日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

2007年私の10大ニュース その5

2007-12-31 | その他あれこれ
いよいよ大晦日、今年も残すところあと1日となりました。
2007年私の10大ニュース 第2位と第1位です。

<第2位> ランドリープラス1号店オープン!
私が考える新しいビジネス・コンセプト"複合ランドリー"の実験店舗、「ランドリープラス」の1号店が7月にオープンしました。
私が独立前から暖めていたコインランドリーのワンストップ化を目指した「複合ランドリー」ビジネスが、具体化に向けていよいよ動き出すこととなりました。

1号店は店舗物件を探し始めてから、1年弱の歳月をかけてオープンにこぎつけました。当初の想定よりも小ぶりな店舗になってしまったことで、「ランドリープラス」の"プラス"部分は、当面セルフ・カフェ+保険等ライフプラン相談窓口となっております。
半面、想定よりも駅近物件になったことで、今後の実験展開的には、いろいろおもしろいかもしれないと思っています。

いずれにしましても、まだまだ実験の第一歩を踏み出したばかりの「複合ランドリービジネス」です。来年は2号店、3号店の展開および「プラス」部分のバリーエーションを、外食を軸にしながら外部の方々の協力を得ていろいろ検討していきたいと思っております。

必ずやおもしろい展開が待っている有望なビジネスであるとの、自信をもってすすめてまいります。


<第1位> 複合ビジネスカンパニー「株式会社スタジオ02」設立!
本年3月30日付で株式会社スタジオ02を設立いたしました。平成18年の4月1日の独立以来、1年以内の法人設立を第一目標にしてきましたので、各方面との調整や準備をすすめ、ギリギリ1年以内に会社を設立できたことになります。

業務は基本のコンサルティング部門、ニュービジネス関係の事業部門、両部門に派生的に付随する代理店部門の3部門でのスタートとなりました。
曲がりなりにも自己の企業を運営することで、コンサル業務における経営者のマインドを共有することができれば、との考えも目的のひとつではありました。

コンサルティング部門がパイプづくり等の面で事業部門とフレキシブルに連携する、という当初のコンセプト通りのオペレーションを基本に運営し、とりあえず1年目は順調な立ち上げの年となったと思います。関係の皆さまには、この場をお借りして御礼申しあげます。

来年以降は、いよいよ「複合ビジネスカンパニー」としての本格的な事業展開をしていきたいと考えております。
「ソフト」面中心のビジネスモデルで、ある程度のビジネス規模まではいけると目論んでいましたが、実際に手がけてみると当社の事業分野では「ソフト」と「ハード」はある程度のバランスが必要であるとの実感を持ちつつあります。
その意味で来年は、事業展開に伴う活動拠点の拡充や事業部門を中心とした人材面の確保なども、企業成長のため先行投資的に必要になる場面もあるのではないかと思っています。

やりたいこと、やらなくてはいけないことが山積み状態のスタジオ02ですが、焦らず、着実に成長させていければと思っています。
今後ともよろしくお願い申しあげます。

では、皆さま、良いお年をお迎えください。

2007年私の10大ニュース その4

2007-12-30 | その他あれこれ
10大ニュース第4位、第3位です。

<第4位> カレーパンテスト販売好調!
㈱スタジオ02の外食部門第一弾仮称「横濱元町カリーパン」「横濱馬車道あんどぉな」の、テスト販売を熊谷市および桐生市で実施しました。

「カリーパン」はその名の通りカレーパンで、大辛と中辛の2種類。「あんどぉな」は新食感の揚げあんぱんです。どちらの商品も、関係者試食で「うまい!」「これは売れる!」が連発されるすぐれものです。

それもそのはず、製造は某有名ベーカリーで、中身のカレールゥも大手食品メーカーがベーカリーと共同開発した折り紙つきの自信作なのです。縁あって弊社にて本格商品化に向けたテスト販売をさせたいただけることになり、弊社正式事業化に向けてはりきっております。

揚げ油も弊社研究の末、もっともカレーパンに合い飽きの来ないカラッと揚がるものを選んでいます。おかげさまでテスト販売は大好評で、桐生3回目ではリピーターの方も沢山来られる盛況振りでした。手応え十分です。

来年の弊社は、この商品をはじめとした外食部門の展開を大きなテーマにおいています。果たしてどんな形で、次なる展開に進めますか。がんばってやっていきたいと思います。


<第3位> 相次ぐ企業不祥事。高まる「コンプライアンス経営」の要請!
「偽」の字が「今年の漢字」に選ばれるほど、企業の「偽装」「偽り」が相次いで発生し社会問題化した1年でした。

年初の不二家に始まって、ミートホープ、白い恋人、赤福、船場吉兆にマクドナルドまで…。「偽装」→「謝罪」→「新たな偽り」→「再謝罪」の流れは、見飽きるほどマスコミで繰り返し報道されました。

これら今年の一連の不祥事を問題視する観点が、従来とはやや違う点に気がつきましたでしょうか?
雪印やパロマなど、これまでの「偽装」系不祥事は被害者が出て大問題化されるケースがほとんどでした。今年の問題事件は、すべて被害報告はなくとも「偽装」事実の発覚により企業経営姿勢等が問題視され追求を受けたもので、その発覚も企業の姿勢を問題視した者による内部告発によるものがほとんどです。

これはまさに、世間一般が企業経営に対して、「コンプライアンス姿勢」を最重視していることに他なりません。どんなにいい商品やいいサービスを提供していても、「コンプライアンス」ができていなければ市場から退場を命じられる、そんな時代がやってきたのです。

もちろん、この場合の「コンプライアンス」とは、単なる「法令順守」だけではありません。企業倫理や企業活動モラルといった問題を、どう企業経営の中に浸透させていくのか、それこそが今後の大きな経営課題になっているのです。

私が常々声を大にして言い続けている「コンプライアンス最重視の経営」が、まさに世間一般にも求められるようになった1年でありました。

2007年私の10大ニュース その3

2007-12-29 | その他あれこれ
今日は第6位から

<第6位> "日本一熱い"ブログスタート!
本年9月からこのブログをスタートさせました。きっかけは、年初に自分で目標としていた「書く」ことの習慣化に強制力をもたせること、日々硬軟のテーマを見つけて表現できる力の向上、そして何よりも頭の中にある種々雑多な情報やアイデアを"ひとりブレスト"的に整理できれば、というものでした。

仕事の都合等で週に1回程度の休みは入るものの、なんとか順調に続いてきております。旧知の方々や、まったく見ず知らずの方々との新しいコミュニケーションの広がりは、立ち上げ前には想像もしていなかったほどに力があり、これまでのところ、当初の予想以上に意義深い活動になっていると思います。

現在のテーマは、「企業経営」「官業の問題点」「マスメディアのあり方」「ニュービジネスとマーケティング」「70年代洋楽」といったところが主なものです。どれもこれまでの自己の経歴の中で培われたものをベースに、思うがままに"熱く"書き綴っているものです。ジャンルや見解には偏りがあると、自分でも反省をしている部分があります。
今後益々の知識・経験の自己蓄積をはかりつつ、いろいろな引き出しを増やして、より幅広いものの見方や見識を身につけていきたいものであると、節に思っております。
来年もがんばりますので、引き続きご意見、情報等の投げかけを広くいただければと思います。


<第5位> 「ビルボード・ライブ」オープニングアクトにスティーリー・ダン登場!
10位に登場した東京ミッドタウン、その目玉施設のひとつとして8月にオープンした「ビルボードライブ東京」。そのオープニング・アクトとして登場したのが、ジャズ・ロックの雄スティーリー・ダンでした。

DVD「トゥー・アゲインスト・ザ・ネイチャー」で見たライブハウス・サイズでの彼らの演奏が日本で見れるとは、まさにホッペタをつねりたくなる夢のような出来事でした。
目の前で繰り広げられるフェイゲン&ベッカーと超バカテク・ミュージシャンたちによる、一大スペクタル・ライブに興奮と感動の嵐の70分でした。
一部で物議をかもしたミュージック・チャージ23,000円也の価値は、十分すぎるほどにあったと感じております。

「ビルボードライブ」に関しても、今までの日本にはないハコのコンセプトの目新しさは評価できますし、料理もシートのつくりも大変満足のいくものでした。

「昔の名前で…」ではない、現役クリエーターの迫力と説得力を痛感させられた彼らのライブ。
実は、細かい経緯は省略しますが、このライブでの刺激こそが、私にブログを始めさせる原動力となったのです。その意味からも、とても意義深いライブでした。

ありがとう、フェイゲン&ベッカー!また、日本で会おうね。

2007年私の10大ニュース その2

2007-12-28 | その他あれこれ
私の10大ニュース8位、7位です。

<第8位> 上場企業監査役就任を受諾
本年3月より、東証マザーズ上場企業の監査役を務めることになりました。

昨今のコンプライアンス意識の高まりと、ラブドア事件、カネボウ事件等の影響による企業監査の重要性が従来よりも格段に増す中での就任要請。一般株主や投資家に対する責任等のその半端ならぬ重さから、何足ものわらじを履く身では受けるわけにはいかないと、当初は固辞しました。

しかしながら、経営陣からの重ねての強い要請に、コンサルタントの立場から再度熟考しました。09年スタートのJ-SOX法対応の内部統制監査を監査役の立場で実際に経験することは、コンサルタントの本分たる企業経営への貢献をしつつ今後の自己の成長の上でも意義深いことであるとの結論にいたり、微力ながらお役に立てるならと受諾することとなりました。

監査役の立場は、コンサルタントとは全く異なるものですが、企業を改善し良くするための仕事であることには変わりはありません。コンサルタントとは異なるものの見方や考え方で対応をさせていただきつつ、大変多くのことを勉強させてもらっています。

今後も経営コンサルティングの仕事にも、監査的なものの見方を忘れることなく対応していきたいと思っています。


<第7位> エルトン・ジョン6年ぶり来日で、ピアノソロコンサート
我が音楽の師たるサー=エルトン・ジョンが6年ぶりに来日し、日本武道館で2回のピアノ・ソロ・コンサートを開催しました。伴奏者は一切なし。60歳還暦のエルトンが、約2時間45分にわたり29曲を歌い、弾き、聞かせてくれました。

私にとっては、74年中学2年生時の来日から数えて6度目の来日公演。すべて見ている私に、「見に行かない」という選択肢はもはやなかったのですが、終わってみればいつも通り確実に「本当に素晴らしかった」という余韻が尾を引くコンサートなのです。曲的には、「ニキータ」「リーヴォン」「サークル・オブ・ライフ」が、個人的には今回のベスト3でした。

本当にエネルギッシュな60歳の姿に、感動しきり。同じ亥年生まれの年男として、自分もがんばらねばと決意も新たにした次第でした。

2007年私の10大ニュース その1

2007-12-27 | その他あれこれ
年末も押し迫って参りました。世の中の出来事や個人的な出来事混ぜ混ぜで、とにかくいろいろな意味で自分にとっての10大ニュースを選んでみます。

まず、本日は10位と9位。

<第10位> 東京ミッドタウンオープン!
今春、旧防衛庁跡に東京の新名所「東京ミッドタウン」がオープンしました。「丸ビル」→「六本木&表参道ヒルズ」ときて、ミッドタウンな訳ではありますが、個人的には"街づくり"の名門三井不動産がプライドを賭けた一大プロジェクトとして取り組んだものであり、大きな期待感を持ってオープンの日を迎えました。

ショップ街のコンセプトや空間デザイン等には、注文をつけたい部分があるものの、"ショッピング・モール"ビルや"ビル公園"を作っただけの、丸ビルやヒルズとは違って、やはり企業文化たる「街づくり・スピリッツ」の一端をのぞかせる三井のプライドを感じさせるできばえではありました。

そもそもが、丸ビルは財閥系大地主の三菱地所、ヒルズは金持ちビル持ち系森ビルのプロジェクトですから。三井がその「街づくりコンセプトづくり」の力量の違いをみせつけるものにしたかったのは、まずまちがいないところでしょう。

財閥系ブランド意識のいやらしさが漂う丸ビル。ITバブルでIT関連企業がこぞって集まったこともあり、金持ちの成金イメージが鼻についたヒルズ。それらに比べれば、個人的には間違いなく一番出来がいいように思います。もちろん、その評点のある程度の部分を支えるのが「ビルボード・ライブ」という、70年代洋楽フリークには嬉しい新しいコンセプトの音楽スペースがその中に位置したことにあるのですが…。

さらに別の観点から。
旧防衛庁跡に市場原理で動く新名所ができたことで、行き場をなくした市場原理とは無縁の旧防衛庁の"亡霊"たちが追い出され、防衛庁→防衛省関連の疑惑事件で世間を騒がすことになったかのように思える点も、10大ニュースに入れる価値ありと感じた理由のひとつです。


<第9位> 熊谷で日本最高気温40.9℃を記録
ほんと驚きました。「熱いぞ!熊谷」がキャッチフレーズの当地ですが、本当に日本一になろうとは…。実に74年ぶりの更新だそうです。
今年の熊谷の夏は連日本当に暑かったです。熱気なんてものじゃなくで、熱風、熱射が肌を刺し、外に出れば身の危険を感じるほどの暑さが襲ってきましたから。

でも、ビジネスでは初対面の方々に「日本一暑い街熊谷の大関です」で、印象付けることもできましたし、熊谷自体が知名度アップしてくれたお陰で話題づくりに事欠かず、いろいろな場面で役立てせていただきました。
当ブログの立ち上げに際しましても、そのタイトルで見ず知らずの方々に自分が何ものであるのかを分かっていただく手立てに使わせていただきました。

改めて、日本一暑い熊谷に感謝、感謝です。何でも日本一はいいことだ!
日本一おめでとう!

今日はここまで。

薬害肝炎訴訟 ~ 憂国の「政治決断」

2007-12-26 | ニュース雑感
薬害肝炎訴訟で、遂に国側が議員立法による「一律救済」を打ち出し、福田首相が原告団に謝罪しました。
なぜもっと早くにそれができなかったのか、前回の“線引き和解案”からわずか数日後の“修正”に、どこか割り切れないモノを感じています。

まずは緩めの対応をしておいて、それで済まなければキッチリした対応と謝罪で許してもらう…。相手の顔色うかがいをしながらの対応検討。今年の漢字にもなった「偽」の象徴的事件、食品偽装における責任企業の対応や、“反則一家”亀田家のマスコミ対応となんら変わらないのではないでしょうか。

いつも思うことですが、責任の重さにつりあわない甘い対応をすれば、もっと悪い事態に陥ることがなぜ分からないのでしょう?今回の薬害肝炎訴訟の場合も、他のケースも、同様に言えるのは当事者の責任感の欠如、問題意識の希薄さに他なりません。

自分の「悪事」を軽く見て、ごまかしや嘘で逃れようとして、余計に問題を大きくした点では「白い恋人」も「赤福」も「ミートホープ」も「船場吉兆」も「亀田家」も、皆同じことを繰り返しました。
今回は国までが、全く同じ対応をしてしまったのです。
まずは妥協案を提示してダメなら全面譲歩案を出すというやり方は、国がその責任の所在を全く分かっていないことに他ならないのです。

国やお役所は、組織の責任の連続性を知らないのですか。「私のが入る前の問題だから」「私が担当する前の問題だから」。毎度毎度同じことを言いますが、民間ではそんなことは絶対に許されないのです。なぜならば、「問題から逃げること」=「倒産」だからです。

先の“線引き和解案”提示の際に言われていたのは、財源の問題でした。どこかの官僚が、政治家に耳打ちした結果に違いありません。あの時点で既に、財源のあるなしよりも、国の犯した責任が明確になるような解決案の提示こそが求められる対応だったのではないでしょうか。

これも毎度言っていますが、財源が不足するなら、責任省庁である厚生労働省の全職員が、解決までの間賞与や給与のカットをすればいいのです。それで足りなければ、省庁をひとつの組織とみて、全国家公務員の給与、賞与カットによる「組織責任対応」をすればいいのです。
なぜなら、民間は皆そうやって、先達や他部門の失態であっても、組織を倒産させないために、維持発展させるめに辛酸を舐め苦境を乗り越えて来たのですから。

今回の問題でも、首相を再度の「政治決断」に突き動かしたものは、官僚たちの「国家責任」的責任感からの助言ではなく、内閣支持率の急降下という政治家的危機意識以外の何モノでもなかったのです。あまりに情けない限りです。

国やお役所や役人が、いつまでも旧態依然とした“親方日の丸根性”で、「責任感に裏打ちされた当事者意識」と「組織における責任の連続性と連帯性」を、認識しない限り、同じような問題は何度でも繰り返されるに違いないのです。

<音楽夜話>元ビートルズ4 ~ "私の癒し系"ジョージ・ハリスン

2007-12-24 | 洋楽
ブログで取り上げる元ビートルズのトリを飾るのは、ジョージです。

恐らくビートルズ解散後に一番評価が上昇したのは彼でしょう。解散後ほどなくリリースしたレコード3枚組の「オール・シングス・マスト・パス」とシングル「マイ・スィート・ロード」が大ヒット。"サイレント・ビートル"が遂に沈黙を破り大ブレイクしたのでした。

「オール・シングス・マスト・パス」は本当に楽曲粒ぞろいの素晴らしい名盤アルバムで、恐らくビートルズ時代に書き溜めていながら、ボツにされ続けてきた作品達をまとめて出したら「いい曲ばかりじゃないの」って感じだったんでしょうね。

その3年ほど後、私が洋楽を聞きかじりの頃に深夜放送で盛んに流れていたのは「ギブ・ミー・ラブ」。なんかハワイアン的な曲調がどうも元ビートルズとマッチしなくて、同時期に売れていたポールの「マイ・ラブ」やジョンの「マインド・ゲームス」、さらにはリンゴの「想い出のフォトグラフ」に比べても(実はこれジョージとリンゴの共作です)格下の印象が強く、出会いの段階では「たいしたことない元ビートルズだなぁ」と思った記憶があります。

でもなぜかその後、いつの間にかのことなのですが、どこか気になる存在としてジョージのアルバムは必ず聞くようになってしまいました。大きなインパクトはないのに、投げやりな歌い方と"あんにゅいな"メロディラインは、なにか不思議な魅力があるとでも言うのでしょうか。私にとってはある種の「癒し系」でもあるように思えもします。どこか人柄をにじませる安心感があるんですね、きっと。

リアルタイムで聞いたアルバムでは、「33 1/3」とその収録曲「ディス・ソング」や「人生の夜明け」、カバー曲ですが「トゥルー・ラブ」なんかは、かなりフェイバリット。ひとつ前のアルバム「エクストラ・テクスチュア」(当時「ジョージハリスン帝国」とかいうとんでもない邦題が付いてました)の、「ホワイル・マイギター…」のセルフ・オマージュ的な「ディス・ギター」なんかも最高ですし(ジェシ・エド・ディビスが、本家のクラプトンに負けない泣きのギターを聞かせます)、もひとつ前のアルバム「ダーク・ホース」のタイトル・トラックも大好きでした!その頃のあまりヒットしなかったシングル「ディン・ドン」や「二人はアイラブユー」なんていうのも、けっこう好きでした。

そんな訳で気がつけば、ジョージのアルバムはすべて持っているという立派なジョージファンになりまして、形の上ではビートルズの4人の中で一番のお気に入りと言ってもおかしくない状況になっております(もちろん、ジョンも甲乙つけられないほど好きですが)。

ジョージを知れば知るほど、自分が彼を好きなのにはけっこう納得できる理由があることに気がつきました(自分との共通点発見ということですが…)。
まず第一に、4人の中でもっともユーモアに長けていたとか。ちょっと見はとっつきにくそうでですが、人を笑わせたりくだらないジョークを飛ばしたり、デーブ・スペクター顔負けのオヤジ・ギャグ野郎だったようです。

そして何よりも重要なもうひとつのポイントは、彼の交友の広さとビートルズを気取らない門戸開放の精神と探究心の強さ。ジョンはディランにあこがれていましたが、実際にディランと仲よく交流したのはジョージでした。クラプトンをビートルズに紹介したのも、黒人プレイヤーのビリー・プレストンを「レット・イット・ビー」のレコーディングに参加させたのも彼です。
彼には意外なほどの、人脈形成力や人脈活用力があったようで、恐らくビジネス的な才能の面では彼が一番だったのではないかと思われます。

デラニー&ボニーをクラプトン経由で英国ミュージシャンに紹介して、「スワンプ・ロック」の一大ブームを巻き起こしたのも彼。この「スワンプ・ブーム」なくして、ストーンズの「ベガーズ・バンケット」も「レット・イット・ブリード」もなかったのですから、ジョージがいなければ、70年代ロックの歴史はかなり違った形になっていたと思われます。
そして彼が主催した「バングラデシュのコンサート」。当時時代の最先端と言えるロック史上初のチャリティ・コンサートを思いついたセンス、スワンプとルーツの競演レオン・ラッセルとボブ・ディランを同じステージに立たせたセンスは、今思えば音楽プロデューサーとして大変な才能であったと言わずにはおけません。

レオンが全面参加して、ディランの曲も取り上げた「オール・シングス・マスト・パス」は、元ビートルズで唯一のスワンプ的要素も感じさせるアルバム作りとなった作品でもあり、その意味での歴史的意味合いも小さくないのです(残念ながら、プロデューサーであるフィル・スペクターの"ウォール・オブ・サウンド"的アレンジが、実にミスマッチで「スワンプ色」をかなり飲み込んでしまっていますが…)。

元ビートルズの「今は亡き」というとジョンばかりが語られてしまいがちですが、ジョージはジョージなりに類稀な素晴らしい音楽家であったと本当に思います。
ジョンの命日が12月8日、ジョージの命日もほど近い11月28日です。毎年年末はジョン追悼がらみでのビートルズ関連イベントが、いろいろと開催されるのですが、年末にジョンばかりでなくジョージのことも少しは偲んであげて欲しいなと思うにつけ、毎年この時期に少し寂しい気持になる私です。


サンタのプレゼントは、有馬記念で

2007-12-23 | 競馬
さあ、今年も競馬の祭典、グランプリ有馬記念GⅠの日がやってまいりました。

昨年のディープインパクトような絶対的本命馬は不在ですが、かなり実力拮抗の戦国有馬の様相です。

有馬の経験則ですが大きく分けて3パターン。「復活」「大逃」「大穴」。このところは「復活」OR「雪辱」と読み替え可能な馬の活躍が目立ちます。

前走そして昨年の「雪辱」を期す①武騎手のメイショウサムソンの連対は堅いかなという感じで、狙いは"ヒモ荒れ"です。

引退レースで人気急降下の④ダイワメジャー、①との対戦成績で勝ち越している「復活」を期す②ドリームパスポート。
⑯ウォッカの「雪辱」、⑧ポップロックの鞍上、⑧ロックドゥカンブの未知の魅力にも惹かれますが、「お祭り」に安目を狙っても仕方ないので、①-④、①-②のワイドを「年末ジャンボ」の代わりに購入します。1日早いけど、サンタさんお願いね。

遊び話で、
「大逃」ならば、ここで⑨サンツェッペリン。「ロック-ロック-ツェッペリン」の組み合わせ、⑥-⑧-⑨の3連複は洋楽ファンは買っておかないといけませんかね。

今年の漢字「偽」をキーワードに予想すれば、
偽装発覚→幹部のさらなる偽装→"落第"幹部→ラクダイカンブ→ロックドゥカンブ、って感じですが…。
オソマツ。

<音楽夜話>クリスマス・ソングあれこれ

2007-12-22 | 洋楽
毎年この季節になると、定番のクリスマス・ソングが巷に流れます。

欧米のアーティストたちは、根底にキリスト教的スピリッツが息づいているからか、メジャーになると必ずと言っていいほど、クリスマス・ソングを作ってみたくなるようです。出してはみるものの、まず大ヒットはしないんですけどね。
で今回は、70年代を中心とした洋楽クリスマス・ソングあれこれを紹介します。

クリスマス・アルバムを作っているアーティストも多数いますが、ここはシングル曲限定で。
まずは大物アーティスト、ジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス」は定番中の定番ですが、実は発表当時は全米でチャートインすらしていないのです。意外でしょ。でも名曲ですよね。
同じ元ビートルズでは、ポール・マッカートニーの「ワンダフル・クリスマスタイム」も、企画モノによく顔を出します。悪くはないですが、ポールとしてはいまいちメロディーに冴えを欠いている感じ。この勝負ジョンの勝ちぃ!

個人的ご贔屓スジで、エルトン・ジョン。「ステップ・イントゥ・クリスマス」は、ひいき目もありますが、メロディー、アレンジ、雰囲気とも完璧なクリスマス・ソングです。大推薦盤です。ただ邦題が最悪で、「ロックンロールで大騒ぎ」だと。ヒドすぎです。チャート的にも、記憶では全米90位台が最高位でした。でもホント、ポップでいい曲です。知らない方は、ぜひ一度聞いてみてください。私の70年代"イチオシ"クリスマス・ソングです。

オリジナルではなくカバーですが、かなりイケてるのは、イーグルスの「ふたりだけのクリスマス」。これは有名ですよね。オリジナルは、チャールズ・ブラウン。クリスマスソングとしてはけっこう売れた方で、私の記憶が確かならば、全米TOP40で最高位14位とかじゃなかったかなぁ。曲調はビートルズの「オーダーリン」のようなロッカ・バラードで、「クリスマスには帰ってきてね」と歌うドン・ヘンリーのハスキー・ボイスが泣かせる1曲です。

番外ですが80年代モノでは、ブライアン・アダムスの「クリスマス・タイム」。洋楽クリスマスソングの大定番「ラスト・クリスマス/ワム」と同時代のクリスマス・ソングですけど、個人的には軟弱で女々しいワムの曲なんかよりも数段かっこいいと思います。
大抵のクリスマスソングが、キーボードの軟い音と鈴の音と子供コーラスとか使ってクリスマスムードをかもし出したものが多い中で、これは正統派熱唱系バラードです。私の80年代"イチオシ"です。
ちなにみ、ブライアン・アダムスは少年時代からエルトン・ジョンの大ファンだそうです。なるほど、いい曲書くわけです。

他にも70年代モノでは、ギルバート・オサリバンの「クリスマス・ソング」、グラム・ロックの雄スレイドの「メリー・クリスマス・エブリバディ」、あのクィーンの「サンク・ゴッド・イッツ・クリスマス」とか、忘れじの洋楽クリスマス・ソングがけっこうあります。

12月の声が聞こえる頃から、やけにいい曲に思えてしまうこれらの曲たちですが、不思議と26日以降は急に色あせて聞こえてしまうのです。イベントやトレンドの影響で、見たくなったり、聞きたくなったり、買いたくなったり…。通り過ぎれば、一転チンケに思えたり…。消費行動に与える心理効果ってすごいものがあります。

★エルトン・ジョン「ステップ・イントゥ・クリスマス」動画★
http://jp.youtube.com/watch?v=zs4OkFZWmfs&feature=related

★ブライアン・アダムス「クリスマス・タイム」★
http://jp.youtube.com/watch?v=6gDfCWoGs7Q&feature=related

経営のトリセツ16 ~ 組織における「書く」の必要性

2007-12-21 | 経営
社長の3原則で、「書く」ことの大切さのお話をしました。「書く」ことは、組織にとってもとても大切なことです。

組織の「書く」は、社長の3原則の「書く」とは、少し意味合いが違います。
まずは「記録性」と「通知性」の問題。社長が「今日からこういうやり方を徹底しろ!」と命令しても、なかなか徹底されないという嘆きをよく耳にします。これ、まさに「記録性」と「通知性」の有無の問題です。口頭で指示をしたところで、大抵はその場限り、その場にいた人間以外へは伝わりにくいでしょうし、仮に伝わっても正確には伝わらない可能性大です。

社長の指示や会議で決められたことを徹底するには、あとから言った言わないを避けるための「記録性」と、正確に対象者に伝達するための「通知性」の確保をしなくてはいけません。
すなわち、言ったことや決まったことが徹底されない、すぐに戻ってしまうような組織では、決定事項を記録に残し、対象者に通知するルールの制定は、何よりもまず確立が急がれるところです。

組織内で「書く」のもうひとつ重要性は、重要事項や徹底事項の「見える化」による日常的共有化です。
「書く」は「記録」をして「通知」をすれば終わりではありません。次にその情報を共有できるような「書く」が必要なのです。

情報を共有するための「書く」とは?すなわち紙に書いて“貼り出す”ことです。「ダサい」とか「古くさい」とか言われそうですが、これは科学的に立証されていることなのです。例えば、外出をする際に「今日は赤いものをいくつ見つけられるか気をつけてみよう」と心がけて出かけると、街中の「赤」がやたらに目について、普段は気がつかない「赤」がたくさんあることに驚かせられるのです。これを一般的に「カラーバス効果」と言います。

人間は生活をしていく中で、目や耳から入ってくる膨大な情報の中から、無意識に取捨選択して自分に優先度が高いと思われる情報だけを取り込むように動いているのです。「カラーバス効果」は、その無意識の中でも視覚などからの情報収集により、優先度が高いように意識に刷り込みをはかり、自然と重要事項に関連した情報を素通りさせないようにするのです。

簡単な例をあげると…
社内で経費削減を重要改善課題に掲げ全員に通知したとします。各部長が朝会で「無駄をなくそう」と言うのと、執務室の壁に大きく「小さな事でも、無駄に気がついたら見直ししよう!」と紙に書いて貼り出すのと、どちらが効果があるかという調査をしたところ、後者の方が圧倒的に効果が大きく、一年後には効果に数倍~十数倍の差がでるそうです。

もちろん実際には、「言う」と「書いて貼る」を平行して行うのが、より効果的であることは言わずもがなですが。

「貼り出すよりも一人ひとりに配る方がよくないか?」とか、「全員がいつでもイントラ内アクセスできればいいんじゃないの?」とか、言われることがあります。前者は受け取った者が捨ててしまえば、効果は一過性です。 後者はアクセスされなければ効果ゼロです。
要は、「嫌でも毎日目に入る」ことこそ「カラーバス効果」を発揮することにつながるのです。

ワタミの渡邉美樹社長も、「夢や目標は紙に書いて持ち歩き、毎日見る。そうすれば必ず実現できる」と言っています。これも同じ、カラーバス効果に他ならないのです。

おまけ話で、書いたモノを貼る場所について。
社内掲示板に貼るケースが見受けられがちですが、これは×。掲示板は掲示板としてひとくくりで視覚に入るもので、掲示板という「定型」のものに収まっているイメージにしかなりません。徹底したいことは、あくまで壁に直貼りして、「枠を超えた重要性」を意識させるべきです。
掲示板には、「徹底事項」ではなく休みや賞与支給に関する「連絡事項」等、見ておかないと社員一人ひとりが損をするようなことに限定して、自発的にでも見る情報を掲出するのがいいと思います。

いずれにしましても、組織としての「書く」ことの重要さを今一度、十分に認識して欲しいと思います。

「おい!これをすぐ徹底しろ!」とあれこれ指示をしたい社長さん、本当に徹底したいことは「書面で全員に通知した上に、徹底事項を一言で壁に掲出しておけ!」との付け加えをお忘れなきように。