不当解雇などを訴えオリンパスと争っていたマイケル・ウッドフォード元社長(以下ウ氏)が、オリンパス社から約12億円を受け取る事で和解する見通しであると報じられました。
「なーんだ」と思われた方も多いのではないでしょうか。私もその一人。世の中には、カネで解決をしていい問題とそうでない問題というものが存在するわけでして、個人的にはこの問題は日本の国際的に活躍する大企業の企業統治のあり方に一石を投じた事件であっただけに、ウ氏解雇に至った理由やその組織決定プロセスの検証は、裁判を通じて明らかにされるべきであると期待していたので本当に残念です。
和解金の12億円はウ氏が解雇されずに任期満了まで社長職を務めた場合に手にしたであろう報酬に見合う金額だそうで、ウ氏側の訴えではこれに加えてさらに継続して同社の経営に携わった場合の金額などまでを合算した約48億円にのぼる訴訟であったわけです。当然、48億円などと言う膨大な金額をオリンパス側が了承する見通しもなく、私はウ氏が無理な金額を吹っかけて裁判を長期化させてでも自分が解雇された真実の経緯を世間に晒すべきであろうとの判断でこの訴えを起こしたものと思っていました。
それが訴えた金額の約4分の1で手打ちとは。「なーんだ。カネ目当てかよ!」などという批判が、すでに2ちゃんあたりでも巻き起こっているようです。私はウ氏の対応にも納得しがたいものを感じつつも、金銭交渉で早期和解に持ち込んだオリンパス社の対応にこそ大いに問題ありと感じています。本件が「不当解雇でない」でないとハッキリと言えるのならば、オリンパスは明確に解雇に至った真実を法廷で明らかにして徹底的に戦うべきでしょう。しかし和解金、しかも解雇にならなかった場合の任期の全報酬に見合う分を払うと言うのは、全面的に「非」を認めたことに等しいと思います。
すなわち、オリンパスと言う上場された大企業が自己が起こした社会問題に対する責任を全うする観点からは、なぜ和解金を払って問題を解決に向かわせたのか、和解金を払って解決するという「不当解雇」を認めざるを得なかった理由は何であるのか、少なくとも株主に対しては明確な形での説明義務があると思いますし、不当解雇を決めた当時の経営陣の責任は免れ得ないでしょう。また、もしこのまま「不当解雇」に関する社内調査結果等について一切の説明もなく、何事もなかったかのように事を済ますのであれば「カネによる口封じ」以外の何物でもなく、ガバナンス上新たに大きな禍根を残すことになるのです。
オリンパス事件は、そもそもガバナンス不在が引き越した日本企業として恥ずべき不祥事であったハズです。このままカネによる当事者の“口封じ”で事を終わらせるというガバナンス改善が全くなされていない解決法は、オリンパス社の更なる“やってはいけない”であり、和解せざるを得なかった「不当解雇」認定理由は、同社株主総会等で必ず明確な説明をすべきと思います。メディアはスキャンダラスにウッドフォード氏の和解金獲得面ばかりを追うことなく、オリンパス社の本件に関する決着の行方についてしっかりと目を光らせて欲しいところです。
「なーんだ」と思われた方も多いのではないでしょうか。私もその一人。世の中には、カネで解決をしていい問題とそうでない問題というものが存在するわけでして、個人的にはこの問題は日本の国際的に活躍する大企業の企業統治のあり方に一石を投じた事件であっただけに、ウ氏解雇に至った理由やその組織決定プロセスの検証は、裁判を通じて明らかにされるべきであると期待していたので本当に残念です。
和解金の12億円はウ氏が解雇されずに任期満了まで社長職を務めた場合に手にしたであろう報酬に見合う金額だそうで、ウ氏側の訴えではこれに加えてさらに継続して同社の経営に携わった場合の金額などまでを合算した約48億円にのぼる訴訟であったわけです。当然、48億円などと言う膨大な金額をオリンパス側が了承する見通しもなく、私はウ氏が無理な金額を吹っかけて裁判を長期化させてでも自分が解雇された真実の経緯を世間に晒すべきであろうとの判断でこの訴えを起こしたものと思っていました。
それが訴えた金額の約4分の1で手打ちとは。「なーんだ。カネ目当てかよ!」などという批判が、すでに2ちゃんあたりでも巻き起こっているようです。私はウ氏の対応にも納得しがたいものを感じつつも、金銭交渉で早期和解に持ち込んだオリンパス社の対応にこそ大いに問題ありと感じています。本件が「不当解雇でない」でないとハッキリと言えるのならば、オリンパスは明確に解雇に至った真実を法廷で明らかにして徹底的に戦うべきでしょう。しかし和解金、しかも解雇にならなかった場合の任期の全報酬に見合う分を払うと言うのは、全面的に「非」を認めたことに等しいと思います。
すなわち、オリンパスと言う上場された大企業が自己が起こした社会問題に対する責任を全うする観点からは、なぜ和解金を払って問題を解決に向かわせたのか、和解金を払って解決するという「不当解雇」を認めざるを得なかった理由は何であるのか、少なくとも株主に対しては明確な形での説明義務があると思いますし、不当解雇を決めた当時の経営陣の責任は免れ得ないでしょう。また、もしこのまま「不当解雇」に関する社内調査結果等について一切の説明もなく、何事もなかったかのように事を済ますのであれば「カネによる口封じ」以外の何物でもなく、ガバナンス上新たに大きな禍根を残すことになるのです。
オリンパス事件は、そもそもガバナンス不在が引き越した日本企業として恥ずべき不祥事であったハズです。このままカネによる当事者の“口封じ”で事を終わらせるというガバナンス改善が全くなされていない解決法は、オリンパス社の更なる“やってはいけない”であり、和解せざるを得なかった「不当解雇」認定理由は、同社株主総会等で必ず明確な説明をすべきと思います。メディアはスキャンダラスにウッドフォード氏の和解金獲得面ばかりを追うことなく、オリンパス社の本件に関する決着の行方についてしっかりと目を光らせて欲しいところです。