“因縁の対決”“世紀の一戦”と騒がれ昨日さいたまスーパーアリーナで行われた、プロボクシング世界フライ級タイトルマッチは、挑戦者亀田興毅がチャンピオン内藤大介を3-0の判定で下し、新チャンピオンの座につきました。ボクシング一家の亀田家と内藤の因縁は、亀田家側の言いたい放題の“ビッグマウス”な内藤批判に始まり、2年前の内藤-弟亀田大毅世界戦での家族ぐるみと言われた大毅の反則試合の末、内藤は国民的英雄に祭り上げられ、亀田家は対照的に国民的悪役としての汚名を被り屈辱的な日々を送りつつ、待望久しい雪辱戦に臨んだのでした。
私は、勝敗はともかく今回も亀田のラフファイトに近い挑戦的なボクシングと、内藤の大人のボクシングの闘いになるに違いないと思っていたのですが、ふたを開けてびっくり全く予想に反した試合となりました。一言で言えば、意外なほどに冷静沈着な“大人の”亀田といつになく熱っして空回りした内藤の好対照な闘い、と言ったところでしょうか。双方とも“因縁の対決”にかける想いはただならぬものがあったでしょうし、互いに冷静さを保つことなど無理に等しいほどの高ぶりがあったのもまちがいありません。2年前の内藤と弟大毅の一戦も同じようなテンションの状況下で、頭に血が上って暴れまわった大毅を、内藤が回を追うごとに冷静に対処し勝利したという印象の試合でした(テクニックの差も明白ではありましたが…)。この手の試合は、「冷静さを失った方が負け」の勝負なのです。
ところが今回は、内藤はリングに上がる前から異常にテンションが高く、“怒りモード”に入っているのかと思うほど高ぶっているのが手に取るように分かりました。対する亀田興毅は試合前から意外なほどに冷静な表情。試合が始まっても、挑発や挑戦的なポーズはほとんどなく、相手のテンションを見て、まるで悟ったかのような落ち着きぶりでした。内藤はといえば、「前に出る」というよりは「打ち急ぐ」といった感が強く、手数の割にはヒットが少なく逆に効果的なパンチを確実にもらう形になってしまいました。例えてみれば、ちょうどディベート勝負を見ているかのような試合で、感情的にガリガリ対応する側は空回りばかりして、冷静に対処する側は論理的展開で相手を一歩一歩追い詰めていく、まさにそんな試合だったのです。
過去には感情面や言動面で問題の多かった亀田興毅ですが、昨日の試合を見るに弟大毅の“不祥事”で“冷や飯”を食わされたこの2年間での成長ぶりに正直感心させられました。ビジネスにおける折衝や議論のあり方すら示唆するかのような見事な試合運びでの快心の勝利に、心から賞賛の拍手を贈りたいと思います。
私は、勝敗はともかく今回も亀田のラフファイトに近い挑戦的なボクシングと、内藤の大人のボクシングの闘いになるに違いないと思っていたのですが、ふたを開けてびっくり全く予想に反した試合となりました。一言で言えば、意外なほどに冷静沈着な“大人の”亀田といつになく熱っして空回りした内藤の好対照な闘い、と言ったところでしょうか。双方とも“因縁の対決”にかける想いはただならぬものがあったでしょうし、互いに冷静さを保つことなど無理に等しいほどの高ぶりがあったのもまちがいありません。2年前の内藤と弟大毅の一戦も同じようなテンションの状況下で、頭に血が上って暴れまわった大毅を、内藤が回を追うごとに冷静に対処し勝利したという印象の試合でした(テクニックの差も明白ではありましたが…)。この手の試合は、「冷静さを失った方が負け」の勝負なのです。
ところが今回は、内藤はリングに上がる前から異常にテンションが高く、“怒りモード”に入っているのかと思うほど高ぶっているのが手に取るように分かりました。対する亀田興毅は試合前から意外なほどに冷静な表情。試合が始まっても、挑発や挑戦的なポーズはほとんどなく、相手のテンションを見て、まるで悟ったかのような落ち着きぶりでした。内藤はといえば、「前に出る」というよりは「打ち急ぐ」といった感が強く、手数の割にはヒットが少なく逆に効果的なパンチを確実にもらう形になってしまいました。例えてみれば、ちょうどディベート勝負を見ているかのような試合で、感情的にガリガリ対応する側は空回りばかりして、冷静に対処する側は論理的展開で相手を一歩一歩追い詰めていく、まさにそんな試合だったのです。
過去には感情面や言動面で問題の多かった亀田興毅ですが、昨日の試合を見るに弟大毅の“不祥事”で“冷や飯”を食わされたこの2年間での成長ぶりに正直感心させられました。ビジネスにおける折衝や議論のあり方すら示唆するかのような見事な試合運びでの快心の勝利に、心から賞賛の拍手を贈りたいと思います。