日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

運転免許書き換え時「交通教本」にみる警察の組織風土

2013-10-03 | 経営
久しぶりに身近なネタから組織の問題点を拾ってみます。誕生日に運転免許の書き換えに警察署まで行って参りました。久々にゴールド免許復帰。8年ぶりぐらいでしょうか。なんともすがすがしい気分ではあります。しかし問題に感じたことがあります。免許書き換え手数料3100円也。写真撮影、免許証カード作成、そして講習テキストやら県内道路地図やら冊子やら、写真の4冊の代金と言うことなのでしょう。この事実どう思いますでしょうか。

問題は4冊の冊子。これでもあの「事業仕分」の結果減ったそうなのですが、今時まだ活字モノ?真っ先にいらないのは県内地図。スマホがナビになる時代、運転しながら紙の地図なんて見ますか。しかも県内のみ。最悪は、約130ページからなる「交通教本」。この教本、書き換え講習でその場で使うのは、最近変更になった法規部分の冒頭10ページのみ。とにかく字が多い。古臭くてつまらない。これ、家に持ち帰って他のページを読みますか。あくまで私の想像にすぎませんが、全部読む人は全体の1%いるか否か。半分、いや3分の1程度は読む人にしても、全体の5%にも満たないのではないでしょうか。

この教本、表紙には「保存版」との表記があり、「ダッシュボードにでも入れていつでもチェック!」とも。でもダッシュボードには入れないだろうなぁ、ほとんどの人は。翌週の新聞雑誌ゴミの日に大半は出されてしまうのではないでしょうか。今時これ要らないと思いませんか。交通法規をしっかり守るためにまず知識を再確認する必要性から、というお気持ちは分かりますが、無理でしょこのやり方では。予算を削られたから冊数を減らす、工夫のなさにはあきれてしまいます。

同じ費用を掛けるのなら、どうしたら効果的になるのか考えられないものでしょうか。例えば、活字版教本は廃止してすべてWEB化するとか。浮いたコストは、WEBで交通法規に関するクイズをやって、抽選で商品券でも配るとか。もっとしっかり交通法規が読まれるためにはどうすればいいのか、意外に間違っている人が多い法規などを学ばせるにはどうすればいいのか、おカネの使い道と知恵を働かせてもっともっと工夫を考えるべきではないのかと思うのです。講習では解説する部分のみプリントで配布して、「あとはこちらのURLで、必要に応じてお読みください」で十分なのですから。

なにしろこの手の「交通教本」、「事業仕分」での形式的見直しはあったものの基本的には私が運年免許証をとった30年以上前から、何ひとつ変わっていないと思うのです。世の中の動きとか、時代の流れとか、警察の皆様にはまったく関心がないのか、そんなことでは動じないのかと思えてきます。結局、本来人を守るということを第一義とすべき組織風土が、人を検挙する立場での上から目線による人の意見を取り入れようとしない組織風土になり下がってしまっているように思うのです。

この警察の風土を象徴するのが、免許書き換え受付時間が午前は11時までで、午後は1時~3時半まで、って今時どこのお役所で昼休み窓口休憩なんてありますか。これもきっと昔のルールのままなんでしょう。この事実は、警察官だけは国民の税金で生活している公務員であるという意識すらないのかなとも思え、なんとも情けない気持ちにさせられてしまいます。

警察の手落ちや不祥事が発生するたびに謝罪会見を繰り返し再発防止を誓うことも多い今日この頃。このあまりに古臭い組織風土から変える必要性を認識するには至らないものなのでしょうか。

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1 コメント

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こんにちは (かい)
2013-10-14 08:25:11
公安委員会が 自分達の利権の為にやっていることですから、そうなるのでしょうね。

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