日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

ウッドフォード元社長「な~んだ」の陰にある問題点

2012-05-30 | 経営
不当解雇などを訴えオリンパスと争っていたマイケル・ウッドフォード元社長(以下ウ氏)が、オリンパス社から約12億円を受け取る事で和解する見通しであると報じられました。

「なーんだ」と思われた方も多いのではないでしょうか。私もその一人。世の中には、カネで解決をしていい問題とそうでない問題というものが存在するわけでして、個人的にはこの問題は日本の国際的に活躍する大企業の企業統治のあり方に一石を投じた事件であっただけに、ウ氏解雇に至った理由やその組織決定プロセスの検証は、裁判を通じて明らかにされるべきであると期待していたので本当に残念です。

和解金の12億円はウ氏が解雇されずに任期満了まで社長職を務めた場合に手にしたであろう報酬に見合う金額だそうで、ウ氏側の訴えではこれに加えてさらに継続して同社の経営に携わった場合の金額などまでを合算した約48億円にのぼる訴訟であったわけです。当然、48億円などと言う膨大な金額をオリンパス側が了承する見通しもなく、私はウ氏が無理な金額を吹っかけて裁判を長期化させてでも自分が解雇された真実の経緯を世間に晒すべきであろうとの判断でこの訴えを起こしたものと思っていました。

それが訴えた金額の約4分の1で手打ちとは。「なーんだ。カネ目当てかよ!」などという批判が、すでに2ちゃんあたりでも巻き起こっているようです。私はウ氏の対応にも納得しがたいものを感じつつも、金銭交渉で早期和解に持ち込んだオリンパス社の対応にこそ大いに問題ありと感じています。本件が「不当解雇でない」でないとハッキリと言えるのならば、オリンパスは明確に解雇に至った真実を法廷で明らかにして徹底的に戦うべきでしょう。しかし和解金、しかも解雇にならなかった場合の任期の全報酬に見合う分を払うと言うのは、全面的に「非」を認めたことに等しいと思います。

すなわち、オリンパスと言う上場された大企業が自己が起こした社会問題に対する責任を全うする観点からは、なぜ和解金を払って問題を解決に向かわせたのか、和解金を払って解決するという「不当解雇」を認めざるを得なかった理由は何であるのか、少なくとも株主に対しては明確な形での説明義務があると思いますし、不当解雇を決めた当時の経営陣の責任は免れ得ないでしょう。また、もしこのまま「不当解雇」に関する社内調査結果等について一切の説明もなく、何事もなかったかのように事を済ますのであれば「カネによる口封じ」以外の何物でもなく、ガバナンス上新たに大きな禍根を残すことになるのです。

オリンパス事件は、そもそもガバナンス不在が引き越した日本企業として恥ずべき不祥事であったハズです。このままカネによる当事者の“口封じ”で事を終わらせるというガバナンス改善が全くなされていない解決法は、オリンパス社の更なる“やってはいけない”であり、和解せざるを得なかった「不当解雇」認定理由は、同社株主総会等で必ず明確な説明をすべきと思います。メディアはスキャンダラスにウッドフォード氏の和解金獲得面ばかりを追うことなく、オリンパス社の本件に関する決着の行方についてしっかりと目を光らせて欲しいところです。

ハワイで飲食店経営は“愚かな夢”?

2012-05-29 | ビジネス
先週、親戚の結婚式に参列する目的で訪れたハワイで、不動産屋にアポを取り興味本位にあちらの不動産事情やら店舗経営事情やらを聞いてみました。すると、聞いてビックリ!経営における三資源である「ヒト」「モノ」「カネ」に関し“三重苦状態”なのでした。「将来はハワイで店舗経営」などと夢物語を描かれている方に、私が聞いた厳しい現実を少しお話ししておきます。

まずハードルが高いのは「カネ」。あちらは家主の立場が圧倒的に強く、ワイキキやアラモアナといった主に日本人観光客相手に高価格の商売が展開できる一等地での不動産賃貸は、信じられない条件が提示されるそうです。2000年以降急激に跳ね上がりカラカウア通りでは坪7万円以上と賃料が高いことは当然のことですが、さらには保証金の額が半端じゃないと不動産屋氏は言っておりました。さらに日本人相手とみるや円高を踏まえた吹っかけ折衝もあるようで。何でも昨年ワイキキの裏通りに10坪弱のラーメン店をオープンさせた日本人氏は、トータルで約5千万円もの投資になったと。もちろんその大半は不動産関連経費。10坪ですよ10坪。1年もたずに閉店したそうです。

それに加えて、あちらは高額の固定資産税が借り手負担。さらに、契約更新時に決まって家主は賃料のアップを突き付けてくるそうです。中には商売の状況が順調と見るや50%アップ要求なんてこともあり、転居を余儀なくされることも珍しくないと。その他にも何かにつけて家主から過大な要求があるそうです。例えば、ワイキキの一等地中の一等地ロイヤル・ハワイアン・ショッピング・センターでは、数年前の全面改装時に日系テナントは数千万円から億単位の改装協力費を要求されたとか。これに嫌気して撤退を余儀なくされた日系老舗店舗もあったそうです。

次に問題になるのは「モノ」。「モノ」というのは開店に際しての店舗の建築資材や家具調度品、開店後の食材、食器、販促物等々…。あらゆるものに関して、現地調達が全くできないわけではないものの、出店にカネをかける以上、納得のいく店づくりや店舗運営をしたいと思うのは当たり前の流れですが、それを実現しようとすればするほど現地調達の限界を向き合うことになり、“海外”からの調達には多額のコストがかかると。なにしろ、ハワイは太平洋のど真ん中に位置する常夏の楽園ですから、どの大陸からも、もちろん日本からも相当の距離があるわけで、何を運ぶにも相当のコストになるのです。

最大の問題点と言えそうなのは「ヒト」。常夏の楽園で育った現地人ロコたちは、とにかくのんびり、マイペースな気質が特徴です。スタッフの頭数を揃えてはみても、気分次第ですぐに自主休暇を決め込んだり、あるいは遅刻をなんとも思わなかったりなどというのは日常茶飯事とか。開店したばかりの飲食店が、連日無断欠勤者が相次いで店の運営がままならず1か月で閉店に追い込まれたなどという例もあるそうです(中国などの従業員資質とはまた異なる厄介さがあるようです)。

中小・零細の飲食店レベルでは、こんな“異星人”教育など到底無理。うまく勤怠管理ができたとしても、今度はそれを材料に賃上げ交渉に転じ、交渉不調に終わるなら平気で去っていくということもしょっちゅうだそうです。ちなみに、ワイキキで15年以上続いている日系飲食店はその安定経営の秘訣を「日本人スタッフ以外は採用しないこと」であると胸を張って言っていました。ハワイで仕事をもって生活したいと言う若者が増えているので、日本人雇用自体はそう難しいことではないようですが、当然単価が高くなります。また、あちらでは、健康保険は全額会社負担であったりその他法定福利費が高かったりと、何かと「ヒト」にかかるコストもかさむようです。

以上のように、ハワイで飲食店ビジネスをやろうなどというのは余程の金持ちでもない限りは、うまくいく方が不思議と思えるような状況なのです。不動産屋氏の曰く、「ハワイで飲食店をやって長続きするのは、日本国内で儲かって仕方のない大型チェーン店の採算度外視での広告塔的出店か、高額所得企業オーナーの道楽ぐらいなもの」だとか。本気で利益を生む飲食店経営を考えたいのなら、「ワイキキやアラモアナ地区は避けて、郊外で現地人相手の安い食堂でも経営する方が近道」とも。

それでも日本人経営によるワイキキ、アラモアナ地区への新規出店相談は、日本国内の景気低迷を反映して外に活路を求めてのことか、減少どころか増加傾向にあるのだとか。「ワイキキあたりの毎日がお祭り状態の人の流れを見ると、経営者にはカネの成る木があるかのように見えるんでしょうね」と不動産屋氏。カネの成る木は確かにありそうですが、その成ったカネを収穫するのは大抵は日本人ではないようです。

利用者をバカにした東電「電気料金値上げのお願い」

2012-05-25 | ビジネス
所要あってしばし日本を離れておりました。昨日我が家に帰ってみると、たまった郵便受けに電気料金明細と共に「電気料金値上げのお願い」なるペーパーが…。「なんだ、これ?」「値上げって正式決定したんだっけ?」。思わず時差ボケの頭に???がたくさん浮かんでまいりました。

あちらでもネットでニュースはチェックしていたので、帰りの飛行機に乗っている間に政府の値上げ認可決定がなされていないならそんなことはないハズ、と結論づけるまでに約30秒。その後には、このタイミングで何だこれはと、私の???は怒りに変化していった訳です。バカにしてませんかね。値上げがさも既定路線であるかのような「値上げのお願い」?消費者心理を考えたら明らかに“火に油”の1枚であり、空気を読めない“KY企業風土”が、またやらかしてくれたかとただただ呆れるばかりであります。

私が考えるこのペーパー最大の問題点は、中身はさておき少なくとも現段階でタイトルは「値上げのお願い」ではなく、「値上げ申請に関するご説明」でなくてはいけない点。これは決して揚げ足取りではなく、「値上げのお願い」という書き方はどこの企業やどこの商店でも、基本的には値上げが内部決定された後に、「値上げが決まったのでお知らせします。どうかご理解いただき引き続きご愛顧願います」と告知するという流れであるべきで、こんな書き方は自己中の極み以外の何モノでもありません。

言い方を変えれば、彼らの頭の中には「政府が値上げを大前提で盛り込んだ再建計画を受理したのだから、値上げは決定したのです。あとは事務手続きだけです」というものがあり、完全に顧客無視の考えの表れとも言えるでしょう。繰り返しますが、彼らが「認可が決定するかどうか分からない」と考えているなら、「お願い」ではなく世論に認可に向けた理解を求める「ご説明」なくてはならないのです。ただこの間違いは、もしかすると既成事実化の流れを消費者に植え付けるための意図的なものなのかもしれません。とするなら、なおさら腹立たしさは増してくる訳です。なめられたものです、お客様であるはずの東電利用者は。

中身についても全く利用者に対する説明になっていません。これまで発表されてきた漠とした資料の焼き直しにすぎず、少なくとも利用者に「これじゃ値上げもやむを得ない」との理解を求めるようなものでは到底ないのです。それ以上に大変気になったのは、値上げについては確か「3年間の期間限定」ということであったはずなのですが、そのことについては一切触れられていないこと。値上げさえしてしまえば、なし崩し的にそのまま突っ走り4年後以降は固定化された値上げの上で、元のぬるま湯経営に戻そうとしてるのではないか、とさえ思えてきます。この点は絶対に見過ごしてはいけないと思います。

「焼き直し説明」と言いましたが、現段階で本来東電がするべき説明は、値上げ予定期間3年間において、①いくらの経費増があり(要内訳金額明示)②リストラ策でいくらねん出し(当然個別施策ごと金額見通明記)③それを受けて不足額がいくらになるのでその分を3年間値上げでまかなうと値上げ率はいくらになる、と論理的で誰が見ても分かるものでなくてはいけないのです。基本的に顧客に他企業への移転と言う選択肢の無い“独占的公共企業”なわけですから、当然この部分を利用者に明示する義務があると考えます。

現時点で提示されているモノを見るに、経費増に関しては年間「約1兆円の増加」という記載のみ。リストラ策について「10年間で3兆3650億円」とかいう相変わらずの期間のミスマッチ提示による非常にゴマカシ臭い数字にとどまっているのです(利用者に対しては値上げ期間に対応した期間必達目標を提示すべきです)。まず値上げ期間3カ年を明示して、3カ年で約3兆円のコスト増に対して東電は死に物狂いでいくらのリストラを実現するのか、対していくらを利用者負担としようとしているのか、を目に前に見せて自己努力と協力要請期間をコミットしなければ到底利用者の理解は得られないと思うのです。

以上から結論づけるなら、この慇懃無礼な“お願いペーパー”からは、「もともと利用者の理解など得ようとしてませんよ」「値上げを申請したのだから覚悟しろと言ってやるだけありがたく思えよ」という東電の声が聞こえてくるわけです。だからこそこの上ない怒りを覚えるのです。こんな利用者をバカにした“やってはいけない”連発企業をブラックと言わず何と言いましょう。新経営陣は、こんなペーパーを平気で利用者に出すような企業体質をまず問題視し大改革に着手しなくてはいけませんし、株主たる政府もまたこのペーパーを問題視して安易な値上げ認可は絶対に許してはならないと言うことを、強く申し上げておきたいと思います。

時差ボケでボーッとした頭をガツンと覚ましてくれるような、怒りどころ満載の「値上げのお願い」でありました。

いよいよ動き出した「くま辛」!20日は星川で市民向けお披露目!

2012-05-18 | ビジネス
“日本一暑い街”熊谷の街おこし「くま辛」がいよいよ動き出しました。

昨日は一昨日の「旗揚げ式」の模様がTBSテレビの「朝ズバッ!」で取り上げられ、小職のインタビューも全国ネットで放映されました!また午後には、熊谷市長を招いての「くま辛キックオフ大会兼メニュー試食会」が、関係者約70名を集めて大々的に開催され、マスコミ各社のカメラ砲列ができるほどの大盛況で、立て続けに各社からインタビューを求められた富岡清熊谷市長もびっくり!いよいよ熊谷も、暑いだけの街を脱する時が来たようです。

「くま辛」の概要は以下のとおり(メディア向け資料より)。

◆あついぞ!熊谷「くま辛プロジェクト」について◆

1.趣旨
「くま辛プロジェクト」は、“日本一暑い街”熊谷を「HOT」をキーワードとして外から人を呼べる街づくりをめざす永続的なプロジェクトです。
「食」にとどまらない地域活性化と、熊谷のシティ・ブランドづくりをめざします。

2.経緯
昨年「星川屋台」を復活させた飲食店経営者による「食」の地域活性化団体「熊谷倶楽部」が企画した、「食」にとどまらない官民一体での街の活性化プロジェクト。
熊谷市の全面的バックアップをいただき、本年の夏スタートの一大プロジェクトとして動き出しました。

3.主催・後援団体
主催:熊谷倶楽部(くま辛実行委員会) 代表:坂本公一
後援:熊谷市、熊谷市観光協会、熊谷市社交飲食組合、熊谷市商店街連合会 他
※シンボル・キャラクターとして、「あつべえ」の使用許可をいただいております。

4.プロジェクト概要
参加飲食店がそれぞれ「地場産野菜を使用した辛口(HOT)メニュー」を登録し、
原則“HOT”を象徴する土鍋で提供します。
1店舗で複数メニューの提供も可。独自メニューの考案が難しい店舗用に、協賛食品メーカー考案の見本メニュー(12種類)を用意、レシピを公開します。
= なぜ「辛口メニュー」か? =
「辛い」は英語で「あつい」と同じ「HOT」であること。辛い食べ物による発汗作用の気化熱効果は、冷たい食べ物よりも数段清涼作用があると医学的に実証済でかつ、辛い物は内臓を刺激し夏場の食欲増進効果もあるという暑い熊谷にピッタリなことに着目しました。

5.プロジェクト展開
・5月17日(木)富岡市長出席による「キックオフ大会兼メニュー試食会」開催
・5月20日(日)開催の「星川屋台」にて、市民向けメニュー発表会開催
・6月17日(木)各店メニュー提供開始(“アチチの日”プロジェクト・スタート)
・7月うちわ祭りにて、参加店舗によるグルメイベントを実施(詳細未定)
・その他継続的に地域イベントやキャンペーンを企画し、永続的街おこしプロジェクトとして熊谷市の新しいブランドづくりを盛り上げてまいります。

■現在参加表明店約60店舗。引き続き参加店を募集中です。■
参加希望店舗の申し込み・照会先:熊谷倶楽部事務局 ℡048-521-6091


★20日(日)には、熊谷星川通り「お祭り広場」にて、「くま辛」メニューの市民向けお披露目となる星川屋台を、10~14時で開催します。メディアも多数取材に来られるようです。
6月17日の正式スタートを前に、ひと足早く「くま辛」を味わうチャンスです。この夏話題必至の「くま辛」、20日には皆さま奮ってのご来場をお待ちしております。

「美人すぎる市議」の“やってはいけない”

2012-05-15 | ニュース雑感
2月の市議選で当選し“美人すぎる市議”などともてはやされていた、タレントで新座市議の立川明日香さんが、「立候補に必要な居住実態がなかった」として市選挙管理委員会から「当選無効」とされたことを不服として、県選管に審査を申し立てたとか。

立川さんは、東京都足立区の出身で昨年9月までは練馬区在住。同月新座市に住民票を移し2月の市議選に立候補しています。公選法では被選挙資格を「選挙区内での3か月以上の居住実態」規定していて、彼女は住民票上は3か月以上の“居住”があったものの、市民からの申し立てを受けて実態調査を実施した新座市選管は、「昨年10月から今年2月まで水道の使用実績が0」などを理由に「居住実態なし」として先月「当選無効」を決定していました。

昨日会見した明日香さんは、「昼は東京で仕事や政治活動をし、夜帰って寝泊のみまりする生活をしていた」「風呂は練馬区のマンションや外で入っていた」「洗顔する暇がなかった」「トイレはコンビニで借りた」と、「水道を使わない居住実態」を強調していたよとか。あまりに子供じみた言い訳ではないですか。「居住実態」の意味がお分かりでないようで。コンプライアンスにおける考え方が、「法律に形式上違反していなければよい」のではなく、「気持ちの面も含めた実態が法令に沿っている」ことが求められるのと同じ。彼女が問われているのは、「あなたは胸を張って新座市民の明日を考えられると言えますか」ということなのです。

生活パターンの話とか、水道使用の言い訳とか、そんなことはどうでもよろしい。そもそも、足立区出身で練馬区在住だったあなたがなぜ新座市議なのか、そこの説明に市民が納得できないから巻き起こった騒動であり、「居住実態なし」の決定であるわけです。自分が指摘されている「居住実態なし」の真意や、問題の焦点になぜ気がつかないか、です(まぁ気がついていても気がつかないフリで、せっかく手に入れた「既得権」を手放すまいとしているのかもしれませんが)。

過去の彼女の新座市議出馬説明によれば、「新座市は練馬区と隣接した地域であり親近感を感じていた」という程度のもののみ。「自分の政治的テーマを実現する場所として、その顕著な問題を抱える市町村として新座市を選んだ」とかの理由があってしかるべきなのに、それは全くない。「議員になれればどこでもよかった」「たまたま近くで選挙があったから」が理由であると思われてもしかたない状況です。

似たような話が最近他でもありましたね。カンボジアのオリンピックマラソン代表の座を取り消された芸人猫ひろし氏。彼もカンボジアでの居住実績がないということが、代表の座取り消しの理由でした。国際問題であるか否かの差こそあれ、立川さんもほとんど同じ。市議は市民生活の将来を預かる立場である重責ポストな分、オリンピック代表よりもよほど問題は深刻であると思います。

猫氏は潔く身を引き「カンボジア人として4年後のリオをめざす」と宣言しました。猫氏の肩を持つつもりはありませんが、少なくとも引き際のよさと今後に向けた姿勢には好感が持てるものがあったと思います。立川さんもここは一刻も早く潔く身を引き、「本当の市民として生活を始めることから出直して、次回は誰からも認められ当選できるようがんばります」と宣言すべきでしょう。この後、県選管の決定を不服とするなら問題は法廷に持ち込まれることになり、粘れば粘るほど市議の身分は継続されて、余計な出費を新座市に続けさせることにもなります。

立川さん、あなたが本当に新座市と新座市民のことを思うのであれば、政治家としての“あるべき”対応をしっかり示して欲しいところです。地方と言えども政治をなめるなよ!

熊谷には不安な時間帯別電気料金

2012-05-11 | ニュース雑感
今日は節電の夏に向けた電力料金を考えてみます。

報道によれば、この夏の電力料金は時間帯別の料金体系を導入する方向とか。午後1~4時の電力消費ピーク時の料金を標準料金よりも高くし、電力消費が減る夜間料金を安くして、昼の電力使用を抑制し夜間の使用を後押することで平準化をはかろうというものです。先行して時間帯別電気料金制度を実験運用している九州電力では、基本使用料を単位あたり20円に設定し、昼のピーク料金を50円と2.5倍に、逆に夜間を8円と半額以下に下げるというやり方をしているそうです。

東電がどういう料金体系にしてくるのか現時点では不明ですが、まぁ似たりよったりのものになるであろうことは想像に難くないところです。ただちょっと待ってくださいよ。この手の問題でやはり問題視されるのは東電管内における地域間での公平感の確保です。もちろん、絶対的な公平感確保などはあり得ない訳ですが、そのあたりを少しでも考慮してもらえるのか否か個人的には大変気になるところであります。

何のことを言っているかと申しますと、暑い地域と普通の地域と比較的涼しい地域と同条件はないよねと、日本一暑い街に住む身からすれば思う訳です。分かりやすく具体的に言えば、例えば熊谷市と東京23区と群馬県榛名湖畔と、同じはないんじゃないかと…。8月猛暑ピーク時の最高気温35度前後の東京と、最高気温40度前後の熊谷と、最高気温30度前後の榛名と、エアコンなしで我慢できる度合いも違うのではないかということです。月間の平均最高気温と言うデータで見てしまうと数字的には、1度とか2度とかの差しか出ないのでしょうが、住んでみないと分かりませんが全然違うのですから。

都内は確かに暑い、でも実際に耐えられない暑さは意外に夜だったりします。逆に熊谷は夜はまだまし、でも昼の殺人的な暑さは異常です。「今日も熊谷の最高気温は38度でした」とかよくニュースで報道されますが、これは百葉箱水準で計ってこの気温。実際の市街地コンクリート・ジャングルでは45度とかザラじゃないのかなと思います。エアコンなしは自殺行為です。ちなみに我が家は、東京から熊谷への転居以来、決まって8月に家電製品が壊れています(ここ3年間は冷蔵庫、エアコン、テレビです)。いかに異常な暑さかご理解ください。他方、夏場に合宿研修等で訪れたことのある群馬県榛名湖畔あたりは、まぁ「涼しい~」まではいかないにせよ、午後の暑さもエアコンなしで十分我慢できるレベルかなと。

この3者を同じ基準で運用されたのでは、「熊谷で昼のエアコン我慢のお年寄りまた死亡!」とか、そんな新聞の見出しが今から目に浮かびます。このあたりなんとか配慮して欲しいものです。昼のピーク時の電気料金が通常の2.5倍もとられてしまうなら、「我慢しょう!」ってことになりますよね。政府も「クールシェア」なる運動を掲げて民間店舗等の「涼みスペース提供」の働きかけも始めているようですが、まだまだ浸透までには時間が必要な状況と思います。都会ならピーク料金時間はショッピング・センターとかに日中涼みに出るも可能ですが、一歩下がった住宅地や田園地帯ではそれもできない。移動の足を持たないお年寄りはなおさらです。

東電の時間帯別料金の導入が正式申請されるなら、政府は猛暑地域での悲劇を生まないよう対策は十分考えて認可して欲しいところです。