日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

「官」はコンプラ違反の“宝庫”

2007-10-30 | ニュース雑感
守屋防衛事務次官の証人喚問が昨日行われました。
報道では聞いていたものの、本人の口から語られる特定業者との癒着の実態に、改めて官僚の世界のコンプライアンス意識の希薄さを実感させられました。

今回の件のみならず、社会保険庁の杜撰な管理と膨大な数の着服の発覚、昨年大事故を引き起こしたJR西日本の職員指導体制に見られる組織体質などなど、国家機関やその外郭団体、地方公共団体関連に旧公社などを含めた政府系法人等の世界はどうしてこうも、「常識」という基本コンプライアンスができていないのでしょう。

答えは簡単です。「親方日の丸」の“脳天気意識”がどこかで脈々と生きていているからです。

昭和の昔は日本全体が同じような常識の薄い状況で、公務員も民間も仲良くコンプラ違反をして、「見ないフリ」「知らないフリ」での“日本的馴れ合いビジネス”がまかり通っていました。しかし、バブル経済の崩壊を機に民間には厳しい試練が課されました。
バブルの反省を求められつつもグローバル・スタンダードへの対応に苦しみました。さらにはデフレにも追い討ちを掛けられ、「倒産」と背中合わせの状況を幾度となく経験し、薄氷を踏む思いで市場原理を基本とした時代の要請に応えられる「フリー」「フェア」「グローバル」の意識を確立してきたのです。

その間も、「官」と「元官(要は形だけ民営化した組織です)」は、「倒産とは無縁の安心感」にアグラをかいて、「純民間」の生き残りをかけた闘いを涼しい顔で見ていたのです。
この10年で、日本国内に定着した「コンプライアンス意識」は、間違いなく民間の血のにじむ努力の成果です。一方の「官」はと言えば、守屋氏の一件からも分かるように、トップ自らが昭和の時代の体質のままコンプライアンス違反を平気で犯すような文化を保ち続けて来たのです。

旧三公社関連企業にしても、私の周囲では今だに接待費を私的流用している部長職や、発注先企業から“アゴアシ付”海外接待を当たり前のように受ける課長クラスなどが、ゴロゴロいます。
民間企業にとってコンプライアンスの“落とし穴”は、実は「官」および「元官」との関係にこそあります。先方の担当者がOKだから、先方が何も言わずに受けているから、と彼らの“常識”を信じて対応を油断をすると、コンプラ違反に引きずり込まれている危険性が大きいのです。
今回の事件でもコンプラ違反の主役は、官のトップと官OBです。山田洋行に非がないとは言いませんが、基本的には民を利用して官-官OBが私腹を肥やしていた構図であると言えるです。

官の方々、特にお偉いさん方、ぜひ聞いて欲しいです。
利害関係者からの被接待は当然論外ですが、天下りにしても既得権確保的な「官OBからの声掛かり」や癒着の温床である「関係筋からの官とのパイプ作りをうかがわせる不透明なもの」は、断固として断る勇気を持って欲しいと思います。それこそが、「官」が「民」を食い物にしない、癒着との絶縁を宣言する最も大切なコンプライアンスの精神だと思うのです。
声を大にしてこれだけは言いたい!「あなたがたの常識は、恐らく世間(民間)の非常識ですよ」。

“耳貸さぬワンマン経営”が招いた悲劇 ~ NOVAを他山の石とせよ

2007-10-29 | ニュース雑感
英会話学校最大手NOVAの更正法申請は、まさにワンマン経営が招いた経営破綻の典型例でした。

「経営のトリセツ」で過去にもお話してまいりました、「ワンマン経営の限界」→「組織管理への移行」=「俺の会社から皆の会社へ」が全くなされず、更正法の申請と言う最悪の結果を招いてしまったケースと言えるでしょう。

NOVAの猿橋前社長は、大阪で少人数制の英会話教室NOVAを立ち上げ、「駅前留学」というキャッチフレーズとそれまでの英会話教室を一新するようなイメージ戦略で急成長を遂げました。側近と共に短期間で驚異的な拡大路線を展開し、98年には東証の店頭公開(現ジャスダック上場)を果たします。

しかしNOVAは株式公開、上場企業とはおよそ思えない管理体制にありました。「NOVAには人事、総務といった普通の会社にある部署がない」。かつてこう豪語した猿橋氏ですが、それはコンサル的観点からみれば上場クラスの企業としてはあるまじき経営形態であり、すべての事案に社長決済の必要なこの組織構造こそが、企業としての存続を危うくする結果を招いたと言えるのです。

「猿橋氏は授業の質の低下で解約する生徒の心理が読めなかった。そうした点を補う人材がいれば違った結果になっただろうが、企業の安定経営には不向きだった」(NOVA社員)との話からも分かるように、今月ジャスダックへの改善報告書の中で指摘されたナンバーワンかつオンリーワンの「経営者である猿橋氏への権限の集中」という体質が、まさに破綻(はたん)の引き金になったと断言できるのです。

NOVAの破綻から学ぶべきことは、これまで「経営のトリセツ」で言ってきた事ばかりです。もう一度おさらいしてみます。

社長一人の管理能力では手に負えなくなった企業は、「組織管理」への移行、すなわち「俺の会社」から脱皮し「社員の会社(上場の場合には加えて株主の会社)」に移行しなくてはいけないということ。たとえ自分が作り上げた会社であろうとも、一定のサイズに成長したなら、「自分のもの意識」を捨て、会社を「私物化」しない、責任と権限の委譲による「組織管理」が不可欠であると言うことです。

そして、さらには社員の代表者たるナンバー2の意見を汲み、社員経由での情報を大切にすることで利用者や株主の立場での考え方を見失わないよう努める必要があるのです。
特定商取引法に違反して受講契約時に虚偽の説明をするなど、消費者の利益を顧みず、法令を順守してこなかった経営姿勢は、まさにイエスマンだけを残してきた“盲目組織”が招いたコンプライアンス違反であった訳です。

創業時からの同胞を重用していながら、結局自分の事しか考えず、自分の事しか信じられなかった、そんな猿橋氏の経営者としての“器”の小ささが会社の大きさをカバーし切れなかったことが、利用者にも株主にも社員にも悲劇であったとしか言いようがありません。

社長解任の憂き目に会ってなお、利用者も株主も社員も置き去りにしてこっそり自己所有株の売却までし金銭を得ようとしている姿は、「自己中心的経営者の狂気」の極みです。残念ながらそこには、経営者としての「責任」は微塵も感じられません。

どこかへ雲隠れをしている猿橋氏に今、少しでも経営者としての「自覚」があるのなら、一日も早くその姿を、利用者、株主、社員の前に現して欲しいと思います。それこそが、今彼に課された経営者として、また人として果たすべき最後の「責任」ではないでしょうか。

元ビートルズ 1 ~ ポール&ウイングス来日騒動と忘れえぬ名作

2007-10-28 | 洋楽
土日恒例、音楽夜話です。

「音楽ネタはマニアックでよく分からない」との声をよくいただいてます。登場のアーティストについては、「You Tube」とかで検索すると大抵無料で当時のプロモーション・フィルム等が動画再生できますから、それで見ていただくともっと実感を持って読んでいただけるように思います。できる限り検索後の動画再生URLとかを入れるようにも努力します。

さて、そんな訳で本日の音楽夜話は超メジャーで、洋楽をかじった人なら誰もが知っている元ビートルズ、ポール・マッカートニーの思い出です。

70年代前半、私が洋楽を聞き始めた頃は、元ビートルズの4人も盛んに積極的なソロ活動をしていて、毎年のように各人がアルバムやシングルを発表していました。
特に、73~76年当時ポール・マッカートニーはビートルズの幻影を振り払うかのように、自身のバンド「ウイングス」を結成し、精力的な活動を続けていました。70年の解散後彼の出すソロアルバムはどれも不評を買っており(今聞くと決して悪くないんですがね)、ウイングス結成後の73年のヒット・シングル「マイ・ラブ」「ジェット」やアルバム「バンド・オン・ザ・ラン」発表以降、その評価はようやく、本来の元ビートルズにふさわしいものに回復することになります。

私のイチオシは、「バンド・オン・ザ・ラン」の次に出された新生ウイングス(メンバーが次々ポールの妻リンダを嫌って出て行っちゃうんですね)によるアルバム「ビーナス&マース」です(タイトルは「金星と火星」。「こんにちは元気かい?」みたいな意味だと、当時ポールがインタビューで答えてました)。前作のような後世に残るヒット曲は入っていませんが、全13曲によるどこかビートルズの最終作「アビー・ロード」B面を髣髴させるコンセプチュアルなつくりが魅力です。

特にお気に入りだったのが、1~2曲目のメドレー「ビーナス&マース~ロック・ショウ」。スタジアムのアリーナでオープニングを待つというアコースティックなタイトルナンバーから、一転大ロックナンバーになだれ込む部分は、今聞いても最高にカッコいいですね。それと歌詞にレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ出てくるの。これがもう、なぜかすっごいおしゃれな気がして、「♪…one used by Jimmy Page…」の歌詞が聞き取れる自分がやけに嬉しかったですね。
もう1曲大好きなのが、ビートルズの「オー・ダーリン」(これも大好き!)をさらに大仰にしたような名ロッカ・バラード「コール・ミー・バック・アゲイン」。この曲の後に、ジョン・レノン風のコメントメッセージに続いてヒット曲「あの娘におせっかい」につながるという流れも完璧です。

アルバムは決してポールの独壇場ではなく、バンドらしさが出ているという点でもそれまでにないアルバム作りになっており、ビートルズを仮想ライバルバンドに見立てた意欲作であるとも言えそうな作品です。ちなみにジャケットデザインは、またまた出ました創作集団「ヒプノシス」。相変わらずセンス抜群ですね。

もうひとつこのアルバムで忘れられないのは、最初の来日騒ぎでした。ある日突然ラジオで来日が発表され、世間は大騒ぎになりました。急遽このアルバムとアルバム収録シングル「ワインカラーの少女」が来日記念盤とされて、ラジオでは午後8時以降深夜まで1時間に1回はかかっていたのではないかと思うほど盛りあがっていました。確か主催のニッポン放送とかで、近々午後8時から深夜の時間帯に突然整理券の配布日を発表するから、毎日聞いておけみたいな話だったんだと思います。

私はといえば整理券情報入手に奔走し、青山のウドー音楽事務所に学校帰りに行って、整理券配布日の極秘情報を知り合いになった事務所界隈にたむろするポールフリークの連中から手に入れたりしていました(この時か2回目の来日騒ぎの時か記憶が定かではないですが、整理券取りで夜中にウドー前に並んで、行列整備や徹夜組の自主点呼&交代行列制度をやったり、なんかすっごい時代でした。オンライン&ネット予約の今では考えられない昭和のアナログ時代の逸話です)。

あ~、懐かしい~。今思うとけっこうやりたい放題の、いいかげんな中高生生活でしたが、今にもつながる社会勉強を知らず知らずのうちにしてたように思います。
思わず感慨にひたってしまう思い出です。

※「ビーナス&マース~ロックショー~ジェット」の動画は、http://jp.youtube.com/watch?v=XuC1TUYdpT4


以下競馬ネタです。
本日は天皇賞秋GⅠデーです。

天皇賞秋は私が一番好きなGⅠレース。
古馬の長距離馬(ステイヤー)と短距離場(マイラー)超一流馬たちが、双方の中間距離である2000メートルで争います。しかも舞台は坂のある長い直線コースの東京競馬場です。最高に予想の醍醐味が味わえるレースです。言ってみれば、「マーケティング競馬の真髄ここにあり」ってところでしょうか。あたるかどうかは別問題ですがね。

毎年、馬場状態や展開、ペースの違いで、マイラータイプが勝ったりあるいはステイヤータイプが勝ったりする点が最大の面白みです。今年のポイントは馬場状態。昨日までの大雨が今日の晴天でどこまで回復するか、ですね。
現時点(正午前)での馬場発表は「重」。レースまで4時間近くありますが、仮に「やや重」まで回復しても、かなり力の要る馬場になることは間違いないでしょう。

そうしますと、今年は昨年とは一転、「力の要る馬場」→「スタミナ勝負」→「ステイヤー(またはダート馬)の出番」、となります。
「経験則」で振り返っても、超ステイヤー故、2000メートルは不利と言われたメジロマックイーン、斜行による降着とはなったものの、不良馬場を圧倒的強さで先頭ゴールでした。また、秋天1番人気の連敗を12で止めたステイヤー、テイエムオペラオー(父オペラハウス)が勝ったレースも重馬場の勝負でした。「重馬場=ステイヤーの出番」を本日の「経験則」といたします。

今年、生粋のステイヤーおよびダート馬は、⑮ポップロックに①メイショウサムソン(父オペラハウス)。人気薄では③コスモバルク、④デルタブルースです。順調さと鞍上の腕を総合して、⑮ポップロックが軸かなぁといった感じですかね。
他にこのまま「重」なら要注意は、⑩シャドウゲイトの前残り。
いずれにしましても、馬場次第。馬場状態、内外の有利不利も含めて、同距離の本日9レースあたりを参考にしたいところです。

亀田家に見るマスコミ対応の肝

2007-10-27 | ニュース雑感
亀田家の一連のマスコミ対応は、企業の不祥事発覚時の危機管理に関する示唆に富んでいます。亀田家2回の会見から、不祥事発生時の対マスコミ対応のあり方を学んでみましょう。

会見で重要な項目を、史郎、興毅の会見を比較しながら、私の記者経験から評価してみます。

1.第一印象
〈史郎〉ノーネクタイ姿、お辞儀の角度浅い
〈興毅〉スーツ・ネクタイ姿、お辞儀深い、遅刻

会場に現れた第一印象として、その姿は 重要です。史郎のノーネクタイ姿は、マスコミでも大きく叩かれていたように、心証の悪さにつながります。お詫び会見での基本はダークスーツですが、その業種独自のユニフォームはいわば仕事上の“正装”であり、可です。
興毅はだいぶよくなりましたが、ネクタイの色が“光り物系”でイマイチ“反省色”ではなかったです。それと「遅刻」はいかなる理由でも許されません。記者の心証として、「お前が時間指定しておいて、なに遅れてんじゃ!」ってこと。企業でよくあるのは、担当は時間に来ても、社長が遅れると言う最悪のパターン。「社長は偉ぶっている」=「反省の色なし」と受け取られます。

2.お詫びの言葉
〈史郎〉「すんませんでした」
〈興毅〉「すいませんでした」
史郎の「すんませんでした」は論外。興毅の「すいませんでした」も、自分たちが悪いという気持ちを伝えるにはイマイチです。お詫び言葉の基本は、「誠に申し訳ございませんでした」。会見中、何度言っても言い過ぎになることはなく、ことあるごとに回数織り込むことで不思議と心証はよくなるものです。

3.核心の質問
〈史郎〉明確に答えない。「勝手に判断しろ」という態度。
〈興毅〉認めつつもハッキリとは言わない。将来的に「そうは言ってません」との言い逃れなどの、逃げ道をつくっておきたい気持ちが見てとれる。

これも史郎は問題外。「勝手に判断しろ」という態度は、いわゆる“書き得”を招き、あることないこと書かれて、最悪のイメージダウンにつながります。「勝手にしろ!」=「売り言葉」です。
興毅も煮え切らない表現はマイナス。金平会長にうながされて、渋々認めるぐらいなら、最初から潔く「ハイその通りです」と認めるべきです。しかもスポーツマンとして、過去のダーティイメージからの今後のイメージチェンジを考えるなら、極力爽やかな受け答えをして、不祥事会見をプラスイメージへの転換に利用してやろう、ぐらいの大胆さがあってもいいと思います。

少々長くなりそうなので、あとは気がつく点をまとめて。
4.その他
・結論先延ばしの回答はマイナス
→「これから考えます」「今は分かりません」の類の回答は、会見後時間がたってからも「結論は出たか?」「分かったか?」等の蒸し返し質問が出され、問題が長引くことになります。
・記者を睨む、下を向く等の態度
→「記者を睨む」は論外ですね。「下を向く」も一見反省してうなだれている印象を与えるように思われますが、実は表情が分かりにくく心証悪く、何かを隠しているように思わせます。
・「時間です」と言って切り上げる。
→早く逃げたいからと言って、これは最悪です。とにかく充分質問時間を与えること。質問が出尽くした感じになったら、進行役が「そろそろよろしいでしょうか?」とおうかがいをたてるのがよいです。会見時間を伸ばせば伸ばすほど会見をしているトップが袋叩きになりそうに思いますが、会見で膿みを出し切らないとかえって、紙面等での袋叩きが長引くことになると考えるべきです。


中小企業でもいつ何時、取引先等の関係等で不祥事の矢面に立たされるかもしれません。「マスコミの正義感」と「ペンの暴力」は紙一重です。
マスコミ対応の失敗で、誤って会社を潰してしまうようなことのないよう、経営者は芸能ネタ的な会見からも常に学ぶ姿勢を忘れないで欲しいと思います。

経営のトリセツ10 ~ 日ハムに学ぶチーム力向上の鍵

2007-10-25 | 経営
今週末からいよいよプロ野球日本シリーズがスタートします。

シリーズ開幕を前に、以前お約束した、日ハムの強いチームづくりの秘密とその陰の立役者について、組織管理の観点からみてみたいと思います。

日本ハムファイターズの監督は、ご存知アメリカ人のヒルマン氏。彼の卓越した管理&指導力の元確立された鉄壁のチームワークが、2年連続優勝の栄光に導いたと言って間違いないと思います。
現に今年の日ハムは、選手の粒が小さく、スター新庄、大砲小笠原が抜けた穴は誰の目にも致命的に映ったハズです。

「よくこのメンバーで勝てるね。と言われることが一番うれしい」。選手自身がそう語ることに象徴されるように、彼らの自慢はそのチーム力、すなわちチームワークです。昨年の大躍進をみても、もともと地味なチームカラーに、突然現れたスター新庄にかき回されることなく、彼のような抜けたスター性を持つ選手までも浮かせることなく、一層の力にしてしまうのは、ひとえにチーム力あってこそと言えるのではないでしょうか。

チームワーク、チーム力の向上は、選手の力だけでできるものでは決してありません。また、仮にいかに優秀なトップであっても、一人卓越した監督の力だけでできるものでもありません。以前この「経営のトリセツ」でも書きましたが、チーム力=組織力向上の鍵は、トップとは別の、メンバーを代表する指導者の存在なのです。

ヒルマン日ハムにおいて、その役割を果たしたものは白井一幸ヘッドコーチその人でした。
白井氏は、現役時代は地味ながら味のある名二塁手として活躍しました。その後フロント入りして、米ヤンキースに指導者留学し、そこでヒルマン氏と巡り合いました。日本に戻って二軍監督を務め、その後のヘッドコーチ就任要請とチーム指導陣再編の動きに呼応して、次期監督にヒルマン氏を推薦したのが、彼だったのです。

彼はヒルマン氏の指導者としての技量や人柄の素晴らしさを知り尽くし、監督と選手の間に立って、監督の考えをしっかりと全員に伝え、また監督には選手の気持ちを代弁して、事細かにあらゆる情報を吸い上げては監督に進言をしてきたそうです。
一例をあげれば、チームが選手の精神的リラックスを目的として、球場のクラブハウスに卓球台を買った話は有名ですが、これを球団経費でなくヒルマン監督のポケット・マネーで買わせたのは、彼の進言によるものとのことです。

彼はナンバー2としてだけでなく、直接の選手育成者としても素晴らしい理論を持っています。選手の気持ちに立って、ミスを単純に叱責するようなことはせず、いかにして持てる能力を発揮させるかを精神面重視の指導方法として確立しました。
彼の指導理論は、「メンタル・コーチング」として、出版されてもいます。部下育成という難問に、ビジネスの現場で悩む管理職の皆さんにも、大いに役立つ一冊ではないでしょうか。

部下の指導者として、またメンバーの意見を代表できるナンバー2としての白井ヘッドコーチの存在なくして、抜けた存在のスター選手新庄のチームへの融和も、大砲小笠原の移籍をものともしないチームの結束も、そして誰もが予測しえなかった2年連続のリーグ優勝もありえなかったでしょう。

先のロッテとのCSシリーズ優勝決定の瞬間、ヒルマン監督が真っ先に抱き合って優勝の喜びを分かち合ったスタッフは、やはり白井一幸その人でした。

ヒルマン監督の勇退に伴い、白井ヘッドも退任が予定されています。来年以降の日ハムが、今までのようなチーム力を保ち、引き続き強い日ハムの勇姿を見せてくれるのかとても不安です。おそらくチームにとっては、白井ヘッドの退任は新庄や小笠原の脱退とは比べものにならないダメージなのではないでしょうか。

土曜日からの日本シリーズ、残念ながら、我が日本ハムの対戦相手は宿敵巨人ではなく中日ドラゴンズですが、中継でも時折映るであろうベンチの風景に、最高の「番頭さん」白井ヘッドの姿をしっかりとこの目に焼き付けておきたいと思います。

センセイ?

2007-10-24 | その他あれこれ
突然ですが、不思議に思った「センセイ」という呼び名について。

コンサルタントという商売、ややもすると間違えて「センセイ!」とか呼ぶ人がいます。私はとにかく「センセイ」は勘弁してくれなのですが、この妙に違和感を感じる「センセイ」って呼び名って何でしょう?
誰かがそう呼ばれているのを傍で聞いていても、違和感を感じることってけっこうありますよね?きっと「どう見てもセンセイじゃないだろう、コイツは!」と思うからですよね。今日は、「センセイ」という呼称の謎に迫ります(そんなに大げさじゃないけど…)。

まず一般に「センセイ」と呼ばれる商売って何でしょう?

とりあえず本当の先生。幼稚園の先生から大学教授まで、さまざまですが、「先生」=「モノを教える」「人を育てる」という意味ですから、違和感なしですね。
他にも、料理学校、英会話、珠算、予備校…、人にモノを教える立場の方は、資格の有無に関わらず大体これも「センセイ」の呼称に違和感なしですね。
同様に弟子的存在が親方にあたる人を「センセイ」と呼ぶのは、その親方の出来の良し悪しにかかわらず、やむを得ないですね。

宗教団体の教祖や幹部、思想団体のトップなんかも、「人の道を教える」「教えを乞う」相手、という意味では、万人から見た「センセイ」ではありませんが、呼ぶ人から見て「センセイ」であり、まぁうなずける部類の「センセイ」です。

やや分からないのは、政治家の「センセイ」。彼らには教えてあげたいことはあっても、教わることはあまりないですね。まぁ、選挙で選ばれるって「体力」「財力」ともに大変なことですから、敬意を表してですかね。この場合の「センセイ」はイコール「尊敬すべき偉い方」ぐらいのカンジだと思います。

医者もだいたい「センセイ」ですよね。これは思うに、技師とか看護士とか医療事務員とかが入り乱れている孤立した独自の世界での、ヒエラルキーの象徴としての「センセイ」なんですかね?
ただ、かけがえのない命を救ってくれる存在として、敬意を表したもの、と考えると、やはり「尊敬すべき偉い方」としての使われ方で納得性があります。

問題は、弁護士、会計士、税理士など「士」のつく商売の方々。

弁護士は場合によっては、「命」を救う存在?まぁ、六法を人並み外れて知っている、かつ判例から学ぶ法的判断の価値は人によって高く、教えられることも多いケースもありますので「センセイ」なんですかねぇ。「尊敬すべき偉い方」ばかりではないようにも思いますが…。

では会計士は?さらに言えば税理士は?
「士」がつきゃなんでも「センセイ」か?と言えば、そうじゃないだろって気がしますからね。たぶん、会計士は弁護士と並ぶ難関資格に対する敬意でしょうか?
税理士に至っては、試験の難易度からみてさして難関資格ではないですから、敬意を表するのも変?それが証拠に、会社勤務のサラリーマンで、税理士資格を持っている人もいますが、その人は税理士資格を持っていても「センセイ」と呼ばれることがまずないですね。
つまり「資格取得」=「センセイ」ではない様で、使い方に疑問です。


取り留めのない話になってしまいましたので、以下まとめ!

要は、「センセイ」と言う呼称には2種類あるということです。ひとつは「職業的呼び名」としての「センセイ」。もうひとつは「敬意」「尊敬」の象徴としての「センセイ」ですね。違和感の問題はどうやら後者にありそうです。

具体的に結論。

「モノを教える」「人を育てる」人に対しては、無条件で「センセイ」と呼んでもらってOK!ということ。周りで聞いていても違和感なしです。職業的「センセイ」ですから。親方や教祖も、広い意味での「職業的センセイ」ですね。
問題のそれ以外の場合、本当に「尊敬すべき偉い方」であるかどうか、「センセイ」という呼称を使う側にもっと慎重さが欲しいというのが、私の言いたいことのようです。誰でも「士」がつけば「センセイ」かと言えば、決してそうじゃないですからね。

最近どうも気になるのが、「センセイ」呼ばわりされていい気になっているのか、常識もなく人間的に未熟なくせに(年齢関係なくね)傍若無人な振る舞いの「士」の方々が目に付くこと。これは、顧客である契約者側にも責任があるのではないかと思います。(これが今日のテーマのキッカケだったんですね、きっと!)

そこで提言!
「実力」や「常識」も踏まえない「士」の連中には、「センセイ」呼称の安売りをしないこと!本当に「尊敬すべき偉い方」と認められる人だけに使うべき呼称であることを、もう一度よく認識をして慎重に対処して欲しいと思います。

日本商工会議所あたりで、世間一般の常識やビジネスマナーの基本とかを試験して「センセイ」と呼ばれるにふさわしいか認定する、「センセイ検定」でもやってもらうといいですね。「士」の方の名刺の名前に下に「日商認定「センセイ」」とか書いておくとか。そうすれば、名刺をみて「あっ、この人は「センセイ」と呼んでもいいレベルにあるんだ」とわかるとか、ね。本当に「センセイ」と呼ぶかどうかは、その認定が大前提で呼ぶ人がその人を「尊敬すべき偉い方」と認めた場合のみですけどね。

以上。

別に、世の「センセイ」方に恨みがあるわけじゃないですよ。念のため。



社長怒る!

2007-10-23 | その他あれこれ
怒りです。

事の発端は日曜日の夕刻。金曜日の夜に投函された店内アンケートで、「コーヒー買ったら、お湯と砂糖だった。損した気分」という由々しきメッセージ。すぐに調べると本当にコーヒーは「お湯と砂糖状態」でした。

エスプレッソ型自販機設置会社に連絡して至急の対応を頼むも、最短で月曜日午前とのこと。やむなく対応を待つことになりました。月曜午後にビッグサイトで電話を受けると、担当の営業課長が「問題なかったようですよ~」と実に軽いノリ。これにまず、一度目のブチ切れです。
「あんたねー。現実に故障してたんだよ。問題ないわけないだろ!ちゃんと原因究明して再発防止しましたと報告するのがスジでしょ!被害者へのお詫びは?全部やり直し!」。
聞けば、課長は調査現場に立ち会わず能天気な報告受けて、それをそのまま私にトスした模様。アホか!

明けて本日朝、店に行って調べたらやっぱりコーヒーは“超アメリカン状態”。すぐ課長に電話して、「大至急対応せよ!」と申し出るも、「今日は技術者が会議で出かけるので、明日じゃダメですか?」というまたもや能天気な受け答えです。本件2度目のブチ切れ。
「あんたねー、うちのお客様が現実に被害被ってんだよ。他にも被害者は多数いるはずだよ。それをすぐやらないで、ほっておけるか!」

暫くして、再度電話ありまして曰く、「技術者なんとかしました」「分かったありがとう。課長も立ち会ってくれますね?」「大関さんが無理言うから、私が代わりに会議行くことになりまして…」これで本件3度目のブチ切れ!
「あんたねぇ、会議とお客とどっちが大事なんだよ!」「上の命令なんで…」「あんた課長だろ!上に説明してでも来なけりゃダメだろ」「それが無理なんです…」「なんなんだ一体?」「うち変な会社なんですよ。上に言ってやってくださいよ…」

あきれを通り越して、虚脱感…。
この会社、れっきとした上場企業です。
まさに上だけを見ている文化が染み付いた「官僚型組織」ですね。顧客よりも上席優先。昔の官僚組織や金融機関によく見られた傾向です。今でもけっこうあるんですね。
ちょうど今、前防衛大臣の接待問題が取りざたされていますが、渦中の○○洋行なる会社もまさに「官僚型組織」の典型です。役員を天下りで迎えて官僚接待で仕事を取る。昭和の時代にはどこにでも転がっていた話ですが、今は大問題。なんでこんな明らかなコンプライアンス違反が起きてしまったのか。

「官僚型組織」で本当に怖いのは、顧客よりも上席ばかり見てサービスが低下し評判が悪くなることではありません。中の人間が、皆上ばかり見て仕事をし、上はさらにその上、そのまた上もさらに上を見て…。しまいに上が道を誤っても、牽制が効かずに、最後は会社ぐるみでのコンプラ違反を平気で犯してしまうことになるのです。「上がすべて」の文化では、世の中の価値感とは違った価値観がまかり通り、知らず知らずに誤った道に迷い込んでいる可能性があるのです。

件のコーヒー自販機設置会社さん、こんな企業風土のまま上場を続けて、致命的なコンプラ違反を犯さないといいのですが、と老婆心ながら心配になってしまいます。

ビジネス・サミットでの出会い

2007-10-22 | ビジネス
東京ビッグサイトで開催中の「東京ビジネスサミット」に足を運びました。

提携先「洗い屋本舗」さんが出店しているので、その陣中見舞いと、会場内での新ビジネス開拓、コラボ先企業の発掘が主な目的です。

主催はおなじみベンチャーリンク。北は北海道から、南は九州・沖縄まで、各地方の金融機関が橋渡し役を務めて出店した企業が多く、会場内では泊まり出張で大挙して応援にかけつけた各金融機関職員が、客寄せ合戦を繰り広げており、さながら全国ベンチャー自慢大会とでも言えそうな様相でした。

中でも今回地域的に圧倒的な活力を感じたのは、静岡エリアでした。温暖な気候と豊富な食材に恵まれた同県は、商材のアピールポイントも盛りだくさん。多数の出店ブースでにぎわっていましたが、特に食材で「生シラスのチルドパック」と「冷凍桜海老」が素晴らしい出来栄えで、当社の外食部門でもぜひとも使ってみたい逸品でした。

静岡エリアではもうひとつ大きな収穫がありました。斬新な発想とバイタリティ溢れる沼津市の社長との出会いです。
大阪の社長とのコラボで、新しく構築されたビジネスモデルの基本的概念が、「複合ビジネス」による「施設の有効活用」という当社とかなり近いテーマだったのです。しかも、業種はランドリーとある意味ライバルでもありながら、やり方次第では補完関係になるクリーニング業。前にも書いたことがありますが、この手の催しで各ブースで当社のビジネス・コンセプトをお話しするとたいてい「おもしろい」と共感をいただくのですが、今回ほどピッタリとくる考えをお持ちの経営者の方との出会いは初めてでした。

コラボ相手の大阪の社長も交えて、いろいろヒントになる情報交換をさせていただくことができました。お二方とも、30代といった風貌のお若い経営者でしたが、発想の豊かさ、ビジネス・コラボレーションに対する柔軟な姿勢、スピード感等はこちらが圧倒されるような素晴らしい経営マインドをお持ちで、大変刺激になりました。
今後、3者の人脈やビジネス・アイデアをぶつけ合うことでの、新たなビジネスチャンスへの拡大の予感を感じています。
とても楽しみです。

余談ですが、会場で主催者側から取材を受け写真まで撮られてしまいました。そのうちベンチャー・リンクのHPで紹介されるようです。



野イチゴの魅力 ~ ラズベリーズ2

2007-10-21 | 洋楽
引き続きラズベリーズ。

昨日「ラズベリー=野イチゴ」で、アイドルの甘さ(=いちご)とロックのワイルドさ(=野)が組み合わさったバンドという話をしました。

デビュー当時エリック・カルメンのルックスと甘いマスクで、アイドル的な売られ方をしていたラズベリーズが、他の3人のメンバーがロック志向のカラーを出して甘さと荒さの微妙なバランス感覚のもとに作られたのが、彼らの3枚目のアルバム「サイド3」です。個人的には、間違いなく彼らの最高傑作であると思っています。

それまでの2枚はどちらかと言うと、エリック・カルメンの甘いメロディを前面に、やや優等生的アイドルバンドのアルバムというイメージでした。この3枚目はメンバーのロック志向が明確に打ち出され、エリック天性のメロディはそのままに、かなりロック的なアレンジで「野イチゴ」の「野」を強く感じさせるバンドをハッキリと意識させる内容になっています。
しかも、ジャケットは当時流行の特殊変形ジャケット。山盛りのラズベリーを箱詰めにした変形や開き方もさることながら、箱部分をエンボス加工で質感を出すなどの凝り様で、このアルバムへのメンバーやスタッフの力の入れようが分かると思います。

しかしながら、アルバムセールスは惨敗。シングル「トゥナイト」「アイム・ア・ロッカー」「エクスタシー」の3曲はすべてビルボード誌50位以内に届かず、アルバムに至っては100位にも入れませんでした。
恐らくそれまでのアイドル的に売られた誤ったセールス戦略から一転、ロックバンド色が強くなったアルバム「サイド3」は、彼らの主要ファンから受け入れられにくくなったのではないでしょうか。
<コンサルタント的一言>
長期展望に立った販売戦略立案と、戦略変更の際の綿密な戦術立案の重要性がここからはみてとれます。どんなに良い商品でも、販売戦略を誤ってはヒットし得ませんから。

個人的には特にシングル「トゥナイト」なんかは、ラブソングの甘いメロディにハードな演奏で仰々しいアレンジが、今でも大のお気に入りです。私はエリック・カルメンでは、とにかくこの時期のラズベリーズが一番面白いと昔から力説しています。

今年、彼らの再結成コンサートを収録した2CD+DVDのアルバムが発売されました(国内未発売)。この演奏がとにかくいいんです。オリジナルメンバー4人で、まさに「サイド3」の時期の再現のようなライブを展開しています。
サポートメンバーを従えて、基本はオリジナルの完全コピー。サウンドは「サイド3」といった趣です。代表曲はすべてやってます。エリックは歳のせいか、やや高音が苦しそうな場面がありますが、でもDVDで見る限りはさすがにアイドルではないですが、鍛えられた体つきで、決してメタボなナツメロシンガーではありません。

それともうひとつ、この再結成ライブを聞いていて驚いたこと。ザ・フーのカバーなんかもやっていて、米国人の彼らが実は英国の「モッズロック志向だったんだ」と気づかされました。エリックの趣味ではないのでしょう。恐らくはギターで、バンドのアレンジの要であったウォーリー・ブライソンの嗜好ですね。よくよく考えれば、「トゥナイト」も「明日を生きようも」「ゴー・オール・ザ・ウエイ」も、ギターのリフがけっこうイカしていて、まさにフーのピート・タウンゼントみたいなんですね。30余年後の新発見でした。ウォーリーはギターもなかなか達者で、ダブルネックギターなんかを巧みに操る姿は、チョイ悪オヤジ風でなかなかかっこいいですよ。

ラズベリーズファンは必見、必聴の1枚です。HMVだと3枚組でも3千円以下(送料込)で買えたと記憶しています。当時を知るファンには超オススメです。
タイトルは、「Live On Sunset Strip / Raspberries 」(RYKO RCD10879)です。

野イチゴの香り ~ ラズベリーズ1

2007-10-20 | 洋楽
週末一発目の音楽ネタです。

73年、洋楽にハマり始めた頃、メロディの良さと女性ボーカルかと思ったほどの高音かつハスキーで魅力的な声で一撃された、ラズベリーズ「レッツ・プリテンド」です。やはり出会いは「セイヤング~今日のベスト10」で聞いたはずですが、チャートインしたのはわずか4~5日だけで、なかなかその後ラジオで聞くことができず、シングル盤を買いに走ったと記憶しています。

ラズベリーズは、その後「オール・バイ・マイセルフ」等のヒットで知られるエリック・カルメンを中心とした4人組で、実に不思議なバンドでした。
その象徴がバンド名。「ラズベリー=野イチゴ」であり、あまりにロックっぽくない雰囲気ですよね。でも、アイドルの甘さ(=いちご)とロックのワイルドさ(=野)という組み合わせで考えれば、ストロベリーやブルーベリーではなかった理由が良く分かりますし、今となっては「考えオチ」と言えるかもしれませんが、それなりに工夫されたネーミングだったのでしょうね。

バンドも、エリックはどちらかというと、アイドルっぽいルックス含めて(三田明に似ていると個人的には思うのですが…。古いっすね)甘い部分の担当。他のメンバーはどちらかというとハードロック志向で、デビュー当時はおとなしくしていたものの、アルバム制作を重ねるごとに3人のハードさが表に出てきて、エリックの甘いメロディとの不均衡が目立ってきます。まあ、それが私的には他に類のない魅力のようにも思うのですが…。当時はそれを認められることなく、中途半端とのイメージからかアルバムごとに評価は下がり続け、遂には解散に追い込まれたように思います。

さて、本題の「レッツ・プリテンド」。エリックの才能を十分表現し尽くしたメロディラインの美しさは、絶品と言っていいと思います。なぜか日本でも、アメリカでもあまりヒットしませんでした。でも、その後、イギリスのアイドルバンド、あのベイ・シティ・ローラーズがカバーして、本家以上のヒットを記録することになります。その他にも、この曲をカバーしたアーティストは多数います。

でも、何と言っても本家本元が一番。当時洋楽聴き始めの私には、先に言ったようにイントロがないいきなりの歌い出し「あ~い きゃ~んと すり~ぷ な~い…」は本当に衝撃的でした。しかもエリックのハスキーボイスに乗った珠玉のメロディラインですから。本当に懐かしいですね。

その後、彼はソロになってからの方が大成するのですが、私にとってのもっともエリックらしい1曲と言えば、「オール・バイ・マイセルフ」でも「恋にノータッチ」でもなく、間違いなくこの曲です。

ラズベリーズに関しては、まだ言いたいことがあるので、明日に続きます。


明日と言えば、競馬はGⅠクラシック最終戦「菊花賞」です。
しつこく言っている秋3歳戦の経験則、「古馬重賞経験馬(特に前走)要チェック!」を今回も強調しておきます。

となると、⑨サンツェッペリン、⑫アルナスラインに注目です。
古馬1000万円条件の長距離戦を勝ち上がっている⑭デュオトーン、⑰ホクトスルタンも要注意(⑰は特に良馬場でした。GⅠで前哨戦4着というのも要注意パターン)。
人気馬との組み合わせにお忘れなきよう。