尊厳の芸術展@芸大

2012-11-29 10:39:05 | タナカ君的日常
 囲碁の対局の無い水曜日、 妻が「先日TVでやってた展覧会に行きませんか?」 と声を掛けてきた。 それはつい先日のNHKTV番組”日曜美術館”で、「GAMANの芸術 戦時下に刻まれた不屈の魂」として放映された展覧会で上野・東京芸術大学構内の展示室で行われている。

 展示されている作品の中には美術品と呼べるレベルに達した動物の彫像や硯の様な作品から、


 収容所での生活を快適に便利にするための道具と呼ぶべき金切りバサミや刃物、表札、椅子、


はては晴れの場で胸元を飾るブローチ、

娯楽のためにチェスのセット、 電気絶縁用の茶色く硬い絶縁ファイバーに白い紙を貼り付けて絵柄を描いて作った花札など、とにかく多彩な作品が並んでいた。


 これらの作品は第2次世界大戦時のアメリカ本土での日系人強制収容所で暮らした人々が作った物であるのだが、端切れの木材、 荒れ果てた収容所の地面を掘ると出てくる小さな貝殻、そんな物で「良くもこれほどの物を作り出せるものだ!」と感心して眺めてきた。 多分、アメリカなどに移住した人々は日本での生活に余裕は無く、喰うために移住した人々が大半で有ったのだろうけれど、 そんな人々でも鉄の端材を加熱鍛錬して刃物を作り、石や木を彫り、 絵画を描き、晴れ着の切れ端を使って人形を作り厳しい生活を乗り越えた。 ”日本人の能力”そんな表現は好みじゃないけれど、やはり意志と能力ある人々の存在を感じないわけにはいきません。

 上野・芸大での展示期間は12月9日まで、 今後、福島・仙台・沖縄・広島などでも展示が行われる予定とか。 それらの地域の皆さんも是非会場に足を運ぶことをおすすめします。


この写真の定食は展示室のある建物に併設された学食で昼飯に選んだおかずの皿です。 料金は710円でした。

 最後に、 展覧会の入場料は無料です。 気楽に出かけて見ませんか。
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