時代にはまだ海外文化は多少日本的にアレンジされてから上陸してたように思いますが、昨今のアップルやグーグルが送り出すサービスやそれによって形成される文化は、明らかに世界の日常文化がストレートな形で上陸して日本の日常文化を塗り替えていると言っていいのではないかと思います。すなわち、知らず知らずのうちに私たちの日常は欧米の日常文化に浸食されている訳で、iphone、ipadの大ヒットなどはまさしくその典型例であると思うのです。

となればすなわち、知られざる海外の日常感覚をより正確に把握することが日本国内でのビジネスの成功のカギを握る時代になりつつあるのでないかと考えるのが自然であり、このサイトの情報価値はかなり高いということになるのです。あるサイトが外国人に「外国人が選ぶ外国人が好きそうなもの」と「日本人が選ぶ外国人が好きそうなもの」の違いは何かを聞いてみると、「日本人は何かspecial(特別な)贈り物のようなものを選ぶけれど、外国人は外国の生活環境が分かっているからこそ、今まさに必要とされている日常的なモノを選ぶことができる」という答えが返ってきたそうで、このサイトにある「外国人が選ぶ外国人好みのモノ」こそまさしく日本人の知られざる海外の日常性を知るカギであり、これからの日本国内での対消費者ビジネスの大きなヒントであると言えるのです。

この「フラッター・スケープ」の立ち上げアイデアは、高校時代をカナダで過ごし今春上智大学国際教養学部を卒業した柿山丈博さんが学生時代にあたためたのもので、彼は現在本ビジネスを稼業としているそうです。さすが外国育ちの若者の発想です。新橋界隈の酔いどれオヤジにはとてもできない芸当ですね。さてさてページを眺めてみると…。タイ焼きのおなか部分から顔を出すかぶりモノ「TAIYAKI CAP」(夏は暑いよね?)や管直人首相のTシャツ「YES WE KAN」(=写真、なぜ赤いの?)など、外国人が選んだ確かに日本人の好みではないモノがズラリ…、ん?。なるほど、このページをビジネスのヒントにするには、それはそれでそれなりのやわらかアタマは必要とされるようです。

★「フラッター・スケープ」 → http://www.flutterscape.com/

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